
枝野政調会長/記者会見要旨
2004年3月10日(水)
16:35~17:00 (於:衆議院本館-第4控室)
編集・発行/民主党政策調査会
INDEX
■『次の内閣』閣議報告(あなたがつくるマニフェスト、臓器移植法、北海道警察不
正経理疑惑、物価スライド法案、他)
■道路公団問題について
■予算委員会での審議について
■鳥インフルエンザについて
■警察の不正経理疑惑に関する対策本部設置について
■政府・年金関連法案への民主党案の提出めどについて
■政府・物価スライド法案への民主党対案の財源について
■教育基本問題調査会における議論について
■政調役員と一期生の懇談会について

○『次の内閣』閣議報告
[民主党『次の内閣』・あなたがつくるマニフェスト]
民主党では過去3回、インターネットによる政策の一般公募を行ってきたが、本年
も実施することになった。
これまでも、聴覚にハンディキャップのある学生からの公募に基づいて、「テレビ
字幕普及法案」を議員立法で国会に提出した(2001年10月)。テレビ関係の方々には
負担をかけているかもしれないが、法律はできていないものの、こうした取り組みが
きっかけとなって、結果的にテレビの字幕化が進むことにつながっている。また、
「歩きタバコ規制法案」(軽犯罪法の一部を改正する法律案)についても法律として
はできていないが、東京千代田区など地域で条例ができており、成果にもつながって
いる。
また、NPO等にはこちらから呼びかけていきたいと考えている。山花郁夫政調副
会長、樋高剛政調副会長を中心に呼びかけていただき、整理していただくことになっ
ている。民主党は、国会は国民の代弁者であるという観点からこうした形でマニフェ
ストをさらに充実させていきたい。
昨年は、インターネット政策公募と呼んでいたが、ここで採用された「テレビ字幕
化義務づけ」等については、実際にマニフェストに載せているので、今回良いものが
あれば、参議院選挙、次期総選挙のマニフェストに追加することを含めて、「民主党
『次の内閣』・あなたがつくるマニフェスト」(第4回ネット政策公募)という
キャッチフレーズで公募させていただくこととした。
[臓器移植法改正案の取り扱いについて]
臓器移植法改正の動きが出てきている。前回の臓器移植法の議論では、脳死を人の
死として認めるかどうかについて、生命観に関わる問題であるとの見地から、党議拘
束を外していた。
議員立法等を超党派で作業する場合には、予め届出が必要であり、最終的には党の
決定に従っていただくことになるので、慎重に対応してもらいたいとお願いしてい
る。しかし本件については、党議拘束で縛ったままだと、各議員が自由な動きをとれ
なくなってしまう。そこで、少し早いかもしれないが、党議拘束を外すという結論を
決めておき、超党派あるいは与党の一部で検討中と称するものにかかわっていただい
たり、逆にそれに対する対案の動きも出てきているが、そうした動きに加わることに
ついて、予め了解をすることとした。ただ、民主党の議員が超党派の動きに自由に参
加できるようにし、また、最終的な採決のところでは党議拘束を外すが、一方で、党
の機関としての議論・検討は引き続き行っていきたい。結論的に、脳死を人の死とす
るかどうかについては意見が分かれても、今までの経緯や問題点については共有化
し、一致できる点の意見集約を可能な限り行う。ただし、採決、あるいは議員立法提
案については党議拘束を外して、それぞれの判断に基づいて自由にやっていただく。
こうしたことを確認した。
[北海道警察・不正経理疑惑調査の結果報告]
警察の不祥事について、政調・内閣部門と国対が合同で現地調査を行った。これは
北海道のみならず、大変大きな深刻な問題であることが明らかになってきた。内閣部
門から、党として対策本部を組織して、国対、政調全体の問題として取り組むべきで
はないかとの提起があり、幹事長の下で調整することとした。この件について警察が
動かなければ、検察に対する刑事告発を含めて、対策本部等で検討していくこととし
た。
[物価スライド法案]
政府の年金等、物価スライド法案に対し、民主党として対案を提出することを確認
した。近日中に提案したい。基礎年金の満額(月額6万6千円)より低額の年金額で
は、老後の最低限の生活を保障する水準を充たしていない。そのような観点から、基
礎年金の満額水準以下の人たちまで、物価が下がったから年金額を下げるというのは
おかしい。したがって民主党案は、国民年金40年加入の6万6千円よりも下の部分
については引き下げをしない。そこから上の部分については、政府与党と同じよう
に、今年の分だけ引き下げる形の対案を提出する。民主党マニフェストで主張した最
低保障はしっかりやるとの考えを、今の制度の中に照らし合わせて具体化するとこの
ような形になる。

○道路公団問題について
[政府の道路公団改革について]
どこがダメだという以前の問題で、論外だというのが共通認識ではないか。
今日の『次の内閣』閣議の中でも、法律案の形で対案を提出した方が良いのではな
いかとの提起がなされた。マニフェストで具体的な公団廃止案を示しているが、法律
案としての対案ではないため、もう一度、国対と相談していきたい。今日の空気とし
ては、出せるなら出していきたいというものだった。
[道路公団民営化について]
政府・民営化案は、形式が株式会社になるだけで、政府のコントロール、政府の一
機関である実態は全くかわらない。一番の象徴は、借り入れに政府保証が付くことだ
と思う。資金調達は民間企業にとって、マーケットにさらされて経営状況を判断され
るポイントであるが、最後は国が保証してくれるのであれば、国にカネを貸すのと同
じであるから、経営状況にかかわりなく、金融機関はカネを貸す。そういう状態で民
間企業といっても、形式だけ株式会社であるに過ぎず、民間企業としてのプラスの部
分が働くとは全く思えない。ちなみに、株式会社だからといって民間企業だというの
は大きな間違いだ。株式会社形態をとっている公の機関は沢山ある。その象徴は日本
銀行だ。日本銀行は株式会社だが、日本銀行が民間会社だと言う人は誰もいないだろ
う。そのような意味で、形式だけの株式会社化であって民営化ではない。

