[国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(松本剛明君外五名提出、衆法第二一号)
についての答弁]
<他の議員の発言部分省略>
○枝野議員
先ほどの石井議員の質問の中では、我が党が五%だってできないのにというお話がございました。
確かに、現行のこの政府の案に基づいて定数を削減していこう、あるいは人件費を抑制していこうということを考えたときには、あくまでも現行の行政システムを前提として、その中でどこを削れば、どこを削れば、こういう議論をしておられます。
しかし、今、馬淵議員から説明させていただきましたように、私どもは、根本的に行政のあり方、特に国と地方の仕事の役割分担を変えよう、そして、私どもの法案では明確に、国がやるべきことは皇室、外交、防衛、通貨等の国家の根幹にかかわる業務、そして地方ではどうしてもできないということで、地方からこれは国がやってくださいと言われた業務だけを国が行う、残りはできるだけ身近な地方でやってくださいということで、国のやるべきことを逆に初めに固めてしまって、決めてしまって、それ以外は都道府県あるいは市町村あるいは民間のセクターでやってくださいと。こういうことで考えますと、現行の八割の人員すら実は要らないのではないかというぐらいの仕事の規模になると思っています。
もちろん、それを一気に、例えば身分を変える、人を減らすということは決して簡単なことではありませんが、しかし、そうやって役割分担を明確にすれば、例えば、それぞれの行政について意欲を持って、熱意を持ってなされている皆さんは、これがもう国の仕事でないならば、その仕事を中心にやる県で仕事をしたいとか、あるいは民間で仕事をしたいとか、みずから出てくる方もたくさんあると思います。
したがって、こうした抜本的な改革をすることによって国家公務員の総人件費を抑制するということは、十分に意欲があれば可能であると判断しております。
<他の議員の発言部分省略>
○大島(敦)委員
民主党衆議院議員の大島です。
これまで当委員会では、四月三日から実質的な審議に入りまして、きょうを含めて六十六時間の審議を行政改革関連法案につきましてさせていただいております。この六十六時間の審議の中で、なぜ行政改革が必要なのか。これまでも、土光臨調があり、そして橋本行革があり、今回の小泉首相の行政改革でもあります。
私、メーカーの出身ですから、行政改革をメーカーの立場から見ると、メーカーの工場、生産会社の、製造企業の工場では、毎年毎年、生産性の向上運動がございます。毎年毎年、それはJK活動であり、QC活動であり、TPM活動であり、さまざまな手法の生産性の向上運動をしております。この一つの手法が、四年から五年たちますとなかなか効率が上がらなくなるものですから、手法を変えていく。行政改革というのも、国全体の生産性の向上運動であるのかなと考えております。
ですから、今回の行政改革の推進法案が通ったとしても、この行政改革については、今後とも、私たち衆議院議員、国会は行政を監視し、そして監督していくという機能は十分に果たさなければいけないと考えております。
まず、民主党の今回の提案者に伺いたいのは、行政改革がなぜ必要なのか。その点につきまして、行政改革が絶え間なく、なぜ民主党が行政改革の対案を出したのか。民主党は、野党ですから政府を持っておりません、限られた人数の中で膨大な作業をして法案を提出させていただいております。なぜここまで膨大な時間をかけなければいけなかったのか。その点につきまして、まず一点、御質問させてください。
○枝野議員
お答えさせていただきます。
行政改革という言葉は、今お話しのとおり、いろいろな意味で何度も何度も繰り返し出てきています。そして今回も、小泉総理のもとでこの推進法案が出てきているわけであります。
税金の無駄を削らなければならない、今の日本の政府の予算の規模が大き過ぎて借金で首が回らないので国民負担がますますふえていってしまう、これを何とかしなければならないという公式発言については、少なくとも総理のおっしゃっていることと大きな方向性、違いはありません。
