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枝野政調会長/記者会見要旨
2004年1月28日(水)
16:20~16:45 (於:衆議院本館-第4控室)
編集・発行/民主党政策調査会

INDEX
■『次の内閣』閣議報告(外為法、補正予算案、民主党予算案、他)
■[補正予算案] 公共事業に対する考え方の違いについて
■[民主党予算案] 政府予算案との比較について
■国会での審議について
■古賀潤一郎議員の問題について
■日本経団連の政策評価について




○2004年01月28日「次の内閣」閣議報告


[外国為替及び外国貿易法改正案について]
 送金規制の外為法について確認した。政党としてこの件を最初に明確に打ち出した のは、2003年総選挙の追加マニフェストにおける民主党だと自負している。

 また、与野党折衝の中で、国会の関与と行政府の恣意的な判断だけではできないと いう項目を入れることができた。送金規制を発動する場合には行政府の判断だけでな く、国会を含めて責任を負う大きな問題である。そういった内容にできたことは大き な成果だ。

[2003年度補正予算案及び関連法案について]
 補正予算と関連法案について、民主党として最終的な意思決定を行った。補正予算 3案と決算剰余金処理の特例は「反対」。農業共済再保険特別会計法案は切り離して 「賛成」とした。

 補正予算案に対する反対の理由としては、(1)予算委員会での審議でも明確になっ たが、イラク復興支援のODAをどこに出すのかについて政府が全く答弁できていな い。経済的支援をすることはもちろん重要なことだが、国民の貴重な税金を使うわけ であり、どこにどう使われるのかが示されないで、カネだけ出すことを了承するのは あまりに無責任だ。(2)剰余金の法案とも関連するが、いわゆる隠れ借金であり筋が 違う。(3)いわゆるゼロ国債の問題。公共事業について、2004年度予算で支出を するが、実際には本年度中に契約するという、単年度会計制度がある以上、それをす り抜けるようなやり方で公共事業を計上しているのは論外だ。(4)予算の審議等で出 てきた外国為替特別会計の借り入れ限度を、現行の79兆から100兆に引き上げる ことについて、含み損が非常に大きい中で、安易に国民に負担を転嫁することとな り、適切な情報公開がない中では容易に認めることはできない。この4点が補正予算 案に反対し、隠れ借金の剰余金処理特例法案に反対する主な理由だ。

 農業共済再保険特別会計法案については、昨年の冷害に対する対応で、これを切り 離せば、民主党としても必要性を高く認めるところだ。したがって、この部分を切り 離して本法案には賛成することとした。

[民主党予算案について]
 基本的には昨年のマニフェストの項目を全部、予算案の中に盛り込んだ。今日の主 な議論としては2点あり、(1)民主党は財政の建て直しを重要視しているが、それが 経済にどのような影響を与えるのか。政府よりも金額的には一見小さくなる部分もあ るが、経済に対する効果は民主党案の方が大きいことを最終的な段階ではわかりやす く整理して示す必要があると考えている。この点は、財務・金融部門で国民の皆さん に伝わる文書にまとめてもらうこととした。(2)雇用が大きなポイントであり、更な る雇用増につながる予算の使い方について、水島ネクスト総合雇用対策担当大臣にも 加わってもらい、数字をできるだけ精査したい。本会議等のやり取りにもあったが、 政府のような増える部分だけに触れて、減る部分には触れないということではなく、 純増としてどれだけ雇用が増やせるのかを打ち出すべきだとの議論がなされ、整理を 進めていくこととなった。次週の『次の内閣』閣議で部門からの最終報告を受け、と りまとめに入ることができればと考えている。

[総括副大臣会議報告]
 昨日の総括副大臣会議で議論された、「米の臨特」(平成15年度の水田農業経営 確立助成補助均等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案)に賛成す る方向性が確認された。

 「DV防止法(配偶者暴力防止法)改正案の骨子」の中間報告が行われた。これは 参議院の超党派で議論しているもので、民主党の主張とは若干違う部分もあるもの の、早く作る必要があり、方向性としては了承された。

 本日の『次の内閣』閣議報告は以上。




○[補正予算案] 公共事業に対する考え方の違いについて


公共事業に対する本質的な考え方の違いというよりも、予算制度の悪用を許さない という意味が大きい。政府は契約について、2003年度中に行うということで、補 正予算案に載せているが、支出は2004年度予算で行うから財源の裏付けはいらな いというやり方をしている。この額が4500億円にも上っており、非常に無責任な やり方だ。単年度会計制度自体について、抜本的には色々な議論があっても良いとは 思っているが、単年度の予算制度を組んでいる以上は、このように契約だけを行うこ とは、逆に言えば、来年度予算案は審議をする前から4500億円先取りされている ことになる。このようなやり方は、まやかしである。特に公共事業の支出については 国会での厳重なチェックが必要である中で、安易に認めることはできない。




