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枝野政調会長/記者会見要旨
2003年7月16日(水)
編集・発行/民主党政策調査会

○2003年7月16日「次の内閣」閣議報告


【政調会長】
定例会見を始める。マニフェストについて「次の内閣」としての具体的 な議論を開始した。総選挙政策準備委員会でわが党の政策を精査し、マニフェストに 相応しいものを約80ほど抽出したので、各部門会議で具体的な数字を掘り下げて欲 しいという要請をした。基本的には29日の「次の内閣」までに各部門での整理を済 ませて、閣議で第1次案として確定したい。29日の閣議で了解されたものを各地方 組織に示し、8月4日の政策責任者会議で各地方からの意見を聞かせていただく。そ れを整理して、8月半ばから下旬には「次の内閣」としての了解手続きをとれればと 思っている。更にそれを分かりやすく整理・要約をし、しかるべき時期にマニフェス トとしてまとめていきたい。今日は議論の入口であり、多くの項目は既にわが党の政 策として了解を取っているものなので、具体的な期限等の数字を入れる作業について は実務的に進めていただく。

今日、祝日法改正案が内閣委員会で採決された。一任を受けていた幹事長・国対委員 長と自分とで相談をし、賛成の結論とした。以前この法案が参議院に提出された時 は、わが党は反対しており、党内にもいろいろな意見があるが、そうしたことも含め て結論を出した。「昭和の日」をつくるという提案の背景には、我々としては到底認 めがたい意識・思惑を持つ人がかなりいると認識している。天皇の政治利用という指 弾を受けてもやむを得ないのではないかという思惑が、この提案の中に含まれている と自分は認識している。3年前に参議院に提出された時点ではその背景を重視し、こ のようなものは丁寧に検討した上で決めなければならないということでわが党は反対 した。現在は、そういった思惑があることはそれなりに共通認識になり、昭和天皇を 政治利用するというよこしまな思惑について、国民がきちんと批判的に受け止めてい ただける状況ができているのではないかと思う。その上で、この法律の条文を純粋に 法律論としてみたときには、「昭和」という時代の評価を積極にも消極にも色づけを しているわけではない。「激動の日々」という点には誰にも異論のないところだと思 うが、これについて客観的に位置づけた条文ができあがっている。「昭和」をポジ ティブに評価するのかネガティブに評価するのか、私は個人的には良かった部分もあ るし間違った部分もあるということだと思っているが、法律の条文としては、これを きちんと客観的に受け止めてこれからの時代に活かしていこうということであり、背 景になっているよこしまな思惑というのは出てきていない。そして今回の法律改正の 法的効果は、5月4日の名前の付いていない休日に「みどりの日」という名前をつ け、5月3日や5月4日が日曜に当たった場合は5月6日も休日になるということで ある。連休がひとつ延びることによる経済効果は微々たるものだと思うが、少しでも 需要喚起に結びつくとすれば、例えそれがやらないよりやった方がましという程度で あったとしても、プラスに考えた方がいいという状況にあると思う。我々としては長 期休暇法案も提出しており、それぞれのライフスタイルに合わせてしっかりと有給休 暇を取っていくことが望ましいとは思うが、少しとはいえ長期休暇につながっていく というこの法律の効果を否定する理由はないと思う。そうした諸々の要素を踏まえて 判断をし、賛成ということで報告をした。今日もいろいろな意見はあったが、部門会 議で「次の内閣」に一任され、そして3人に一任を取るという丁寧な手続きの中で判 断したものなので、その決定に従っていただけるものと思っている。

「原子力の安全性に関する検討委員会」について、最終報告を出していただいた。独 立した機関で安全性をチェックしなければならないということを我々は一貫して主張 してきた。馴れ合い的な機関でチェックする、あるいは推進の立場を同時に抱えたま まの機関でチェックするという形では安全に関する信用性を確保できないはずなの で、3条機関を作ってしっかりチェックすべきということを主な内容とした最終報告 であり、閣議として了承した。

新しい国立追悼施設の設立について、この問題も長年の懸案としてWTで検討してき ているが、結論として、わが党としては新しい国立の戦没者追悼施設を作るべきであ るという決定をした。近代国家となった明治以降、第2次世界大戦までの我が国が関 わった戦争における全ての戦没者について、国籍や敵味方を問わず追悼の対象とする とともに、不戦平和を誓う象徴的な無宗教の施設を作る。国として、あるいは閣僚や 内閣総理大臣としても、誰からも異論がない形で平和祈念と追悼ができる施設という ことで考え方を確認し、これに基づいて民間団体等とも連携して国民運動化していく ことを確認した。

国内独立人権機関のあり方について、法務省に置くことは認められないということ で、3野党で一致して闘うということの報告と承認をした。

監視カメラの問題について、議員立法の法案登録があった。長崎の事件の解決に結び ついたというようなプラスの面もあると同時に、行政に勝手なことをされてはならな い。行政の設置するカメラについては基準をきちんと作っていくという方向で議員立 法を進めていくこととなった。

刑事訴訟法の一部を改正する法律案について、逮捕された被疑者に弁護士の立会を明 確にするための議員立法の法案登録があった。これは国内的な面もあるが、地位協定 に絡み、アメリカから弁護士や大使館関係者の立会を求められているということとも 関連する。誰であれ被疑者に対して弁護人が立ち会うという制度を作った上で、日本 で逮捕された駐留米軍の関係者には、英語のできる日本人の弁護士を立ち会わせるこ とにすればこの問題は解決する話である。その制度がないということは、被疑者の人 権を守るという面で国際的に遅れているということの裏返しであり、わが党として しっかりと提起していきたい。

