
枝野政調会長/記者会見要旨
2003年7月9日(水)
編集・発行/民主党政策調査会
○2003年7月9日「次の内閣」閣議報告
■定例の記者会見を開く。お手元に資料を配布しているが、マニフェストについて、
メディアをはじめ大変関心が高まってきている。我々にとってだけでなく、日本の政
治にとっても良いことだと思っている。民主党としてのマニフェスト作成のプロセス
は、もちろん水面下で議論を調整する必要があることは否定しないが、できるだけ
オープンに国民の皆様に開かれた形で進めたいという思いもある。あさって総選挙政
策準備委員会で、「次の内閣」に提起する第一次案の原案を議論する予定である。こ
れは、皆さんにオープンでやることにした。具体的には資料に書かれている通りであ
るが、大部分をオープンでやらせていただく。今後も折を見て、議論のプロセスを皆
様にオープンにする機会を作りながら、あるいは外部の方とのディスカッションの場
を作りながら、組み立てていきたい。
今日の閣議には直接には関わっていないが、財務金融関係の議論、一つには竹中大臣
というべきか、高木長官がというべきか、大変とんでもない圧力をかけていたという
こと自体を、金融庁が認めざるを得なくなった。大塚議員が参議院で示した「やり取
りメモ」を事実であると認めながら、なおかつ開き直っているというとんでもない状
態である。本日の閣議の冒頭に金融大臣よりこれは犯罪であるとの提起があった。一
つには行政手続法を無視し、これは今後検討しなければならないが、私は個人的には
強要などの犯罪になりうるのではないかと思っている。公務員の守秘義務違反も含ま
れている。一民間企業に対して「○○はこう危ない」等と言っているようである。こ
こは厳しく対応すべきである。我が党の経済財政諮問会議の座長(仙谷議員)も弁護
士であるので、刑事告発を含めて厳しく対処していく。もちろん明日参議院で委員会
審議があるが、国会では衆参連携して厳しく追及していく。この点を確認した。
また、この財務金融関係では、前回に報告したが、ヤミ金規制法が内容的には与野党
で一致した。具体的には、まさにヤミ金に追い立てられて自ら命を絶っている方が少
なからずある。まさに日々命が奪われているという案件である。これは政治的駆け引
きなしに、我々としても100点ではないかもしれないが、早期成立を優先して合意を
した。全党一致であるので一刻も早く成立させるべきである。これも財務金融の現場
からの報告では、与党が人質にとっている。時々、野党が法案や予算を人質にとって
いた昔の野党の手法に対して批判があったが、どうも最近の与党は、かつての野党の
ように、法案を人質に自分達に都合の良い国会運営をしようとする。特に財務金融法
案が混雑し、重要法案が残っている中、「そちらをやらないなら、ヤミ金も先送り
で」という話になっている。大変ひどい与党の堕落を象徴する話である。国対とも協
力をし、全党一致でしかも緊急性の高いこの法案を一刻も早く成立させよう、さらに
プッシュしていく。
■その他、いくつかの点について議論をした。「国民の祝日に関する法律の一部改正
案」について、いわゆるみどりの日を昭和の日にして、みどりの日を5月5日に移すと
いう法案について議論をした。いずれにせよ、筋の悪い話である。むしろ、我が国の
場合、祝日にまとめて休むということではなく、有給休暇をきちんと消化していくこ
とにより余暇時間を確保していくことのほうが本来の筋である。かつて、海の日を決
める時も、祝日を増やすことについては、反対がしにくい話であるが、このまま次々
と順順に祝日に増やしていくのか、いくつ増やせばいいのかといった議論もあった。
どこかで線を引く必要があるのではないか、といった議論があった。最終的には色々
な状況のもと、閣議の形式としては、私官房長官が、実質的には国対委員長と幹事長
と相談して決めるという一任になった。このあと最終的な判断をする。ゴールデン
ウィークという連休が、若干ではあるが伸びるということは、筋が悪いが反対までは
出来ないと考えている。これは私見である。
■年金改革について、現場のPTより中間報告があった。さらに税調その他とも相談
し、選挙に向けてとても重要な課題である。中間報告と本日の議論を踏まえて、山本
PT座長と峰崎税調会長と私のところで、さらに整理して一つのたたき台を閣議に出し
たい。
分権改革については、大きな具体的方向性について中間報告を了承した。これは、ア
ウトプットの方式を整理して改めて発表することにする。さらに本日の議論を踏まえ
て、具体的な細かい数字を詰める。
「仕事と家庭の両立支援法案」は、以前、我が党から出した法案にさらに今度期限
付き労働が5年にまで延びるので、5年の間、妊娠出産するなという話はあり得ないだ
ろうということで、有期労働にも適用する。短期の一年の有期労働の場合は無茶な話
であるが、3年5年の有期労働の場合は、育児休業を認めるべきという点を含めたもの
