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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。



米国訪問報告
訪問期間(2001.03.18-2001.03.24)
EDANO Yukio / E-mail News Letter Vo.21(2001.03.27)記載分
ENEWSVol.21   



訪米報告

先週お伝えしましたとおり、18日から24日まで、
アメリカ合衆国のワシントンD.C.とシアトルを訪問しました。
順次、その報告をします。

今回の訪問は、財団法人日本国際交流センターが主催する
日米議員交流プログラムに参加したものです。
このプログラムは1968年に始まり、
ほぼ毎年、十人前後の超党派の議員が相互に訪問して、
先方の議員や政府関係者などと意見交換しています。
過去には、小渕前総理や土井元衆議院議長、
アメリカからはTom Foley駐日大使も、
一国会議員として参加しているそうです。
ちなみに、こうした交流の費用は、
財団が民間から集めている資金が元になっており、
外交機密費は当然のこと、税金は使われていません。

今回の訪問は、3月18日(日) 午後2時55分成田発の
ユナイテッド航空884便から始まりました。
ご一緒するのは、
自民党の逢沢一郎議員、伊藤達也議員に下村博文議員、
民主党の原口一博議員、
公明党の白保台一議員、
自由党の達増拓也議員、
それに、国際交流センターの山本理事長が同行されます。

途中、シカゴでユナイテッド航空884便に乗り換え、
午後4時22分、ワシントンDCに到着。
宿泊先のMadisonホテルに入りました。
この日は、森総理の米国訪問と重なり、
このホテルも、日本からの取材陣が多数宿泊していて、
日本人に占領されような形になっていました。
ワシントンは東京よりも寒いと聞いていましたが、
幸い、寒気の去った後で、
厚手のコートでは少し邪魔になるかな、という感じでした。
現地では、日本国際交流センター米国代表の嘉村さんと
職員のMiwa De Silvaさんが対応してくれる上に、
会議にはすべて同時通訳が付いてくれるということで、
英語が弱点の私としては、少し気が楽になりました。

第一日/2001年3月19日月曜日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8:00-9:30
ホテル内で、米国政治事情についての朝食懇談会。
米国側出席者は、Thomas Mann,フ゛ルッキンク゛ス上席研究員、
Jim Barnes,ナショナル・シ゛ャーナル上席記者、
Jonathan Rauch,ナショナル・シ゛ャーナル上席記者 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

○米国側発言要旨

新政権は、中道に寄らず共和党色を強く出して、
その選挙公約を断行しようとしているが、
議会が与野党伯仲していることや、
大統領選挙の経緯に鑑みると、
短期的には良いだろうが、中期的にこの方針で良いのかどうか疑問だ。
議会対策を中心に新政権は、副大統領の経験に大きく依存するだろう。
減税法案は上院で修正の可能性がある。
長期にわたる減税を承認するか、
それとも当面の減税を決定するにとどまるか、
あるいは、減税の対象が低所得者中心か全体かなどという、
修正内容次第で政権の性格が決まってくるだろう。
減税法案は、最終的には、将来の減税部分を弱めることで、
民主党と妥協し、何とか成立させようとするのではないか。

○感想
大統領選挙のドタバタを受けて、
新政権は、若干の混乱をしながらスタートしたとの印象を受けました。
中期的には、ブッシュ父政権の経験者も多い中で、
柔軟・現実路線に戻っていくとは思いますが、
当面は「強いアメリカの強い大統領」というイメージを作るために、
内政・外交とも強硬路線を取りそうで、
若干の危惧を感じます。

10:00-11:00
ホテル内にてAdam Posen,国際経済研究所上席研究員
(元FRBエコノミスト)と経済問題について会談 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

