
枝野政調会長/記者会見要旨
2003年7月2日(水)
編集・発行/民主党政策調査会
○2003年7月2日「次の内閣」閣議報告
【政調会長】
定例会見を始める。イラク特措法について修正案を提出しているが、あ
らためて閣議の場に報告があった。関連して、テロ特措法の採決の問題が国対で大き
なテーマになっていると聞いている。実際に現地で何をやってきているのか、あるい
は今後の必要性などについて、部門会議でのヒアリングでは役所から十分な説明が得
られていないとの報告を受けている。現場の審議はイラク特措法を先行して行い、こ
の間イラクの問題についての審議しかしていないので、我が党としても現時点で賛否
の判断のしようがない。重要な法案であるので、きちんと正規の場で政府の説明を聞
いた上でなければ判断できないし、イラク特措法同様に参考人から意見聴取をした上
で賛否を決めていくのが当然の筋だと思っている。従って審議もしていないのに賛否
を決められない、十分な審議をしてからでなければ我々としては採決には応じられな
い。これは、かつてのいわゆる審議拒否とはまったく次元が違う、政調の当然の筋と
して国対委員長には伝えてある。
ヤミ金融対策法案に関する与野党協議の報告があった。百点満点とは言わないが、特
に無登録の悪徳業者に対して厳しく縛るという中身が与党にも大筋で受け入れられ、
各党一致で提出されることになったのは大変喜ばしいことだと思う。本来、我が党の
法案としてアピールしたいものではあるが、連日まさに現実に命を絶たれる方が出て
いるという中では、一刻も早く成立させることが重要であるという立場で与野党協議
をしてきた。一刻も早く成立させるべきである。
2件の民主党議員立法について了承した。ひとつは「監獄法の一部を改正する法律
案」で、いわゆる情願について、大臣にきちんと読ませる仕組み作りについて現場で
工夫をしていただき、大臣・副大臣・政務官が自分で目を通して判断するということ
を明確にした内容である。そもそも当然のことであり、我々が与党でもこんなみっと
もない法律を作るのかという指摘があったが、我々が与党であればきちんと決められ
たとおり大臣・副大臣に見てもらうからこんな法律はいらない。現行の法律でも大臣
が見るということを前提としていたはずなのに、それがなされてこなかったというこ
となので、情けない話ではあるが法律でしっかりと縛るという議員立法である。
もう一つは、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部改正案」につい
て、環境部門からの報告があり、了承した。小林・環境ネクスト大臣、法案を担当し
たツルネン・マルテイ議員にも来ていただいているので後ほど詳しくご説明いただ
く。
森・元総理の、女性蔑視発言ともいうべき問題について。世の中には子供を持ちたい
けれども子供がいないという夫婦も少なからずいるし、あるいは子供を持たないとい
う選択を積極的にされている方もいる。そういう人たちに対する配慮・思いがまった
く欠けた森氏の発言には大変強い憤りを感じている。太田議員の発言についても、あ
のような発言が出るという感覚は、国会議員として、また社会人としての資質を疑わ
ざるを得ない問題であるが、さらに森氏の発言については“確信犯”である。こうい
う人が例えば少子化対策や教育についてものを言うことがこの国のモラルハザードを
起こしているということを、まったく自覚していないのではないかと強い憤りを感じ
ている。こういう人を総理は本当にご意見番として活用し続けるのであろうか。太田
議員対しては総理は厳しくコメントをしていたが、どうやら森氏の発言については逃
げているように聞いている。太田議員についてコメントしている以上、総理として何
らかの見解を示す必要があるのではないか。
さらに加えると、森氏の発言は幼稚園の業界の会合でのことだが、いわゆる幼稚園と
保育園との役所の縦割り・利権問題が背景として横たわっていることも指摘しておか
なければならない。少子化の中で幼稚園と保育園の間で子供たちの取り合いがあり、
仕事を持っている夫婦にとっては幼稚園よりも保育園ということになることに対して
危機感があるのだろうということを背景として認識しておかなければならない。まさ
に文教族の森氏がそこに迎合する。幼稚園と保育園の切り分け自体が厚生労働省と文
部科学省の役所の縦割りであり、そこにつながる族議員の利権争いと結びついてい
る。むしろ我々はそれを超越した次元で、幼稚園の持っている歴史的な意味を含めた
良さと、保育園の、特にダブル・インカムの夫婦やひとり親などの状況に対する十分
な社会的サービスという側面とを両面をうまく融合して、なわばり争いをやめること
に繋げていかなければならない。今回のまさに怒りを覚える発言が、そうしたことに
対するきっかけになっていくことを期待したいし我々もそういう議論を進めていきた
い。
【記者】
テロ特措法の対応について、執行部として何か確認しているのか。
【政調会長】
特に確認はしていないが、当然分離であると我々は考えており、審議せ
ずに採決することはあり得ないという前提である。なお、福山・選挙政策準備委員会
事務局長に対し、選挙に備えて今国会末までにマニフェストを打ち出せるように作業
のスピードアップを指示している。
【記者】
テロ特措法について、民主党は明日考え方をまとめるということか。
【政調会長】
審議時間がきちんと確保されるのであれば、政府として公式の見解や、
参考人などの公式な意見を聞いた上で結論を出すと言うことの方が望ましい。基本的
には現場の大臣に進行は任せるが、きちんと審議が確保されるのであれば必ずしも明
日結論を出す必要はない。
【記者】
マニフェストの作業はなぜ遅れているのか。
【政調会長】
遅れているのではなく、遅らせている。選挙に間に合うようにするとい
うこと。6月18日の解散という可能性もあったことから、その場合にはその時点で
大枠のものを提示するという道も想定しつつ作業を進めるよう指示してきた。残念な
がら延長となった現時点では、解散の時期もにらみながら今国会中に第1次案が示せ
るようにとも思っていたが、7月28日には最終的な一任を取り付けなければならな
い可能性も出てきたので、それに合わせて作業のスピードコントロールをしている。
日々の議論の中でブラッシュアップしているので、解散が遅いのであれば、時間をか
けて整理してできるだけ最新の党内議論を反映させる。選挙が早ければ、それまでに
整理したものを打ち出す、そういった位置づけである。
【記者】
一括処理があった場合の抵抗とは、テロ特措法に関する抵抗を指すのか、イ
ラク新法も含むのか。
【政調会長】
自分の理解では、委員会運営について嘘をつかれたことになるというこ
と。委員長も、イラク新法の議論を先にやると言って実際にそうしてきた。その委員
会運営について騙したということが問題になるので、一体の対応となるのが自然だと
思う。
【記者】
一括処理になる場合、民主党修正案の時だけ出席するなどという対応になる
のか。
【政調会長】
そうではない。我々は、中身のいい悪いで出席するしないを言っている
わけではない。委員会運営のあり方が背信的であり、議会制民主主義の基本を無視す
るものであった場合には、それに対して抵抗するということである。
以上