
枝野政調会長/記者会見要旨
2003年3月12日(水)
編集・発行/民主党政策調査会
○2003年3月12日「次の内閣」閣議報告
【政調会長】
新しい体制ができてから3ヶ月になる。これまでの間、政調関係は、そ
れぞれの大臣や総括副大臣がしっかりと役割を果たしてうまく運ぶことができたと
思っている。これから個別の法案が国会の審議に上がってくるので、それぞれの部門
やPT・WTで議論を積み重ねた上で、しっかりとした党の見解をまとめていきた
い。また、最近マニュフェストをめぐる議論が様々なところで出ている。総選挙の時
期はいつになるかわからないものの、これまでの蓄積をわかりやすく整理し、来るべ
き総選挙においてより具体的でわかりやすい政策を掲げて戦うための作業に力を入れ
ていきたい。
今日のトピックとしては、まず冒頭に代表からも話があったとおり、イラク問題を中
心とする党首会談が申し込まれたので、それ自体は受けることにしたということがあ
る。ただ自分の立場としては、申し込まれた会談を受けるのは当然ではあるものの、
小泉総理は、国会という正規の場所でイラク問題に関する内閣の考え方を十分に示す
ことをスタートとしなければおかしいと思う。そこでの様々な議論の末に、党首会談
などでさらに理解を求めたい、あるいは意見を聞きたいというのが本来の筋であっ
て、国会におけるきちんとした説明を怠りながら、議事録も残らない党首会談を求め
てくるのは、いわば国会を軽視した、非難されるべきことであると自分は思う。党首
会談では、まず冒頭に総理に対してこのことを強く求めていただきたい、ということ
を役員会の場でも申し上げた。
今日の「次の内閣」閣議では、まず日銀総裁・副総裁人事について党としての見解を
まとめた。3人とも不同意である。理由のひとつは、福井氏と武藤氏はそれぞれ元日
銀の大幹部、旧大蔵省の大幹部であり、現在までの金融政策の重要な責任を負ってい
る当事者である。今日の大変深刻かつ危機的な状況に対して、過去の金融行政の責任
者としての総括が十分ななされておらず、両氏ともに問題がある。さらに、岩田氏・
武藤氏は2人とも官僚OBであり、日銀の独立性の観点から大変問題である。また武
藤氏については、財務省の中でも金融畑ではなく財務畑であり、これまで進めてきた
財金分離という政策の観点からも重ねて問題がある。こうした問題を抱えているにも
関わらず、それぞれの候補者本人の所信を国会の場で聞くことができないからには、
我々としては同意することはできないということを今日決定した。
「社会資本整備重点計画法案」について、民主党の対案となる「公共事業基本法」と
平行審査されている。我々の考え方を部分的にでも取り入れて修正するつもりはない
かと現場で折衝したが、全くのゼロ回答であり、穴だらけの政府案をそのまま採決す
る方向ということなので反対することを決めた。当然、我が党案について賛成であ
る。
「産業再生機構法案」については、現場で修正案をぶつけていこうという方向の集約
がされつつあるが、まだ修正案の具体的な内容などについて議論が続いているという
ことなので、対応については関係大臣と自分と中川代理とに一任となった。
また、今日決めたことではないが、「公職選挙法の一部改正案」の議論がされてい
る。これは、自治体の首長の多選禁止、具体的には連続4選を禁止する条例を自治体
が作ることができるものとする公選法改正案である。議員立法案件登録と中間報告が
あったが、これはそれぞれの自治に関わる問題であるので、早急に我が党の地方組織
にも意見を求めて、その上で議論を集約していくこととなった。統一地方選挙を前に
この多選問題は様々な議論になっているので、地方の声を踏まえて決めていきたいと
思っている。若干ある論点としては、例えば大きな自治体の首長選挙においては適任
者がいないということは考えられないので、多選を禁止することもひとつの選択肢で
あるが、地方の小さな町や村ではそれぞれの首長という重責を担う方がなかなかいな
いということがあると、結果的に多選となることも少なからずあろうことにも一定の
考慮をしなければならない。それぞれの自治体の選択権を認めようという中身ではあ
るが、地域の事情などを踏まえて議論を進めることとなった。
また、最近話題になっているインターナショナル・スクール等の大学受験資格をめぐ