○米国側発言要旨
米国経済は、やや危険な状態である。
政府は、パニックでも起きいているかのように、
慌てて対策を打っている。
一般的な予測は、
2週前までV字型で急速に回復するとの見方だったが、
最近は、低迷期の長いU字型との声もあり、
バブル崩壊後の日本同様、
膨大な過剰生産力を抱えているとの不安もある。
しかし、これは騒ぎすぎで、
いずれ景気の後退期を迎えることはわかっていたし、
その予想の中では、むしろおだやかな進展をしている。


今後、景気と株価は異なった動きをすると見ている。
バブルの大きさは日本と同じで、
株価は当面深刻かもしれないが、金融システムが機能し、
適切な資本・労働力の移動がなされ、実体経済は早く回復する。
金融も税制も先手を打っており、
90年代の日本とは全く逆方向の政策をとっている。
もっとも、2002年に一度回復するとは思うが、
再び落ち込んでW型になる危険はある。


米国で、一般の人がその資金のうち半分以上を
株式投資しているというのは誤解で、そんなに多くない。
株価低落の結果、株で億万長者を目指した人は残念がっているが、
大部分はリスクべッジ(危険分散)できている。
できない層はそもそも無理な株投資をしていない。


なお、新大統領の減税は、
政策論でなく政治論として受け止めるべきだ。


日本は、金融改革すれば立ち直ると思っていたが、
改革すべきタイム・リミットをすぎてしまっている。
9月の時価会計導入を控えて、
日本から資金が流出する危険がある。
米政権は、同盟国日本が長期的にみて
経済的な安定をすることを重視するから、
個別的な貿易摩擦への圧力は弱いが、
金融改革への圧力はますます強まる。
金融改革の結果として、
日銀が金融緩和し円安に振れることは認めるが、
改革おくれによる円急落は認めない。
短期的にはつらくても、2年後3年後に安定することが重要だ。


金融改革のコストは大きいが、
メリットもすぐに出てくるので、マイナスはそれほど大きくない。
日銀は他の中央銀行と異なり、
「銀行制度を守るためにはなんでもあり」という考え方だ。
また、デフレ防止という考えがない。
これ以上できないという言い訳を許すべきではない。
インフレはいつでもおこせるのだから、インフレ誘導すべきだ。
外貨取引によって、為替を引下げればよい。
国債の日銀引受は良くないが、インフレに誘導することも重要だ。


財政赤字の解消は急がなくても良いが、
だからと言って減税政策を取るべきではない。
財政中立型で公共事業費を減税に回すなら考えうる。

○感想
米国経済の落ち込みについて、
それほど深刻には受け止めていないようでしたが、
その分析には説得力がありました。
一方、日本に構造改革を強く求める姿勢は、基本的に同感ですが、
日本の不良債権問題に対して楽観的に過ぎると思います。
乗り越えなければならない痛みであるというところまでは同じですが、
その時の痛みは、決して小さなものにはとどまらないと思います。
日本が不良債権を本当に処理した場合、
一時的な景気後退は大きく、米国経済やひいては世界経済の足を
引っ張る可能性があることを強調しておきました。
せっかく、不良債権処理・構造改革に手を付けても、
その影響が大きすぎるといって、
米国からブレーキをかけられては困るからです。
また、FRB出身と言うことからかもしれませんが、
日銀の金融緩和を過大評価しているのと、
インフレ容認論には、若干の違和感を感じました。

12:30-14:00
ホテル内にて、外交問題に関する昼食懇談会
Dan Bob,元ロス上院議員特別補佐官、
Michael Green,外交問題評議会上席研究員、
Patrick Cronin,米国平和研究所部長/Charles Morrison,
東西セン夕ー理事長、
Doug Paal,アジア太平洋政策センター理事長の3名が出席 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

○米国側発言要旨
米国は、中国重視から日本重視へ転換した。
朝鮮半島政策に関する米韓の差異は、
報道ほど大きくないが、中国とは大きな隔たりがある。
日本は米国にとって重要な「戦略的パートナー」と位置付けているが、
新しいことを進めるよりも、
これまで積み重ねてきたことに関して、プロの処理をしていく。

