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 議事録


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衆議院-内閣委員会


平成18年04月21日

[消費者契約法の一部を改正する法律案(菊田真紀子君外三名提出、衆法第一九号)についての答弁]


○山本(拓)委員

 どうも、山本です。

 きょうは、議員立法として民主党が出されました法案につきまして、敬意を表して質問をさせていただこうということでございまして、よろしくお願いします。

 基本的に、消費者契約法というのは、これは大変大切な法律で、うまく機能しているところがあると思うんですが、全国に四百五十万ぐらいの事業主が、今少し減っているかもしれませんが、おるんだろうと思うんですね。

 私、個人的に言うと、もともとメーカー業をやっていまして、選挙を離れたときも少しメーカーに携わっていたものですから、そういうメーカーの立場、中小のメーカーの立場から考えますと非常に、消費者というのは国内に一億二千万人おるんですね。いろいろな人がいるわけですよ。そして、どこのメーカーも最近はコンプライアンス経営で、お客様相談室というものをしっかりつけていて、そこに入ってくる要求というのはどうしようもないのも結構あるんですね。

 また、選挙もそうですけれども、どこも、企業、ライバル会社がありまして、そのライバル会社もまた消費者になるんですよ。

 例えば直近の話で、シートベルトが義務化になりまして、特にチャイルドシートなんかが義務化になりましたね。あのときに、国交省が認可をするということで数社が認可を受けて、そしてまた、国の認可基準というのはある程度一律に決まっているんですが、使い勝手とか、またその基準もいろいろありますから、それに対して、あるとき突然、子供の安全を守る会という任意団体が、雑誌上で、市場に市販されている認可品を全部買い集めて、そして実際にぶつけテストをやっているんですね。それを雑誌に載せたわけですよ。その雑誌というのも、メジャーじゃなしに、こんな、よく本屋なんかでちょっと置いてある種本みたいなものなんです。

 それが、ああ、そうかと。そこに参加したというか、一方的に引きずり込まれた各メーカーの成績表が出るわけですね。A社のものはバツ、A社のものは三角、A社のものは問題外とか二重マルとか、これが一方的に実験させられて、要するに誌上に載っかって、市販された。

 結果的にそれがどのように使われたかというと、二重マルのを扱っている業者は各バイヤーのところを、うちの商品は二重マルでしたよ、ライバル会社のものはペケ品でしたよと一生懸命回っているんですね。各バイヤーから、おたくのはちょっと遠慮しておくわとか、大分仕入れが入れかわった事例があるんですね。

 そういう被害を受けたメーカーがみんな、おかしい、おかしいと。それを主催した団体は単なる任意団体です。しかし、実際、例えばつくばにあるシミュレーションのぶつけテストでも、ワンショット三十五万かかるんですね。実際にばんとぶつけているわけですよ。どう考えても、この実験経費というのが一千万を出ているんですね。こんな一千万以上の経費をかけて、何で、だれが金を出したんだろうといって、後でわかったことですが、その二重マルを得たメーカーの子会社がお金を出していたんですね。だから、これは逆に、純粋に考えると、その後、国の方でアセスメントという正式なものをつけていただいて、今はもう公平にやっていただいていますが。

 だから、絶えず、消費者団体を名乗る人を一皮めくると、みんなが善良者じゃなしに、変なのがいる。だから、変なのがいたとき、みんながみんな変だとは言いませんが、大手なんかは意外としっかり弁護士団をつけて逐一やるんですが、中小企業とか、そういうところに手薄なところがあかん。

 そしてもう一つ、消費者もいろいろいまして、先日、たまたまテレビを見ておったら、ある番組ですが、あるレストランで試しに全部髪の毛をあえて入れておいてお客さんがどう反応するかという、トリビアの泉でやっていたんですが、そうしたら三種類に分かれるんですね。

 スパゲッティの上に乗っていた。一つは、ああ、こんな髪の毛が入っていたって、自分でぽっとよけて無視して食べる人。もう一つは、さりげなく店員を呼んで、これは髪の毛が入っていたよ、かえてちょうだいという普通の対応をする人。もう一つは、呼んで、これ、入っているじゃないか、かえますと言ったら、かえただけで済むと思っているのか、何とか落とし前をつけろとごねる人、要するに料金をただにしろとごねる人。大きく分けるとこの三種類やっていたんですよ。だから、それはどれが正しいというわけじゃないですが、これは一般の消費者を代表するあらわれだと思うんですね。

