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枝野政調会長/記者会見要旨
2003年6月04日(水)
編集・発行/民主党政策調査会

○2003年6月04日「次の内閣」閣議報告


■代表の前回の会見でもあったが、私にとっても政調会長を仰せつかって半年にな る。この間、有事法制というとても重たい法案もあった。私自身も、『次の内閣』の 閣僚の皆様も、通常国会でたくさんの法案を抱える中で動いてきたので、まずはきち んと軌道にのせるということ、有事法制という大きな法案についてしっかりした対応 をしていくということで、動いてきた。通常国会も残り半月まできて、あと、国対的にがんばっていただくこともあるが、政調として法案対応について、党内での意見集 約にエネルギーを使わなくてはならない部分はかなり山を越えたと思っている。 むしろこれからは、総選挙に向けて、民主党としてどういうふうに政策を、~敢えて 作るかという言葉を使わずに~、伝えるかという言葉を使いたい。5年の間に民主党 として十分に政策的蓄積はできてきていると自負している。残念ながら、それが国民 の皆様、有権者の皆様に十分かつ正確には伝わっていない。十分かつ正確に伝われ ば、国民の皆様に必ず支持していただけると確信している。いかに、正確かつ十分に 伝えるか、そのための努力に私自身もエネルギーの8割から9割くらいかけていきた い。

 本日は勉強会という形で飯尾先生からマニフェストについてご講義をお願いした。 できれば飯尾先生のような方に民主党のブレーンとして加わっていただけるとありが たいが、先生のお立場からそうはいかない。講師として各党、どこから呼ばれても同 じように研究の成果は伝えていくということである。質疑も含めて1時間、大変参考 になる話を伺い、いかに政権選択、しかも政策で政権選択を国民の皆様にしていただ くか、マニフェストを作っていくか大変示唆にとんだお話をしていただけた。代表の リーダシップのもと、各大臣、部門の皆様と選挙対策本部との連携をしっかりしてい きたいと思っている。

■法務省が大変最近おかしいと言いたい。週末に談話を出させていただいた。敢えて 社名は言わないが、ある新聞社が大きく報道した「難民認定」の報道について、法務 省が謝罪と撤回を求め、注意するようにという抗議文を新聞社に送りつけていること が明らかになった。もちろん、我々も皆さんの報道の中に、事実と違うことを見つけ て、色々抗議を申し上げたりすることが多々ある。今回の件で異様なのは、具体的に 報道のどの部分が事実と異なっているのかについて全く指摘がない。そういった指摘 した上でも何らかの訂正がないという場合に、抗議をして謝罪を求めることはありえ るが、そのような指摘がないまま一方的に謝罪を求めたり、撤回を求めたり、「以後 気をつけるように」と恫喝するような抗議文を送りつけるのは、大変異例、異様なこ とだと受け止めている。

 法案の絡みで言えば、人権擁護法案、これはメディアの皆様も大変注目していると 思うが、現状で法務省に人権擁護法に基づく権限が認められていない段階でも、マス コミに対してこのような強圧的態度で臨むところに、その外局にメディア規制的要素 を含んだ人権擁護法に基づく人権委員会を所管させるのは、おかしいという我々の従 来からの主張が改めて裏付けられた。刑務所問題をはじめとして、私も法律家出身な ので、法務省の幹部の多くが同じ司法研修所で学んだ仲間であったり、先輩であった りするので、大変心苦しいが、それだけにしっかりとした人権意識をもって仕事をし ていただかないと困る役所であるので、厳しく指摘をしたい。

■労働基準法については、わが党の関係者から既に発言があったので、私から申し上 げる必要はない。有事法制も同様だが、きちんとした政策議論を踏まえた上で、対案 や修正案をぶつけて国民の皆さんの見えるところでやりあう、そうした中で、あまり に筋の悪い部分は改めざるを得ないところに追い込んでいくという正攻法がうまく いっている。現場の城島さんや鍵田さん、交渉当事者の方は大変だと思うが、この正 攻法、王道もこれからも続けていくことによって、必要なところは修正をとっていく ということを積み重ねていきたい。改めてこの労働基準法の修正は勝ち取ったと受け 止めている。