○予算委員会での審議について
先週、予算が衆議院を通過して、参議院へと審議が移った。予算の審議について、
様々な評価があることは当然だと思うし、批判は批判として謙虚に受け止めなければ
ならないと思うが、民主党の政策責任者の立場として、今国会の衆議院予算委員会に
おける審議は例年になく充実したものであったと自負している。
国会審議の基本的な役割は、提出された案件について、問題点をあぶり出し、その
ことをできるならば修正という形、修正までできなくても何らかの形で改善の方向に
持っていくことであると思っている。選挙に向けた、有権者に向けたパフォーマンス
が国会審議の最大の目的であるとは思わない。もちろん政治にはそういう要素も考慮
すべきであるし、特に野党としては国会審議を通じて自分たちの主張、あるいは与党
の欠点をあげつらい、国民に伝えるという役割を決して否定するものではないが、パ
フォーマンスが一番最初にくるものではない。政権を目指す政党としての責任に基づ
く審議としては、例えば衆議院の予算審議の段階でも、報道各社も様々な形で努力したとは思うが、グリーンピアをはじめとする、年金による様々な無駄な、あるいは結
果的に無駄となっている施設。こうしたお金の使い方は全廃するという答弁まで、国
会審議の中で引き出してきた。実質的に政府の問題点をあぶり出し、可能な範囲で改
めさせるという内容のある、パフォーマンスではない議論であり、これだけ充実した
予算審議は例年にないものだ。一昨年、私が筆頭理事をやらせていただいた際の、パ
フォーマンス的な要素の多かった予算委員会よりも、内容が充実していたと思う。こ
れについて、パフォーマンスが足りないとの批判を受けたとしても、批判は批判とし
て結構だ。二大政党下における野党第一党の役割としては、王道で議論していくこと
が結果的に国民の支持、理解を得られるものと信じている。報道からの批判に右往左
往してパフォーマンスに走るようなことがないように、今の路線で頑張っていただき
たいと国対にはお願いしたい。

○鳥インフルエンザについて
鳥インフルエンザ問題への対応策については、今後もさらに詰めていきたいと考え
ている。また、現地調査もしたことから、そろそろ対策本部を開いて整理しなければ
ならないと考えている。昨日の参議院で福山議員が質疑をしているが、論点は明確で
あり、福山議員の質問は党の公式見解と考えていただいていい。あとはオーソライズ
した上で、節目節目で整理をしていきたい。今週後半か来週前半には次の対策本部を
開きたいと考えている。
この機会に申し上げたいのは、WHO(世界保健機構)とFAO(国連食糧農業機
関)の問題だ。鳥インフルエンザは、国境を越えて感染が広まっており、東アジア地
域で問題となっている。人への感染も心配されており、非常に危険だ。鳥を通じての
感染を防ぐためにも、東アジア諸国が国際機関を通じて協調して対応する必要性があ
ると感じている。私も国会で、台湾のWHO加盟問題を取り上げてきたが、残念なが
ら日本政府の取り組みは不十分であり、腰が引けていた。もっとWHOの場で、台湾
のオブザーバー加盟を強く求めるべきであると思う。今回の問題ではWHOだけでな
く、FAOにも台湾をオブザーバー加盟させる必要があるのではないか。
台北駐日経済文化代表處に確認したところ、「加盟したいが加盟できない」と言っ
ていた。実際に渡り鳥は、台湾、中国、日本と国境を気にせず移動しており、一刻も
早くWHO、FAOの両機関に台湾をオブザーバー加盟させることは、日本の国益の
観点から、外務省としても早急に動くべき案件である。国内でどんなに努力しても渡
り鳥が運んでくる問題はどうにもならない。東アジア全体としての取り組みが必要だ
との観点で、このことを申し上げておきたい。私も国会等の場で外務省に強く迫って
いきたい。

○警察の不正経理疑惑に関する対策本部設置について
対策本部については幹事長部局での設置を前向きに検討している段階だ。事実関係
について、情報収集し、北海道の場合もそうだが、圧倒的多数が心ある警察官であ
り、情報提供を積極的にしたいという方が少なからずいるのではないか。そのような
情報収集の窓口を整理したり、国対、政調、運動論的に対策本部で扱っていくことに
なるだろう。幹事長部局に作るのか、国対に何らかのチームを作るのか‥‥そういっ
た整理が必要だ。

○政府・年金関連法案への民主党案の提出めどについて
正式には決めていない。国対と厚生労働部門、年金PTとは意思疎通を十分図って
いるので、政府案の審議入りに遅れることなく提出できるよう現場の作業を進めてい
る。

○政府物価スライド法案への民主党対案の財源について
財源は税だが、それほど大きな額ではない。今、最終的な試算をしているところだ
と思う。

○教育基本問題調査会における議論について
調査会に任せているが、マニフェストに載せるのであれば、それは本調査会に限っ
たことではないが、遅くとも4月末までに結論を出さなければならない。

○政調役員と一期生の懇談会について
政調役員と当選1回の衆議院議員と、5回に分けて懇親会を開催することにしてい
るが、それが今日からスタートする。通常国会がはじまり、様々な法案審議や政策議
論に参加され、基本的な経験を一通りされたかと思う。これまでの党内議論を見て、
新人の方々から様々な質問・意見を伺って、私たちの参考にしたい。
以上