 余り一人で演説していたらあきませんので、民主党さんの、消費者の団体というか、登録制にしまして、そして詐欺なり公序良俗違反、これも非常にあいまいでありますが、そういう団体は、すべて国内の中小企業も含めて全部それにかぶってくるわけでありますから、そこらあたりが弊害が起こらないように、そういう悪用、濫用されない、要するにそういう団体は悪人がいないということを前提とした歯どめ策というか、そういう考慮は何かなされていますか。

○枝野議員

 御質問いただきまして、ありがとうございます。

 先生御指摘をされましたように、消費者団体を装うとか、あるいはいわゆるクレーマーのような人たち、こういう人たちが存在をするということは、大部分の本当の意味での消費者団体の皆さん、あるいは本当の意味での消費者の利害をちゃんと守ろうという皆さんにとっても、大変迷惑な話だと思っております。

 私たちも今回の法案で、適格消費者団体を政府案とは違って登録制にいたしました。だからといって、消費者団体を装う人たちがそこに登録をされるということがあってはならないというふうに考えておりまして、登録制でございますが、もちろんその登録の基準というものを明確にしております。

 今、同業他社が消費者の立場を装ってというような例を出されておりましたが、そうしたことがないように、役員の構成について、特定の事業者の関係者あるいは同一業界関係者が一定割合以下であることを登録要件といたしております。それから、もちろん暴力団関係者は役員に含んではいけないというようなことも入れております。

 それから、実際に登録を受けても、その適格消費者団体が、自己または第三者の不正な利益を図ることを目的として、差しとめ請求権を行使してはならないことをきちっと責務規定として置いておりますし、財務諸表等の定期的な公開等を義務づけております。そして、こうしたことがきちっと担保をされるように、内閣総理大臣による報告徴収や立入検査、改善命令、登録の取り消しなどというきちっとした手当てを設けております。

 さらにいえば、そうした消費者団体を装うような人たちが適格消費者団体の登録をしたとしても、例えば、訴訟等の場合において、相手方から、金銭その他の財産上の利益を受けてはいけないとしておりまして、しかも、それには罰則を設けております。

 したがいまして、登録制であるということでありますけれども、この適格消費者団体の登録を、何というんでしょう、悪意を持って受けようとしてもなかなか受けられませんし、そして、その立場を利用して何かをしようとしてもできないという仕組みはしっかりと担保してございまして、先生御指摘のような危惧は排除できるというふうに考えております。

○山本(拓)委員

 担保できるとおっしゃるわけですから、それ以上議論しても、我々、私としては、ちょっとできないんじゃないかなと。とにかく、申請者をみんな、書類上、大体要件が合ったら認めちゃうということですから。

 昔、NPO法人のときに、認定を厳しくしろとかいろいろあったときに、NPO法人は、ボランティアをする人はそう悪い人はいない、だから大体オープンにしようということで一回やって、今でもやっていますが、あのときの議論はよく私も存じ上げているんですが、最近、新聞なんかを見ていますと、NPO法人やまびこ会がかたって取り消された、そして、暴力団関係者もNPOを名乗ってとか、NPO法人の不祥事件が新聞をにぎわしている。

 これはなかなか、事件を起こして取り消すのは当たり前なんですが、確かに、事業者にとってみれば、大体政治家に対してもそうですけれども、普通、事業所として利益を上げると、必ず変なのが来るんですよね。赤字の会社には余り来ぬのです。

 だから、それが弱ったことで、というのは、訴えるぞと言われただけで、大概、お客様相談室に来るのは、何だったらこれ訴えるぞと、おどしでもないけれどもおどしであるという、これも非常に、そこが実際に裁判にかけられたら正々堂々と戦いますから、これは別に恐れることはないんですが、うわさに出るだけで大変迷惑。新聞にどんと、書かれ方によってはそれで株価が上下したりする場合もありますし、やはりそこらの未然防止策というものが大変求められるのが今の問題点ではないかなというふうに考えているところでございます。

