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枝野政調会長/記者会見要旨
2003年12月17日(水)
編集・発行/民主党政策調査会

○2003年12月17日「次の内閣」閣議報告


【政調会長】
今日の「次の内閣」では、まず12/5付けの「イラク問題に関する現時点 での考え方」についての事後報告があった。体制の移行期だったので、外交・安保部 門の決定を代表・幹事長と自分のところで決済したものである。我々の考え方が国民 にしっかりと伝わるように、論点整理の仕方や運動論を含めてさらに改善・強化を 図っていくこと、フセイン元大統領の拘束によって状況に変化が見られるかも知れな いが、タイムリーに我々の考え方を示していくべきである、などが今後に向けた意見 として出され、それらも踏まえて「考え方」については了承された。

「平成16年度・民主党予算案」「平成16年度税制改正」についてフリーのディス カッションをした。民主党予算案については、財務部門と経済財政・金融部門から、 それぞれ今日の議論も踏まえた基本的な考え方が1/14の「次の内閣」に示されること になった。財政再建と景気に対する考え方について、どこで折り合いを付けるかとい うのが難しい課題になる。五十嵐経済財政・ネクスト金融担当大臣からは、国債発行 額が拡大するということが経済にもマイナスに働くという論旨からたたき台を用意し ていただく。次回以降、抜本的な議論をしていきたい。

政府の税制改正に関する考え方は、最終的には19日の我が党の税調総会を踏まえる 必要があるが、タイミングを計る必要もあるため、今後の判断は自分と財務大臣に一 任された。

古川・ネクスト厚生労働大臣の談話を配布しているが、公的年金制度に関する与党合 意について、ひと言で言えば「論外」である。結局、厚生年金という狭い世界の中で お金のツジツマ合わせをしているのであって、改革でも何でもない。こんなものなら 政治家どころか人間すら関わるまでもなく、コンピュータで数字が出てくる話であ る。自公の政治家が面子のために議論をしたに過ぎず、その程度のものはまるで論評 に値しない。抜本的な改革を議論する中で、では給付水準などはどうするのかという 考え方にこそ意味があるのであって、今の制度を前提にして数字ばかりの議論をして もまったく無意味である。将来の負担率や給付水準の見通しなら、従来から5年毎に 出しており、それが全部悪い方向に外れてきたという繰り返しである。今回与党が決 めたことも、仮に5年後まで今の政権が続いていたとすればまた見直すことになるだ けで、何の意味もない。また基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1へ引き上げ る財源のために課税強化をするのは、そもそも超党派の決議や、また法律の附則の趣 旨からすれば論外である。2兆7千億程度の歳出削減は、段階的に行うなら十分可能 であるし、その程度の歳出削減ができないようで何が構造改革か。今回の公的年金制 度に対する与党合意の成立によって、いよいよ小泉内閣は何もしない先送り内閣であ るということが明確になった。



【記者】
税制改革について、どんな意見があったのか。

【政調会長】
基本的には従来からの積み重ねに基づく考え方なので、特に大きな意見 はなかった。環境税など若干経緯の確認の意見が出たが、いずれにせよ今の政府の税 制改正については、これも論外であるということで整理された。

【記者】
消費税に関する政府の方針については。

【政調会長】
論外である。年金の抜本改革なき消費税増税など考えられない。抜本改 革の後、現行の基礎年金にあたる最低保障の部分がしっかりと拡充される、その目的 でなければ当然認められないから、今の政府の考えは理解できない。また、経済状況 がもう少し良くなった段階でなければ、この議論を具体的に始めること自体経済に間 違いなく大きなマイナスの影響を与える。将来の抜本改革とセットでない限りこの議 論をするつもりは全くない。

【記者】
フセインの拘束による状況の変化とは。

【政調会長】
状況の変化があるかも知れないという意味。現状では特段の変化はない し、むしろ一時的にテロが激化しているという残念な状況もある。例えば一番極端な 例を言えば、フセインが降伏文書に署名するようなことがあれば、これは停戦合意が 出来上がることになりPKOが出せる状況になるので、これは我が国あるいは国際法 の秩序にとっても決定的な変化になる。状況がどう変化するかは分からないので、き ちんと対応していかなければならないということである。

