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オープン
ミーティング
[抄録]

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枝野幸男 オープンミーティング 

テーマ 「 社会保障トータルビジョン 」

1999.12.11(土)


▼1999.11OM ▲2000.01OM
Open Meeting
日本が高齢社会をむかえるにあたって、社会保障を制度を充実させる必要があります。しかし現在、年金や介護はそれぞれがバラバラに動いているため、無駄が出てしまう仕組みになってしまっています。そこでその無駄をなくすために制度をまとめるトータルビジョンが必要になってくるのです。

そこで本日のオープンミーティングは、「社会保障のトータルビジョン」をテーマに、まず社会保障とは何か、福祉とはどう違うのかという説明をしてから、現在の社会保障制度のを問題点を指摘し、その解決策としての、また社会保障のあるべき姿としての、トータルビジョンを提示したいと思います。

Open Meeting

▼ 福祉から社会保障へ

社会保障と福祉というのはしばしば混合されがちですが、この二つは根本的に違うものです。またそれぞれの意味が使う人によって違ったりしますが、私なりに大雑把に違いを述べれば、

    ・福祉=国家による、恵まれない人の救済
    ・社会保障=社会の中でのリスクの分散による、相互の助け合い
ということになります。例えば、国民健康保険や労災保険などはいざという時に備え、保険金を出し合っているもの同士でリスクを分散していることになります。

私は、今まで福祉の分野にあったものをどうやって社会保障の分野にシフトさせていくか、20世紀とはそういう時代であったと思います。高齢社会になれば、誰もがリスクを抱えることになります。国家による、恵まれない人の救済という形では無理が出てきます。国の「ほどこし」のいらない社会をつくるということが、時代の流れになっています。

▼ 社会保障の長所

社会保障の長所の一つとして、福祉とはあくまで国の恩恵ですが、社会保障というのは、保障を受けることが加入者の権利になるということがあげられます。恵まれない人を国が救う、という図式ではありません。

もう一つには、その裏返しとして、必要に応じてサービスを広げることができるということです。福祉は、予算が先に決まるものですから、それを越えたサービスを行うことはできません。それに比べ、社会保障は、保険料を上げたり下げたりしてサービスの必要性に対応することができます。

▼ 社会保障の3本柱

では具体的に、社会保障にはどのようなものがあるのでしょうか。重要なものとして3つ挙げると、一つめは、老後の生活の安定の保障として、年金があります。2つめは高齢者だけでなく、先天的なものや事故などによるものも含めた、体が不自由な人のための介護保険です。最後に、病気や事故の時の保障となる医療保険です。 以上3つ以外に、失業保険もあります。また私は、事業を起こして失敗したときのための保険もつくるべきだと考えています。

Open Meeting
高齢社会にむけて、日本では社会保障の必要性が高まっているわけですが、そこには問題が山積みです。では、どのような問題があるのでしょうか。

▼ 年金・医療費の無駄

現在、医療や年金において多くの無駄が行われています。 本来なら介護の世界でやることを医療施設がやっているために医療保険に大きな負担がかかっていることがあります。現在、寝たきりになったとき老人ホームが足りなかったり家では手当てし切れなかった場合には、多くは入院という形で医療施設が受け入れています。例えば脳溢血で倒れて入院をして治療した後、病状が安定してリハビリ期間中であってもずっと入院している、なんていうのはよくある話です。老人ホームで世話をするより病院で世話をする方が、おおよそ倍の費用がかかります。これでは医療保険がパンクしてしまいます。

今までは老人ホームが福祉として使われていたため、お金の無い人しかホームに入れず、入院費が払える人は入院してしまうことになっています。それにしても本人が払っているのは費用の2割です。残りの8割は国が負担しているのです。

また、特養老人ホームに入っているお年寄りは、24時間の介護の元で、基本的な衣食住は足りているわけで、ホームに入っている期間は、全額とは言わないにせよ、年金はそんなにいらないはずです。しかし今はホームに入っているお年寄りにも全額年金が支払われているため、本人はベッドに寝たきりの間に銀行に年金が貯まっていき、本人の死後に遺産となるというようなケースがあります。これは年金の本来の趣旨から全く外れてしまっています。

▼ 負担増

放っておけば、後20年程度で年金は受け取る人の方が多くなります。また現在すでに医療保険ではお年寄りの支出が多くを占めています。当然、誰かが負担をしなくてはいけません。

社会保障にするのなら、出ていく部分をカットすることはできません。 また、老後の生活を最低限保証できる額ではないと社会保障とは言えません。最低限の生活をするのに10万円かかるときに5万円しか支給しないというのは、社会保障ではないのです。