 これはもう、本当にこれだけの法案を仕上げるというのは大変な、僕は敬意を表して、きょうは大臣が午前中三十分いないというものだから、では民主党にしっかりと勉強させてもらおうということだったんです。大変よく勉強というと失礼ですが、これは本当に悪人一人いない、いい人たちの集まりが前提だったら、こんなにすばらしい民主党案はないと思うんですが、時々変なのがいる世の中だから。政治家だって、ほとんどの政治家がみんなまじめにやっているのに、たまに変なのがいると、みんな政治家はばかたれと言われるのと一緒で。

 それは、たまにの被害が、特に最近は、企業側にいうと、定年延長せにゃいかぬのです。実際、私も五十を過ぎましたけれども、老眼鏡が必要になる人は、今はもう正直な話、企業では本当は余り必要ないんですよ。しかし、それを雇えと。そしてまた、障害者福祉の授産施設も、結構メーカーは使っているんですよ。やはり福祉政策で、そういうものを使えば使うほど、どうしても不良品率が高くなっちゃうんですよ。それが、要するに故意犯じゃなしに出ると、どうしてもそこらあたりが、消費者によっては、これはおかしいなと。

 これはもう、裁判自体も非常に、アメリカなんかは、熱いコーヒーで被害を受けたら、物まねして日本でも結構そういう動きがありましたし、ひどい話でいくと、日本のメーカーが、テキサスでトラックの事故が起きて、それでシートベルトが切れちゃって、ドライバーがけがして、そしてそのドライバーが、アメリカ人ですが、トラック会社を訴えるんじゃなしに、このシートベルトメーカーを訴えてきたんです、アメリカで。

 その人は葉巻を吸ってぼろぼろこぼしているから、シートベルトが穴だらけだったんですね。だから当然、日本側のメーカーとしては、こんなシートベルト、きちっと、穴があいていたから切れたので、悪くないと。ところが、向こうは陪審員制度ですから、一流の言い回しのうまい枝野さんみたいな弁護士にかかっちゃうと、有罪になっちゃったんですよ。なぜかというと、データによると、テキサス州のトラックを運転している六割、七割は、みんな葉巻を吸って運転しているらしい。そういうところで発売するシートベルトは、それに耐えるシートベルトにしないメーカーが悪いんだ、もちろん、これは日本のメーカーだということで特に感情論でいっちゃったみたいなんですが。

 とにかく、とかく消費者の言い方というのは、一般的に想定されるような弱い消費者というか、だまされたとか、それは確かにかわいそうですから助けなきゃいかぬですが、そうだからといって、性善説などと違う、一律にやっちゃうとかわいそうなものが、企業犯罪絡みの悪質と、悪徳弁護士もひどいのもいますから、やられちゃう可能性が現実的にある。

 だから、先ほど登録だからいいという話でしたが、国の場合は、認定でさえきちっと行政裁量権でマル・バツつけますけれども、登録制は、要件で行政裁量権を排除していますよね。行政裁量権を排除しているということは、それでは、だれがグレーのところか。例えば、生協はいいんですよね。書いてあったからね、消費者団体だっけ、生協はいい。生協がいいんなら、農協はいいんですか。生協と農協と一緒のことをやっていますよね。

○枝野議員

 お褒めをいただきまして、ありがとうございます。

 先生御指摘のとおり、世の中すべて性善説で見ることはできない、だからこそ法やルールというものがあるんだと私も思っております。

 ただ、この場合、特に御党の総裁もそうでないかと思いますけれども、今までのお上という意識を変えていくというのがこれからの日本のあり方ではないのか。つまり、悪意を持っておかしなことをするのは、民間だけではない。むしろ、実態として、公務員の中で、違法、不当な行為をしている公務員というのも日々摘発をされておりまして、そういう意味では、民間の中にもおかしな人はいるけれども、裁量権を行使する公務員の側にもおかしな人がいる可能性がある。

 そうした裁量で、当事者の恣意的な判断で物事が決まっていくというのはおかしい。ルールを明確に決めて、そのルールに沿っていれば認める、ルールに沿っていなければ認めないということで、裁量の余地をいかに小さくするかということが、官から民へという時代に求められている立法府の役割であるというふうに思っております。