■先ほどの法務省の絡みで、参議院で(心神喪失者処遇法案の)強行採決が昨日なさ れた。精神障害をおっておられる方の人権、一方で犯罪被害者の方の人権、どちらも 大切な人権という中で、丁寧かつ慎重な議論がなされるべきである。本来は、人権と 人権のぶつかりあいで、政策的筋論でものが決められるべきところに、木村副大臣等 のところに関係協会から多額の献金がされていた事実が、この審議の中で浮かび上 がってきた。人権と人権のぶつかりをどのように折り合いつけるのかということ自 体、意見の分かれうる話であるが、そこにこうした利権の話が絡んできた上に、なお かつそこに蓋をしたまま強行採決をしたことは、我々としてはとうてい容認できるこ とではない。

■「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部改正案」政府案が採決され た。わが党は対案を提出していたが、対案が否決されて、政府原案に反対をした。念 のために申し上げるが、私共は、政府原案が現行よりも後退するものとは受け止めて いない。現状を改善するものと考えている。ただ、わが党の対案に比べて80対10 くらいであり、マイナスではないが、前進するにしてもあまりにも歩みが遅すぎる。不十分であるということで反対した。反対の意味に誤解があるといけないので、改め て申し上げておく。

■性同一性障害について、わが党の人権政策会議から、戸籍法の改正についてわが党 としても具体的な検討を進めていくと提起された。政府与党でも議論をされているよ うだが、本当に性同一性障害の皆さんの人権や生活を擁護していくために、若干与党 側の議論が不十分であると漏れ伝わってきており、民主党としても具体的な中身の法 案をつめていくことになった。

■この間、小泉改革の柱がぐらついていると受け止めている。一つは道路公団改革、 一つは分権改革である。 道路公団改革については、言うまでもなく、多くのメディアでも報道していたが、改 革派の職員を左遷させて、中心部からとばしている。私の把握している限りでは、通 常の異動でたまたまそうなったとは、到底考えられない。露骨な改革派外しの人事で あることはプロセスからはっきりしている。特に道路公団の財務諸表をきちんと精査 して明らかにする作業にかかわっていた職員が左遷をされて飛ばされていく。これは 明かに改革潰し、改革すべき事項の隠蔽であると思っている。小泉さんは猪瀬さんと 会って、絶対にやるんだと大見得を切っているようだが、改革は小泉さんが大声で叫 べば実現するものではなく、道路公団内部の協力、共同作業がなければ具体的な作業 は進まない。どうも、道路公団の総裁は単に天下り総裁、省益擁護、天下り擁護とい うにとどまらず、総理の意向に反するような、ある意味では、天下りだから公務員、 事務次官出身だが、公務員的な立場にある公団の総裁として誰の指揮命令で動いてい るのか、誰の意に基づいて動くのか、総理大臣の意向と異なるなら、姑息なことをせ ずに辞めた上で小泉批判をすればよい。同じことは、扇国土交通大臣にも言える。小 泉総理が猪瀬さんなどと話しているその指示が分かっているのだから、それに面従腹 背のようなことをしているなら、堂々と大臣を辞めて、与党からも離れて小泉批判を すればよい。この扇大臣と藤井道路公団総裁は、小泉さんの改革が本気であるなら、 一刻も早く辞めさせるべきだ。

 もう一つの分権改革も大きく報道されているが、結局金を手放さない。自分達が財 源を握って、地方には面倒くさい仕事を押し付けて、お金だけ握ってコントロールす るのだという霞ヶ関の思惑に、小泉総理は単に丸投げするだけで何もできていないと いう評価を下さざるを得ない。私共は、民主党の予算対案の中で、一括交付金制度を 提言している。これをやるだけでも、霞ヶ関の官僚のかなりの部分がいらなくなる。 その仕事はなくなる。それだけでもぜんぜん違う。さらに、本日の閣議の中でも玄葉 総務大臣から、一括交付金の導入に加えて、さらに地方に財源を委譲するプロセスに ついていくつかのたたき台のベースになるものに基づいて議論をした。民主党は、政 府よりも既に2歩も3歩も進んでいる。大変大きな柱であるので、この議論をさらに さらに前に進めていきたいと思っている。私からは以上です。



