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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。

Vol.196(2008年7月15日)

【決算行政監視委員会国内視察報告】

私が委員長を務める衆議院決算行政監視委員会では、
6月30日から7月2日までの三日間、
国内視察を行いました。

委員会による視察は、
ともすると物見遊山的になりがちとの批判もあり、
税金のムダづかいをチェックする委員会が
みずからムダと指摘されることがないよう、
きちんとした目的意識を持つことが重要です。
今回の視察では、
東京からでは最も分かりにくいと思われる
離島や国境周辺地域における行政の実態把握を
目的に位置づけました。

○第一日 6月30日(月)

9時羽田発11時30分着の日航機で那覇へ。
昼食後、海上保安庁那覇航空基地で
第11管区海上保安本部長等から概況説明を受けた後、
13時30分ころ那覇空港を海上保安庁のYS11で出発。
3時間ほどかけて尖閣諸島周辺における
国境警備状況を上空から視察。
那覇空港帰着後、17時30分ころから
那覇市内の内閣府沖縄総合事務局において
19時ごろまで総合事務局長等による概況説明。

□
尖閣諸島周辺においては、
周辺諸国からの領海侵犯事案が生じています。
海における国境警備は海上保安庁の担当なのですが、
自衛隊の活動や体制については一定の認識がされていても、
海上保安庁については必ずしも関心が高くありません。
尖閣諸島をはじめとする懸念地域を多く含む
日本の最南西端海域は第11管区が担当していますが、
船舶・人員の不足や装備の老朽化が目立ちました。
第11管区所属の船舶が不足しているために
日常的に他の管区から応援を受けている状況ですし、
私たちが搭乗した飛行機も、
民間では使われなくなったプロペラ機のYS11でした。
また、地図の上からは理解しているつもりでも、
尖閣諸島と沖縄本島との間でもたいへんな距離があり、
つまり、それだけ広い領海が存在するということを
改めて実感をさせられました。
自衛隊が出動しなければならないいわゆる「有事」は、
起こしてはならない事態ですが、
海上保安庁が対応すべき領海侵犯などは
現に年に数十回発生しているのが実情です。
この事態に迅速・適切に対応できる状況を確保するためには、
海上保安庁の体制強化が不可欠であると認識しました。
行政の効率的運営という観点からは、
自衛隊、警察、海上保安庁など関連機関の連携と関係を
もう一度白紙から見直す必要があると思います。

○第二日 7月1日(火)

9時にホテルを出て10時前に沖縄平和記念公園へ。
献花の後、資料館を視察。
1時間ほどで那覇空港へ向かい
12時5分発12時50分着のJTA機で宮古島へ。
昼食後、14時前後から1時間弱ほど
航空自衛隊宮古島分屯地(最南最西のレーダー基地)を視察。
15時ころから沖縄総合事務局平良港事務所で
30分余り概況説明を受けた後、
16時30分ころまで伊良部大橋建設現場を視察。
来間島大橋を経由した後、
17時過ぎから30分余り福里地下ダムを視察。
18時過ぎから30分余り
沖縄電力の風力発電システムを視察。

○第三日 7月2日(水)

9時にホテルを出て9時30分発の船に乗り
15分ほどで伊良部島へ。
伊良部島と橋で結ばれている下地島へ移動し、
10時から1時間ほど下地島空港を視察。
11時30分発の船で宮古島に戻り
13時25分発14時15分着のJTA機で那覇へ。
15時発17時20分着の日航機で羽田に帰着。

□
山間の過疎地域を訪問する機会は多々ありましたが、
残念ながらこれまで、
離島を訪ねたことはありませんでした。
行政改革による効率化を目指すにあたって、
山間の過疎地とともに離島の実情をどう考慮するのかが、
一つのポイントだと思っています。
まったく行ったことも見たこともないままに、
机の上の理屈だけで
離島を切り捨てることはできません。
そうした観点から、
一度は離島の実情を見てみたいと思っていました。

様々な離島振興策の効果で、
宮古島の農地整理はほぼ完成し、
しかも、雨水を地下水として貯水する
地下ダムシステムという画期的な事業で、
農業用水も十分確保されるようになっています。
また、宮古島を中心として周辺に6つの島がありますが、
このうち来間島を含めた3島は橋で結ばれ、
今さらに、伊良部島との間の橋が建設中です。
3kmを超える無料では最長の橋が、
珊瑚の海に出現しつつありました。
島内の道路もきちんと整備されています。

いずれの事業も一定の成果を挙げていることは間違いありませんが、
費用対効果を考えると必ずしも効率的ではありません。
伊良部島で数千人、来間島には数百人の島民しか住んでいない以上、
ある意味で当然の帰結です。
一方で、宮古島にはいわゆる全国紙が事実上届いていないとか、
那覇に出るにも航空運賃が高くて
なかなか機会がないなどという離島の置かれている状況を踏まえると、
ただ単に費用対効果だけで考えることはできないと思います。
宮古島で1時間程度、伊良部島では30分程度で一周できる島内で、
他の地域との行き来も簡単にはできない状況にあり、
生活物資もすべて航空機や船舶による移送に頼っている状況は、
本土の過疎地域と比べても相当困難な状況と言えます。
例えば宮古島では米が作られておらず、
主食をすべて島外に依存しています。
離島には人が住まなくても良いという極端な論に立たない限り、
一人当たり投資額などの数字では割り切れない対応が
どうしても必要であることも痛感しました。
効率性が求められる行政の「仕事の仕方」と
効率性だけでは図れない「行政がやるべき事」とを明確に区別し、
費用対効果だけでは図れない離島振興などの予算を確保するためにも、
効率的な「仕事の仕方」をさらに徹底させる必要があると考えます。

また、下地島空港は日本で唯一の訓練用空港ですが、
広い海と人口密度の低い離島だからこそ、
こうした施設が成り立ち、
一定の地域振興になっています。
観光に加えてこうした離島の弱点を強みにするような工夫を、
これからますます考えていく必要がありそうです。

議員の視察については様々なご意見がありますが、
その結果を活かしていけなければ
ムダという批判を免れないでしょう。
今回の調査結果を今後の政策活動にしっかり活かしていくことが
最低限の責任だと思っています。

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