る問題について、国際関係の観点からも、わが国に住んでいる外国人の人権という観
点からも、きちんと議論が必要があるという提起が人権部門からあった。なぜイン
ターナショナル・スクールだけに大学受験資格が認められて、例えば韓国の方などの
日本における学校が認められないのか、そこに合理的な理由が説明できるのか、説明
できないとすれば大変深刻な問題にもなる。文部科学部門と人権部門で協力して、こ
の問題について情報収集と分析をきちんと進めていくことを確認した。
個人情報保護法制についての中間報告があった。従来の方針通り、4党で法案作成の
作業が着々と進んでいるということである。金曜日の4党政策責任者会議に現場から
中間報告があるということなので、その上で皆さんにもお示しできると思う。
【記者】
公選法改正案について、今日の記者発表が中止になった経緯は。
【政調会長】
地方組織の意見をきちんとうかがった上で議論を煮詰めた方がいいだろ
うというのが、今日の中間報告に対する結論である。早急に全国の地方組織にお伝え
して、ご意見をうかがった上で決定しようということである。
【記者】
いつ頃までにそれをするのか。法案は国会に提出するのか。
【政調会長】
来週中には地方の意見を踏まえた議論ができるようにしたい。地方組織
の意見を踏まえた上で、提出するということになればそうなる。
【記者】
マニュフェストについてはどういう状況か。
【政調会長】
政策調査会の中に、自分を委員長とする選挙政策検討委員会を作った。
従来、党として決定している様々な政策をもう一度整理し直し、欠けている部分があ
れば議論を急ぐ。整理されている部分についてはマニュフェストの形に表現できるか
どうかということを検討しており、福山事務局長を中心にそういった作業を1,2ヶ
月の間に進める予定である。その上で、この国会中には少なくとも第1次案を整理で
きるようにしたい。
【記者】
有事関連法案について、党としてまとめていくスケジュールは。
【政調会長】
前原ネクスト安保大臣の下で、従来の議論を踏まえた論点整理を進めて
いる。予想される国会審議のタイミングに十分間に合うように党内議論を進めていき
たいと思っているが、相手のあることでもあるので国対的な状況も見据えながら議論
を進めていく。現時点では、従来の議論をしっかり整理して党内の議論に付すための
準備を進めている。
【記者】
いつまでか。
【政調会長】
国対的な見通しにもよるので、現場と国対できちんと対応していただい
ている。
【記者】
日銀の同意人事について、裁決後に参考人質疑があるがその際のポイント
は。
【政調会長】
まず、それぞれの過去のポジションにおける金融行政の失敗をどのよう
に認識しているのかということを当然問いたださなければならない。その上で、視点
は2つあると思う。ひとつは中央銀行の独立性という日銀法改正の趣旨を踏まえた上
で、官僚出身の2人の副総裁については省庁との間にしっかりしたファイヤーウォー
ルができるのか、出身官庁の影響力をどうやって振り払うのかという点。もうひとつ
は、現下の経済情勢に鑑みて具体的にどんな舵取りをしていくのかということ。従来
進めてきた金融緩和という政策は可能な限り拡大・強化をしていくことが望ましい
が、日銀が株や土地を買うことなどに代表される、いわゆる禁じ手に手を付けてはな
らない。その範囲で日銀としてどこまでできるのか、何をやろうとしているのか、そ
うした見解をしっかり問いただしたい。
【記者】
午前中に野党3党で集まったのはどういう話があったのか。
【政調会長】
ひとつは人権擁護法について。従来の我が党のスタンスからすると、抜
本的修正案をぶつけるということだが、これについて野党3党で一致した形でできな
いかということで実務者協議会をスタートさせ、今日第1回目を開いている。また
パート労働法について、野党3党で一致して法案を提出できないかということで、調
整を始めるということで原則合意をした。これについては議連もあるので、それとの
関係の整理が付き次第、実務者協議を始めることになる。いずれも考え方の大きな方
向性は4党でも違っていないと思うが、具体的な修正案の中身については、3党で先
行して調整を始めた方が話が進みやすいのではないかという判断を確認した責任者会
議である。
以上