民主党 衆議院議員 えだの幸男 OFFICIAL HOMEPAGE

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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。

Vol.189(2008年1月8日)

【政治決戦で何を競うのか?】

新しい年を皆さんいかがお迎えでしょうか?

年明けからどのメディアも
今年は一大政治決戦の年と伝えています。
私もまったく同感ですが、
ただ単に民主党対自民党の政治決戦と見てしまうと、
若干、矮小化した捉え方になると思います。
長期政権を続けてきた自民党に対して、
新興の民主党が成長し
ようやく互角に近い政治決戦を迎える訳ですが、
それだけでは永田町の権力闘争にすぎません。
私は、それを超えて、
第二次世界大戦後、六十年余続いてきた社会構造、
さらには明治維新以来、
百四十年にわたって続いてきた社会構造を、
いよいよ転換するのかどうかの
社会的意味を持った政治決戦に
しなければならないと思います。

高度経済成長をもたらした
ある時期までの自民党政治に対して、
私は一定の評価をしています。
しかし、経済的に欧米キャッチアップを果たし、
むしろアジア各国などから追われる立場になった今、
また、ハングリー精神が乏しくなる代わりに
少子高齢化という難問に直面している今、
高度経済成長時代の政治・社会システムが
上手く機能するはずがありません。
1945年の敗戦時に目指した社会、
つまり欧米のように経済的に豊かな社会を実現させた
自民党による政治・社会システムは、
その歴史的役割を終えており、
安倍前総理とは逆の意味で
戦後レジームからの脱却が必要です。

同時に、第二次大戦後に目指したてきた
欧米キャッチアップという目標は、
富国強兵・殖産興業という明治維新の社会目標から
「強兵」だけを除いたものとイコールです。
つまり、高度成長をもたらした自民党政治というのは、
明治維新の目標を達成したという側面もあります。
明治維新によって作られたこの国のかたちを、
欧米キャッチアップ型から転換することが、
今、政治に求められているのだと思います。

明治維新以来続いている
欧米キャッチアップのためのシステムが、
中央集権・官僚主導型国家であり
管理型・上意下達型の社会です。
目標とモデルが明確ならば、
こうしたシステムは合理的です。
みんなが豊かになりうる成長期には、
こうしたシステムで多くの人が
達成感・充実感を得ることができました。
しかし、目標やモデルを明確にしにくい現在、
また、必ずしも万人が豊かになりうる訳ではない現在、
むしろ従来のシステムは
矛盾だけを拡大させています。

分権型・住民参加型の国家と
多様性を重んじる社会に転換するために、
政治が大きく転換する。
そんな政治決戦にしていかなければならないと
決意しています。

Vol.188(2007年12月20日)

【失敗にどう対応するか?】

年金問題への対応をきっかけとして、
福田内閣の支持率が急落したようです。
年金問題にしても、
同じ厚生労働省の薬害肝炎問題にしても、
構造はまったく同じだと思います。
それは、過去の失敗を素直に失敗と認めるという姿勢が、
決定的に欠如していることです。
むしろいかに責任を最小化するかと、
いかに事実を隠ぺいするかということに、
大きなエネルギーが注がれています。

消えた年金は、昨年の今ごろから
民主党が繰り返し指摘を続けていました。
問題ではないとしてこれを無視し、
追い込まれてからようやく対応しました。
しかも「消えた年金」が簡単に回復されるかのような
大風呂敷の公約を掲げ、
実現不能であることが明らかになった今、
辻褄合わせに汲々としています。
そもそも早くから真摯に対応していれば、
参議院選挙の帰趨を決するような
大争点にはならなかったかもしれません。
また、事態の深刻さを率直に認め、
できない約束を軽々にするのではなく、
はじめから、より大掛かりで抜本的な対策を進めていれば、
今ごろまでには全体像を把握し、
いつごろまでに一定の結論を出せるかが
見えてきていたかもしれません。

薬害肝炎について言えば、
厳密な法律論争以前の問題として、
命と健康を守るべき厚生省が認可した薬によって、
本来ならば感染するはずのない病気に感染した以上、
厚生省に責任があることは間違いありません。
にもかかわらず厚生省は、
この一般的意味の責任に頬かむりをして、
裁判所で立証された法的責任という話に
ものごとを矮小化しています。
被害者の皆さんの怒りは、
感染をさせられたことと同時に、
いかに責任を小さく見せるかという
一種の自己保身に走っている国の姿勢にも
向けられていると思います。

食品偽装問題等の企業の不祥事においても、
いかに率直に責任を認めて速やかに謝罪するかが、
企業が生き残れるかどうかのポイントだと言われています。
言い訳や誤魔化しをすればするほど傷口が深くなって、
回復不能な打撃を受ける結果になっています。

素直に率直に非を認めて謝罪することで、
行政に対してであれ、企業に対してであれ、
再出発に期待しようという余地が初めて生じます。
自己保身のための責任逃れは、
むしろ怒りを増幅させ、
自己保身にすらならないのです。