○[民主党予算案] 政府予算案との比較について


 民主党予算案と政府予算案を、直接比較することができないことがわかってきた。 一つは、民主党案は地方分権を行うので、5兆円超の財源そのものが地方税となって しまう。そのため、見かけ上は政府案よりも5兆円程度減ることになる。一方では、 高速道路を無料化するため、高速道路の借金返済(年間約1.5兆)は国の一般会計 となり、5千億円程の大都市近郊の高速道路料金は直接一般会計に入ってくる。この ような出入りがあるため、単純な比較ができない。その上で、公債発行額について は、政府予算よりも少なくする方向でコンセンサスがとれていると理解している。




○国会での審議について


 小泉総理をはじめとする投げやりな答弁、無責任な答弁に対して、国対(国会対策 委員会)にご努力いただき、釘を刺す対応をしていただいたことは、高く評価し、感 謝したい。

 マスコミ等からは「議論が低調ではないか」との批判を受けたが、質問する側から すれば、真正面から答えない、あるいは本当の事を答えないという答弁に対しては、 繰り返し聞いていくしかない。明確な誤りや、明らかに答えず逃げている点について は、国対に頑張ってもらい、「いい加減な答弁は許されない」という姿勢で迫ってい くしかない。一回一回の質問では、必ずしも無責任な答弁を覆すことができなかった かもしれないが、今国会が始まって以来、各議員の質問の積み重ねの上に、最後は、 達増拓也議員が詰めて、あまりにも無責任な答弁については与党としても対応せざる を得ない状況へと追い込んでいくことができた。もちろん、一回の審議で撤回させる ようなことができれば一番良いが、現実的には今回のようにいくつかの質問を積み重 ねていく中で、無責任な答弁を明確にしていく努力を積み重ねていくことができれば と思っている。




○古賀潤一郎議員の問題について


 古賀潤一郎議員の離党届けをどのように扱うかについては、常任幹事会での事項で あるため、1月29日に開催される常任幹事会での議論を踏まえて結論を出すことに なると思う。もちろん古賀議員にも色々な言い分はあると思うし、一つ一つのことを 細かく見れば様々な見解ができると思うが、ペパーダイン大学を卒業と言った、言わ ないということ以上に、一連の報道以降、国民の皆さん等に対する古賀議員の説明 は、残念ながら納得を得られるようなものではなかったと言える。同情すべき点も 多々あるが、国政を託された立場として見れば、言い訳としか取られないだろう。 「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という言葉もあるが、国民の信頼を損ねたことにつ いては、厳しい対応をせざるを得ないと個人的には思っている。

 以前、仙谷由人議員から、菅代表に「三国志」を全巻送ったという話を聞いた。お そらく菅代表も「泣いて馬謖を斬る」部分を読んでいることだろう。特に代表、幹事 長という立場からは、辛い側面もあると思うが、最終的には「国民からどう受け止め られるのか」という点で判断せざるを得ないのではないか。信頼を損ねた行為につい ては、民主党としてのけじめをつけるべきであると考えている。

 一方で、この件について政府や自民党も様々なことを述べている。嘘に大きい小さ いがあるかどうか、あるいは嘘という言い方が良いのかわからないが、例えば小泉総 理は、「大量破壊兵器を排除する目的から米軍のイラク侵攻を支持した」と言ってい るが、大量破壊兵器が全く見つかっていないにも関わらず、開き直って国会で堂々と 答弁をしておられる。これこそ自衛隊員の生命、国際社会の安定、国際社会の法秩序 という大きな命題に対して、明確な嘘をついているのではないか。福田官房長官は、 「嘘は泥棒のはじまり」と述べていたようだが、小泉総理に対しても同じ事を言って いただく必要があるのではないだろうか。




○日本経団連による政策評価について


 日本経団連より、政策評価を民主党本部に持ち込まれる(1月28日)とのことな ので、私がお受けすることになっている。10項目の基準については直接伺ってい る。

 もちろん日本経団連という一つの大きな社会的存在の意見としては、民主党の政策 形成の一定の参考としているが、私たちはどこかに評価されるために政策を作ってい るわけではなく、広く国民一般の理解をいただくことを目的としている。様々なご意 見は承るが、そのご意見を民主党としてどのように評価するのかについては、あまり 重く採りすぎてはいけないと考えている。日本経団連だけでなく、経済同友会、連 合、中小企業家同友会、NPOなどからも、「このような政策をやるべきだ」、「こ のような政策をやれば評価する」ということは日頃から言われていることであり、今 回のことを取り立てて申し上げることはないと思っている。


以上