 今御指摘がありましたとおり、私どもは、適格消費者団体の範囲をできるだけ広くと思っております。したがって、例えば消費生活協同組合なども対象になり得るといたしておりますが、その登録の要件としては、消費者の利益の擁護を主たる目的としているということを挙げております。

 したがいまして、他の目的が主にあって、なおかつ、その一部として消費者にかかわるようなことをしている、例えば、私が判断します限りでは、農業協同組合は、消費者という立場で協同して物事を進めるというのではなくて、農業という業を行う人たちの協同して行う中間法人であるというふうに思っておりますので、主たる目的が消費者の利益ではないと判断をされるというふうに考えております。

○山本(拓)委員

 その主たるという判断は、だれが。それはいろいろ枝野氏のおっしゃることはよくわかります。しかし、実態的に、では農協だって、経済連で生産者側と切り分けして、全く生協と一緒なことをやっている組織もだめなんですか。

○枝野議員

 それは本法の問題というよりも、むしろ法人格を取得している各根拠法によって、例えばこの目的のためにこういった形の、一般的ではない法人格の取得ができるというようなことの根拠法がそれぞれあるはずでございます。したがいまして、その根拠法に基づくと、消費者の利益の擁護というのが主たる目的と認め得るのか、あるいは入るのかということが、むしろその各根拠法のところで判断できるというふうに考えております。

 例えば、今、農協のような組織が別法人にしてというようなお話がありましたけれども、そこが明確に別法人で、その別法人としての根拠法とか、その主たる目的のところが消費者の利益の擁護ということであるならば、それこそ行政改革の委員会で業界団体と政治連盟の話について、もし別の組織でちゃんと仕分けができていれば、公益法人としての業界団体は、自民党に対する、自民党に限らないですが、政治献金は禁止だけれども、しかし、別組織で、別の根拠法に基づいて別の政治団体をつくっていて、別会計でちゃんとやっているならば、それは公益法人としての政治献金禁止はかぶらないという説明を政府がなさっておりましたが、似たような話で、根拠法がどこにあるか、そしてそれがちゃんと組織として別組織になっているか、こういったところで実質的に判断できるというふうに思っております。

○山本(拓)委員

 私が知りたかったのは、根拠法には、ある意味では広く、複数書いてある場合があります。例えば、企業でも、今よくお話しの主たる営業種目とか主たる項目とか、NPO法人でも主たる業務とか、そこに一つではなしに十でも二十でも並んでいることがあります。要するに、税務署的にも法務局的にも、主たるという欄に、極端な話、百書いてあっても一つ書いてあれば、それは主たるとみなすという扱いもすることがあります。だから、そういうことを考えますと、消費者に寄与するということを言葉の一部分に書いてあるだけでそれを排除する理由が見当たらないだろう。

 だから、私がちょっと確認したかったのは、行政の裁量権を省いて根拠法によるという、これは例えば民主党の提案者がそこの総責任者になってジャッジをするんなら安心していいんですが、要するに裁量権をそれは省くということですから、私はこう思う、農協の担当者の人は、いや、生協だけ認めて、することは一緒なのにうちだけ認めないのはおかしいじゃないかと。それをだめだといったら、これは行政権ですから。客観的に見て、だれでもがなるほどなというものを一つ担保しておかないと、あれがよくてあれがだめだという話ではトラブルのもとになるし、どこかで、えいやと。

 ましてや、これは裁判が起きて、何で認定しないという訴訟の対象になる可能性も非常に強いなという懸念を一つ持ったものですから、ここらは一つ明確に、行政権の排除というのは理想的でありますから、そして最近では、役人が嫌がらせとか、それを不作為の行為でしない場合には、行政手続法で請求とかきちっとやれるようになってきていますし、だから、違った方向で。

 だから、要は、自由裁量はいいんだけれども、くれぐれも私がお願いしたかったのは、例えば、中間法人でチェーンストア協会とかいろいろあるんですよ。それは業者の集まりです。またパチンコ屋さんでも、チェーンストア業界で、一つのグループでみんな中間法人を取り始めたり、そうすると、結局ライバルでけんかし合っているんですよ。そういう団体を取っちゃうと幾らでもというおそれがあるから、いっぱいできちゃうのは困るかなと。