しかし、それについて、政府の案は、現状のシステムを前提にして、これが無駄だあれは無駄だというモグラたたきをすれば何とかなるのではないか、そういう発想に立っているとしか、法案の中身それからこの委員会での質疑などを見て、残念ながら感じざるを得ないというのが我々の結論であります。
この国の形そのものが、これまでの明治維新以来の中央集権で官僚主導で、そして政府が、国が、例えば予算をいろいろ使って皆さんに積極的に暮らしをよくしてあげますよというようなことで何でもかんでもやるということ自体がもう時代に合わなくなってきていて、その財政負担には耐えられなくなっている。むしろ私たちは新しい国の形をつくろう。
それは、それこそ小泉総理も民間でできることは民間でとおっしゃっておられるように、まず自分のことは自分でやろう、そして、それでできなければ家族で助け合おう、あるいは地域社会で助け合おう、企業の中で助け合おうということがまず基本になければならない。しかし、それでどうしてもできないことが世の中にはたくさんある。それをだれが解決するのかといえば、まず身近な行政、つまり市町村が担うべきである。そして、市町村では小さ過ぎてどうしても解決できないということは都道府県でやろう。都道府県ではどうしても解決できないことだけを、私たちが権限を預けられている中央政府で行っていこう。そうすると、我々中央政府がやらなければならないことは非常にシンプルになる。その分、地方の自治体などがあるいは民間が自由にできるようにしていこう。こちらの発想から私たちはやっていかないと、とてもではないけれども今の財政赤字を解決できない。
これで、目指すところ、言っていることは同じかもしれないけれども、まずやるべきことを絞るというところから始める私たちと、とにかく無駄が目立つところだけモグラたたきのように切っていくという政府とでは、根本的な考え方が違う。したがって、大変であっても対案を出さざるを得ない、こういうことであります。
○大島(敦)委員
今回の政府提出の法案につきまして、当委員会での審議を通じて、また与党側の議員の方からは、今回の法律は非常によくできている、ここまでの政府内での合意形成、特別会計もそうでしょうし、政府系金融機関も合意形成は大変だったという声は聞いております。
確かに、政府内での、これまでの皆さんの、それぞれの応援団を抱えていた、それぞれの特別会計なり政府系金融機関、それをスリム化するあるいは整理統合していく、その合意形成は与党内でも大変だったということは私も察するところがあります。しかしながら、今我が国に求められているのは、これまでの延長上の行政改革ではないと思っています。抜本的に我が国の仕組みを変えること、このことで初めて、私たちの国の行政あるいは国全体の効率化が図られると考えております。
その点につきましてですけれども、地方分権のお話がございました。枝野さんは地方分権のことを分権革命と称しております。なぜ分権が必要なのか、もう一度手短に答弁をいただければ幸いでございます。
○伊吹委員長
枝野幸男君、手短に答弁をしてください。
○枝野議員
幾つかのポイントがあると思っていますが、一つは、国民の皆さんは行政にいろいろなサービスを求めています。しかし、その行政に求めるサービスというのは多種多様で、地域によっても違います。
例えば、道路というのは、私は埼玉の大宮というところが選挙区ですが、大宮のどこにどういう道路が必要かということは私はわかりますし、大宮の区民の皆さんはわかると思いますが、北海道や沖縄のどこの道路が必要かということは私はわかりません。霞が関の役所の皆さんも、現地の事情まで全部わかっている方はいらっしゃらないと思います。したがって、では、どこに道路をつくるということ一つをとっても、現地の事情、住民の皆さんのニーズが必ずしもわかっていない人たちを通じて間接的にそのサービスが提供される。
あるいは、教育についても、例えば子育ての支援が必要であるといっても、こういう時代であっても親子三代で住んでいる方の比率が多いところと核家族の多いところとでは、必要な子育て支援のサービスの中身が違う。
したがって、それぞれのサービスの事情を一番わかっているところでそのサービスを提供することが、サービスを求める住民にとっても一番便利ですし、一番効率的に国民の皆さんから預けられた税金の使い道、節約ができる、こういうふうに考えています。
<他の議員の発言部分省略>