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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。

Vol.179(2007年05月08日)

【民法772条問題】

私が予算委員会で取り上げた問題で、
その後、大きな話題に発展しているのが、
民法772条の嫡出推定です。

民法772条では、
離婚後300日以内に生まれた子について、
母の前夫が父親であると推定されます。

多くの場合、法律上の離婚の日に先行して、
相当の別居期間が存在します。
また、懐妊から出産までの期間も、
早産の場合には300日を大きく下回ります。
このため、離婚後300日以内に生まれた子の父が、
別れた前夫ではない場合が多々あります。

この「推定」は強力で、
裁判で覆さない限り、
前夫を父と記載しなければ
出生届を受理してくれません。
これは母の立場から受忍できないだけでなく、
勝手に父の欄に記載されてしまう前夫にとっても、
納得できるものではありません。
このため、裁判の結果が出るまでということで、
出生届を提出しない人も少なからず存在します。

この問題は今年に入ってから
マスコミでも多く取り上げられるようになりました。
私は、今年2月7日と19日の予算委員会でも取り上げましたが、
実は昨年の3月15日に法務委員会で取り上げています。
早急な対応を法務大臣に求めましたが、
その時点では後ろ向きの回答しかありませんでした。
当時から毎日新聞の一記者のみがこの問題に関心を持ち、
地道に報道を続けてきてくれましたが、
今年に入ってようやく他のマスコミや他党の議員も、
関心を持ってくれるようになった次第です。

もっともこの問題をめぐる与党内の議論において、
離婚後の妊娠なら救済しても良いが、
離婚前の妊娠の場合は貞操義務違反であり、
救済するのは疑問だという
突拍子のない議論が出てきました。
夫婦間における貞操義務の問題は、
文字通り当事者間の問題です。
仮に貞操義務違反を言うとしても、
違反された前夫が、
自分の子でないのに父と推定されることを、
期待したり、求めたりするでしょうか?
当事者の誰も求めていないのに、
真実の父でない者の名が戸籍に記載される制度は、
どう考えても問題であり、
無戸籍で苦しんでいる人や、
実態と異なる戸籍届を出さざるを得ない人のことを考えれば、
すみやかに改めるべきです。

離婚や貞操義務についてどう考えるかも、
確かに大切な問題です。
しかしこれはあくまでも倫理や道徳の問題です。
法律は「倫理や道徳を他人に押し付けるもの」ではなく、
多様な価値観の人々が互いに尊重しあって暮らすための
合理性に基づいたルールでなければなりません。
どうもこの基本認識を欠いた議論が、
最近多いような気がします。

Vol.176(2007年03月16日)

【産科医療の現状】

平成19年度予算の審議は参議院に舞台を移して進んでいます。
残念ながら新聞やテレビの報道では政局的な話題ばかりが取り上げられて政策的な議論の中身は取り上げられません。
このメールマガジンでは私が質疑で取り上げた政策テーマについて順次ご報告をしたいと思います。

予算委員会に先立って柳澤厚労相の「産む機械」発言がありいわゆる少子化社会対策が大きなテーマとなりました。
産みたいと思う人が安心して子どもを産み育てるためにはさまざまな対応が必要ですがその第一歩にあるのが安心して産める産科医療の充実です。
ところがこのところ全体としての医師の数は増えているにもかかわらず産科の医師は減少を続けています。
特にリスクを伴った出産に対応できる設備の整った病院の産科が医師不足のために次々と閉鎖されています。
離島や過疎地の問題だと思ったら大きな間違いで都市部においても産科の閉鎖が相次ぎ今年に入ってからも奈良の妊婦が出産時のトラブルで関西近郊の産科病院をたらい回しにされ結果的に死亡するという気の毒な事件も起きています。

私は少子化問題等の集中的質疑でこの問題を取り上げ柳澤厚労相に産科医師減少の原因を尋ねました。
柳澤厚労相の答弁は「産科は、出生数の減少で、医療ニーズがはっきり低減しているということの反映というふうに承知をしています。」というものでした。
この答弁は「産む機会」発言に匹敵するあるいはそれ以上の問題発言です。
勤務医全体に過酷な勤務状況が問題になっていますが特に産科は一病院あたりの医師が元々少なく結果的に365日、24時間一人で対応するような超過酷な勤務状況が多々生じています。
また生命に関わるリスクの高い医療であるため残念ながら全力を尽くしても命を救えなかった場合に民事・刑事の訴訟リスクにさらされます。
この二つの要因が産科医師減少の主たる原因であることは現場関係者の間では常識とも言える状況であるにもかかわらずこれに対応すべき厚生労働大臣がピントはずれな答弁を堂々と行ったことで産科関係者の間ではますます絶望感が広がっています。

この問題の関連では昨年福島県で僻地の高リスク出産を一人で担っていた医師がレアケースの出産で最善を尽くしたにもかかわらず母親の生命を守れなかったということで業務上過失致死罪で起訴されるという事件も生じています。
私は薬害エイズ事件の時に医師の刑事責任を追及した立場であり不誠実な対応や初歩的ミスによる医師の責任は
厳しく追及されなければならないと思います。しかし最善を尽くしても命を守れなかった場合に刑事責任を問われるというのではリスクの高い医療に携わろうという医師が減っていくのはある意味で当然です。
この事件への厚労相の認識も不十分なもので「個別事件についてはコメントしない」という官僚的な答弁に終始しました。

産科には助産師不足という問題もありこの点も含めて今後も追及しています。

国会論戦の映像はインターネットの国会テレビ
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
でご覧いただけます。

Vol.175(2007年02月23日)

国会では、衆議院予算委員会における
平成19年度予算案の審議が行われています。
私はこの予算委員会の野党筆頭理事を務めています。

衆議院の予算審議は、
3週間以上にわたりほぼ連日、
9時から5時まで昼休みを除き7時間ずつ行われます。
他の委員会に比べて相対的には報道される方ですが、
それでもニュースや新聞で伝えられるのは
ほんの一部にすぎません。
幸いインターネットの普及によって
議事録はもちろんのこと、
質疑の実況が生中継やライブラリーで
直接見ていただけるようになりました。

「生む機械」発言をめぐる集中審議の際、
テレビのニュースなどでは
発言そのものを批判する部分と
それに対する柳澤大臣の謝罪だけが繰り返し放映され、
コメンテーターなどが
「もっと少子化対策の具体策を議論すべきだ」などと言っていました。
しかし、ビデオライブラリーをご覧いただけば、
質疑の大部分が「少子化対策の具体策」に関する議論であったことを
理解いただけると思います。

私は筆頭理事として
全体のコーディネートを行うと同時に、
自分自身のテーマとして
次のような問題を取り上げて質疑しています。
1 産科医の減少など周産期医療をめぐる問題
2 偽装請負などによるワーキングプアの問題
3 景気回復の効果が一部に留まっていることの構造問題
4 民法772条(離婚後300日規定)の矛盾点
これまでの審議を通じて、
「産科医師が減っているのは出産数が減っているため」という
柳澤厚生労働大臣の答弁や、
偽装請負を正当化するかのごとき発言をした経済諮問会議議員をかばう
安倍総理の姿などを引き出しました。
関係者から激励のメールなどをいただき感激する一方で、
厚労相や総理の認識不足が明らかになっているということであり、
日本全体のことを考えると手ばなしで喜べません。

今後の質疑を通じても、
内閣と国民の認識のズレをできるだけ明確にし、
その是正を求めていきたいと思います。
ブロードバンドでインターネットをご利用の皆さんには、
ぜひ、ライブラリーで審議をご覧いただき
ご意見をたまわれれば幸いです。

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