である。
「モーダルシフト法案」は、CO2の削減という観点から、もっとトラック輸送に海
運、鉄道輸送を組み合わせてエネルギーのロスの少ない形でやっていく推進法を我が
党として提出することについて確認した。
「行政書士法の一部改正案」は行政書士法人を認めるという法案で、委員長提案に
なる予定だが、我が党としても了承した。
「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案」、民主党の
議員立法である環境教育推進法に対して与党が対抗して出してきた法案である。大き
な筋としては、我々の考えていることを取り入れて向こうから出しなおしてきた形だ
が、ここには一つ仕掛けがあり、訳の分からない環境教育等の人材育成事業の登録制
度というのが付いてきており、これはこの登録制度で、この環境保全のためにがん
ばっている方々を環境省の利権の網の中に取り込もうという時代遅れの手法のおそれ
がある。この点を外すようにという方向の議論をした。
「労働者の募集及び採用における年齢に係る均等な機会の確保に関する法律案」
は、従来から我が党が進めてきている話である。再確認をして国会に提出することを
確認した。
「公職選挙法の一部改正案」は郵便投票関連であるが、ALS患者の投票権が奪われ
ているので、代理投票権を認める法案を我が党から出したら、与党から変なものが付
いてきた。郵便投票対象者を拡大し介護保険の要介護5認定者にも認めるという内容
である。この中には、郵便投票の、必要性のある方たちもいるが、あまりにざっくり
と要介護認定5の人を全て認めるというのはいかがなものか。証拠その他の関係で摘
発できていないが部分はあるが、残念ながら一部の病院などでは、郵便投票を悪用す
る形の選挙違反の実態はかなり存在していると思われる。ALSの皆さんの切実な思い
に便乗した形で、こうした違反をやり易くするという、とんでもない内容が加わって
いる。我々としては不本意であるが、ALS患者の切実な思いを考える時に、まとめて
全部潰してしまうことも大変忍び難い。委員長提案でないと間に合わないので、最低
限、一般質疑を行い、郵便投票制度の悪用についての取り締まりを次から強化するよ
うにと迫っていく必要があるという形で集約した。
【記者】
祝日法について。
【政調会長】
個人的には、11月3日を明治の日に戻さないのは何故かなどの理屈に対
して答えきれない筋の悪い法案だと思う。ただ、名前の問題と休日政策、余暇観光政
策という側面を照らし合わせた時に、その筋の悪さで反対までするのはどうかという
感じである。
【記者】
小泉総理が、総裁選で公約を出すとの話があるが、それについてどう思うか
?
【政調会長】
誠に結構なことだ。公約の名に値するきちんとした内容を出してほし
い。特に小泉さんの自民党総裁の任期は3年であるから、3年以内に結論を出してい
ただく形でないと公約の名には値しない。そこも含めて具体的にきちんと提案するこ
とを期待している。
【記者】
マニフェストの作業はどこまで進んでいるのか?
【政調会長】
材料のピックアップ作業を総選挙政策準備委員会の事務局のところで一
通り整理をし、これを金曜日の委員会全体会議でスクリーニングした上で、「次の内
閣」にかけたい。今月中に「次の内閣」で第一次原案のご了解を頂き、地方の意見を
お聴きした上で、それらの意見を含めて8月中にバージョンワンとしての最終決定を
したい。そこからは、政治的な色々な状況を踏まえながら目玉になりそうなものを付
け加えていく。
【記者】
竹中大臣の調査報告について。刑事告発について。
【政調会長】
刑事告発については、明日の審議も踏まえて、政治的な判断を含めた検
討が必要である。内容的な問題については金融部門で整理をし、それに基づいて、代
表、幹事長、私のところで判断する。刑事告発も視野に整理をする。追及する。
【記者】
刑事告発の対象は?
【政調会長】
高木長官である。
【記者】
竹中大臣の責任論について。大塚議員は、辞職すべきだと述べているが、会
長はどう考えているか?
【政調会長】
当然辞任すべきである。あのメモを認めながら、辞任しないのは、恥じ
の概念がない。
【記者】
誰を指して恥ずかしいと言っているのか?
【政調会長】
一義的には高木さんだが、竹中さんも竹中さんである。行政を知らな
い。行政手続法を知らない。基本的ルールを理解していない。
【記者】
マニフェストについて。代表は野党統一したマニフェストを作りたいと述べ
ているが、それについてどう考えているのか? また、野党間ではどのように作業を
進めているのか?
【政調会長】
可能なら他野党と共通のものを作成したいが、相手のあることであるの
で、党首や幹事長レベルで整理をして頂いていている、そのご指示を待っている。党
内の整理があるので、具体的作業はもう少し後になると個人的には思っている。会期
末解散でなければ、まだ時間がある。
以上