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オープン
ミーティング
[抄録]

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枝野幸男 オープンミーティング 

テーマ:「地球温暖化を考える ~モンゴル訪問報告~
 

2002.09.08(日)



▼2002.08OM ▲2002.10OM
Open Meeting
  
8月に党の派遣でモンゴルへ視察に行きましたので、今日はその報告をさせていただきます。   
 地球温暖化ではなく気候変動
私も、今年の夏に、モンゴルの地球環境大臣に話を聞くまではこの仕組みを十分には理解していませんでしたが、地球温暖化の影響を最も受けるのは、内陸部で緯度や高度の高い所です。そういう場所では、近くに水が無く、土地や空気が早く暖まりやすく、冷えやすい状況にあります。つまり、ユーラシア大陸の真ん中に位置するモンゴルなどが、最も、地球温暖化の影響を受けてしまう訳です。

モンゴルでは、この10年間で夏の平均気温が10℃弱も上がっています。本来、モンゴルは、夏でも、日差しは強いですが、30℃になるということはなく、寒暖の差も激しいので8月末に雪が降ることもあったくらいだそうです。それが、今回実際に8月のモンゴルに行ってみると、35℃、36℃になっていました。

実は、地球温暖化というのは、正確ではなく、気候変動というのが実態だそうです。なぜかと言うと、起こっているのは、温暖化だけではないからです。例えば、ここ数年、モンゴルでは、夏の気温がどんどん上がり、雨が降りません。その代り、冬は寒波に襲われ、最低気温も下がっています。そして年間を通してみると気温が上昇している、といった状況です。夏に高温になり過ぎて気圧が変化すると、今度は、冬に気温が下がり、格差が大きくなるということになるようです。

  
 モンゴルの現状から世界を見る
モンゴルというと、緑の草原に青い空、夜には満点の星空というイメージ持っていましたが、実際に行ってみると全く違いました。緑はぼちぼち見えますが、ほとんどが茶色の地面です。夏を越えて、本来なら緑の草原になるはずの所が、地面のままなのです。草原は全く無しです。青い空、これも違います。曇っています。山火事が多発しているためです。もともと乾燥している土地が、異常に高温になっているのですから、国中で、自然発火等を原因とした山火事が起こっています。しかし、水が無く、消化できていません。

今回の視察では、最もひどい影響を受けている地域に行きました。首都ウランバートルからヘリコプターで400から500km南下すると、ゴビ砂漠の北側が見えてきます。そして、ゴビ砂漠を南側に下っている唯一の川であるオミ川が、ゴビ砂漠の真ん中にあるウラン湖に流れ込みます。このウラン湖に行きました。ヘリコプターが湖の真ん中に着陸しました。ウラン湖は琵琶湖と同じくらいの大きさだそうですが、この湖が小さくなり始めて5年で、完全に干上がってしまったそうです。ものすごく砂ボコリが舞い上がっていました。さらに、オミ川を北にさかのぼっても、150kmまで水がありません。

この様に、極端に夏が暑く冬が寒い環境では、いずれ食べていくことのできない人たちが出てくると考えられます。モンゴルでは既にそれが起こっています。モンゴル人の多くは、遊牧民です。昔ほどではないかもしれませんが、自給自足でヤギなどを飼っていて、ヤギの乳からお酒を作って栄養をとるという生活をしています。にも関わらず、夏に草が生えなければ、家畜が食べることができません。冬を越す為の貯えにする草を刈ることもできません。ですから、冬になって寒くなると家畜がバタバタと死んでいく。1千万頭の家畜がこの数年間で死んでいます。

遊牧民にとっては、ヤギや羊などの家畜が唯一の資産です。しかし、今のように家畜がどんどん死んでいる。そうすると次に何が起こるか。食料が無くなり、食べられなくなる人々が出てきます。

今、首都ウランバートル周辺では、郊外で遊牧生活をしていて食べられなくなった人たちがどんどんやってきて、マンホールに住みつき、町がスラム化しています。

もし、この様になっているのが、モンゴル人だけだったら、他の先進国で援助すれば解決するかもしれません。しかし、モンゴルで起こっていることは、アメリカの内陸部、穀物地帯でも起こりえることなのです。ロシアやオーストラリアの内陸部でも起こる可能性があるのです。

そうなると、いずれ、食料を輸入に頼っている我々日本人も、食べられなくなる可能性があります。もちろん、私たちが食べられなくなる以前に、戦争が起こることも予想されます。

