
枝野政調会長/記者会見要旨
2004年05月12日(水)
16:00~16:25 (於:衆議院本館-第4控室)
編集・発行/民主党政策調査会
INDEX
■『次の内閣』(=職務執行内閣)閣議報告/有事法制について/その
他の法案について
■政調会長在任の1年5ヶ月を振り返って/■菅代表の辞任につ
いて/■三党合意について/■新体制について/■今後のマニフェストの取り扱いに
ついて/■民主党の年金政策について/■公明党幹部の国民年金未納問題について/
■政調会長在任の1年5ヶ月で、二大政党制はどの程度まで達成できたのか/■今ま
での鳩山・菅体制について/■小沢代表代行に代表就任を要請していることについて
/そのような考え方はあまりに無責任で傍観者的ではないか/■若手を擁立すること
について/■新執行部の下で役員就任には応じるのか/■新代表の任期について

○『次の内閣』(=職務執行内閣)閣議 報告
『次の内閣』は職務執行内閣となっているが、国会は動いており、民主党の事情で
国民生活にご迷惑をかけるわけにはいかないため、本日開催させていただいた。政調
会長としての記者会見は、本日が最後になると思うが、それを含めてご報告とご挨拶
をさせていただきたい。
[有事法制について]
与野党協議が続いている。(1)政府案に対して民主党がどのようなスタンスで臨む
のか、(2)この採決の前提となっている緊急事態基本法についての骨子案内容につい
て議論している。
これは現場で議論を積み重ねてきており、前回も中間報告を行っている。国民保護
法制政府案に対する、民主党としての修正項目を了解し、緊急事態基本法の骨子案に
ついては、自民党からの提起に民主党案を書き込んで打ち返す形で、例えば、(1)緊
急事態対処のため行政が実施する措置は、法律の規定に基づかなければいけない点、
(2)緊急事態における基本的人権の尊重に係る書きぶり、(3)ジュネーブ条約など国際
人道法の的確な実施、(4)緊急事態の未然防止に関する基本施策、等を基本法に書く
べきとの観点から骨子案への明記を求めているとの報告を受けた。与野党協議は、本
来であれば新体制発足後に協議を進めるべきだが、協議自体は進めなければならない
ため、国民保護法制等に対する修正の交渉、基本法骨子の与野党協議については、こ
うした方向性が了承された。
今後の扱いについては、最終的には政策問題を超えた政治的判断が必要になるた
め、新体制発足後に最終結論を得られるよう与野党間の交渉を進めていきたい。万が
一、新体制発足が遅れた場合の扱いについては、交渉担当であり現場の理事である前
原ネクスト外務大臣、松本ネクスト防衛庁長官、そして私に『次の内閣』を開催する
ことの是否を含めて一任いただいた。
[その他の法案について]
「児童福祉法」については、政府案に対して、民主党として修正案を提出する。
「消費者保護基本法」については、対案を出して議論してきたが、与野党で一致
し、ほぼ民主党の要望が通った形の委員長提案に差し替えて合意し、賛成する。
「行政事件訴訟法」、「景観法」については、いずれも不十分なものではあるもの
の、前進ではあるため、審議、附帯決議等を十分に考慮した上で賛成することとし
た。
「国家公務員共済」については、年金関連の一連の法案であり、到底賛成できるも
のではない。反対であることが確認された。

○政調会長在任の1年5ヶ月を振り返って
菅体制が発足して以来1年5ヶ月間、政調会長を務めさせていただいたが、菅代表
が辞意を表明されたため、新体制発足と同時に私も政調会長の職を離れることにな
る。最後は、国民の政治不信、民主党不信を招く結果になってしまった。菅代表をサ
ポートするべきネクスト官房長官としての立場、三党合意問題における役員会の一員
としての立場から、こうした事態を招いたことについて、私も重い責任を感じてい
る。
菅体制スタート時の民主党の状況を考えれば、4月半ばまでは私自身も上手くやっ
てこれたと思っていただけに、この半月ほどの事態は残念であり、支えていただいた
中川政調会長代理やネクスト大臣、政調副会長、議員、党員・サポーターには申し訳
ない思いだ。私は、38歳で政調会長に指名をいただき、若輩であるにもかかわら
ず、私よりも年長の中川正春議員に政調会長代理を、そして私よりも人生経験、政治
経験が長い方にも政調副会長、ネクスト大臣として一生懸命支えていただき、1年
5ヶ月務めてこられたことに大変感謝していると同時に、良い機会を与えていただい
たと思っている。
最後のところで、国民の信頼を損なうような結果になったが、私としては執行部の
一員として、私なりの最善を尽くしてきたと自負している。それがどのように伝わ
り、どのように受け止められているかはともかく、政治は結果責任であり、結果的に
こうした不信を招いたこと、執行部の一員として代表の辞任に至るようなことになっ
たことは、大変残念であり申し訳なく思っている。記者の方々にも長い方には1年
5ヶ月にわたりご指導ご鞭撻いただいたことを重ねてこの場をかりて御礼申し上げた
い。

