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枝野政調会長/記者会見要旨
2004年3月31日(水)
17:00~17:25 (於:衆議院本館-第4控室)
編集・発行/民主党政策調査会

INDEX
■『次の内閣』閣議報告[年金問題について][公益通報者保護法案、東 南アジア友好協力条約][高病原性鳥インフルエンザ対策][難民等の保護に関する法律 案、障害者基本法の改正案]

―――質疑応答―――
■年金問題について[今日の議論で はどのような意見が出されたのか][政府・年金法案が4月1日に審議入りするがどう 臨むのか][審議の中で追及する点は][民主党案の今後の取り扱い、提出の見通し等に ついて][民主党案の具体的な給付水準等について][民主党案の消費税の税率につい て][税と年金の議論について]■株価が上昇していることについて■政府の為替政策 について■東京高裁の文藝春秋社への判決について■緊急事態についての基本法、ミ サイル防衛構想について[基本法制定について][ミサイル防衛構想について]■高速道 路問題について




○『次の内閣』閣議報告


[年金問題について]
 明日、両院議員政策懇談会(4月1日16:00~民主党本部にて)を設定しているが、 民主党の年金改革案についての最終的なとりまとめを諮っていくにあたり、私から提 起させていただく民主党案についての整理と確認を行った。これまで年金改革PT (プロジェクトチーム)で検討を積み重ねてきたものと、昨年のマニフェストに載せ たものとに、それぞれ誤解があったと思う。本日の議論で誤解を解いた。最終的には 私の責任で明日の両院議員政策懇談会に提起させていただき、お互いに認識のズレが ないよう整理したい。繰り返し申し上げているが、改革案はマニフェストの内容を具 体化しているものであり、内容そのものは党内に異論はないと思うが、どのように説 明するか、どのように表現するかについて若干議論した。税金(消費税の部分)の議 論では、年金の範囲内での議論と、それを超えた税全体としての考え方を整理した方 がよいのではないかとの指摘を受けた。その点については、引き続き、税調を中心に 参議院選挙前に整理していくこととした。

[公益通報者保護法案、東南アジア友好協力条約]

 「公益通報者保護法案」については、政府案は中途半端でどうにもならない。民主 党は「公益開示法」を提出しているが、今日は政府案の問題点について中間報告を受 け、整理・確認を行った。「東南アジア友好協力条約」についても中間報告を受け た。

[高病原性鳥インフルエンザ対策]

 政府は現行法の手直しで対応しようとしているが、国民の生命、養鶏業者の経営に 緊急かつ重大な影響を及ぼす問題であり、危機管理の問題であると考えている。早急 に緊急措置法という形で今できることを一気にやる形で農林水産部門から提起された ため、法案提出を了承した。民主党案を提出するタイミングで改めてご説明させてい ただきたい。

 政府案は現行法の手直しの範囲で行おうとしており、危機管理としては不十分であ るというのが民主党の考え方だ。



[難民等の保護に関する法律案、障害者基本法の改正案]  「難民等の保護に関する法律案」(閣法「出入国管理及び難民認定法の一部改正 案」への対案)を再提出することを確認した。

 「障害者基本法の一部改正案」は超党派の議員立法であるが、民主党の考え方を採 り入れさせることができたため、了承した。




○■年金問題について


[今日の議論ではどのような意見が出されたのか]
 どのような図で説明するかに尽きる。全額税でまかなう部分(従来の基礎年金に代 えて設ける最低保障年金)と、所得比例で全国民一元化する部分と、どちらを上でど ちらを下にするのがわかりやすいのか。説明方法の違いであり、その点については私 の責任で、マニフェストで示した図が税でまかなう従来の基礎年金に代わる部分が下 になる図であるため、それに統一することとし、明日の両院議員政策懇談会で提起さ せていただくこととした。

