民主党 衆議院議員 えだの幸男 OFFICIAL HOMEPAGE

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EDANO Yukio / E-mail News Letter 枝野幸男Eメールニュースレター

枝野幸男から、月2回程度、Eメールでニュースレターを発信しています。 ご登録いただければ、国政で問題となっている数々のテーマに対して、マスメディアで報道されているものとは違った視点の存在が見えてくるはずです。

ENEWSVol.120
2004.10.13 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 


「欧州視察報告 ~第四回~ フランス編」

9月5日から17日まで
衆議院憲法調査会による公式調査団の一員として
欧州四ヶ国を訪問しました。
その視察報告第四回は
最後の訪問国フランスのストラスブールです。
ストラスブールはアルザス地方の小都市。
かつて仏独でその領有が激しく争われ
歴史に翻弄されてきましたが
現在は欧州議会の主機能や
欧州評議会、欧州人権裁判所などが存在して
ブリュッセルと並ぶヨーロッパの首都となっています。

9月13日(月)

夕方の便でブリュッセルからストラスブールへ

9月14日(火)

09:30-10:30 
ルツィウス・ヴィルトハーバー/欧州人権裁判所長官
欧州人権裁判所は、EUの機関ではなく
ベラルーシを除く全欧州諸国(トルコを含む)45ヶ国からなる
欧州評議会の下の機関です。
○概要
個人が自国の政府を当裁判所に訴える場合には
自国内における司法手続きを十分に果たすことが条件となる。
当裁判所では各国の手続きやルールが
欧州人権憲章の基準を満たしているのかという観点から判断する。
申し立ての対象(被告)は、加盟国政府やEU機関等に限られ
私人間の紛争そのものは対象にならない。
例えば私人間のプライバシー侵害事件でも
「その救済が国内裁判所で図られなかったこと」が
当裁判所の審理の対象となり
判決は、各国政府に対してその救済を命じることになる。
○各国内における判決の実質的効力
各国は、判決に基づく是正措置についてのレポートを作成し
閣僚協議会に報告しなければならない。
個人申し立て事件に関する救済そのものは
「ただちに」であるかどうかは別として
すべて実施されている。
しかし、制度的問題については簡単ではない。
制度そのものを改善することについては
判決が出てもすぐにできるわけではない。

11:00-12:00 
ヴィットリーノ/司法・内務担当欧州委員
○憲法条約の承認
国民投票に勝てるかどうかが、一番の問題。
欧州市民は、欧州問題に距離感を持っており
欧州議会選挙の投票率も極めて低かった。
国民投票の鍵は、欧州全体の問題よりも
各国の個別問題に左右されると思われる。
欧州市民の8割は欧州憲法を支持している。
ただ、憲法に関しては3割しか、十分な情報を持っておらず
いかに、これを周知させるかが重要である。
○主権の配分
この憲法では、主権の比率は大きくは変わらない。
ただし、新憲法で権限のある場所が明確になる。
つまり、①EUの排他的分野と
②各国との共有分野(ここが圧倒的に多い)
そして③指示的分野の三つが明確に区別される。
EU大統領には執行権はなく、
欧州理事会の議長として、コーディネートの役割を担うにすぎない。
EU外相は少し違う。
欧州委員会副委員長と欧州外相理事会の議長の二役を兼ね
欧州の対外問題のチーフとなって新しいダイナミズムが生まれる。

13:45-14:30
ニキフォロス・ディアマンドロス/EUオンブズマン
○加盟国のオンブズマンとの関係
加盟25ヶ国全てにオンブズマン制度があり
それぞれと密接な協力関係を持ちながら仕事をしているが
主に当方は補完的役割を担っている。
加盟国のオンブズマンを管理するような権限をもっている訳でも
上位の地位でもないし
加盟国オンブズマンに不満な人が
こちらに異議申し立てが出来るわけでない。
EU機関のチェックするのが当方の任務である。
○民主主義とオンブズマン
民主主義の下では
市民がその権利の行使を選択できることが重要である。
権利を擁護する手段として
裁判所を使うのかオンブズマンを使うのか
その選択について憲法などで保障されていることが意味を持つ。
特に、費用なしでアクセスできる点で
オンブズマンには裁判所と別の意味がある。 

9月15日(水)

10:30-11:30 
ヤルツェンボウスキー/欧州議会対日交流議員団次期団長予定者
○憲法条約の批准
国民投票がなされる国で特に重要なのは
英国とフランス。
英国では保守党が反対にまわっていて
一回では承認されないのではないかと危惧している。
国民投票には
①市民の関心が薄い
②内容を理解していない
~かつてデンマークでマーストリヒト条約の国民投票が行われたときに
全国民に条約文を郵送したが
それでも理解されずに否決された。
③政府への批判として反対票が投じられる可能性
~野党は、特定条項を取り上げて批判するという
過去の例も見られる。
という危険がある。
○この憲法で最も重要な点
一つは、意思決定に関する改善。
欧州理事会は欧州議会の第二院だと思っているが
ここが全会一致システムから、特定多数決に変更。
意思決定のスピードアップが図られる。
もう一つは、欧州基本権憲章が法的拘束力を持つことになった。

11:30-12:00
イニゴ・メンデス/EU憲法起草諮問会議・欧州議会代表団団長
○EUの目指すもの
ジスカールデスタン(コンベンション議長)は
「誰が勝者か」との問いに「欧州議会だ」と答えた。
しかし真の勝者は欧州市民である。
この憲法は、EUがたんなる共同市場ではないということを
市民に知らせることになるから。
欧州の価値というものが憲法に示されている。
EUとしての最も重要な目標は、恒久的な平和である。
三世紀に及ぶ欧州の歴史は「戦争の歴史」であった。
この憲法は平和を願い、民主主義を目指す市民の希望である。
EUは軍事大国を目指すのではない。
平和の関係を対米も含めて構築したい。

12:00-12:15
欧州議会本会議場見学

14:30-15:20
ヘンシュ/ EU憲法起草諮問会議・欧州議会代表団副団長・元欧州議会議長
○憲法条約制定経緯と市民参加
NGO等からの公聴会は開催した。
コンベンションの幹部は私的にもこうした人々と懇談し
重要点を把握した。

15:30-16:00
ライネン/欧州議会憲法問題委員長
○外相の創設
欧州委員会(という行政機関)の委員に過ぎなかったが
こんどは政治的役職であり、政治的責任を負う立場ということになる。
経済連合から政治連合への変化は、不可逆的変更である。

9月16日(木)