 それと、先ほど登録制をされましたが、これは提出したものをきちっとやれば、むしろ行政の場合は届け出制、登録制、認可制の幾つかありますよね、一般的に。これは、そういう趣旨なら、あえて登録にしなくたって届け出制でよかったのかなとも思うんです。

 なぜかというと、政府登録という話になると、英語で言うとオーソライズされた、こうなるんですね。昔、ある経済産業省の認可団体というか登録団体で、協業組合とか、そういう組合があるんですよ。これが、ビッグサイトなんかで世界防災展というのがあって、世界じゅうから外国バイヤーがいっぱい来ます、日本の一流上場企業も並んでいますよ。そこに、あるとき頼まれて名前だけ、名前だけというとあれですが、下請として展示するときに、日本語じゃわからないということで、向こうの翻訳家が英語入りのパネルをつくった。

 そうすると、要するに普通に言う政府登録というのは、オーソライズド・バイ・ジャパニーズ・ガバメント組合、こうなる。英語で書くと、オーソライズド・バイ。そうすると、世界じゅうのバイヤーが、三井造船よりも一流の企業よりも、オーソライズド・バイ・ジャパニーズ・ガバメントの表のあるところに名刺をぼんと積んでいく。

 だから、我々、普通、認可団体だ何だといっても、どこにでもあるおっさんかと思うんだけれども、よく考えてみたら、政府登録とか政府がレジストしたということは、客観的に見て物すごく信用が強いんですね。

 だから、私が恐れるのは、要件が満たされれば、はいどうぞどうぞと認めますよというと、大体、考える人は、まず政府登録団体という名刺を印刷して、それでずっと歩かれて商売をやる人がいるだろうなと。我々、頭に浮かぶだけでいかがわしい何社かは必ずいると確信をしてもいいと思っているんですね。だから、あそこらにかかっちゃかなわぬなと。

 そうすると、恐らくこれが通ると、自己防衛で、ふだんから弁護士事務所との顧問契約をみんなせなあかんようになって、田舎の方では弁護士事務所は大はやりだと思うんです。

 だから、そういうおそれが一般の中小企業者のレベルでいくとちょっとありますので、そこらをきちっと、性善説とそうでない人、たまに変なのがちょっと、一〇〇%純粋な飲み水でも、一滴ポイズンやっただけで全部がおかしくなる、そういうようなことにならないように、こういう消費者の名をかたってやる人を排除する、それをぜひとも確認させていただきたいなというふうにも考えております。

 それと、民主党案の損害賠償についてですけれども、除外申し出の仕組みを講じるということをうたっておりますが、除外申し出をしない人の中には、公告や被害に気づいていない人なども大勢いるわけですね。適格団体敗訴の場合、逆に知らぬ間に訴えて、気がついたときにはもうそれは負けていたといったときに、逆にそういう人たちの損害賠償権まで奪われてしまうんじゃないかなという懸念を持つんですが、その点はいかがですか。

○枝野議員

 先生の御指摘は幾つかうなずけるところもございまして、先ほどの登録のことで、裁量があってはいけないよねと。

 ただ、私たちは、裁量はゼロには絶対できない、人間のやることですから。ですから、登録制という形でできるだけ裁量の幅を小さくするということをした。実は、政府案の認可の場合は基準はもっとあいまいでございますので、ぜひ政府案を、最低、修正することについて御協力をいただければというふうに思っております。

 それから、今の除外の申し出の話でありますが、もちろん一〇〇%、公告にすべての人が気がつくと言えない可能性があるということは間違いないと思います。

 ただ、それこそ事業者側の立場も考えてみますと、同じような損害賠償請求訴訟が繰り返し行われるということも、せっかく団体訴権を認めて一括でやりましょうということを考えたときには、なかなかこれもしんどいところがあるだろうというようなところのバランスを考えたときに、私たちは、公告を行うこと、それに気がついて、おれはこの裁判に一緒に加わるのは嫌だという人は除外の申し出をするという手続をとることで、ある団体に代表されるのは嫌だという人の利害と、それから、事業者側の利害というものの調整を図ったつもりでおります。