【記者】
年金について、今後どう対応していくのか。

【政調会長】
我々は基本的な考え方を示しながら、与党の抜本改革なき負担増には徹 底抗戦する。我々の案は今の制度をまさに抜本的に変える改革案であり法案の形にな るかどうかは別だが、さらに肉付けをして国会論戦で示す。ただ、我々が少なくとも 政治的な対案をしっかりと示しているのに与党が弥縫策しか出さないのなら、対案と いう構図にはならないかも知れない。

【記者】
通常国会前までにさらに具体化するのか。

【政調会長】
我々はすでに具体的な提案をしているので、もし可能であれば皆さんの ところでシミュレーションをしてみていただきたい。しかし厚生労働省が材料を出し ていない中で、でっち上げの計算はできたとしても、まじめに考えれば誰もシミュ レーションはできない。我々は骨格を示しているので、どなたか数字を当てはめて計 算をしていただけばいいのだが、ベースになる数字がない。なぜ数字を出さないの か、どの数字が足りないのかということも含めて国会論戦の中で詰めていきたい。

【記者】
来年度予算あるいは三位一体改革、年金、道路などに関連して、選挙後の政 府の対応ぶりをどう見ているか。

【政調会長】
予想通りの誤魔化しだが、いよいよ誤魔化しの種も尽きてきた。年金は まったく抜本改革に手を付けていない。高速道路は、もし自民党の言っているとおり になったら焼け太りであり、まったくの逆行、マイナスである。地方分権も意味不明 だが、ひとつは税源委譲と財源委譲を同時にやろうとすると難しい面もあるので、ま ず財源委譲をした上で次のステップとして税源委譲をする方が大胆に改革できるとし ているのが我々の一括交付金構想である。結局は、実質的に地方の自由になる自主財 源はまったく増えないのではないか。義務教育費関連などは、委譲がされても事実上 義務的支出であるから地方の自由になる財源が増えるわけではなく、まったく形式的 なものに留まる。年金・分権・高速道路は「0点・0点・マイナス点」である。

【記者】
そもそも自民党マニフェストの作り方に問題があったということか。

【政調会長】
もともと小泉総理にはやる気がなかったのだろう。皆さんもそうだと思 うが、こうなることは目に見えていた。選挙の前に、「こういう事になる」と国民に しっかり伝えられなかったことについて、我々としては重く反省している。

【記者】
自民党マニフェストが、民主党が言っていたようなマニフェストになってい なかったということか。

【政調会長】
その通り。具体的なことは何も書いていない。「民営化」などマニフェ ストではなく、「どういう形で民営化するのか」があってはじめてマニフェストにな る。「民営化するけれども道路は造り続ける」では意味がない。

【記者】
三位一体改革では、補助金の1割削減など自民党マニフェストが実行されつ つある点もあるが。

【政調会長】
形式的に実行する形を作るのと、実質的な意味を持つのとはまったく別 である。三位一体改革の目的は、地方の自由になる財源を作ることのはず。ところが 自由になる財源は委譲せず、ほとんどが義務的経費である。地方が自由に使える金額 は増えていない。形式的にやったというポーズをいかに作るかということが彼らの思 考の大半を占めているのであって、実質的にはやる気はない。予想通りの流れだが、 予想以上に誤魔化しがきかなくなっているという印象である。総理は、実質がないの に形式だけ変わったような形を作ることをこれまでも天才的にやってきたが、その誤 魔化しの種も尽きてきたか。

【記者】
年金の抜本改革について、民主党の方から与党側に働きかけることはないの か。

【政調会長】
ない。向こうに抜本改革案がない中では議論のしようがない。与党に抜 本改革案があって、野党案と摺り合わせをという話なら分かるが、与党には案がな い。まず与党としてしっかりとした抜本改革案をまとめるのが先である。それをまと められないような与党であるから、政権交代しかないという決意を新たにしている。

【記者】
自民党若手の一部に税方式を検討している向きもあるが。

【政調会長】
議院内閣制である以上、もしそれを実現したいなら自民党を出て我々と 一緒にやればいい。そうでないなら、自分たちの考えを与党としての考えにしていた だかなければ、マニフェスト選挙や議院内閣制とまったく矛盾する。論評に値しない が、自民党を出てから言うか、自分たちの考えを自民党の決定にしていただきたい。

以上