10:00-10:30
デイビス/欧州評議会事務総長
☆表敬訪問
日本は欧州評議会にオブザーバーとして参加しています。

10:30-11:30
ダフ/ EU憲法起草諮問会議・欧州議会代表団副団長
○概論
新憲法は完全でも純粋でもないが
それを求めるのは期待しすぎである。
将来における共通政策の発展・展開に向けた基盤整備と
議会制民主主義発展の基礎を築いた。
米国の帝国主義に対するフラストレーションが
新憲法制定の原動力となった。
今しなければならないのは
批准に向けた市民へのキャンペーンを進めること。
米国に対してより強い立場で対応することが
出来るようになることも重要である。

11:50-12:15
ブローク/欧州議会外交委員長
○憲法条約の批准プロセス
たいへん難しいと思っている。
特に国民投票が不確実性を持っている。
問題ないと思われる15ヶ国程度の批准手続きがスムースに進めば
他の国々に良い影響を与えるであろう。
最終段階では英国の国民投票が問題に残るだろう。
この場合は、批准問題でなく
EUに残るのかどうかという争点になるのではないか。
○外交政策
共通の外交政策を持つのに憲法は大きな意味を持った。
米国の単一国家主義は
欧州の多国間主義が弱かったからと見ている。
「欧州連合には、大国と小国が混ざって加盟しているが
ワシントンからはすべて小国と見られている。」という指摘もある。
しかし、結束すれば3億人を超える人口と
最大の国民総生産、最大の貿易取引量を抱える。
○安全保障
共通の軍備調達庁を作りつつある。
安保に関する共通の研究所も作る。
公式の形で欧州軍にはなっておらず、
各国軍の連合という形だが
作戦・指令関係は一本化している。
スタチーンという元ドイツ領で今ポーランド領になっている場所に
ドイツとポーランド、デンマークの共通軍を置いているが
特に反対も出ていない。
かつての歴史を克服していることの象徴的姿である。

20:45[機中泊]14:50
フランクフルト→成田/全日空210便 (11時間05分)

◇ストラスブールの感想
ブリュッセルはEUの行政上の首都なのに対し
ストラスブールは議会の所在地で
お会いした方々も
ブリュッセルが行政官的立場の方が中心だったのに対し
こちらでは議会人=政治家が中心でした。
それだけ率直で政治的な話が聞けました。

特に注目したのは
EU議会全体に見受けられる
米国への強い意識です。
米国帝国主義とか米国一国主義などの言葉が
当たり前のように飛び出してきましたし
そうした米国に対する強い対抗意識が
歴史的壁を超えて
EU統合に向かうエネルギーとなっていることを
強く感じさせられました。

もっともこうした発言や姿勢について
「肩に力が入っていない」
という印象も受けました。
無理やり対抗するとか
無理やり統合するとかではなくて
一歩ずつ自然にしかし着実に
統合の実をあげていこうという姿勢が感じられました。

ストラスブールは小さな古い田舎町という印象で
良い意味での欧州らしさが残っていますが
そうした旧市街地をきちんと残しながら
その外側にEU議会などの新しい街を作っています。
特に旧市街地の美しさは
同じ欧州でも大都市とは比べものになりません。
憲法という調査の目的とは異なりますが
美しい街を残すという都市政策の観点からも
いろいろと考えさせられる街でした。

 
 
ENEWSVol.119
2004.10.04 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 


「欧州視察報告 ~第三回~ ベルギー編」

9月5日から17日まで
衆議院憲法調査会による公式調査団の一員として
欧州四ヶ国を訪問しました。
その視察報告、三ヶ国目はベルギーのブリュッセルです。
ここはいわばEUの首都。
欧州理事会、欧州委員会が存在し
そして欧州議会の一部機能もこの街にあります。

9月10日(金)

早朝便でヘルシンキからブラッセル入り

1100-1200 
ピーリス/EU理事会法律顧問
○欧州の統合とEU憲法
EU憲法の目的は欧州の統合の強化である。
今回のEU憲法制定で
特定の分野に限って連邦的になり
その余の部分は各国の主権が残る形になった。 完全な統合・連邦制になることはないが
統合性と各国の主権尊重のバランスをとっていくということである。
○市民から近いEU
いくつにも分かれて大量になっているこれまでのEU関連の条約を
統一しわかりやすくして
EUが市民から遠い存在であるという現状を改めるという目的もある。
また、意思決定のプロセスを整理・簡素化することによっても
EUが市民に近づく効果を期待している。
○課題
これからの批准プロセスは決して容易なものではない。
また、新しい加盟国が
環境基準などで対等の競争条件を確保できるのか
疑問に持つ声があり
経済格差の大きさが政治的統合の障害となりかねない。

1500-1600 
デハーネ/EU憲法起草会議副議長(元ベルギー首相)
○憲法条約の意味
EU憲法は厳密な意味での憲法ではない。
条約の中に憲法的要素が含まれているという理解が正確である。
加盟各国ごとに憲法があり、主権がある。
その主権のうちのいくつかを徐々に移してきた。
EUはその委ねられた点について排他的な所管を有する。
その限りで連邦制的な側面もあるが
だからといって連邦国家とは違っている。
○憲法条約制定の経緯
これまでEUを作り上げてきたいくつかの条約は
技術的で市民が読んでも理解できるものではなかった。
旧東欧・中欧諸国の加盟新制を契機に
より理解しやすい条約に改めることを考えた。
同時に、EU関連諸機関の再編成にも直面していた。
これらに対応するには
これまでのような政府間交渉という方法では無理だと考えて
コンベンション(諮問会議)方式にした。
コンベンションには政府代表だけが入るのでなく
各国議会の代表・欧州議会の代表・欧州委員会の代表などが入り
幅広い大きな体制で議論した。
コンベンションの案はあまりにも野心的な中身であり
大きく修正されることを覚悟したが
理事会における各国政府代表によっても承認された。
これから各加盟国によって承認されなければならないが
たいへん時間がかかり、かつ楽観的ではない。
2年程度の期間で批准されることを期待している。 ○司法・内務問題
欧州では経済市場の統合に関する主権の移譲がまずあり
司法内務問題は、政府間での協力がなされていた。
ところが、冷戦崩壊後
移民問題の拡大、国境を超えた犯罪、最近の国際テロなど
一国で対処することが困難な案件が増加している。
その結果、この面での統合についても憲法条約に入れたが
基盤を作ったにすぎず
現実に機能するにはまだまだ時間がかかる。
段階的にでも機能させていくための努力をしていく。
○今回の憲法条約案作成が上手くいった背景 
これまでは、政府間協議において各国が自国の利害を守ろうとしてきた。
結果として、最低限のものしか作れなかった。
今回のコンベンションには、
政府代表以外に、欧州委員会と欧州議会の代表が入り
個別国家の利害でなく欧州の利害という見地から行動した。
また、コンベンションにおいて
欧州の利害という広い視野に基づいて
欧州議会代表と各国議会代表の関係が良好なものとなり
むしろ各国政府代表と各国議会代表の関係の方が悪化した。
さらに一般市民の感覚として
各国単独では対応できない問題の存在が認識されていた。
こうした事情が重なり、政府としての個別国家利害を超えて
欧州市民に対して何が必要かという観点が重視されることとなった。

