民主党 衆議院議員 えだの幸男 OFFICIAL HOMEPAGE

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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。

ENEWSVol.30
2001.06.05 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

道路特定財源の見直しが、
小泉改革具体化の第一段として
議論になっています。

道路特定財源とは、
自動車重量税など
道路に関係する税金の収入について、
その使い道を
道路整備等に限定している制度です。

一般の財源とは別に
数兆円の財源が確保されていることが、
結果的に、車の通らない道路など
無駄な公共事業が温存される
原因になっていると指摘されています。

これまでも何度か
見直しの議論がありましたが、
道路族議員等の反対で
挫折し続けています。

今回も自民党内では
猛烈な反対の声があがっていますが、
民主党は、先週のネクスト・キャビネットで、
道路特定財源制度の廃止と
その財源を
使い道を限定しない
一般財源化するとの方針を、
正式に討議決定しました。

民主党内にも反対意見はありましたが、
小泉内閣と改革のスピードを競いあうとの立場から、
鳩山代表等の強いリーダーシップで
これを押さえ込み、
正式決定したものです。

このことで、自民党内の守旧派は、
ますます旗色が悪くなることでしょう。
こうして両党の相乗効果で
改革を前に進めることが
今、最も重要なことです。

道路特定財源を見直すことに対しては、
道路を整備するという目的で
自動車ユーザーに
特に高い税金を課しているのだから、
別の目的に使っては
納税者である自動車ユーザーが納得しない
との反対論があります。

確かに目的税の理屈を言えば
指摘のとおりです。
ですから、民主党の提案では、
二年以内に自動車関連税制全体を見直し、
道路整備の目的税を
環境に悪影響を与える程度に応じて課税する
グリーン税制に転換することにしています。

目的税の理屈は正しくても、
そのことで
利権と無駄遣いの温床が
そのまま放置されるとしたら、
その方が、納税者にとって
問題ではないでしょうか。


 
 

ENEWSVol.29
2001.05.29 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

先週は、政治の世界では久々に
心が晴れ晴れする出来事がありました。
ハンセン病訴訟で、
控訴がなされなかったことです。

私は、小泉総理の決断を、
高く評価します。

薬害エイズ裁判の和解を実現したとき、
私は、菅厚相を支えて走り回る役割を担いました。
その時の、各方面からの抵抗を
良く知っているだけに、
小泉総理の決断は
あの時の菅厚相と同様、
たいへんなことだと思います。

また、弁護士としての立場からは
法務省などが言っている
「最高裁の判断を仰ぐべき重大判決だ」
という理屈を、
支持はしませんが、理解はできます。
だからこそ、形式的な法律論でなく、
総理の政治決断が大切だったわけです。

もっとも、これはスタートです。

ひとつには、
国会の政治決断が必要です。
判決で断罪されたのは、
行政だけではありません。
差別的な法律を放置してきた
国会の責任も問われています。
ここでも、形式的な法律論にはとらわれずに、
明確に責任を認めて謝罪することが、
国会としての見識です。
残念ながら、小泉総理の決断にもかかわらず、
自民党などは、いまだに
国会の責任を明確化することに反対しています。

もう一つは、今後の救済策です。
薬害エイズでも、
和解成立後の救済策の具体化で、
さまざまな抵抗がありました。
小泉総理の決断を、
中身の伴ったものとするために、
今後の具体化の作業を
しっかりと注目し、チェックしていきます。

この問題では、
最終責任者の決断が、
特に重要だったわけですが、
同時に、長年にわたって、
目立たずに支援してきた人々がいることも、
ぜひ知っていただきたいと思います。
違法とされた法律を廃止した菅厚相。
この問題の議員懇談会を引っ張ってきた
江田五月さんや川内博史さん、中川智子さんなどなど。
そして誰よりも
弁護団や市民運動の立場から、
長年にわたって努力してきた皆さんにも、
心からの敬意を表したいと思います。


 
 

ENEWSVol.28
2001.05.22 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

田中外相が注目されています。

外相の活躍のうち、
外務官僚との人事を巡る戦いについては
基本的に支持します。

いちいち憲法を振りかざすのは好きではありませんが
憲法15条第1項には
「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、
国民固有の権利である。」
と明定されています。
一般の公務員は選挙を経ませんが、
そのかわりに、
選挙で選ばれた国会が総理を選び、
総理が選んだ大臣が官僚をコントロールする
という間接的な方法で
この憲法の理念を具体化しているのです。

外相の試みている人事が
本当に妥当なものであるかどうか、
まだ私にはわかりません。
しかし、大臣がその政治責任で人事を動かすからこそ、
最終的には選挙によって
その妥当性を国民が判断できるのです。
また、機密費問題などに本当にメスを入れられるかどうかも、
人事権を掌握できるかどうかにかかっていると思います。
田中外相は、その正しいと思う人事を
最後まで貫くべきです。