アジア関係では、インドネシアの安定をどう進めるかに注目している。


NMDはコストを考えてその都度検討する。
配備まで今の時点で決めている訳ではないが、
中途半ぱでなく、可能性をとことん追求する。
TMDは日米協力しているだけで対北朝鮮の牽制になる

○感想
Michael Greenをはじめ、共和党系の皆さんでしたので、
予想どおり対中国強硬姿勢と
日本の軍事力に期待する姿勢が強く感じられました。
ただ、憲法問題をはじめとして、
日本に大きな政策転換を求めるという姿勢ではありませんでした。
現在の憲法や自衛隊を前提とした上で、
可能な範囲についてはより効果的な協力を求めるという姿勢です。
日本の一部で受け止められているような、
外圧と捉えるべきではないようです。

14:30-15:00 
下院議員会館にて
Jim Lesch,下院アジア太平洋小委員長と会談 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

○米国側発言要旨
潜水艦事故をお詫びする。
日米関係は基本的に良好だが、
両国とも経済の低迷、後退という問題を抱えていることが心配だ。
世界的に供給能力が過剰になっている。

中国を孤立させないことが重要だ。
もっとも、一つの中国を認めたからといって、
台湾が中国の軍事的影響力に左右されないようにするのも当然だ。
台湾への武器供与にはいつでも中国の反対があるが、
あくまで防衛用だ。

韓国の太陽政策を支持する。

新大統領は、日本への差し出がましい助言を遠慮気味で、
日本の構造改革は、
まず日本が正しいとして進めることが重要だと思っている。
米国としては、自由貿易を守ることが第一である。

○感想
議会人らしく、人懐っこい気の良いおじさんという印象でした。
時間も短いこともあって、通り一遍の話にとどまったのが残念です。
むしろ印象に残ったのは、議員会館のセキュリティーです。
この後訪ねたペンタゴン(国防総省)や国務省では当然かな、
とも思いましたが、議員会館でも金属探知機のチェックを受けます。
銃が氾濫する国と同じである必要はないかもしれませんが、
日本の議員会館におけるセキュリティー・チェックとは、
雲泥の差です。それだけ日本が平和で安全と言うことでしょうか。

16:00-17:00
国務省にてTomas C.Hubbard,
国務省東アジア太平洋担当次官補代理と会談 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

○米国側発言要旨
この日行われた日米首脳会談は良かった。
経済に積極的に対応することで合意した。
北朝鮮の安定とその軍事力に最大の関心を持っている。

○感想
ごめんなさい、ここだけ、きちんとしたメモが残っていません。
ハードな日程は覚悟していましたが、
この日は特に会議の連続で、少し疲れていたのと、
「政治家ではない政府の高官」で、
特に面白みのある話が少なかったからでしょうか。
ちなみに、私のメモは、電子手帳ザウルスにその場で入力し、
それをパソコンに移してから編集しています。
原口さんはノートパソコンを持ちこんでメモを取っていましたが、
ザウルスならポケットに入りますし、電源も長持ちするので、
日本にいるときから便利に使っています。

19:00-21:00
中国料理MrK'sにてTom Foley,駐日米国大使とのタ食会 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

Tom Foley大使も、日米議員交流の経験者ということで、
森総理訪米に合わせて帰国中のところ、
わさわざ時間を取ってくれました。
主に、大使の30年余にわたる
日米関係に関する思い出話を聞かせていただきました。
下村議員が森派ということで、
この日の夜にハワイへの飛行機に乗る森総理が、
空港への途中で立ち寄り、30分ほど放談していきました。
森退陣を強く求めている野党議員としては、
若干居心地の悪い時間を過ごしました。
森総理と議場以外で会うのは初めてですが、
確かに宴会の場持ちの良い方です。
Foley大使を持ち上げ、
「若い皆さん、頑張って勉強してね」と我々を激励し、
場を和ませて帰っていきました。
ご機嫌な総理を見て、複雑な思いをした夜でした。

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