
枝野政調会長/記者会見要旨
2004年2月18日(水)
16:45~17:05 (於:衆議院本館-第4控室)
編集・発行/民主党政策調査会
INDEX
■『次の内閣』閣議報告(所得税法、公債特例法、公益開示法、鳥インフルエンザ、
他)
■[特定船舶問題] 特定船舶に関する諸問題について
■[特定船舶問題] 関連法案について
■[特定船舶問題] 現段階で法案が整備されることによるメリット、デメリットにつ
いて
■[特定船舶問題] 現在の自民党案への見解について
■[特定船舶問題] 外為法改正との違いについて
■公益開示法案について
■[GDP] GDP年率7.0%成長に対する、自民党・安倍幹事長の「構造改革の成果
だ」との発言について
■[GDP] 政府の経済運営の評価について
■[党首討論] 菅代表が提起した農業再生プランについて

○『次の内閣』閣議報告
[所得税法、公債特例法について]
「所得税法等の一部を改正する法律案」及び「平成16年度における財政運営のた
めの公債の発行の特例等に関する法律案」についての中間報告がなされた。これにつ
いては、17日の衆議院本会議において、長妻昭議員の質問の中で問題点が的確に指
摘されていた。特に、今回9年ぶりの増税予算であり、大変大きな意味を持ってい
る。
政府は、「景気に明るい兆しがある」と強弁しており、そのこと自体、首を傾げざ
るを得ないが、仮にそうだとしても、そういう所で個人消費に水をかけるような経済
運営は明らかに間違っている。また、年金の事務費を年金保険料から捻出する制度の
継続、年金保険料ピンハネ法という側面がこの公債特例法の中には含まれている。ま
さに年金改悪が議論されようとしているところで、この年金保険料が官舎や公用車や
交際費に使われているという実態を、民主党として容認することはできない。
[公益開示法案]
「国の行政運営の適正化のための公益通報に関する法律案」は、民主党を中心とし
た野党が積極的に進めてきたものだ。現在、廃案となっているため、今回、改めて再
提出させていただく。最終的な確認はとれていないが、野党3党で参議院に共同提案
できるのではないかと考えている。政府側は民主党の動きに対応する形で、公益通報
者保護法案に「官」も含めなければならないと寄ってきている。これは、民主党が徹
底して公益に関わる「公」に関する内部通報こそ保護しなければならないといった姿
勢で臨んできたことの一定の成果である。
[鳥インフルエンザ]
「鳥インフルエンザ対策特別委員会」(委員長:枝野政調会長)を設置した。現地
調査を行いたいと考えてはいるが、一方で、現地は感染拡大に神経質になっており、
状況をみて判断していきたい。現地の状況を地方組織と連携をとりながら確認し、拡
大防止、被害の善後策等について、この特別委員会が情報集約基地となって対応して
いきたい。
[総括副大臣会議報告]
議員立法の登録を確認した。この中で、マニフェストで公約した法案については、
できるだけ早く国会提出すべきだとの提起がなされた。マニフェストの中で、議員立
法に適するものについては、既に法案化の作業を順次進めてはいるがさらに急ぎた
い。

○[特定船舶問題] 特定船舶に関する諸問題について
特定船舶の入港規制問題については様々な報道がなされているが、様々な見地から
早急に検討していきたい。2月19日にも集中的に時間を確保して検討するとの報告
を受けている。一つ一つの対応策として、船舶の入港規制を検討することも必要では
あるが、大切なことは北朝鮮問題全体、特に拉致問題の解決にどうつなげていくかで
ある。そういうこともふまえて、民主党としての考え方や、対抗措置をどう位置づけ
るのかといった全体像の議論も同時に進めていくことが重要だ。部門会議やPTで
は、そのような観点から議論を進めてもらいたいと考えている。

○[特定船舶問題] 関連法案について
法整備を頭から否定しているものではない。まさに議論が始まったところであり、
プラスに働くのかどうかを含めて、明確な検証を民主党なりに議論していく必要があ
る。