高齢社会ですから、若い世代が多く負担をしなくてはならないのは、やむを得ないところがあります。それは、少子高齢社会では、若い世代はより多くの年長者に育ててもらったわけですから、より多くのお金をかけて育ててもらったことになるからです。また遺産相続などでも、兄弟が少ないのですから多くもらうことになります。 もちろん、あまりにも負担が多すぎれば勤労意欲が無くなりますから、できる限り無駄をなくさなくてはいけません。

負担の公平さ
負担が増えるのならば、負担の公平さがより必要となります。

▼ トータルビジョンの必要性

そこで、今回のテーマでもある、「社会保障のトータルビジョン」が必要になってくるのです。社会保障は、それぞれがリンクして動かなくてはいけません。ですが今は、年金も介護も医療も全てバラバラに話が進んでいるので、無駄なことが行われてしまうのです。

例えば、老人ホームに入っていてお金をほとんど使っていないお年寄に年金が払われているのは、年金と介護がリンクせずにバラバラに行われているからです。老人ホームに入っているお年寄には年金支給額を調整して、無駄を少なくします。

また年金と、介護・医療をセットにして、年金の水準を高くすれば介護・医療保険を低くする、もしくはその逆というようにバランスを取ります。

▼ 負担の抑制

負担増を抑制するためには、できる限り無駄をなくさなくてはいけません。 そのためには、まず病院に介護をやめさせなければいけません。現在、老人ホームが足りないのを病院が補っています。また、お年寄りのコミュニティーが病院しかないのです。

医者にとってお年寄りが既得権益になっています。老人ホームの増設や、地域でのお年寄りのコミュニティーづくりなどによって、お年寄りを病院から離す必要があります。

次に、国による一律の社会保障制度ではなく、地方分権を行ないます。 介護保険は市町村ごとに、医療保険は都道府県ごとに行なわれています。長野では予防医学に力を入れた結果、老人医療費を抑制することができました。地方分権をして自治体が独自色を出せるようにし、地方自治体に競争をさせ介護や医療にかかる費用を抑制させます。

▼ 負担の公平さの確保

また、重要なのは、負担の公平さを確保することです。 介護保険と年金には、サービスの支給と現金の支給という違いがあります。サービスの支給であれば、必要に応じてサービスを広げて保険料を上げればいいのですが、現金支給の場合には、お年寄りの生活の最低基準を規定しなければならず、政治的決着を必要とします。ですから、年金は税で行なった方がいいのです。それには景気の変動にあまり左右されない消費税を使います。またその際には、消費税を完全に年金の目的税化させます。

日本が高齢社会をむかえるにあたって実現させなければならないのは、最低限の生活を送れることが保障され、安心して年を取れる社会をつくることです。 それを実現しないことには、日本の21世紀の展望は開けません。社会保障のトータルビジョンの必要性は日々高まっています。しかし、現在の日本の政治の方向性がきちんとその方向に向かっているとは言えません。政治の流れを変えるためにも、枝野幸男はこれからも活動していきたいと思います。

質疑応答 questions and answers
▽ A氏
高齢者の福祉政策で、北欧ではグループホームがさかんですが、日本でももっと活用すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

▲ えだの
その通りです。しかしここで注意したいのが、これは社会保障ではなく、高齢者の住宅政策として扱うということです。そのように効率化をはかることによって社会保障ですることをできるだけしぼれば、社会保障にかかる費用負担が少なくなります。

▽ B氏
これからの日本の高齢者を支えるというだけではなく、高齢者の活用も必要となると思いますが、いかがでしょうか。

▲ えだの
これから少子化によって現役世代の数が減少するわけですから、高齢世代の雇用への需要は高まってきます。ですから、若い世代と高齢世代の間の融合の必要があります。これからは情報社会ですから、高齢者のためのパソコン講座などのフォローが必要です。 また民主党では、65才定年は認めるが、その次の再雇用の際は年齢を問わないことを定めた「雇用における年齢差別禁止法」を今国会で提出する予定です。

▽ C氏
高齢社会に向けて社会保障を充実させる必要があるのは分かりますが、日本の財政状況を考えると、これ以上大きい政府にさせるわけにはいかないと思うのですが、いかがでしょうか。

▲ えだの
社会保障を充実させることが、イコール大きな政府になるわけではありません。今の日本というのは、大きな政府に小さな社会保障という状況なのです。民主党が目指しているのは、それとは全く逆の、小さな政府に大きな社会保障です。国は仕組みをつくったり、お金を動かしたりするのみで、実際に病院や介護施設を運営するのは民間がするべきです。国は大きな枠組みをつくるだけで、民間の活力を利用する、これが21世紀にむけて求められる政府の役割であると考えます。

※以下議論省略



編集責任:枝野幸男事務所

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