1630‐1730
バレンスエラ/欧州委員会対外関係総局次長
○EUの外交・安全保障
EU憲法によってより統合的な外交に一歩踏み込むが
法的にこれまでと大きな違いがあるわけではない。
今後は、外相を任命し、その下で
従来の欧州委員会と対外関係理事会とに分かれていた問題を
より統一的に実施する。
ただし、外相理事会における共通外交については
全会一致制度を維持する。
外交・安全保障分野はEU法が優先する分野ではなく
EUと各加盟国が権限を共有する分野である。

9月11日(土) 12日(日)
週末は相手方となるEU関係者も休みですから
調査団もオフとなり自由時間となります。
11日はブルュッセル市内を見物し
12日にはアントワープに行ってきました。

9月13日(月)
1000-1100
ヴァン・ニュッセル/欧州委員会事務局「EUの将来」タスクフォース
○各国憲法との関係
法的側面では各国の主権に基づく国際条約に相当する。
民主主義的市民参加手続きによる決定ではなく
条約の手続きで制定される。
実施のためには、25ヶ国の承認がなければ発効せず
また、改正にも全加盟国の承認が必要である。
内容面でも、一国の憲法とは異なっている。
規定範囲が広範に及び、条文の数が多い。
各国の主張を広範・中立的におり込んだ結果である。
○どうしてEU憲法が出現したか
EUの拡大と進化が成熟してきている。
進化という意味では関税・通貨と統合が進み
最近では司法関係の同盟にまで進んでいる。
また憲法を制定することによって
これまで分散変化してきた行政的権限を一度整理している。
当初6ヶ国が25ヶ国にまで広がり、さらに拡大が見込まれているが
拡大による質的な変化については
これまでのプロセスでほぼ区切りがついていると考えた。
○憲法制定の効果
EU憲法に基づいて法的組織的な整理がなされていく。
例えば、これまでEU指令と言われていたものが
EU法として明確に位置付けられる。
また、欧州基本権憲章が
憲法の中に明確に位置付けられることとなり
欧州市民が直接EUと結びつきを持つことになった。
この規定が含まれていることで
特にひどい人権侵害があればEU憲法違反として
当該国のEU内における権利が制約されることになり
間接強制的役割を果たすことが可能になる。

午後の便でブリュッセルからフランスのストラスブールへ

◇ブリュッセルの印象
EU憲法やEUの未来について
興奮したり過大評価することなく
冷静にしかし着実に受け止めているという
印象を強く受けました。

EU憲法制定過程については
各国政府代表という従来の当事者に加えて
EU議会や各国議会の代表が
コンベンション(諮問会議)に加わったことが
個別国の利害を超えた欧州の利害という視点を持ち込み
大きな意味を持ったようです。

ブリュッセルは二度目の訪問で
前回は個人情報保護等に関する調査のため
やはりEUの関係機関を訪問しました。
EUの成熟と拡大、そしてそのことを象徴する憲法制定で
EUの本部機構を抱えるブリュッセルの重要性は
ますます大きくなるでしょう。

 
 
ENEWSVol.118
2004.09.29 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 


「欧州視察報告 ~第二回~ フィンランド編」

9月5日から17日まで
衆議院憲法調査会による公式調査団の一員として
欧州四ヶ国を訪問しました。
今回はその欧州視察報告の第二回として
フィンランドのヘルシンキ編をお届けします。

9月8日(水)

午前の便でストックホルムからヘルシンキへ

1500-1630
ヴァイスト/国会・行政委員会委員長
○情報公開(政府活動公開法)
国民がしっかりと情報を持てば
政府活動はより良くなるという考え方。
そしてまた、情報を隠さなければ
政府に対する信頼が高まるとの考え方。
こうした考えに基づき、憲法に情報アクセス権を規定し
さらにこの憲法にしたがって
新しい情報公開法(直訳的には政府活動公開法)を1999年に制定した。

○個人情報保護
個人情報保護法に加えて
電子情報の取り扱いに関する法律や
職場におけるプライバシー保護の法律
その他、各個別法律の中に個人情報の保護に関する規定がある。
問題は特に電子情報で
通信識別情報については、誰がどこまで使えるかを規定している。
もちろん原則は利用不可で、電話の発信者所在地も同様。
本人の同意なしに使えるのは
15歳未満が行方不明になった場合と緊急救助に必要な場合に限られる。
重罪犯罪捜査の場合で裁判所の許可があれば盗聴を含めて可能になる。

9月9日(木)
1130-1300
グスタフソン/国会・雇用及び男女平等委員会委員長他

○男女平等
同一職種における男女の給与格差はほとんどないが
全体となると女性は男性の2/3となる。
特にサービス業などの元々女性の職場であった分野と
男性の職場であった分野とで給与格差が大きい。
育児休業による企業負担を
母親の勤務先だけでなく
父親の勤務先にも負担させようという動きがある。

○初等教育
国語と算数では世界一の水準であるとの調査がある。
教師のステータスが高く、優れた者が教員となっている。
また、給与も悪くない。
さらに、図書館が充実していることも背景にある。

1300-1400
クローン/国会・憲法委員会委員
ルンドゥグレン/国会・憲法委員会委員

○憲法委員会
憲法委員会は法律等の憲法適合性を事前審査している。
大部分の法案は、まず本委員会に付託されることになる。
EU法案の事前審査は国会の大委員会が所管であるが
憲法適合性の問題があるときには
大委員会から憲法委員会に意見を求められる。
また、大臣などの行動の法的適合性チェックや
司法長官・議会オンブズマンの職務に関しても担当する。
本委員会において採決でことを決することは稀である。
専門家の意見や過去の本委員会の判断を元に
政治的争いでなく法的論理的に対応する。

