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枝野政調会長/記者会見要旨
2003年7月1日(火)
編集・発行/民主党政策調査会

○2003年7月1日「次の内閣」閣議報告


■本日12時15分から緊急に「次の内閣」の臨時閣議を開催した。 テーマは、イラク復興支援特別措置法案への対応についてである 2部門とプロジェクトチームの合同会議で、最終的結論を閣議に委ねるとの判断であったので、 緊急に閣議を開くこととした。結論として、政府案に対して民主党としての修正案を提出する。 法制局と鋭意作業をするが、現時点での見通しでは、一両日中の朝委員会に修正案を提出することになる。

 修正の中身は大きく3点である。 一点は、イラク攻撃の正当性の根拠として、 法目的に挙げられている安保理決議678、687、1441を削除する。 ニ点目は、自衛隊に係る条項を全て削除する。 三点目は、これは時限法であるが、時限を4年としているのを2年に短縮する。 以上の3点の修正案を提出する。この修正が飲まれなければ賛成しがたいということを決定した。

 若干補足的に説明するが、我が党としては、今次の米英軍によるイラク攻撃は国際法上問題があると、 当初から申し上げてきた。しかし、この攻撃に反対であることと、 攻撃が残念ながら起こってしまった後のイラクの復興にコミットすることとは別問題である。 これは当初から申し上げてきた。お手元に、改めて配布しているが、 6月25日の我が党の「イラク復興支援のあり方に対する考え方」を決定している。 現地に行った議員の報告を踏まえて、 我々として、ここにあるような民政面で復興支援のニーズが多々あると判断している。

こうした観点から政府案を検討してみると、 第一に目的のところにイラク攻撃を正当化した規定が盛り込まれている。 これは我々としては到底容認できるものではない。当然のことながら削除すべきである。

第二に、自衛隊派遣について、我々の復興支援の観点から、 そのニーズは必ずしも高くはないという前提で、さらに政府案を検討すると、 現状では、現地には連合国暫定統治機構CPAが存在している。このCPAは占領行政を行う機構である。 このCPAの同意のもとに、実力部隊である自衛隊が活動をすることは、 これは受入国の同意を基づかずにイラクの地で行動するということで、 このことは、わが国の自衛隊のあり方を抜本的に変える位置付けである。 従来のPKOによる自衛隊の海外派遣は、わが国を守るという自衛隊の目的に加えて、国連の枠組みの下で、 受入国の関係者から望まれて現地に行くという枠組みであるが、 今般は、イラクの皆さんの同意をとれない形で行く。これは、決定的に違っている。

そして、このことは、望ましいことではない。 そして、理論的に言えば、CPA、米英軍と我が国の自衛隊の活動が万が一、不測の事態があった場合、 我が国の交戦権の行使につながったり、あるいは、集団的自衛権の行使と見られる活動につながるおそれがある。我々としては、自衛隊の皆さんの能力を活かすということに関して、決して否定的ではないが、イラクの皆さんによる暫定政府が成立をして、その皆さんに歓迎をされる形で行くのでなければならないと考える。イラクの皆さんによる暫定政府が存在しない中で、占領軍の了解のみで行くというのは、武力行使との一体化の問題も含めて、容認できない。これが、自衛隊の条項を削除すべき理由の一点である。

もう一点は、戦闘地域と非戦闘地域の区別がされているが、 今の武器使用基準、これは現行の政府の解釈などから考えれば、 ある意味ぎりぎりの限界という側面があるかもしれない。このことを前提にしながら考えた時に、 果たして、自衛隊の皆さんの安全を確保できるのか。 逆に言えば、安全を確保しようと思った時に、海外での武力行使に、 あるいは武力行使との一体化につながっていかざるを得ない状況が、今のイラクでは続いている。 そうした状況で武器使用の基準についても、非常に中途半端な状況で、 十分に身を守る手段を認めずに危険な所に行かせる事態は無責任なことでもある。

なお、時々政府が分かって誤魔化していると思うが、 危険な所なのに、自衛官は行ってはいけないが、文民なら可能というのはおかしいという議論をする方がいる。 これは明かに間違いであり、まさに、軍服を着ている実力部隊は、軍隊として見られ、 だからこそ軍事的攻撃の対象として狙われることを問題にしているのである。 現に、アメリカ軍に対してフセイン政権の残党と思われる所からロケット弾を含めた攻撃がされており 、軍事紛争の延長戦上で行われている。まさに軍服を着ている自衛隊だからこそ、 ターゲットにされて危険であるということを、しっかり区分けをすべきである。 物盗り、強盗ならば、治安上の問題として対応すればよいが、自衛隊が行けば、治安上の問題ではなく 、軍事的攻撃として狙われる。戦争を仕掛けられる。危険の意味が全く異なるのである。 ここは誤解のないように我々としても、しっかりアピールしていかなければならない。