【記者】
マニフェストについて。

【政調会長】
外務大臣からは、外務部門ではマニフェスト的なものは難しいという発 言があった。外交は相手のあることなのでその通りである。政権担当する4年間をあ らかじめ縛れない。若干部門によってでこぼこはあるが、事務方のほうでそれなりに 出してきてもらっているので、役員会で部門ごとのでこぼこを整理していきたい。従 来から、6月中に第一弾を出す予定で作業を進めている。まさに最初の段階で出すも のは、作業ベースのものにとどまる。とどめる。つまり政治的に党内調整が必要なも のには、もう少し時間が必要である。わが党としては、既にオーソライズされている ものをきちんと整理すれば、イギリスのマニフェストのような形になるものがすぐに でもある。事務的にまず整理する。これは福山(哲郎)事務局長を中心に作業を進め ている。これは純粋作業ベースに近い話である。6月中に第一次案を出せればよいと 思っている。

【記者】
北朝鮮への経済制裁について。

【政調会長】
まだ党内で具体的な議論はしていない。これからである。個人的意見と して、一般的言えば、わが国は軍事的手段を用いないのであるから、経済的手法を もって国際的な様々なトラブルを解決していくということには、積極的であるべきで ある。ただしいくつかの条件があり、わが国単独で行ってもあまり効果がない。国際 的協調の中で行われなければ意味がない。その国際協調の観点から、どういうタイミ ングでどのような行動をとったらよいのか、慎重に見極めるべき。

 相手に与える効果がどうか。単に感情的に刺激をするにとどまって、経済的効果を 生じないのであれば、意味がない。そのあたりの分析が必要である。今回の北朝鮮と の関係で言えば、その二つの側面から考えた時に、現時点でどういう対応をとるべき なのか、私が政府の対応を見る限りでは、経済措置に至る前段階であり、もっともっ と強く北朝鮮に迫れることがあるのではないかと受け止めている。そうした手段を とってなおかつ北朝鮮が拉致問題をはじめ、国際的協調をとらないでいるという段階 での経済措置であるが、政府がまだ、その前段階で十分に果たしていない。この段階 では少し丁寧に考えなければならない。ある意味、政府と与党でずれがでてきてい る。具体的な法案はまだ見ていないが、外為法をよく勉強すると逆に現行法のほうが やり易いのではないかという声も聞く。変なポジティブリストを作ってしまうと、そ こに書いてある措置しかできなくなる。現行法だと何でもできるという側面がある。 具体的な法案がでてきたら、詳細に検討しようと思うが、立法技術法上の点を慎重に 検討したい。

【記者】
自由党など野党協議について。

【政調会長】
幹事長から指示はあったが、結構なことであり、ぜひ進めてほしい。当 面は幹事長のところで枠組み作りの可能性をさぐる段階。具体的に自由党さんとの話 が進めば、政策責任者として積極的に対応したいと思っている。調整については、相 手のあることなので、やってみないと分からない。私としては、かなりの共通項があ ると思っている。今の自民党政権ではだめだという共通認識をもっている。どこがだ めなのかについても、かなりの共通項がある。であるなら、それに対する解決策も 色々な協議調整を行えば、相当程度共通認識はもてると思っている。特に一致すると ころ、考え方の近いところから、自由党さん、社民党さん、無所属の会の皆様と、相 手があることなので、相手のほうでご協力いただけるならあれば、積極的に政策の話 は進めていきたい。

【記者】
保険業法の改正について。

【政調会長】
 基本的に政府案には大変大きな問題がある。したがって到底容認でき るものではなく、廃案を目指して闘うという整理である。

【記者】
イラク新法について。

【政調会長】
具体的なものがでてきてから考える。現地に行っていただいているの で、実際に現地にそういうニーズがあるのかどうか、後方と前方の区別がつくのか、 色々な問題があると思う。民主党として積極的に何をすべきか調査団が帰ってきたら 考える。

以上