○菅代表の辞任について
政治家に限らず、出処進退はご本人がご自身で考え、判断することだと思う。遅
かった、早かったとのことはあるが、本人の判断である。様々な理由・原因が辞める
に値するかしないかについては意見がわかれるところだが、ネクスト官房長官という
本来の内閣でいえば女房役のような役割でありながら、結果として代表が辞任するこ
とに至ったことは、代表に対しても、民主党を応援して下さる皆さんに対しても、二
重の意味で申し訳なく責任を感じている。

○三党合意について
私自身も役員会で三党合意を了承した一人である。また、『次の内閣』の手続きに
おいて十分な配慮が足りなかったことの責任者でもある。三党合意そのものが良かっ
た、悪かったとの判断は、様々な立場からの批判を甘んじて受けなければならないと
思う。しかし、岡田幹事長が公党を代表して署名した以上、それを軽々に破棄すれ
ば、それは違った意味で無責任であると思う。少なくとも執行部の一員としては三党
合意を守るということでご理解をいただきたい。軽々にやめるということは、公党間
の約束に署名をした立場から、無責任のそしりを免れない。三党合意をご了解いただ
けたことは、最終的には良かったと思っている。その上で、昨日の採決については、
新執行部ができたところで判断すべきことではないか。

○新体制について
人それぞれの価値観、人生観になると思うが、私は代表が辞任し、その執行部の一
員であり、女房役であるネクスト官房長官という役目を担っていた立場として、連帯
責任を負っている。新体制については、民主党の結束を守り、かつ反転攻勢ができる
ような体制を作っていただきたいとの要望だけであり、それ以上のことを申し上げる
べきではないし、そうした立場ではないと思っている。

○今後のマニフェストの取り扱いについて
参議院選挙が迫っており、新しい体制の方々には短い時間に多大なご迷惑をおかけ
することになるが、民主党の政策決定のプロセスに基づいて、現場で様々な積み重ね
をしており、それをどのように集約し加工するかという段階にきている。そうした積
み重ねを踏まえて進めていただければ、参議院選挙までに新体制で上手く料理してい
ただけるのではないかと思っている。

○民主党の年金政策について
総選挙のマニフェスト、それに基づく民主党の対案は党内で了解をいただいてい
る。少なくとも政策論としてはこれを掲げて参議院選挙を戦うのは間違いない。あと
は政治的にどのように位置づけ、戦っていくのか、高度な政治判断であり、新体制で
対応していただくことになる。
私も民主党年金法案の提案者の一人であり、今回の提案を参院選、さらには次の総
選挙に向けてブラッシュアップをして戦っていただきたいし、そのような活動には一
兵卒として協力していきたい。

○公明党幹部の国民年金未納問題について
まさに菅代表がそうだったわけだが、きちっとした事実関係を把握していない段階
で軽々なことを申し上げてはいけないとのことが今回の反省だと思うので、今の時点
で私がコメントすべきではないと思う。ただ、その事実に応じて誰よりも私どもが何
かを言う以上に国民やメディアが判断されるだろうと思う。

○政調会長在任の1年5ヶ月で、二大政党制はどの程度まで達成できたのか
私の認識としては8割、9割方、二大政党制ができたと考えている。あとはどのよ
うに定着させるかであり、そして政権交代がおこることによって完成することにな
る。そこまでどのように持っていくのかということだ。ここから政権交代までどのよ
うに持ち込むかについては、これまで以上のエネルギーが必要だ。それに向けて応援
して下さっている、党員、議員には今回のことで足をひっぱてしまい迷惑をかけたと
思うが、大局的には後退はしていない。次の総選挙で政権交代し、二大政党制を完成
させたいと考えており、私も一議員として頑張っていきたい。