○EU憲法条約
国民投票をせよとの意見もあるが
おおむね否定的である。
これは、この憲法条約で
何かが大きく変わるわけではないという認識に基づく。
フィンランド憲法との矛盾を本委員会でチェックし
憲法とかかわる場合には
憲法94条2項に基づき2/3多数の賛成で承認する必要がある。

○司法長官と議会オンブズマン
両者は、裁判所と行政官庁の法適合性をチェックすること
および、人権擁護の役割をもっていること
という点で役割が重なっている。
一番の違いは
司法長官が閣議に参加し
内側とも言える場所で政府の合法性をチェックするのに対し
オンブズマンは議会が舞台となる。
両者の分担は上手くいっており
場合によっては両者が協議して役割分担する。
司法長官には権威ある法律家が就任する。
司法長官が政府寄りに過ぎた例はないと思う。
司法長官は大統領が指名・任命し
政府が代わっても司法長官は代わらない。
もし司法長官が政治的中立性を欠けば
国会の憲法委員会が介入できる。

○科学技術の発展
フィンランド国会には「未来委員会」がある。
この未来委員会は科学技術の進歩について議論評価する。
最近の重要テーマは著作権で
IT技術の進歩に関し、これまでのハードに関する問題から
コンテンツが重要になっているとの認識である。
また、高速大容量の回線を全国的に引くことが
人口密度の低いフィンランドにおいては
「平等」を確保する上で重要であるとの議論がなされている。
さらに、技術の進歩が
保健医療にどのような影響を与えるかも重要テーマである。

◇私の感想~憲法委員会
日本の国会に「憲法委員会」は存在しません。
国会で制定される法律の合憲性は
内閣法制局(議員立法の場合は院の法制局)で審査され
最高裁判所が憲法判断に消極的なこともあり
ここでの判断が事実上の最終判断になっています。
しかし一行政部局の判断が
事実上とはいえ最終的に近い判断となるのは
民主主義という憲法の基本理念からも違和感があります。
一つの方法は「憲法裁判所」をつくって
積極的に違憲判決を出していくというやり方ですが
この場合の憲法裁判所は強い政治性を帯びざるを得ません。
だとしたら国会の中で
法律制定に先立ってしっかりと合憲性の判断をするのも
一つの有力な考え方だと思います。
もちろんこの場合にはヒアリングにもあるように
「専門家の意見や過去の本委員会の判断を元に
政治的争いでなく法的論理的に対応する」
という姿勢が重要であり
数の論理だけで事を決するのでは意味がありません。
こうした本来の憲法委員会を作れるならば
積極的に考えたいと思います。

1400-1500
キルユネン/EU憲法条約起草会議・国会代表/国会・大委員会委員長
○主権移譲
EU参加で、議会の立法権の一部が移譲されることとなった。
これをシステマチックにフォローするために大委員会が作られた。
(大委員会の役割は憲法に規定されている。)
本委員会の議論によって
ヘルシンキからブリュッセルに影響力を行使する。
フィンランドは、EUを単なる経済的組織ではないとみている。
スウェーデンのように経済的損得だけで判断せず
(ユーロ不参加を批判したものと思われる。)
広い意味での安全保障の仕組みであることを重視している。

○東欧へのEUの拡大
これによって人口も面積も30%増加するが
経済力は5%しか増えない。
新加盟地域の一人あたり所得は
従来の参加地域の1/3しかない。
したがって経済的側面で拡大したのでないことは明らかである。
冷戦のときの壁をはじめて越えたことが重要である。
平和に値段はつけられず
EUへの拠出が多くてもフィンランドはこれを受け入れる。

○安全保障
フィンランドは軍事同盟を長く避けてきて
今も国民の7割はNATO参加に否定的である。
これは、大国間の対立に組み込まれた暗い歴史があるから。
フィンランドはロシアとの長い国境を有しているのである。
だからといってEUの中で消極的というわけではない。
EUのことを伝統的な意味での軍事同盟だとはみておらず
その中の危機管理には積極的に参加する。
テロリズムに対しては
誰も中立非同盟というわけにいかないからである。
NATOについては、これに否定的なわけではなく
積極的に協力はするが、加盟による拘束を負いたくない。
米国の核の傘の下に入り
ロシアと対峙的になることを避けたいのである。

9月10日(金)

朝6時にホテルを出発し、朝の便でヘルシンキからブリュッセルへ

◇フィンランドの印象
フィンランドの国会議員から
「フィンランドと日本は間に一ヶ国しかない隣国です」
と言われました。
たしかにロシアという大きな一ヶ国ですが
間に国は一つしかありません。
この言葉に象徴されるように
この国はたいへん親日的です。
日露戦争の印象と
同じIT先進国という共通の土壌が背景でしょうか。
ところが日本からのフィンランドへのアプローチは
必ずしも強いものではないようです。
ヘルシンキ駐在の日本大使からは
「欧州に向かうにはヘルシンキは通り道」だから
どこに向かうにしても
ヘルシンキで一泊して乗り換えてくださいと
かなり繰り返し要請されました。
日本の政治家が行けば、その一泊で
ヘルシンキのかなりの要人が
喜んで会談の時間を作るだろうとのことです。
今は特別困難な案件はないけれども
せっかくの親日国との友好を確かなものにするには
こんなちょっとしたことでも
たくさんの日本の政治家が積み重ねることで
相手方に良い印象を与えて
大きな意味をもつとのことでした。

ストックホルムでもそうでしたが
ヘルシンキでも
この時期にはめずらしい青空が広がり
たいへん天候に恵まれました。
社会保障問題など仕事の点はもとより
今度はプライベートで遊びに来たいと
強く思わせる北欧二カ国でした。

 
 
ENEWSVol.117
2004.09.24 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 


「欧州視察報告 ~第一回~ スウェーデン編」

9月5日(日)から17日(金)まで
11泊13日の日程で欧州4ヶ国を訪問しました。
今回の訪問は
衆議院憲法調査会による公式の調査団です。
参加メンバーは
衆議院憲法調査会長の中山太郎議員(自民)を団長に
自民党から船田元議員、保岡興治議員、中谷元議員と近藤基彦議員。
民主党から仙谷由人議員と私。
このうち船田議員と中谷議員は前半のみの参加。
仙谷議員は民主党大会に政調会長として出席したため
後半からの参加です。
こうした議員団に
衆議院事務局から4名と国会図書館から1名。
それにマスコミから3名が同行するという大調査団でした。

今回から訪問国ごとにわけてご報告します。
まずは第一回、スウェーデン編です。

(以下○はヒアリングのポイント。)

9月5日(日)
成田からロンドン乗換えで、夜にスウェーデンのストックホルム入り。

9月6日(月)