一方、中国外相に対して
台湾の元総統である李登輝氏を
2度と入国させない旨、約束したとされる件は、
まったく支持できません。

本日(21日)の予算委員会でも、田中外相は、
「相手のあることなので」との理由で
約束したのかどうか、明確な答弁をしませんでした。
確かに、中国側の発言を軽軽に公開することは、
相手との信頼関係を損なうことになります。
しかし、日本側の発言を日本の外相が公開しても、
一般には、そうした問題にはなりません。
言ったのか、言わなかったのか、
あいまいなままに置かれるほうが、
むしろ、日本外交の信頼を損ないます。

そもそも、李登輝氏入国問題には
毅然とした姿勢が必要です。
現在は私人である李登輝氏に入国を認めたとしても、
日中共同宣言には、まったく抵触しません。
中華民国を承認したり、
台湾独立を支持したりしない限り、
一つの中国と言う原則には反しません。
台湾側に、政治的意図がなかったとは
言えないかもしれませんが、
それを顕在化させていない以上、
台湾に住む隣人との私的民間交流を
中国政府から口出しされる理由はないのです。

例えば、歴史認識問題については、
少なくともアジアの国々との関係で、
日本が加害者であったことは事実ですから、
それを受け入れるかどうかは別として、
中国などから注文がつくことそのものには、
私たちも一定の理解をすべきだと思います。
しかし、この問題はそうした過去の問題とは違います。
中国が何と言おうと、
日本の主権の問題として
入国を認めるのが当然です。

この原則を踏まえない限り、
これまで同様の「土下座外交」が
これからも続くことになってしまいます。
改革を目指すなら、まずこの
「土下座外交」を転換すべきです。


 
 

ENEWSVol.27
2001.05.11 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

9日の本会議で、
小泉総理の所信表明演説に対する
代表質問を行いました。

トップバッターが鳩山代表。
2番手の山崎自民党幹事長を挟んで
3番目の質問です。

鳩山質問に対する答弁を受け、
原稿なしで聞いた部分も多かったので、
質問全文は
速記録ができた時点で、
ホームページに掲載します。

「小泉総理は、
先日の所信表明演説において、
痛みを恐れず、
また、既得権益の壁にひるむことなく、
構造改革を推進する
と宣言しました。
この言葉は、
私が、政治活動を始めてから8年間、
訴え続けてきた姿勢そのものです。
政党政治の下で、
小泉さんと私は、党派を異にしています。
しかし、政党のために政治があるのではなく、
目指すべき政策を実現するために政党があることは、
言うまでもありません。
改革が本当に前に進むのであれば、
私は、党派を超えて、
これを全力で支援したいと思います。」

と切り出した上で、
改革の具体的な中身について
質問をしました。

小泉総理の答弁を聞いて、
「改革への強い意欲」については、
信頼して良いと思いました。

ただ、改革の具体策については、
まったく答えていただけませんでした。
また、ニュースで取り上げられた部分を除いて、
ほとんどの答弁が、これまで同様の
いわゆる官僚答弁でした。
どんなに意欲があっても
自分で具体案を示さずに
官僚の出してくる案に頼っていては
結局、骨抜きにされてしまう危険があります。
この点がたいへん心配になりました。

実は代表質問では、答弁以上に
興味深いことがありました。
小泉さんが改革に前向きの答弁をしたとき、
拍手があがるのは民主党席の方で、
自民党席の方は、
当選1、2回生の座る前列の一部を除くと
シーンと静まり返っていたのです。
後でNHKのビデオをみると
拍手をしないどころか、
自民党席の後ろのほう、
つまり、当選回数の多い人たちは
苦虫をつぶした顔で
小泉答弁を聞いていました。

要するに、小泉さんのいう
「改革に抵抗する勢力」とは
自民党(若手の一部を除く)であることが、
予想以上に明確になったということです。
民主党内がバラバラだという
心配をいただいていますが、
私の質問に対してはもちろんのこと、
小泉さんの改革決意答弁に対しても
ほぼ全員が拍手をしている姿を見て、
心配はない、と確信しました。

小泉さんを応援しながら
自民党の旧体質と戦うのは、
政治の常識からすれば、
困難どころが非常識かもしれません。

しかし、小泉さんが挫折して
自民党内と妥協しない限り、
永田町の常識には反しても
このスタンスを貫いていこうと思います。

最後に、多くの皆さんから
質問に対する感想をいただきました。
たいへん励みになります。
ありがとうございました。

 
 

ENEWSVol.26
2001.05.07 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

いよいよ小泉内閣が 本格的にスタートします。

ここまでの政権運営、
つまり、党三役や閣僚の人事については、
おおむね評価すべきだと思います。
新聞報道などを見ると、
いろいろと派閥の影響に関する疑問点もあがっていますが、
とにかく、「変える」という意欲を
強く示した人事であることは
間違いありません。
改革に向けた第一関門はクリアーしました。