過ちをみずから認めることは難しいことです。
しかし、人間なら必ず過ちを犯します。
そのときにどんな対応を取れるかで、
その人間や組織の本質が見えてきます。
私も「過ちを改むるに憚ることなかれ」という姿勢で、
常に真摯に対応するべく肝に銘じていきたいと思います。
今年を象徴する一文字は「偽」でした。
来年はこれを「転」にしたいと決意していますが、
これが実現するかどうかも、
この姿勢をしっかりと持てるかどうかにかかっていると思います。

Vol.187(2007年11月13日)

この間の民主党をめぐる混乱について、
特に民主党にご期待いただいてきた皆さんに、
心からお詫び申し上げます。
既にご存知の通り、7日の両院議員懇談会で、
連立は考えずに選挙での政権交代を目指すことが確認され、
再出発を図ることになりました。

私は、民主党が大連立を模索するなどということは、
とうてい許されるものではないと考えます。
同時に現在は国会開会中であり、
後に述べる議会の役割を考えると、
混乱は早期に収拾する必要があります。
国民の皆さんのご理解をいただくことは難しいと思いますが、
両院議員懇談会で結論を出した以上、
困難な道でもお詫びしてご理解をいただく努力と、
地道に本来の議員としての活動とを
進めてまいりたいと思います。

大連立が許されない第一の理由は、
選挙による政権交代を訴えてきた立場と矛盾すると受け止められ、
国民の多くの皆さんの理解を得られるものではないことです。
参議院選挙で訴えた約束の中には、
マニフェストに掲げた政策だけではなく、
総選挙での政権交代を目指すという姿勢も含まれていたと思います。
選挙に勝ったら自民党と連立するかもしれないと言っていたら、
これだけの議席はいただけなかったと思います。

さらに重要なことは、
議会の役割をみずから放棄することになることです。

議院内閣制における国会の役割は二つあります。
一つは、内閣総理大臣を選任するという仕事です。
議会の多数派が与党となり内閣を構成します。
そして多数派を背景に法律を成立させて政策を実行します。
もう一つは、内閣=行政府をチェックするという仕事です。
自衛隊の給油問題や薬害肝炎問題、消えた年金問題をはじめ、
内閣の内部チェックでは明らかにならない問題を、
議会での質疑を通じて明らかにする努力をしています。
私も10月31日の厚生労働委員会で、
薬害肝炎問題の解決に向けた質問を行いました。
8日の党肝炎対策本部でも、
厚生労働省は求めた資料の提出に応じず、
悪質な情報隠蔽を続けています。

与党議員はみずからが内閣を構成し支えるのですから、
チェックするとしても内部チェックが基本で、
その役割は相対的に小さくなります。
その分、行政の外側から議会質疑を通じて行政府をチェックすることは、
野党議員にとっての最大の役割ということになります。

議会の中に野党がほとんど存在しない状況になると、
行政をチェックするという機能は圧倒的に低下します。
私が薬害エイズ問題を追及した時は与党でしたから、
与党だから議会でのチェック機能を全く果たせないわけではありません。
また、行政の内部チェックが機能することもあるでしょう。
しかし総与党化すれば、
議会によるチェックが相当に低下することは間違いありません。
そのことが、国民生活に大きなマイナスを与えることは
間違いないと思います。

野党にとって早く政権をとり、
信じる政策を実行しやすくすることは、
政党として最大の目標です。
しかし民主主義である以上、
それを決めるのは選挙という有権者の判断です。
そして政権を決する衆議院の選挙については、
憲法で定められた4年という任期を経た時か、
与党の側が解散を決意した時しか行われません。
政権選択選挙は衆議院の総選挙ですから、
国民の皆さんは一昨年の夏に、
最大、明後年夏までの間は自民党政権が続くという
選択をしたことになります。
総理が代わった以上は解散すべきですし、
参議院の結果を受けて解散すべきですが、
それは制度論ではなくて政治論です。
解散しない不当性は、論戦の中で訴え続けるしかなく、
そのあるべき論に従わなかったことの是非は、
来るべき選挙において問うしかありません。

それまでの間は、
議会の中で与えられたチェック機能を十分に果たすことが、
野党を構成する議員としての国民に対する第一の責任です。
そして、少数ですから難しいことは間違いありませんが、
国会論戦を通じて与党の妥協を引き出すことで、
一部は政策を実現することもできます。
よく野党の「政権担当能力」が問われますが、
政権を担当していない以上は、
現に担当している与党と同じ土俵で比較することができません。
整合性の取れた魅力的な政策を提起することに加えて、
こうした現時点で果たしうる国会内での役割を果たすことによって、
「政権担当能力」を示すというのが王道だと思います。

憲法で定められた機会を待つことなく、
一刻も早く与党になって政策を実現したいとか、
選挙のときに有利なように与党になりたいというのは、
あくまでも政党の事情です。
残念ながら野党となった以上は、
与党のチェックという
国会議員として与えられた職責を果たすことが第一であり、
政党としての都合というのは、
それが早く良い政策を実現したいという善意に基づくものであったとしても、
国会議員としての国民に対する責任を果たした上で、
あるいは少なくとも果たしつつ、
考えることです。