閣議の後の国対との打ち合わせで、金融庁の高木長官の刑事告発に向けて、峰崎・財 務ネクスト大臣、中川・行革担当ネクスト大臣の両大臣、大塚耕平議員を中心として 作業を進めることとなった。基本的には国家公務員法の守秘義務違反が最も明確なの で、この告発を軸にして進めていく。



【記者】
高木長官の刑事告発は確定的なことか。今後の段取りは。

【政調会長】
法律家も入ったチームを組んで、法律論について精査することになっ た。確定的と言うと言い過ぎかもしれないが、法律論的に問題がなければ、我々の理 解している事実関係からは告発に値する可能性が相当高い。

【記者】
いつまでに結論を出すのか。

【政調会長】
1週間前後をメドにすることになると思う。

【記者】
マニフェストについて、配付資料に載っていない項目はまだ未定ということ か。

【政調会長】
配付資料に書いてあるものも含めて、マニフェストに入るかどうかは未 定である。現時点での検討項目であり、候補に過ぎない。

【記者】
ここに載っていないもので何か紹介できるものはないか。

【政調会長】
高速道路については検討課題である。担当部門からの最終報告がまだな いのでわからない。また財源の捻出については峰崎・財務ネクスト大臣と五十嵐・金 融担当ネクスト大臣を中心に別途精査していく。

【記者】
祝日法について、民主党の態度決定の背景として、自民党が持ち出してきた イデオロギー論争に持ち込もうという思惑には乗らないということがあるのか。

【政調会長】
イデオロギー論争に乗らないということも含めて、提案してきた人の思 惑には乗らないということである。思惑をもって提案してきたということは、まさに 天皇を政治利用していることだと思う。

【記者】
思惑、政治利用とは、具体的に何のことと見ているのか。

【政調会長】
昭和あるいは昭和天皇を実態以上に美化することによって、非民主主義 的・復古的な流れを作っていこうという意味での思惑、また民主党を揺さぶりたいと いう思惑もあるだろう。自分が言うよりは、それら思惑については多くの国民の皆さ んが受け止めていると思う。

【記者】
消極的賛成とされているが、平成になって10数年も経って、なぜこういう ものが出てくるのかという点についての整理はされているのか。

【政調会長】
その点は理解しがたい。しかしそれが反対する理由にもならないと思 う。7年に2回、5月6日が休日になるという部分のプラスであるから、理解はでき ないが反対の理由にはならない。

【記者】
党議拘束については。

【政調会長】
特に現場から意見が上がってくれば検討に値したかもしれない。しかし 具体的にそういう提案もなく対応を一任されたというのが経緯なので、党議拘束を外 すということはない。一任の手続きをきちんと経て決めたことであり、一任された3 人が決定するまでに党議拘束を外すという議論はなかったので外すことはない。

【記者】
国旗・国歌法では党議拘束を外して今回は外さないということだが、その基 準は。

【政調会長】
国旗・国家法の場合は、まったく法的効果がない。祝日法については休 日が増えるという法的効果があるので、党議拘束を外すのは馴染まない。

【記者】
造反についての認識は。

【政調会長】
何をもって造反というかという話もあるが、少なくともイラクに自衛隊 を送るという重要法案に幹事長経験者が2名も欠席する自民党ほどわが党はバラバラ ではない。元々の都合で欠席する人もあると聞いている。やむを得ない事情で本会議 を欠席することは、ほめられる話ではないが通例のことである。

【記者】
今日、竹中大臣の問責決議案が否決されたが、この後どうやって小泉内閣と 対決していくのか。

【政調会長】
自分の立場としては、対決の意味は国会論戦で厳しく追及して問題点を 明らかにしていくということである。竹中大臣への問責決議のタイミングなどにもい ろいろ批判はあるようだが、自分は国会の中で具体的に大臣の資質などについて厳し い追及をして、こういう理由で問題だから問責決議案を出すのだというプロセスを とったことは正しいと思っている。また、この延長国会では残念ながら与党の審議拒 否に何度もあっており、これほど各委員会が暇なのに国会審議をしないという与党の 対応に大変憤りを感じている。しかし予算委員会とQTはほぼ開かれるということな ので、ここで小泉内閣のまやかしをいかに明らかにしていくということこそがこの終 盤国会の大きな柱であると思っている。その延長線上で不信任案などの話が出てくる のであって、いつ出せば得だとか、いつ出せば盛り上がるというような発想ではな い。きちんとした議論の中で問題点をあぶり出し、結果として不信任案が付いてくる ということであるべきだと思う。

【記者】
新しい国立追悼施設について。総理は一時前向きな発言をしながら、具体的 には棚上げになっているようである。民主党はなぜ今これをまとめたのか。

【政調会長】
議論の結果がまとまってきたのできちんと結論を出すということであ る。逆に言えば選挙が近いからということで棚上げにするというような姑息なことは しない。

【記者】
高速道路の無料化について、今後の進め方は。

【政調会長】
部門会議で議論しており、まだ報告が上がっていないので自分は承知し ていないということである。

以上