○[特定船舶問題] 現段階で法案が整備されることによるメリット、デメリットにつ
いて
一義的には政府が、政府の責任で判断すべきであると考えている。これは外交交渉
であり、その全てをすぐに公表することができない性質のものだ。民主党が情報公開
を徹底させる政党とはいえども、全ての交渉過程を公開すれば外交交渉にならない。
北朝鮮との交渉状況、米国、中国等との交渉状況を正確に把握しているのは政府だ。
政府がどのような手段を外交カードとして持つべきかを一義的に責任を持って判断す
べきである。民主党は政府と同じレベルで情報を入手し得ない立場であるから、政府
に先行して予断を持つべきではないと考えている。

○[特定船舶問題] 現在の自民党案への見解について
民主党では、全体としての位置づけを19日から議論する。検討するという意味で
は前向きだが、現時点では白紙だ。

○[特定船舶問題] 外為法改正との違いについて
外為法の改正については、船舶の話も長い経緯はあるが、外為の時の方が一定の前
提となる議論の積み重ねがあった。早急に詰めなければならないが、今回の場合、積
み重ねの部分が十分に成熟していない側面がある。また、いずれの改正も問題解決の
手段であり、日朝交渉、6カ国協議の全体としての進行状況を見ながら進めていかな
ければならない。現在、政府間交渉が行われており、それをどう評価し、どの程度ま
で政府が情報公開をするのか、判断できる根拠を示せるのか、民主党がそれをどの程
度信用するのか。そのあたりの分析を日々進めなければならない。

○公益開示法案について
政府が提出しようとしている公益通報者保護法案は、「民」のところから入ってき
たことで、民主党が「官」の方がむしろ大事なのではないかとの動きに対して、弥縫
策(びほうさく)として「官」を含めているものだ。民主党はまず、役所が情報を隠
し、そこで税金の無駄遣いや不正行為が行われていることを政治の責任として改めさ
せるために、内部通報者等を保護しなければならないと考えている。「民間」も大切
だが、民間は最終的にはマーケットや株主によってチェックされるため、政治が法律
でチェックするのは「公」であると考えており、政府案とそもそもの哲学が違う。
民主党が154国会に提出したものとテクニカルな部分で変わっているが、基本的
には、通報についての内部手続きを定めて、行政の中の第三者的な所(行政適正化委
員会)に通報をして、そこでチェックさせる。それによって不利益を受けないという
骨格は変わっていない。

○[GDP] GDP年率7.0%成長に対する、自民党・安倍幹事長の「構造改革の成果
だ」との発言について
安倍幹事長は、経済が全く分かっていないことを自白したようなものだ。今回の数
字の実態は、構造改革の成果ではなく、中国のバブル効果だろうと考えられる。決し
て本格的な景気回復ではなく、外的要因が中心だ。従来も、バブル崩壊以降10年余
り、対外貿易の部分については、波はあるものの、必ずしも全体として悪くはない。
それが国内の部分に波及していかないことが、バブル崩壊後の日本経済の低迷であ
り、パイプが詰まっている部分が全く解消されていない。逆に、増税や年金保険料の
引き上げといった、明らかに消費に水をかけるような政策を政府が打ち出しており、
このままではせっかく外的要因がプラスであるのに、構造的な改善に結びつかないの
ではないか。

○[GDP] 政府の経済運営の評価について
国内で良くなっているのであれば、構造改革の成果だといえるが、今回のGDPの
高い数値は、特に対中輸出とこれに関連する設備投資が伸びているものである。国内
の経済運営の成果とは全くいえない。

○[党首討論] 菅代表が提起した農業再生プランについて
菅代表の提起でもあり、農業政策に詳しい鹿野ネクスト農林水産大臣の下で、代表
の考えも踏まえたプランを練ってもらう段階だ。私自身は現時点での予断はもってい
ない。菅代表も意識していると思うが、農業、林業という経済論だけではなく、農山
村全体の構造改善に結びつかなければならない。農業と林業だけが立ち直っていくだ
けではなく、農山漁村全体が活性化していくことにつながるような広い視点での政策
が望ましいのではないかと個人的には思っている。鹿野ネクスト農林水産大臣も同じ
認識だと理解している。
以上