[政府・年金法案が4月1日に審議入りするがどう臨むのか]
 審議に値しない。審議のしようがない。抜本的改革だと総理自身が述べていたはず だが、公的年金一元化の話が唐突に出てきた。これは抜本的改革だと言っていたこと が、自己否定している話であり、そもそもどのような位置づけの法案なのか訳が分か らない。一元化を含めた抜本的な改革をするのであれば、今、保険料率、給付水準等 を一生懸命議論して決めたとしても全く無意味だ。つまり、一元化した段階で、国民 年金加入者が一元化された中でどのように入ってきて、どのように保険料を納めるの かで、将来の給付水準が全部変わってしまう。一元化に向けた検討・協議をするとい うのであれば、今の法案を審議する意味がない。無意味な法案をなぜ審議しなければ ならないのか。少し優しいかもしれないが、この法案は最低でも凍結、棚上げが必要 だ。その上で抜本改革の話をすることになる。

[審議の中で追及する点は]
 今度の法案がどのような位置づけなのか、その一点で、他の議論に入りようがな い。つまり抜本改革、一元化という議論をこれからするという内容であれば、それ以 上内容に立ち入っても仕方がない。ただ、小泉総理が自身で一元化を検討すると言っ たことに加えて、今の政府案が抜本的なものでは到底ないという点は明らかにしてい きたい。

[民主党案の今後の取り扱い、提出の見通し等について]
 4月1日、両院議員政策懇談会で説明する。専門的な部分もあり、一回の説明で十分 に共通認識を持っていただけるかどうか、必ずしも確信は持っていない。しかし、内 容についてはズレがなく、まとまっているということで理解している。  ただ、説明方法、理解の仕方のところで誤解、食い違いがあるかのようなとられ方 をしないように共通認識をつくることは丁寧に行った方が良い。両院議員政策懇談会 の結果を踏まえてと思っている。4月7日の『次の内閣』閣議までには党内での手順 を踏んだ上で最終確定をして、法案提出したいというのが今の希望だ。

[民主党案の具体的な給付水準等について]
 保険料率は13.58で上げないことを含めて提起した。それについては特に異論はな かったので、理解されているものと思う。明日の両院政策懇談会ではそれを提起する ことになる。

[民主党案の消費税の税率について]
 3~4%という言い方で提起している。最終的には税でまかなう最低保障の部分の水 準の厚みと幅をどの程度とるかで決まってくる話だ。それによって、全体としての給 付水準が決まってくるので、最後のところまでシミュレーションして、できるだけ具 体的な形で検討してまとめたいと思っている。大きくずれることにはならないが、税 の抜本改革をする以前の問題として現状よりも3~4%程度の消費税が必要である。消 費税全体を年金目的税、社会保障目的税といったものにするのが良いのではないかと の提起も出されており、年金だけの議論で決められることではない。例えば分権問題 では、消費税は分権財源に使いたいとの議論もあり、税調で、根っこから年金に使う のか、あるいは5%は今まで通り一般財源としてそれに上乗せして3~4%の消費税を使 うのかについては、年金の議論をするにあたっては、決めなくてよいだろう。できれ ば参院選挙までに結論を出したいと思っている。

[税と年金の議論について]
 3~4%の年金目的税にするならば、今の5%を含めてそうした方がよいのではないか との提起も出され、検討に値するものだ。その場合、年金だけとするのか、年金以外 を含めるのか、あるいは分権財源との関係をどうするのかについては、年金の議論と は別次元の税の議論として早急に整理をすることとなった。これから議論を進めてい くことになる。



○■株価が上昇していることについて


 今、株が上がっている理由は、株あるいは経済をみている方には暗黙の了解のよう なものだ。PKO、価格維持のための公的な介入がなされてマーケットを歪めてい る。これは毎年繰り返されていることであり、年度末に株価が上がっていることにつ いては、過剰に反応しても意味がないことだ。全体として株価が良いのは、リストラ の効果と中国バブルの影響だということは前にも申し上げたが、リストラについては 内需の拡大に結びついていかず、継続性を持っていない。また、中国バブルについて も、残念ながら今の状態が中期に渡って続くとは思えない。本質的な景気回復を示し ている数値だとは受け止めていない。逆に、株価が若干でも高い時にこそ本当の改革 をしなければいけない。