1000-1200
ストックホルム国際平和研究所/SIPRI
アリソン・ベイルズ/所長

本研究所は、スウェーデン政府が資金を負担する一方で
外国人が多数参加し、高い独立性をもっています。
対応してくれたベイルズ所長も
駐フィンランド英国大使を勤めた英国人です。
○テロ問題の解決
テロを解決する唯一の方法は
その地域の紛争そのものを解決することである。
テロそのものに軍事的に対応するだけでは
対症療法にすぎず、事態の解決につながらない。
○米国の国際戦略の変化
米国は同盟国防衛への意欲が弱まっている。
基地の縮小再編にも見られるように
米国の軍事的展開は、機動性を最優先させており、
同盟国も、自国の防衛を米国に依存し難い方向に向かっている。
NATOからEUへと欧州の安全保障の中心が移っているのも
米軍の展開が欧州の外に動いているためである。

◇私の感想~知的安全保障
政府が資金負担をしながら
その所長や研究員を外国人で構成するという柔軟性。
自国の視点だけでなく
客観的あるいは第三者的ともいえる視点から
安全保障に関する情報収集や分析を進めていくという姿勢は
決して大国ではないスウェーデンが
自国の平和と安全を維持するための
したたかな知恵であると言えるでしょう。
ひるがえって日本の安全保障議論はあまりにも直感的・主観的で
客観的かつ冷静な分析に欠けているのではないでしょうか。

1400-1500
トミー・ヴァイデリッヒ/国会・EU諮問委員会委員長
EU諮問委員会は、EUに関するスウェーデン政府の対応について
あらかじめ討議するため国会に設けられた委員会。
この委員会の結論に法律的拘束力はないが
政治的に強い拘束力があるとのことです。
○EU加盟
ベルリンの壁崩壊による安全保障を巡る環境の変化が
中立政策からEU加盟へと舵をきらせた。
ただし急速な主権移譲には懐疑的な見方が多く
これが通貨統合を否定させた背景。
○EU憲法
共通の外交政策については
中立政策との関係で長い議論があった。
しかし、公平・透明・効果的という
EU憲法の全体の特長について評価できることから
一部の否定的見方を乗り越えて賛成に導いた
(ただしこれから国民投票を経た批准手続きが予定されている)。
○国民投票の手法
国民投票にあたっては
広報のための政府予算が確保されるとともに
各政党にもそれぞれの意見を広報するための予算を配分する。
さらに、賛成・反対双方のキャンペーン主体を認定し
それぞれに同額の政府予算を配分する。

1510-1545
ペール・ヴィステルベリ/国会第一副議長
○一院制への転換
直接選挙の院と
県議会からの間接選挙で選ばれる院の二院制だったものを
1971年に一院制にした。
なお、二院制時代も、両院で同時並行審査をしていたため
審議期間の短縮を目的としたものではない。

1545-1625
ヤン・ペンロフ/元国会オンブズマン(現在は国会オンブズマン代理)
○国会オンブズマン制度
絶対権力の国王に対する国会権力の拡大を目的として
1809年に制度創設。
以来、国会に代わって
地方・軍・裁判所を含めた公権力を監視する機能を果たす。
国会が、経験豊かな裁判官などから4名を全会一致で選任する。
公文書について、秘密文書や軍事関係の文書でも自由にチェックできる。
国民からの申し立てが年に5,000件程度あり
4人のオンブズマンと60人のスタッフで処理しているが
75%は調査にも値しないもの
あるいは簡単な調査で対応できるものなので
処理は十分に可能である。
オンブズマンの勧告そのものに法的拘束力はないが
最終的には検察官的機能をもって起訴する権限が担保となっており
勧告に逆らう例はほとんど見られない。

9月7日(火)

1000-1200
ボー・ケンベリ/国会議員(元保健・社会保障相)
ヨーテ・ヴァルストローム/国会議員

ケンベリ氏は民主党も大いに参考とした
スウェーデンの年金改革を推進した中心人物です。

◇私の感想~年金一元化と不均衡
日本では、年金を一元化した場合
個人事業者と給与所得者とで所得の把握に差があり
不公平になるという議論があります。
しかしケンベリ氏はこの議論を明確に否定しました。
ケンベリ氏の指摘は
年金保険料付加の対象も所得税課税の対象と同じであるというもの。
つまり所得把握に不公平があると言うならば
それは年金制度に関する問題ではなく
所得課税そのものの本質的な問題であるということです。
繰り返し国会で私が答弁した認識と同じ認識であり
意を強くしました。

1400-1500
トーマス・ポードストローム/法務大臣
スウェーデンでは法務省が憲法に関する事項も所管しています。
○王位継承
男女平等の考え方を背景に
1980年の改正で女性の王位継承を認め
男女に関わらず第一子が王位継承権を持つように改めた。
女王の場合の配偶者の地位ついて
議論はあったが特に法整備はされていない。

1830-2130
スウェーデン・日本国会議員連盟会長主催夕食会
マリアンネ・カールストローム/議員連盟会長ほか
9月8日(水)
午前の便でストックホルムからヘルシンキへ

◇私の感想~スウェーデン全般
社会保障制度の先進国であり
民主党案作成の基礎となった年金改革を実現した国ですが
私にとっては初めての訪問でした。

古いけれど美しい欧州の町並み。
緑豊かな大自然。
そしてセンスのよい現代的なデザイン。
評判どおり生活の真の豊かさを感じさせる国でした。
もちろん高すぎる国民負担とか
人口の少ない国だから可能なことが多いとか
日本にそのまま持ち込めるものばかりではありませんが
この国の生き方や社会保障のあり方については
いろいろと参考になることが多いのではないかと
今まで以上に感じさせられました。
今度はこうしたテーマで訪問したいという
強い印象を残してくれた国でした。

EUについては
長い中立政策との兼ね合いもあり
ユーロに参加しないなど
急速な主権委譲に消極的な側面もありますが
全体としての大きな統合の流れについては
否定的な見解を聞くことはなく
あくまでも「スピード」の問題にすぎないと感じられました。

なおスウェーデンには統一された「憲法典」はありません。
統治法典、王位継承法、出版の自由法、表現の自由基本法という
四つの法が実質的意味の憲法を構成しています。
日本では「形式的意味の憲法=憲法と名前のついた法」と
「実質的意味の憲法=法の形式に関わらず憲法としての意味を持つ法」
との区別がきちんとなされずに議論されています。
例えば皇位継承について規定した「皇室典範」は
形式的意味の憲法に含まれていませんが
実質的意味の憲法です。
このあたりの基礎的概念をきちんと整理しないと
憲法議論はあさっての方向にいきかねないと危惧しています。