なお事前事後の国会承認の問題など、マスコミで取り上げられているが 、自衛隊の派遣自体全部落とすので、こういった点は自動的に全て落ちる。 したがって修正項目としては3つに集約される。

繰り返すが、我々としてはイラクの復興について、 国力に応じた有効な支援をすることを積極的に考えてきた。 このため、文民、民政面での支援という自衛隊以外での支援については、 軍隊と民間とでは危険性の意味が全然違うことを踏まえつつ、慎重に安全面での確保をしながら、 積極的に行うべきであると結論づけている。 この視点から見て、いっそ単純に反対すべきであるとのご意見もあったものの、 政府案の枠組みそのものは間違っていない。自衛隊を派遣する等の3点の修正をすれば、 この枠組みは使えると考えた。だとすると、単純に反対するのではなく、修正案を出すべきであろう。 そのほうが民主党の姿勢がはっきり分かるであろうということで、修正案で出すことで集約した。





【記者】
修正案という形を決めたのは何時頃?

【政調会長】
私自身としては、可能な限り修正案や対案を出すべきというのは、政調会長就任の時に申し上げたことである。その延長線上で、本法案についても、可能な限り、修正案をぶつけるということが、できるのであればそうしたいと当初から一貫して考えてきた。 基本的な骨格としては、政府案の骨格でよいと思う。余計なものがくっついているから駄目なのである。自然に考えれば修正案になる。 政府のほうは自衛隊の活動として安全確保支援を書いたのだと思うが、我が党としては、今日配布した要約にもあるが、治安面でも交番システムの導入などについてのアドバイザーの派遣など、ニーズはある。これについては、文民でもよいわけである。そういう意味では、条項そのものを削ってしまうことはないと判断した。

【記者】
4年を2年にする意味。

【政調会長】
これは数字の問題なので、2ならよくて3なら駄目なのかと聞かれたら答えようがないが、例えば、テロ特措法も2年であった。時限法でいくなら、まずは2年が長すぎず短すぎないのではないか。暫定政府ができた場合は、PKO法をそのまま使えるのか、PKO法を修正するのか、別の枠組みの法律が必要なのか、そこで検討しなければならないが、そういう時には、また違うステージに入っていく。今は、イラク人による暫定政府がないという状態で、どういう支援をするかという話であるから、4年までは要らない。そうは言っても、早くできることは期待しているが、半年、一年で縛る、狭くすることもないだろう。前例などに照らしてもこの程度かなと考えている。

【記者】
与党との協議について。

【政調会長】
基本的には我々の修正案を与党が受け入れて、修正して可決されることが望ましい。非常に根本的なところでの話なので、与党がどう判断するかである。  協議を求められれば、修正案を説明して、是非ご賛同くださいと申し上げることになる。協議は申し入れがあった段階で考える。特に2点目については、妥協できない。

【記者】
他野党について。

【政調会長】
それぞれ、単純に反対を決めているところもあるので、現場の理事間の話である。ご賛同をいただきたいと思うが、似て非なるものなのかなとも思う。

【記者】
審議について。

【政調会長】
十分な審議時間をとって、しっかりとした審議をなされるべきであると求めてきている。同時にかかっているテロ特措法については一切審議がされていない。今日の参考人も、イラク復興支援新法についての参考人として質疑を行っている。今の審議の延長線上でイラク新法について審議が尽くされたとしても、テロ特措法は全く審議されていないから、同時に採決する話にはなりえない。  

国対委員長も同じ考えだと思うが、十分な審議をした上であれば、法案の中身がけしからんとして、審議を混乱させることは、古い政治手法であると思う。審議が尽くされていない、審議の仕方についての約束が守られていないという場合には、きちんと審議をさせるための抵抗手段として色々な手法がありえる。また、選挙制度、選挙資金など民主主義の根本にかかわるところでは多数の横暴は許されないと考えている。ししかし、法案の中身がけしからんということで、審議を混乱させることは、私自身は趣味ではない。何しろテロ特措法は全く審議されていないので、審議しないで採決するということに対しては徹底して抵抗することになると思う。

以上