実際に、昔からの友好関係にあるロシアとモンゴルでさえ、その関係が少しずつ変化してきています。昔は、国境を越えて草を求めて移動していた遊牧民が、20世紀に入って国民国家が成立したお陰で、国境が越えられなくなっています。ですから、砂漠化が進んでいる近年、緑の残っている北部を目指して、移動したい遊牧民と、それを受け入れないロシアとの間で、緊張が生まれ始めています。まだ、ロシアとモンゴルでは国力が違い過ぎますから戦争にはならないでしょう。しかし、食べられない国々がたくさん出てきて、他の国に行けば食べられると思って侵攻すれば、衝突が起こります。それがあらゆる戦争の根本原因になりうる。正直言って、ここまで急速に深刻な話だとは、モンゴルに行ってみるまで感じていませんでした。

  
 日本の環境対策
我々としては、この状況をなんとかしなくてはならない。まず、危機感を持たなくてはならない。空気中の二酸化炭素の濃度が高くなり、温室効果(外からは光が入って来て中が暖かくなるが、熱が外に逃げていかない)の起きることが、地球温暖化の最大の原因と言われています。そして、私たちの現代的な生活に、二酸化炭素排出の一因があるのも事実です。では、どうしたらいいのか?

日本では既に、ガソリンをあまり使わないハイブリッドカーの開発や、二酸化炭素を出さない原子力発電所の設置などに取り組んでいます。しかし、温暖化に悪影響を及ぼしているのは、産業部門だけではありません。むしろ、私たちの日々の生活に関るところのエネルギー消費が二酸化炭素の排出量を増やし、温暖化に悪影響を与えています。もちろん、制度として、産業政策として、二酸化炭素排出量を削減するということもやります。炭租税、環境税なども検討していかなくてはならないでしょう。しかし、それだけでは足りません。私たちが日々の生活の中で、自動車に乗る、電気を使う、こういう部分がなかなか抑えられていません。ですから、私たちの日々の生活スタイルを変えていくということも考えていく必要があります。オイルショックの時に、「小まめに電気を消しましょう」というキャンペーンをやっていましたが、こういった運動をもっと広げていかなくてはいけません。

地球温暖化がこのペースで進むと、いずれ、小麦の不作や家畜の死滅などという形で、私たちの生活にダイレクトに響いてくる食料危機が起きるかもしれない、とモンゴルに行って感じました。その時には、食料の値段が暴騰して、日本も輸入できなくなる日が来るかもしれません。ですから、私たちも、みなさんに共通認識として同じ危機感を持ってもらえるようなキャンペーンをしっかりと立てていく必要性を感じました。そして、産業の分野でも、原発やハイブリッドカー、ソーラーシステムなど、最先端の技術を開発する努力をすすめれば、アジアの中で、日本がリーダーシップをとっていくことが可能になり、日本経済にもプラスの効果を生み出すことができると考えています。

質疑応答 questions and answers

▽ A氏
中国国内にある内モンゴルでは、モンゴルに比べて遊牧民が減っていて、農民の比率が高くなっています。というのも、中国の緑化政策と農業化政策が上手くかみ合っているからだと思いますので、モンゴルにも参考にして欲しいのですが?

▲ えだの
モンゴルでは、内モンゴルのやり方に対する反発が大きく、農業のやり方によっては、ますます砂漠化が進むという話もあります。ただ、内モンゴルでの成功例もぜひ実際に見に行きたいと思います。

▽ B氏
南北の超大国であるアメリカと中国が京都議定書を批准せず、ヨーロッパや日本は、CO2の排出権取引を進めるなど、本来の地球温暖化対策という視点からずれた議論、方向性になってきているのではないでしょうか?

▲ えだの
京都議定書も国際条約ですので、各国の利害が対立する部分も大きいと思いますが、しかし、各国が自国の利益だけを主張していると、いずれ地球全体が危ないことになってしまいます。そこで、日本は、やはり正論を主張し続けるしかないと思います。そうすればヨーロッパも反応せざるを得ないですし、そういう空気を作るしかないと思います。

▽ C氏
オランダでは通勤に自転車を使っている人には減税措置があるようです。サマータイムの導入なども検討していただけないでしょうか?

▲ えだの
環境への取り組みを進めるために、税による誘導というのは必要だと思います。環境に悪影響を及ぼすものには税を高く、逆に環境に良いものは税を安くするということが必要です。環境にやさしい方法をとることが可能な社会を作る必要があります。

サマータイムについてですが、現在、8月に集中している夏期休暇をずらすということを考えています。今は、電気の使用量が8月に集中している為、その一瞬のピークをまかなうために多くの原子力発電施設があるようなものです。ですから、サマータイムよりも、休暇をずらして取れるようにしていくことの方が効果的かなと思います。サマータイムを導入すると、時計はもちろん、テレビやパソコンなどほとんどの電化製品についている時刻設定を全て変更しなくてはいけません。先進国ほど、そういった手間が多いですから、皆さんがその手間をかけてもいいという同意が必要になります。

  

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