いよいよ今週から国会論争が始まり、
改革の具体的な中身が
問われることになります。

総論のスローガンなら
目をつぶれる人たちも、
具体的に
自分たちの利権を奪われるとなれば、
猛烈な抵抗を示すでしょう。
本当に改革を進めるのであれば、
国民的人気の高いこの時期に、
具体的な改革案を示し、
流れを作ってしまう必要があります。

小泉さんが本気で改革する意思があるならば、
時間がたてばたつほど自民党守旧派の抵抗が激しくなるので、
ここは短期決戦に出るべきだと思います。

時間がたつほど
自民党守旧派の抵抗が激しくなりますし、
国民的期待感も
いずれは下がっていきます。
本気で改革する意思があるならば、
こうしたことは
当然、分かった上で
短期決戦に出るべきだと思います。

こうした視点から、
今週から始まる国会論争では、
改革の具体的な中身を
できるだけ詳しく問いただしていくべきだ
と思います。
もちろん、
きちんとした前向きの具体論には、
民主党としてもこれに協力することを
明確にしていきます。

今週、本会議で行なわれる
代表質問は、
鳩山代表とともに、
私が担当することになりました。
来週になると思われる
予算委員会の質疑は、
菅幹事長と岡田政調会長です。

最終的な質問事項は、
鳩山さんとの役割分担で決まりますが、
以上のような視点で
取り組みたいと思っています。

代表質問は、
9日、水曜日の午後1時からで
NHKの生中継がある予定です。
私の質問は、
2時40分くらいに始まります。
お時間のある方には
ご覧いただいて
ご意見を賜れれば幸いです。

 
 

ENEWSVol.25
2001.04.26 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

自民党の総裁が小泉純一郎氏に決まりました。

小泉氏が唱える
経済構造改革・財政再建などのスローガンは、
概ね私や民主党の主張と同じです。
そして、党内や永田町の論理を打破し
無党派という名の
サイレント・マジョリティーに顔を向けた政治を
目指そうとしている点で
強い共感を覚えます。

しかし、問題は
これを貫けるかどうかです。
世論の風向きに驚いて
多くの自民党議員が
小泉氏に擦り寄っています。
しかし、亀井氏に代表されるように
つい数日前まで
小泉氏の政策と自民党改革を否定していた人々です。
残念ながら本音は
小泉氏の人気は利用したいけれど
その改革は骨抜きにしたいという人々です。

小泉氏は、この矛盾に直面しています。
自由民主党総裁として
これをどう乗り越えるのかが問われています。

私も、また、民主党としても
良い政策が実現できれば良いのですから、
自民党政府からの提案でも
良いものには当然賛成します。
また、これまでにも増して
議員立法や具体的政策提言を進め、
小泉氏からの提案を促していきます。

しかし、どんなに議員立法を提案しても
自民党がイエスと言わない限り
国会で審議すら、なされません。
また、小泉さんの政策は
自民党の党内手続で了承されなければ
国会に出てきませんから
民主党がいくら賛成しても、
法律化して実現することができません。

小泉氏が本当に改革を断行するなら
党派を超えて協力すべきだ
というご意見もあり、
私も基本的には同感です。
しかし、小泉氏が
自民党総裁としてリーダーシップを発揮し、
野党提案でも国会審議に乗せたり、
自民党内をまとめて国会に法案を提案したり、
場合によっては
党内手続を無視して法案提出をするなどしない限り、
協力しようがないという現実もあります。

小泉氏の覚悟が本物であり、
自民党内の面従腹背を抑えこむことを、
期待しつつ、また、促しつつ、
注意深く見極めたいと思います。


 
 

ENEWSVol.24
2001.04.17 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

自民党の総裁選挙は、
構造改革か景気対策かという論点で
「政策論争」が繰り広げられています。
しかし、その中身については
少しピントがずれていて、
誤解と混乱を招くと危惧しています。

誰も、「景気対策はどうでも良い」
と言う人はいませんし、
「構造改革が不必要」と言う人も
「財政再建はどうなっても良い」
と言う人もいません。

争点とすべきは、
構造改革か景気対策かではなく、
公共事業で景気対策の効果があるのか
であり、
どうしたら構造改革が進むか
であり、
景気回復で財政は立ち直るのか
であると思います。

残念ながら、こうした本質については
少なくとも表に出てきていません。
公共事業が雇用と景気の下支えに
一定の効果があることは
私も否定しませんが、
財政赤字が拡大することや構造改革に逆行することで
全体としては景気にマイナスであると思います。