 
 
ENEWSVol.116
2004.09.01 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 



民主党の代表選挙が告示され
岡田代表の無投票再選が決まりました。

岡田代表は
民主党へのたいへんな逆風の中
火中の栗を拾う覚悟で代表に就任しました。
その直後の参議院選挙では
大方の予想を覆して
自民党を上回る議席を獲得しました。
岡田さんも人間ですから百点満点ではないにしても
こうした経緯を考えると
党内一致して支えるというのが当然のことだと思っています。
党員・サポーターの皆さんには
投票の機会がなくなってしまい申し訳ないのですが
私は無投票でよかったと思っています。

新聞などでは色々書かれていますが
大方が誤解をしているのは
民主党には古い意味での派閥がないということです。
確かに民主党にも色々なグループがあり
それぞれに会合などを開き情報交換しています。
しかし多くの議員が複数のグループの会合に出ていますし
グループのリーダーが何かを決めたからといって
無条件にそれに従うという文化ではありません。
しかし一部のマスコミや一部の政界関係者は
自民党の派閥のように
グループのリーダーだけを見ていて
その談合で何かが決まるかのような幻想を抱いています。

民主党の存在意義の一つは
こうした自民党的ボス支配の密室談合政治を否定することにあります。
ある程度時間がかかっても
正規の党内の会議で侃々諤々の議論を展開し
その中から一つの結論を導き出す。
そしてみんなで議論して決めたことだからこそ
みんなでそれに従う。
こうした文化を何年もかけて作り上げてきました。
岡田代表はこうした民主党文化を作り上げてきた一人であり
またこうした姿勢を誰よりも強く持っています。
党の会議にも出てこないで
マスコミなどを通じて党内に影響力を及ぼそうとしたり
グループ単位で人事や政策を動かそうとするのは
民主党的ではありませんし時代に合っていないと思います。
岡田代表にはこれからもこうした民主党文化を
しっかりと守りながら
政権交代に向けて前進してもらいたいと思いますし
私も微力ながらこれを支えていくつもりです。

さて私は衆議院憲法調査会の調査団で
5日から欧州各国を訪問します。
憲法調査会の視察は
調査会発足以来毎年実施され
各国の憲法やその改正手続きに関する
充実した調査を行ってきています。
私も6月から衆議院憲法調査会に復帰し
過去の海外調査報告を改めて読み直しましたが
充実して役に立つ調査報告がなされています。

今回は特にブラッセルとストラスブールで
新たに制定されようとしているEU憲法について
加盟各国憲法との関係などを調査するとともに
スウェーデンとフィンランドで
オンブズマン制度や情報公開・個人情報保護などの
憲法上の位置づけについて調査することが目的です。
5日に出発し17日に帰国する長丁場の出張になります。

国会議員の海外視察は外「遊」と表現され
遊びにいっているかのごとき印象を与えています。
そうした批判があたっているケースもあるのかもしれませんが
私の知る限りではきちんとした目的意識を持ち
きちんとした調査を行っているものがほとんどだと思います。
今回も週末で相手方も休みである二日間を除き
当然のことながら仕事三昧の日程です。
帰国しましたらその報告を
この場でもさせていただくつもりです。

 
 
ENEWSVol.115
2004.08.11 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 



参議院選挙から臨時国会までの期間を利用して
7月23日から30日まで米国を訪問しました。

今回の訪問は米国国務省教育文化局が行っている
International Visitor Programというプログラムによるものです。
米国政府が各国・各界の中堅・若手に
米国を見て知ってもらおうというプログラムで
日本からの過去の参加者は
海部元総理、菅前代表、福島社民党党首などの政治家や
村上春樹氏、岸田今日子氏、辛坊治朗氏、紺谷典子氏など
バラエティーに富んでいます。

このプログラムにもいくつかのバラエティーがあるようで
旅費・滞在費まで米国持ちというケースもあるようですが
私の場合は「若手」でなく「中堅」ということだったようで
旅費・滞在費は自分持ちでした。
しかし、私一人のために米国内でのプログラムを組み
通訳を含めてそのアテンドをしてもらえるだけで
たいへんありがたい訪問になりました。

趣旨が米国を見て知ってもらうというものですから
同時期に訪米していた岡田代表のような
政治的会談などの目的とは異なります。
私は米国留学などの経験がなく
今後、仕事で訪米することがあったとしても
ワシントンやニューヨークなどに限られると思ったので
それ以外の地方の普通の人たちとの交流をしたい
という希望をだしていました。
これに東アジア外交に関する米国からの様々な意見を聞きたい
という希望をあわせて
以下のような日程となりました。

【7月23日(金)】 夜 Vermont州 Burlington 着
【7月24日(土)~26日(月)】 VERMONT州地方体験プログラム
【7月27日(火)】 WASINGTONプログラム
 米国国務省日本部長代理/Steve Wickman氏と会談
 CSIS/戦略国際問題研究所・日本部長/William Breer氏と会談
共和党全国委員会Constituent Services局長/Nancy Dehlinger氏と会談
 CSIS上級研究員/渡部恒雄氏ら在ワシントンの日本関係者と夕食懇談
【7月28日(水)】 WASINGTONプログラム 
下院アジア太平洋小委員会事務局長/Jamie McCormick氏と会談
 The Heritage研究所北東アジア政策アナリスト/Balbina Hwang氏と会談
国防総省を視察/ミサイル防衛構想等に関してヒアリング
【7月29日(木)】 WASINGTON 発

Burlingtonでは
市長との会談や農場、工場、大学、博物館等の視察に加えて
Vermont日本協会のTony Beard会長ご夫妻や
木田正俊副会長ご夫妻にお世話になって
現地の皆さんと親しく交流することができました。

BurlingtonはVermont州最大の都市ですが
それでも人口4万人。
豊かな自然環境に恵まれた町という印象です。
こんな小さな町にも日本協会があり
和太鼓の演奏をする米国人のグループがあります。

広い米国ですから
Vermontという東北部と南部や西部などとでは
大きな違いがあると思いますので
今回の訪問だけで米国がわかったとはとても言えません。
しかし政治都市や観光地だけでない
普通の米国の一端を垣間見ることができたのは
貴重な体験であったと思っています。