○今までの鳩山・菅体制について
二人とも現時点では残念な形で代表の職を辞することになっている。しかしこの1
0年近く、二大政党制の1つの極を作り上げていく過程を側で二人を見てきて感じる
のは、政権を維持していくことの何倍ものエネルギーが必要だということだ。政権と
いう求心力がない中で、チームを結束させ育てていくことがいかに大変なことか。全
体として若い政党であり、私や野田国対委員長のように若いサポート陣で党を引っ
ぱっていかなければならない。若さというプラスはあったと思うが足りない部分も沢
山あった。それらを合わせて考えてみると政権を維持するよりも何倍ものエネルギー
を要する仕事を担い、ここまで議席数を着実に伸ばしながら政権交代に近づけてきた
ことは、鳩山さん、菅さんに高く敬意を表したいし、感謝している。
政治家の役割、出番は自分で決めることではなく、時代が決めることだ。私は、時
代が二人(鳩山、菅)の経験と力を必要とするタイミングは十分あり得るのではない
かと思っているし、そうなることを期待している一人だ。

○小沢代表代行に代表就任を要請していることについて
今回の後継代表選びについては、5月11日の常任幹事会で岡田幹事長が調整する
と決まった。こうした場面で調整する役割を担っている岡田幹事長には同情するし敬
意を表したい。私自身も執行部の一員としての連帯責任を負っており、次の執行部に
ついては、従来の執行部の人間ではなく、ほかの皆さんで決めていただき、それを一
議員として支えていくことに徹するべきだと思っており、私自身はそれに徹したいと
思っている。それが立場上、役目柄できない岡田幹事長にはお気の毒だと思うし、役
目として努力していることには敬意を表したい。岡田幹事長の動き方については様々
な見方があると思うし、それは十分理解するが、原則として、連帯責任を負っている
執行部の一員として新代表の選出については意見を申し上げるべきではないし、考え
るべきではないと思っている。そこは岡田幹事長の調整と、私や旧執行部以外の皆さ
んで決めていただくべき問題だ。
[そのような考え方はあまりに無責任で傍観者的ではないか]
代表が引責辞任をした後、従来の執行部がどのような対応をとるべきかについて
は、確かに物の見方は二つある。途中で辞めた責任を感じれば後継者について注文や
条件をつけたり、誰が良いかというのは、逆に無責任ではないだろうか。責任をとっ
た以上、後は皆さんの判断に従うのが筋ではないかと思っている。もちろん、次のこ
とをしっかりと決めるなり引き継ぐなりしないと辞める時の体制として無責任ではな
いかとの考え方も間違っているとは思わない。これはどちらが良い、悪いではなく、
それぞれの考え方だ。私は前者が正しい正しくないではなく、そのような生き方をし
たい。
党としては様々なルールに基づいて次の体制を決める仕組みがある。その仕組みで
ある常任幹事会で岡田幹事長に任せているわけであり、そのようなご意見、ご批判が
あるとすれば、従来の執行部以外の方に意見を聞いていただいた方が良いのではない
か。

○若手を擁立することについて
責任をとった執行部の一員として、そうしたことにお答えすること自体、僭越であ
ると思っているのでコメントできない。一定の判断をすること自体、避けているつも
りだ。

○新執行部の下で役員就任には応じるのか
それはあり得ないと思うが、万が一あったとしても、代表を支えるべき政調会長で
あると同時に、『次の内閣』ネクスト官房長官であるので、この局面で何らかの役職
を引き受けることは私の価値観からはあり得ないことだ。ただ、新しい政調会長への
事務等の引き継ぎは責任をもって全力でやらせていただくことでお許しいただきた
い。

○新代表の任期について
このようなことは、ルールに基づいてやらないとよくない。規約を改正するとなれ
ば、例えば党大会に代わる両院議員総会で採決するわけであり、一議員として何らか
の判断に基づいて投票行動することになると思う。しかし、それは代表選挙になって
もそうだが、今の時点で私はこうすべきだとか、こうでなければいけないと申し上げ
ると後継問題と連動するため、控えさせていただきたい。
長い間お世話になりました。ありがとうございました。
以上