 実は、この広報の仕方は、もちろん官報というのも法案の中に入れておりますが、日刊の新聞紙であるとかインターネット等、さまざまなケースに応じて裁判所がきちっと周知ができるやり方を判断するということにしております。これはケース・バイ・ケースと思っておりますが、だからこそ裁判所の裁量にゆだねざるを得ないと思っているんです。

 例えば、本当に世の中に周知をされているような大型被害であるならば、逆に言ったら、社会面的に報道が先行しているとか、そういったいろいろなケース、事情があり得るわけだと思っています。

 あるいは、被害者のいる地域が限定されているケースと全国に広がっているケースとさまざまなケースがあって、それに応じてきちっと公告をするということで、私は、十分に被害者の皆さんの利害は確保できる。特に、気づいていない人たちは、いずれにしろ権利行使ができない。だからこそ、こういった手続を決めて、公告などもして、気づいていない人も、ああそうか、こうやっておれたちのかわりに訴訟を起こして権利を擁護してくれる人がいるんだということの余地をむしろ広げているということでは、被害者の救済には厚くなるというふうに確信をいたしております。



<他の議員の発言部分省略>

○川内委員

 適格消費者団体による差しとめ請求権について、今回提出された民主党案は、差しとめ請求の対象となる行為の範囲を広くとることなど、政府案と大きく異なっているというふうに思いますが、その理由と相違点について提案者に御説明をいただきたいと思います。

○枝野議員

 お答えさせていただきます。

 差しとめ請求に関する政府案と本法案との違いは、差しとめ請求の対象となる事業者等の行為について、政府案が消費者契約法に規定する不当行為に限定しているのに対して、我々は、詐欺行為、強迫行為あるいは民法上の公序良俗違反あるいはモデル約款等の推奨行為と、幅広く認めております。

 実は、消費者契約法に列挙されている不当行為というのは、本来、民法の詐欺あるいは強迫、公序良俗に違反する行為だけでは現実の消費者被害というものを食いとめることができないということで、幾つかの類型化されたものについて、ある意味では詐欺、強迫等の範囲を広げて消費者を保護する、あるいは一定の類型化されたものについて消費者の側の立証責任を事実上軽減する、このために消費者契約法の各列挙されている項目が存在をしているわけであります。

 そこに該当しないけれども、民法上の詐欺、強迫、公序良俗違反に該当するということは、どちらがより悪質ということは一概には言いにくいんですけれども、こうした立証責任の事実上の緩和であるとか類型化というところに入らないけれども、それでも詐欺が立証できる、あるいは公序良俗違反が立証できるケースというのは、相当悪質なケースでありまして、もし政府案のままですと、一番悪質なケースが実は保護されないことになりかねないことになってしまうということなんです。

 もちろん、訴訟を起こす消費者団体の立場からすれば、詐欺、強迫、公序良俗違反を裁判で立証するということは、消費者契約法の列挙事項違反を立証することよりも何倍も困難である。にもかかわらず、それを根拠に訴訟を提起せざるを得ないというような事象に限ってこうしたものが使われるということでありまして、逆にこれがなかったときのアンバランスということを考えると、欠かせない規定ではないかと考えております。

 それからもう一つは、政府案は、当該事業者の不当行為が不特定かつ多数の消費者の利益に影響を及ぼす可能性がある場合と、差しとめ請求の要件を限定しています。

 あえて申し上げれば、実質的にこういったことがあるから、ありそうだから、差しとめ請求という制度を認めるわけでありますが、このことを要件としてしまいますと、消費者団体の側で不特定かつ多数の消費者の利益に影響を及ぼす可能性ということを裁判において主張、立証しなければならないということになりかねません。

 この不特定かつ多数の消費者の利益に影響を及ぼす可能性というのは、どの程度、例えば違法なチラシ等をまこうとしていたのかとか、違法な営業活動を展開しようとしていたのかという、ひとえに事業者側の事情ということを主張、立証するということになりまして、そのことを強いるというのはむしろアンバランスではないかというふうに思っております。

 したがいまして、私どもの案ではこうしたことを要件とはしておりませんが、そもそもが、消費者契約法あるいは民法の強行規定に反する行為ということが前提として存在しているわけですから、そのことが立証されれば十分差しとめ判決をして、不当ではない事業者に過度の負担を強いるものではない、こういうふうに判断をしております。



<他の議員の発言部分省略>