構造改革を進めれば、
失業等の痛みを伴いますし、
既得権益を侵害しますから、
セーフティーネットを整備するとともに
既得権益のしがらみを断ち切る必要があります。

景気回復すれば金利が上昇しますから
借金漬けの日本の財政の下では、
景気回復による税収の自然増があっても
財政はかえって悪化します。

こうした論点に対して
「景気重視派」と言われる橋本・亀井・麻生の三氏が
どう答えるのか。
小泉氏は、こうした議論を理解した上で
「構造改革」を強調しているのか。
しっかりと見極める必要があるのではないでしょうか。
メディアも、せっかく報道するのであれば、
こうした点をしっかりと詰めて欲しいと思います。


 
 

ENEWSVol.23
2001.04.12 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

今週は、発信が遅れてしまって、申し訳ありません。

政治のニュースは、自民党総裁選挙一色で
民主党のニュースはもとより
政策についての報道までかすんでしまっています。
辞めることが確定している内閣では、
国会答弁にも責任を持てませんから、
国会審議も、事実上ストップしそうです。

こうした時に、民主党として大切なことは
報道されないことに焦って
パフォーマンスに走ることではありません。
連休明けの新政権発足に備えて、
政策論争を挑んでいく準備を
地道に積み重ねておくことだと思います。

それにしても自民党は
相当混乱しているようです。
田中派・竹下派以来、
鉄の結束を誇ってきた橋本派の中から
橋本氏擁立に強い異論が噴出すというのは、
まさに、時代が変わったことの証明です。
当選回数至上主義や、カネとポストによる締め付けが
橋本派の中ですら通用しなくなりつつあるようです。

最終的にどうなるかは分かりませんが、
政治全体が、前向きな世代交代に
着実に進みつつあることは
間違いないでしょう。

混乱のもう一つの象徴は
亀井政調会長の打出した公約です。
経済構造改革を先送りし
公共事業のバラマキを継続するだけでなく、
消費税減税という人気取りまで言い出しました。
経済政策を見ると
亀井さんに最も近いのは共産党です。

自民党守旧派こそが
ある意味では最も社会主義的である
と、言っていたことが
冗談ではなりつつあります。

この亀井さんが、
レーガン・サッチャーとともに
自由経済論を徹底させようとしたと言われている 中曽根さんの流れをくんでいるのですから
まったく訳がわかりません。

「年金・医療・介護・雇用保険などの
セーフティーネットはより厚く。
経済そのものはより自由に」
という民主党の基本理念が一層重要になっていると思います。

 
 

ENEWSVol.22
2001.03.29 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 

枝野幸男・緊急発言
「薬害エイズ裁判について」

訪米報告の続きを予定していましたが、
少し先送りして、
昨日の薬害エイズ安部被告判決について述べたいと思います。

私も弁護士の端くれですから、
安部被告が起訴されいてる
「業務上過失致死罪」の立証が
殺人とか窃盗とかの故意犯より難しいと言うことは
十分にわかっているつもりです。
また、世論や被害者の感情よりも
「疑わしきは罰せず」という基本を
最優先しなければならないこともわかってます。

しかし、今回の判決はひどすぎます。

まだ、判決全文の詳細な検討はできていませんが、
公表された判決要旨を読むだけでも、
明らかに常識に反する文言が続いています。

専門的になりますが、少し説明します。

判決要旨によると、安部被告は、
感染被害の危険を予測可能だったけれども
その程度は低かった、としています。
しかし、いやしくも医師の生命の危険に対する予測可能性を、
程度問題で語って良いのでしょうか。
死ぬかもしれないけれど、
可能性が低いから良いとはならないのは当然です。

さらに判決は、
危険な非加熱製剤の使用と、安全なクリオ製剤の使用について
比較衡量して、非加熱製剤の使用をやむを得ないとしています。
確かに、非加熱製剤の使用に
「程度の問題」はともかくとして、
死の危険があったとしても、
その危険を超えるような利益との比較衡量によって
免責される場合があります。
しかしそれは、例えば
放置したら確実に死に至る病について
リスクがあっても手術に踏み切るとか、
長期的に著しい生活の困難を生ずる病について、
リスクを認識した本人の承諾の下に手術するとか、
いずれにしても、
生命の危険と比較できる利益は
相当限定的に捉えられるはずです。
ところがこの判決では、
自己注射が可能であることなど
治療に便利であるという利益を
生命の危険と比較衡量して
安部被告を免責しています。
明らかに国民の常識とずれています。

列挙すればきりがありませんが、
こうした判決が許されるとしたら
法による正義などというものは
存在しないことになります。

司法の独立と言うことも
大変重要であることは分かっています。
しかし、その中核にあるのは、
行政権を中心とした政治権力によって
司法が歪められてはならない
という点にあります。
市民の常識に反する裁判に対して
権力とは異なる立場から批判することは
司法の独立には反しません。

あらゆる手段を駆使して
非常識な裁判と戦っていく決意です。

 
 

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