第2次世界大戦中の英国とか、
選挙前に国民に示した上で連立したドイツの例など、
特殊事情による大連立の例外を全否定はしません。
また、自民党が大分裂してしまった場合などには、
政界再編を余儀なくされることもあるでしょう。
しかし、今の日本にそうした特殊事情は存在しません。
衆参のねじれ現象というのは、
憲法も想定している範囲のことであり、
国会での開かれた議論を通じて、
必要な範囲で与野党が協力すれば済むことです。
政策実現という意味でも、
衆参とも与党が多数という状況に比べて、
与党の妥協を引き出すことのできる可能性が高いのですから、
これを生かすための知恵を出し工夫をすることで、
野党としての責任を果たすことができます。
ちなみにこの点では、
最後は決裂しましたが、
国民投票法をめぐる憲法調査特別委員会での
議論の進め方が一つの先例になると考えています。

選挙に勝って政権を取ることは、
政党にとって最大の目標であることはそのとおりです。
しかし現に野党であってもできることがあり、
そうした野党として果たすべき役割を
しっかりと果たすことなしに
選挙に勝つことを優先しても、
国民の理解は結局のところ得られないと思います。

青臭い議論とのご批判もあるかもしれません。
しかし、戦前の政党政治は、
政権奪取、選挙優先の姿勢が党利党略との批判を受け、
政治不信が高まって崩壊しました。
私は軍の横暴が政党政治を壊したというよりも、
政局優先の政党が自壊した側面が大きいと思います。
その失敗を繰り返さないために、
私は今後も原理原則を貫きたいと思っています。
また、国会から与えられている
衆議院決算行政監視委員長としての役割や、
党調査チーム座長として薬害肝炎隠蔽問題の追及、
党人権・消費者調査会副会長としてオウム事件被害者の救済など、
議員として与えられた責任を
地道に果たしていく決意です。

Vol.186(2007年10月25日)

【薬害追及ふたたび】

私が国会議員として最初に取り組んだ大きな問題は、
薬害エイズ問題でした。
あれから12年が経過し、
そのフォローアップや薬害一般の問題については、
薬害エイズ被害の当事者である家西悟参議院議員が
議員として活動してきましたので、
私自身は、その活動を裏方で下支えする役割を務めてきました。
しかし今回、薬害肝炎問題が大きく広がりを見せ、
取り組むべき課題が膨大になってきたために、
民主党薬害肝炎隠ぺい問題調査チームの座長として、
厚生労働省や製薬企業の責任を追及する
先頭に立つことになりました。

既に報道等でご存知の方も多いと思いますが、
薬害肝炎被害者の少なくとも一部について、
製薬企業や厚生労働省が氏名等を把握していたにもかかわらず
これを隠ぺいしていたために、
告知を受けて治療を受ける機会を奪われ、
防ぎえた病状の悪化を防げなかった可能性が出てきました。
この隠ぺいだけでも大問題ですが、
これを追及してきた家西議員等の要求に対して、
現時点でもさらに隠ぺいを繰り返している可能性まであります。

薬害エイズ問題のときに伺った被害者の皆さんの最大の願いは、
事実究明と責任の明確化によって、
二度と同じような被害を生じさせないで欲しいというものでした。
しかし厚生労働省は、
薬害エイズを教訓として改善するどころか、
より巧妙に事実を隠ぺいしている疑いがあります。

現在も、多くの薬害肝炎被害者は、
みずからが被害者であることを知らず、
適切な治療を受けることができないために、
肝硬変・肝ガンの発症に向かっています。
特に、問題になっているミドリ十字のフェブリノゲンという薬は、
出産などの際の止血剤として使われ、
そのような薬を使われたこと自体を、
多くの被害者の皆さんが知らされていないのが普通です。
そして、厚労省・製薬企業・医療機関の連携によって投薬先を把握すれば、
本人に告知をして検査と適切な治療を促すことで、
被害の拡大を相当程度に抑制することが可能です。
このことを、家西議員等が一貫して求め続けてきたにも関わらず、
対処するどころか逆に隠ぺいしたというのですから、
ある意味で薬害エイズよりも悪質です。

「経験を活かして」ということで、
この真相究明・責任追及に取り組むことになりますが、
薬害エイズ問題追及の「経験を活かす」必要など、
ない方が良いに決まっているだけに
複雑な思いです。
しかし、あの時と同じように、
一刻も早い真相究明が、
被害者の命と健康を守ることにつながります。
民主党は、菅元厚生大臣をトップに対策本部を立ち上げ、
家西議員はもちろんのこと、
党をあげて救済、再発防止など役割分担をして
薬害肝炎対策にあたってきました。
今回の調査チームでは、
薬害エイズ問題のときに
私の政策担当秘書として大きな役割を果たした
本多平直前衆議院議員も、
みずからの復帰に向けた地元活動の一部を割いて、
事務局長を務めます。

薬害とこれを隠ぺいしようとする行政との戦いは、
ある意味で私の政治活動の原点です。
今度こそ薬害との戦いが最後になることを願いながら
厳しく戦っていきたいと決意しています。

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