
枝野政調会長/記者会見要旨
2003年5月7日(木)
編集・発行/民主党政策調査会
○2003年5月07日「次の内閣」閣議報告
■SARSの問題が国際的に深刻な状況にある。WHOが国際的な対応をしているが、台湾
でもSARS患者が多数発生している中、台湾がWHOに準加盟すらできないでいるという
問題がある。私は過去にも総理所信への質問、予算委員会での基本的質疑の場面など
でこの問題をとりあげてきた。感染症の広がりは当然のことながら政治とは無関係で
ある。日台の密接な人的交流を考えても、政治的に台湾と中国の関係をどう扱うかを
超えて、台湾が当事者としてWHOに席を持ち、発言をするのはあたりまえのことであ
る。実際にWHOに入っていたら、どれほど患者数が抑えられていたかは分からない
が、実際に国境を越えて、台湾にも患者が出ていることを見ても、これまで日本政府
が台湾のWHO加盟に何も動いてこなかったことに対し、強い憤りを覚えている。今か
らでも遅くはないので、わが国として特に台湾と人的交流の大きい利害関係者、当事
者として、台湾の準加盟を直ちに認めるべきであると申し上げたい。このことに積極
的に対応してこなかった外務省を国会で追及していきたい。
■本日の閣議の報告をする。「企業会計WT」の設置が確認された。証券市場の公正
性、透明性を確保し、投資家の信頼を得られる市場を確立するために、企業会計の重
要性がますます増大しているが、企業会計に関する調査、政策立案を行うことを目的
とし、財務金融部門会議内に設置する。いわゆる粉飾が企業会計の実態で少なからず
行われている。結果的に不良債権問題にもつながっている。大塚議員に座長をお願い
し、「粉飾告発ホットライン」を開設し、粉飾会計の実態について関係者の声を集め
たい。
■本日のお昼に有事法制について全議員政策懇談会が行われ、前原座長の報告が了承
された。丁寧な議論を積み重ねてきた結果である。民主党案は、政府案よりベターで
ある。民主党案の重要な柱については与党に受け入れてもらい、幅広い賛同を得て法
案を成立させるべきである。政府与党に期待をしている。この問題を色々な意味で与
党が政局に絡ませることを危惧しているが、我々は純粋な政策論として判断してい
く。
■国立大学法人法案の修正を各野党に呼びかけていく。具体的には、国立大学法人に
なったら国立大学の中期計画などについて文部科学大臣が決めるというおかしなこと
になる。独立行政法人にするのは、国からの距離を広げることであるはずなのに、逆
行である。文部科学大臣がチェックすることはあってもいいが、計画を決めるのでは
全く逆である。しかも、文部大臣は財務大臣とも協議することになっている。こう
いった点を踏まえて修正案を作成している。
■ヤミ金融対策についての中間報告が了承された。基本的には、貸し金業者を登録制
から許可制にする、警察が民事不介入の原則を超えて、無許可であることを理由に悪
質業者に介入できるようにするなど、貸し金業法の改正を中心として対策をまとめ
た。他の野党にも呼びかけて調整していきたい。
【記者】
自由党との合流問題について。
【政調会長】
合流にしても統一会派を組むにしても、ある程度の政策の合意ができな
い状態で決定することは、論理的にありえない。残念ながら、自由党さんがこれまで
合流を決めないで話を進めても仕方がないといってきているので、協議の場で全く議
論ができずにきた。これは全く順序が逆である。我々は合流も含めて協議検討しよう
としているが、政策を中心にさまざまな議論がなされて、その結果、これほど一致す
るのだから、統一会派にしよう、合流しようというのが論理的道筋であり、合流が決
まらなければ政策が一致しないというのは全く訳が分からない。政策軽視、政策無視
であるし、有権者は政策なき野合に対し、政策なき政界再編に対して嫌悪感を持って
いる。政策の責任者としては、政策のすりあわせがない状態で物事が決まることは考
えられない。
【記者】
松浪問題について。
【政調会長】
政倫審は、イメージとしてはそこで説明すればいいという誤解を国民に
与える場かもしれないが、政倫審は疑惑を持たれた人が釈明をする場であると明記さ
れている。ですから、問題ある行動をした人がどのように責任を果たすかという問題
や、あるいは、事実関係として暴力団と関係がある場合の政治家の倫理問題などは別
次元でもう一つ実態解明の必要がある。イメージでごまかそうとする小泉内閣の姿勢
そのものである。
【記者】
自由党と合流問題について。
【政調会長】
統一会派も視野に入れて政策協議を行い、その結果、政策が一致するの
であれば、否定するものではない。合流も統一会派も視野に入れた、協議をすること
自体を否定しているのではなく、最低限、連立政権を組めるところまで行きたい。一
致度合いによって変わってくる。自民党政権がだめという点は一致していても、壊し
た後、もっていく方向が180度違っていれば、しょうがない。今国会、野党間で一番
法案対応が異なっているのは、自由党さんである。有事法制についても全く異なる対
案を出している。そこを無視したら、政策なき野合といわれても仕方がない。
【記者】
有事法制の修正協議について。
【政調会長】
対案作成の時から一貫して、法形式が先にありきではない。わが党とし
て譲れない点はのませなければならない。基本法の法形式の中にそういったものが多
く含まれていることは確かである。その具体的、実質的中身が修正協議で取り上げら
れるか否かということである。法形式にはこだわらないが、あのような法形式をとら
ないと、なかなか我々の考えていることが、法律になりにくい。
【記者】
与党の金融対策について。
【政調会長】
中にはやらないよりやったほうがいいよねという評価もある。ただ、本
質的に今の経済状況に対する認識が間違っている。税金の使い道を間違えているとい
う基本的なスタンスを変えなければ、単なるスタンドプレーだと思う。
【記者】
自由党問題。
【政調会長】
できることなら合流したいが、そこにいくには、政策協議が不可欠であ
る。その結果、連立なのか、統一会派か合流か決まる。我々は、政策を実現するため
に国会議員をやっているのであり、権力をとるために国会議員をやっているのではな
い。政策を実現するために政権をとるのである。何でもいいから政権をとるというの
では政治家の自己否定である。先方が合流したいというのであれば、それも視野に入
れて政策協議は前向きに進めればいい。
以上