ワシントンでの政府機関からの話は
公式見解どまりで少し残念でしたが
二つのシンクタンクでのヒアリングは
まったく見解が分かれていて
興味深いものでした。
特に印象に残っているのは
米国がケリー民主党政権になった場合
通商政策で日本にとって厳しい状況になるのではと尋ねたところ
戦略国際問題研究所のWilliam Breer日本部長から
クリントン政権発足時の日本の経済的優位性と
現状とでは決定的に異なっているため
日本バッシングのようなことにはならない
とかなり具体的な話を含めて説明を受けたことでした。
裏返すと当時の米国が
日本の経済力に対していかに苛立っていたかを感じさせられました。

また戦略国際問題研究所で上級研究員をしている
渡部恒雄氏(渡部恒三元副議長のご子息)が幹事役となり
ワシントンの各界で活躍している日本人の皆さんと
知り合う機会を作っていただきました。
こうした皆さんとの交流は貴重な財産になると思いますし
日本で米国を見ているのと
米国いて日本人として米国を見ているのとでは
いろいろと印象に違いがあって
なかなか興味深く勉強になりました。

日本にとって外交は最重要の政治課題であり
政治家として外交政策に取り組もうとすれば
やはり諸国を直接見たり
各国に幅広い人間関係が必要であると
改めて認識して帰ってきました。
時間的にも経済的にも困難はありますが
今後も可能な限りそうした努力をしていきたいと思っています。

以上
 
 

ENEWSVol.114
2004.07.14 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 



参議院選挙が終わりました。
埼玉選挙区では島田ちやこ候補がトップ当選し
比例区でも私が選対事務総長を務めた家西悟候補は
予想以上の得票を得て当選しました。
さまざまな形でご支援をいただいた皆さんに
心から御礼申し上げます。

全国的にも民主党公認で50名の当選。
次期総選挙で政権交代を目指す上で
大きなステップとなる議席をいただきました。
自民党の49議席を上回った上に
与党対野党という比率でも
61対60で一議席上回っています。
政府与党はいろいろと言い訳をしているようですが
改選議席(今回の選挙で選ばれた議席)の過半数を
与党として得ていない以上
与党としての敗北であるのは間違いありません。

ただし民主党としては「勝利」ではなく
政権交代を実現したときこそが「勝利」であり
今回の結果はそれに向けたハードルを
一つクリアーしたと位置づけるべきでしょう。
特に今回は年金一元化案など
民主党の政策に期待していただいたという点もありましたが
自民党側の不真面目な言動に助けられ
その批判の受け皿になったという側面が
強かったことは否定できません。
ここから総選挙までが本当の勝負であり
今回いただいた「期待」を「信頼」に変えられるかどうかが
問われてくると思っています。

今回の選挙は党総合選挙対策本部事務総長代理として
党全体の選挙戦略に関与してきました。
岡田代表の真面目さを飾ることなく打ち出すとともに
年金問題に集中して論点の拡散を防ぐという戦略は
おおむね成功であったと思っています。
岡田代表の顔が大写しされたメイン・ポスターや
「まっすぐに ひたむきに」というコピー
シンプルに岡田代表の真面目さを出したCMなども
全体としてはうまくいったと思います。

もっともポスターなどの表現には
まだまだ工夫の余地があり
時間的余裕があればより良くできたと思いますし
埼玉では二人取れたのではないかとか
一人区で競ったところでもう少し取れたのではないかと
戦術的に残念な点も残っています。
岡田新代表選出までのプロセスや
選出から選挙まで間がなかったことを考えると
欲を言ったらきりがありませんが
反省点をしっかりと次に生かしていくことが重要です。
何よりもこれから次の総選挙まで
ぶれずに奇をてらわず「まっすぐに ひたむきに」
進んでいくことが重要であると決意しています。

皆さんからはご支援をいただくとともに
たくさんの激励や問い合わせなどのメールも頂戴しました。
選挙中は特に文書違反の恐れがあることから
返事等はお出しできませんでしたが
きちんと読ませていただいております。
改めてご支援ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

以上
 
 

ENEWSVol.113
2004.06.22 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 



通常国会も閉会し
政治の世界は参議院選挙一色となりました。

今回の通常国会は
残念ながら混乱したものとなってしまいました。
世論調査では7割から8割もの人が反対をしているにもかかわらず
自公政権による年金改悪法も成立してしまいました。
これについての民主党の対応も
十分なものではなかったという批判は
甘んじて受けるべきものと思います。
数の力で押し切ろうとする自民・公明両党と
これに十分対抗できない民主党という形が
結果として国会全体に対する国民の不信を招いてしまいました。
残念ながらこうした事態を背景に
参議院選挙は低投票率が予想されています。

確かに与党のごり押しに対し
国会での戦い方において
民主党が良い意味でもっとしたたかになるべきだとの指摘を
謙虚に受け止めたいと思います。
しかし日本は曲がりなりにも民主主義の国です。
国会の中のこともすべては多数決で決まります。
国会論戦でどんなにめちゃくちゃな答弁がなされ
必要なデーターなどが隠蔽されても
多数派がそれを無視し
時間がきたからといって採決してしまえば
野党には対抗する有効な手段がありません。

国政調査権などを駆使して
隠しているデーターを引っ張り出し
充実した審議をせよとの指摘もあります。
しかし誤解している人も多いようですが
一人ひとりの国会議員に国政調査権は認められていません。
国政調査権は衆議院と参議院という「院」の機能で
採決、つまり多数決でその発動を決めなければ
強制的な調査を実施することができません。

もちろん限られた権限の中でも最大限の努力をして
政府から資料や答弁を引き出す工夫を
民主党がもっと積み重ねなければなりません。
今度の国会でも
民主党としてしっかりと対案を出し
国会論戦の中で
自公案がいかに悪法であるかを明らかにしてきたつもりです。
民主党の言動にも批判されてしかるべき点があったことは否定しませんが
こうした議論の結果として
自公案ではとても安心できる年金制度にならないことを
多くの皆さんに認識していただけたと思っています。

政府与党のごり押しを止めるためには
国民世論が動き
投票行動によってその意思を示す以外にありません。
野党は国会論戦を通じて国民世論を喚起し
その力を背景にして
国会内の多数決を国民全体の多数決で覆すのが
民主主義のルールです。

今回の年金改悪が
数の力を背景に
世論調査で評判が悪いにもかかわらずごり押しされたのは
自公政権が
「年金改悪に反対な人も
どうせ選挙には行かないので
何をやっても選挙では負けない」
となめてかかっているために他なりません。