○■政府の為替政策について


 過度に急激な円高になることは望ましいことではなく、当局としても対応すべき必 要がある。残念ながらこの間の政府等による介入の仕方は、永続性を持っていない。 日本の持つドル資産が膨らんでいきロスを出し、介入の余地を小さくしている。介入 の仕方として非常に稚拙である。結果的に円高にブレーキをかけるとともに、永続的 な効果を持つことができないでいる。そのことが今日の円の急騰につながっているの ではないか。あえて言えば、年度末で株価をキープすることにエネルギーが注がれた 分、為替の方にエネルギーが注げなかったのかとの見方もできる。



○■東京高裁の文藝春秋社への判決について


 具体的な案件について立ち入ることは避けた方が良いとは思うが、プライバシーの 侵害にあたるような表現行為は厳しく法律によって対応しなければならない。しか し、事前差し止めの問題は、「表現の自由」対「プライバシー」という問題とは違っ ているのではないかと今まで申し上げてきた。表現の自由といえどもプライバシーを 侵害することはできないことは当然であり、プライバシーを侵害するような表現行為 の自由までは認められていないが、どのような形で抑制するのかについては、事前検 閲の禁止。特に公権力が表現行為を事前に押さえてしまうことに対しては、別の観点 からの慎重な検討が必要だと思う。そうした観点も踏まえた司法の判断であろう。こ の判断が今回の対象になっている記事が、プライバシーの保護に優先する表現行為で あることを認めたものではないと思う。みだりにプライバシーに立ち入るような表現 行為に対してはしかるべき民事上のペナルティーが課せられるべきだと思う。



■緊急事態についての基本法、ミサイル防衛構想について


[基本法制定について]
 前原ネクスト外務大臣から報告は受けているが、『次の内閣』閣議ではまだ議論に なっていない。どのように対応するかについては、『次の内閣』だけの問題ではな く、幹事長、国会対策委員会を含めて、早急に分析をして対応を決めたい。まだ詳細 の報告を受けていないため、現時点では白紙だ。

[ミサイル防衛構想について]
 党としてはまだ検討していない。私の個人的な見解では、物事には必ず裏表の両面 がある。ミサイル攻撃に対して緊急に対応しなければならないことについては、要求 されるスピードとの関係で手続きを決めることはその限りにおいては合理性を持って いると思う。ただし、その話だけが単独で議論されることはあまりにもバランスを欠 くのではないか。例えば、一昨年来、民主党は一貫して、自衛隊の海外派遣にあたっ ての国会での事前承認や、派遣後もしかるべきタイミング毎に節目毎に、国会が関与 することを求め続けているが、政府は非常に消極的だ。スピードを要しないものにつ いては、丁寧な国会の関与等をする。どうしても手続きが間に合わないものについて は、それに応じてスピードある対応をするという両面の話が出てくるのであれば、前 向きに受け止めなければならないと思うが、様々な手続きや関与を省略する一方だけ の話は、バランスを欠いており問題だ。バランスを欠いているという意味では、ミサ イル防衛については、民主党も前向きに検討するという立場ではあるが、ミサイル防 衛が必要になっていることの裏返しで、逆に、日本本土における地上での正面戦争の 可能性は下がってきており、ミサイル防衛を強化する一方では、国内の地上戦向けの 装備、体制は軽減することができるだろう。その軽減した分を、ミサイル、テロ等に 振り向けるというバランスが必要であり、大きくする、手続きを省略するというとこ ろだけ話を持っていくのは非常にアンバランスだ。



■高速道路問題について


 国土交通部門で作業を進めている。基本的な部分はマニフェストに載せていること であり、その中で現時点で法律の条文化をして組み立てるに値する部分を書き込んで いくことだと思う。民営化の名に値しないことを国会審議の中で明らかにしていくこ とが最初にやらなければならない重要なポイントだ。それを明らかにした上で、民主 党案は実現不可能だという誹謗中傷がなされているが、そうではないことを説明する のが二段階目だ。この2つの柱で道路改革については提起していくことになる。




以上