【韓国訪問報告 第1回】
大型連休を
皆さんはどのようにすごされたでしょうか。
私は、岡田克也政調会長を団長とする
民主党訪問団の副団長として
韓国に行ってきました。
これは、昨年鳩山代表が訪韓した際に、
新千年民主・ハンナラ両党との間で
定期協議の場を設けることを
約束してきたことに基づくものです。
その報告を3回にわけていたします。
□4月28日(日)
○成田発17:00、仁川着19:25の大韓航空機で韓国へ
この日は13:30から大宮で会合があり、
最初に挨拶をさせていただいて成田へ急行。
乗り継ぎさえ良ければ、
指扇駅から成田空港駅まで2時間で着きます。
○21:00~22:00
在ソウル日本大使公邸で大使からブリーフィング。
今回は、民主党としての訪問団ですので、
当然のことながら、移動の車代などを含めて、
大使館には経済的負担をさせていません。
それでも、通訳をお願いしたり
要人のアポイントメントを取ってもらったり、
大使館にはたいへんなお世話になっています。
海外で真面目に仕事をしようとしたら
大使館の協力は不可欠ですが、
一方で大使館を
旅行代理店のように使う議員の話も良く聞きます。
このあたりのけじめのつけ方も、
政治倫理に対する感覚として
問われるところです。
□4月29日(月)
○9:10~9:40
故朴正煕元大統領の娘で
ハンナラ党を離党し新党結成に動いている
朴槿恵(パク・クネ)議員と会談。
朴氏は、新党結成の動機として
政治腐敗を打破して
政治への信頼を回復することを強調しました。
北朝鮮との関係では、
平和共存を原則にすべきとし、
現政権の太陽政策に賛成しながらも、
その具体的推進手法には疑問を呈しています。
離散家族問題などがイベント化しているとして、
きちんと制度化して実施していくことが重要であると強調。
北がしっかりと約束を守ることを確認しながら進めないと
利用されるだけだという認識と理解しました。
大統領選挙への立候補は明言しませんでしたが、
盧武鉉氏とは違うことを強調し、
盧ブームの様子見をしながら
新党の基盤を固めてチャンスを窺っている
との印象でした。
○11:00~12:00
丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官と会談。
長官は、太陽政策4年間の成果として
北も徐々にかつ確実に変化していることを強調し、
日本も、大国としての大きな観点から
東アジアの平和と安定を求める役割を果たすため、
北との関係改善にさらに努力して欲しい、
圧迫よりも説得であると
繰り返し強く発言しました。
日本側からは、
これまで関係改善への期待が裏切られてきたことに加え、
拉致問題や朝銀問題もあって、
日朝交渉の早期進展には懐疑的であるとの見込みを示したのに対し、
長官は、80年代のソ連などを例に出して、
外からは変わっていないように見えていても、
北の内部は大きく変化していると述べ、
重ねて太陽政策の成果に強い自信を示しました。
時として強硬姿勢を示さないと
交渉が進まないと見る日本側と、
太陽政策による内部的変化を認める長官とで、
認識にはズレが残ったというのが
率直な印象です。
○12:15~13:30
ソウル大学の張達重(チャン・ダルチュン)教授をはじめとする
日本研究者たちと昼食を取りながら懇談。
張教授以外の4名の研究者は
韓国で386世代と呼ばれる若手で
私と同世代の人々。
30代を中心に若い世代の
米国離れや政治不信が強まっていること、
その影響もあって、大統領選挙が
世代間の争いとなりつつあることなど、
同世代の皆さんからの話に
興味深いものがありました。
また、韓国でも若い世代を中心に
日本PASSINGの傾向が強まっているとのことで、
危惧の念を抱かざるを得ません。
○15:00~16:45
野党ハンナラ党の李康斗(イ・ガンドゥ)政策委員会議長等
7人のハンナラ党国会議員団との会談。
新千年民主党で盧武鉉が勝利した要因について、
金融危機の際に全体の生活水準が下がったとして
苦しい層が変化を求めているということと、
北への警戒感が薄れていることを指摘。
野党らしい見方であると感じました。
経済危機については、
六兆円超の公的資金を使うことで
表面上は危機を乗り切ったように見えるが、
莫大な公的資金の償還問題や、
製造業や銀行を中心に国内産業が
外資の手にわたってしまったという問題があり、
質的には問題が深まっているとの認識が示されました。
また、個人消費が伸びているのは、
金融機関が対企業融資よりも個人に目を向けた結果であり、
手放しでは喜べないとの指摘もありました。
南北間の人道問題については、
民族の問題であり政府に協力しているとしつつ、
経済協力などこれを超えた課題については
北の出方をしっかりと検証しながら進むべきとして、
慎重な姿勢を示しました。
民族和解と対話そのものは否定しないものの、
金大統領の「太陽政策」については、
交渉のテーブルにつかせることのために
検証なしにカードを切っているとして批判的でした。
融和よりも強い姿勢で迫ることが
北を妥協させるために必要との立場と理解しました。
○17:00~18:00
新千年民主党の大統領候補に決まった
盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏の特別顧問である
南永振(ナム・ヨンジン)・李忠烈(イ・チュンヨル)両氏と会談。
盧武鉉ブームの原因として、
4,600万人の国民のうち、
最大の新聞でも読者数200万人に過ぎず、
2,500万人がインターネットで情報収集していることを指摘し、
保守的な新聞が批判しても
インターネットが盧武鉉氏を守ったことをあげていました。
政治に失望していた40代・30代が支持の中心で、
一般に保守化が進むといわれる40代が
金融危機を通じて最も大きな被害を受け、
保守化せずに改革を求めているとしています。
盧現象が戦後冷戦構造的思考を
終わらせる契機になるのではないかと
期待していました。
韓国はグローバル化が必要であるのに
腐敗や縁故の問題を抱えており、
これを打破する上で、
これまでアウトサイダー的立場にあったことや
原則に従い、あらゆる犠牲をいとわない姿勢が
強く支持されているとのこと。
これからは、
・分裂から統合へ
・縁故から能力主義の社会へ
・価値に立脚した政治体制
という原則が重要であると強調していました。
盧武鉉氏に対しては、左翼であるなどの
ネガティブ・キャンペーンがなされてきたが、
その度に支持率が2%前後上がってきたとのこと。
右左の色分けに対して時代遅れであるとの認識が、
若い世代を中心に一般化してきているとのことで、
日本でも早くそうなって欲しいと感じました。
日韓関係では、
海洋水産部長官として竹島問題に柔軟な対応をし、
国内の政治問題となることを阻止したことをあげ、
過去よりも未来を志向するとの
金大中のこれまでの路線を継承するを明言しました。
○21:00~22:30
在ソウルの日本人特派員等と懇談。
つづく