いくら評判の悪い法律を作っても
選挙という国民の意思を示す唯一の機会に
その審判を受けないのならば
与党はやりたい放題になります。
選挙のときに意思表示しなければ
今の状態を認めたことになります。
そして投票を棄権するということは
結果的に今の政治の現状を追認して
今後の自分たちの未来を「白紙委任」することになってしまいます。

98年の参議院選挙の後
一時的に参議院は野党が多数派になりました。
衆参で多数派が異なるという状態で
与野党とも数の力だけではごり押しできない状態になりました。
その結果としてその年の秋の臨時国会は
いわゆる金融国会となり
政策新人類と呼ばれた石原伸晃さんや私などが
党派を超えて政策本位の建設的な議論を展開し
超党派で金融再生法を作るという結果につながりました。
数の力でごり押しする国会ではなく
政策本位で議論する国会にするためには
数だけでは押し切れない状態を作ることが
重要ではないでしょうか。

一人が動いてもすぐに政治が良くなることはないかもしれません。
しかし諦めてしまっては政治はますます悪くなります。
それだけは確実ではないでしょうか。

以上
 
 

ENEWSVol.112
2004.06.02 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 



総理の北朝鮮訪問で
地村さんと蓮池さんのご家族は帰りましたが
曽我さんの問題は先送りされ
しかも面会場所で
政府内も二転三転しています。

この訪朝をどう評価するのか
見方が分かれているようです。

二家族が帰国したことは
その限りで朗報ですし
一歩前進であることは間違いありません。
しかし外交戦略の見地から
やはり大きな問題があると言わざるをえません。

北朝鮮との間には
ジェンキンスさん問題や
北朝鮮側が死亡と発表している十人の再調査
それ以外にも百人単位でいる拉致疑惑の問題
そして核とミサイルの問題など
まだまだたくさんの残された課題があります。
にもかかわらず総理は今回
あまりにも多くのカードを切ってしまいました。

事実上の身代金と言わざるを得ない人道支援。
平壌宣言の時点で核開発を進めていたことを隠していたのに
それを見逃して問題にすることなく宣言を再確認したこと。
拉致問題の書かれていない平壌宣言さえ守れば
制裁カードを切らないと約束したこと。
そして相互訪問という外交慣習を破って
金正日が訪日しないのに総理が再訪朝したこと。

確かに外交交渉には相手がありますから
ただ相手を批判しているだけでは
事態は進展しません。
分断されている家族を再会させるために
一定の譲歩は駆け引きとしてやむをえないかもしれません。
しかし残された問題の多さと重要性を考えたとき
これだけの交渉カードを切ってしまって
今後の日朝交渉はどうなるのでしょうか。
北朝鮮側に対して
強気に押せば日本から折れてくるという印象を
与えてしまってはいないでしょうか。
北朝鮮は国際社会から孤立し
米国からプレッシャーをかけられ
経済的にも厳しい状況にあります。
いわば我慢比べの状態で
しかも相手を追い込んでいたのに

目の前の半歩前進のために
近い将来の大幅前進を放棄した結果にならないか
強く危惧するところです。

特に今回の訪朝については
年金問題や参議院選挙という
内政問題を有利に運ぶために
タイミングを図ったとの指摘を否定できません。

今後もこうした問題をしっかりと検証し
拉致問題と核・ミサイル問題の早期解決を
目指して参ります。

以上
 
 

ENEWSVol.111
2004.05.25 EDANO Yukio / E-mail News Letter
え だ の 幸 男 E メ ー ル ニ ュ ー ス レ タ ー 



民主党の新代表に岡田克也さんが就任し
新しい体制も整いました。

この間の騒動について
改めてお詫び申し上げますとともに
ご批判、ご激励それぞれを含むたくさんのご意見に
心から御礼申し上げます。

今回の経緯と決着に対しては
さまざまな見方があると思います。
私自身、この間の振る舞いについて
旧執行部の一員としても
また一人の党所属議員の立場としても
反省することや後悔することが少なからずあります。

そもそも政調会長在任中は
<1>皆さんに選んでいただいた議員としての責任
に加えて
<2>党執行部の一員としての党員・サポーターの皆さんに対する責任
<3>党執行部の一員としての代表を支える責任
という三つの責任を背負っていたと思います。
通常はこの三つの責任を果たすことに矛盾はありませんが
今回の経緯の中では
時として矛盾しかねない場面が少なからずありました。
いろいろと誤解されていることや反省すべき点もありますが
少なくともこの三つの責任を
矛盾なく果たすために最善をつくし
また、どうしても矛盾する場合には
<1>から<3>の優先順位で筋を通してきました。

岡田新代表とは
98年の新進党解党に伴う
旧民主党と民政党等との合流の際に
それぞれ旧民主党と民政党の政調会長として
現在にも至る民主党の基本理念・基本政策を
ともに作り上げたのに始まって
岡田政調会長の下で政調会長代理を
また岡田幹事長の下で政調会長をと
多くの期間、直接その下で一緒に仕事をしてきました。
真面目で公平で政策通で筋を通す人であることは
自信を持って皆さんにお伝えできます。
小泉パフォーマンス政治と対峙するとき
こうした岡田さんの律儀さがきちんと皆さんに伝われば
民主党の信頼回復も可能ではないかと
期待しています。

私自身は
はからずも政調会長という大役を
30代の若さで経験させていただきました。
まがりなりにも一年五ヶ月続けられたのは
多くの皆さんから期待の声をかけていただいたのに加えて
たくさんの先輩や仲間が
バックアップしてくれたからに他なりません。
今度は私の方が裏方的に
岡田新代表や藤井新幹事長、仙谷新政調会長をはじめとする
新しい執行部を盛り立てて
民主党の建て直しに微力を尽くしたいと決意しています。

さっそく民主党総合選挙対策本部の
事務総長代理(事務総長は藤井幹事長)兼企画委員長と
仙谷さんがこれまで務めていた
衆議院憲法調査会の会長代理(会長は自民党の中山太郎議員)を
務めることになりました。
特に選対事務総長代理という仕事は
これまで一貫して政策畑を歩んできた私にとって
初めての党務、初めての選挙対策となり荷が重いのですが
藤井事務総長の足を引っ張らないように
しっかりと勉強しながら
がんばっていきたいと思っています。

総理の北朝鮮訪問について
5人の家族が帰国したことは
率直に喜びたいと思います。
ただ曽我さんのご家族の件や
こちらから切ったカードの問題
残された拉致被害者の調査
交渉のプロセスなどについて
たくさんの問題が指摘されています。
手ばなしで「良かった、良かった」と
済ませられない問題も含まれています。
この問題については
次回以降に引き続き発信したいと思います。

以上
 
 

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