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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。

Vol.204(2009年05月01日)

【憲法記念日と消費者行政】

私が担当者として対案を提出していた
消費者行政の一元化問題について、
与野党の合意が成立し、
政府案を修正の上、成立することになりました。

私は、本当に消費者行政を一元化するためには、
その司令塔を内閣の外側に置く必要があると主張してきました。
また、消費者被害の救済に直接対応する
地方の消費生活センターを充実させるためには、
国が直接に財政負担を負うしかないとしてきました。
どちらの点も大幅な譲歩を引き出し大きく前進させましたが、
与党の抵抗で本質的な解決は今後の課題に残りました。

実はどちらの問題も、消費者行政の問題というよりは、
内閣制度や国・地方の関係という憲法的な問題です。

憲法上、行政権を持つのは「内閣」という合議体であって、
内閣総理大臣ではありません。
各省庁は「内閣」という合議体の決定に基づいて、
それぞれの所管を「分担管理」する制度になっています。
内閣総理大臣個人や消費者行政担当大臣個人が、
何らかの決定権や指揮権を持って、
他省庁の「分担管理」する事務に口出しすることはできない建前です。
よく言われる役所の「縦割り」というのは、
このような形で憲法的に決められている制度であって、
その弊害を除くことはできても、
「縦割り」そのものをやめさせることはできないとされているのです。

消費者問題というのは、
世の中のほぼすべての事項に生じる可能性のある問題です。
本当に消費者行政を一元化するには、
他省庁の「分担管理」している事務に対しても、
消費者の立場から遠慮なく口出しする必要があります。
ところが、現在の内閣と与党の憲法解釈では、
「内閣」という全会一致で運営されている合議体以外に、
消費者庁のような他の省庁はもとより、
総理や消費者担当相などでも口出しできません。
私たちは、憲法に規定された「内閣」の外に司令塔を置くことで、
各省庁に遠慮なく口出しできる構造を作ろうとしました。

地方の消費生活センターの問題は、
地方自治の位置づけという点で憲法的です。

消費者行政の充実・一元化は、
内閣という国の機関が決定して推進しているものです。
しかし、その中核を担う地方消費生活センターの設置・運営は、
地方の「自治」事務とされ、
その費用も地方の自主財源でまかなわれます。
本来の地方「自治」とは、
国の意思にかかわりなく、
住民の自己決定で進められるべきものです。
国で音頭をとって充実しようとしながら、
せいぜい奨励的補助金を少しばかり付けるだけで、
後は全国の自治体が自分たちの負担で推進してくださいというのは、
自治体を国の下請機関と見ているとしか受け取れません。
全国どこでもほぼ同じように実現すべき問題については、
国が少なくとも費用を全面負担すべきであり、
逆に地方財源で担うべき問題については、
やるやらないを含めて地方の「自治」に委ねるべきです。
野田消費者担当大臣は、
「地方の取り組みに期待する」と繰り返し答弁しました。
野田さんとは、
男女共同参画や不妊治療問題など
多くのテーマで党派を超えて協力している仲間ですが、
この姿勢については「自治」についての認識を欠いていると思います。

本来、中央政府と地方政府の関係というのは、
憲法の基本的重要事項として、
ある程度詳細に記述されるべきですが、
日本国憲法ではこの点が抽象的記述にとどまり、
現行憲法の最大の欠点です。
結果的に中央政府が地方を都合よく利用する
現在の国のかたちが出来上がっており、
地方消費者行政の充実もこの流れの中で進められています。

憲法というと、どうしても9条に焦点が当てられます。
歴史的にやむを得ない側面があるのは認めますが、
統治機構の構造という本来の憲法の本質部分にも目を向け、
特に、それが縦割り行政を生み、分権を阻害している点にこそ、
最大の焦点をあてる必要があると思っています。

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