犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
<他の議員の発言部分省略>
163-衆-法務委員会-7号
○枝野委員
今の河村さんがなかなかおもしろい視点で、私が聞こうと思っていることをいろいろと頭出しをしていただきましたので、総務省に来ていただいていますが、総務省にお尋ねをする前に、今の続きを聞きたいと思います。
今の話をもう一回整理しますが、例えば、大きな民間企業。まず民間企業からいきましょう。済みません、今の流れで順番を全部変えますから。副大臣、大丈夫ですね。民間企業としては本業をちゃんと行っているけれども、そのある部局が部局ぐるみでこの共謀罪に当たるような犯罪をやった場合には、共謀罪に当たりますか、当たらないですか。
○富田副大臣
団体の一部が犯罪を行ったという御質問ですが……(発言する者あり)違うの。民間団体のあるセクションが犯罪行為を行ったと今御質問でしたよね。(発言する者あり)
いや、あなたに答える必要はないので。そこについて、ちょっとはっきりしてください。
○枝野委員
もう一度、正確に申し上げますね。
例えば、民間企業があります。民間企業のあるセクション、例えば経理部なら経理部が、経理部ぐるみで長期四年以上の本罪に当たるようなことを行った場合は、共謀罪が成立する余地はありますね。
○富田副大臣
そのセクションの民間企業における位置づけとか、具体的な事情によると思いますが、可能性が全くないわけではないと思います。
○枝野委員
役所の一セクションがセクションぐるみで長期四年以上の違法行為を行うということで共謀して行動したときは、共謀罪が成立する余地がありますね。
○富田副大臣
ありません。
○枝野委員
あり得ない理由を説明してください。
○富田副大臣
民間企業の場合は、最初、先生が例に挙げられた場合には、全体として見た場合に、組織性の要件、団体性の要件を満たす可能性は出てくる場合がないわけではありませんけれども、官庁としてそういうふうに不法な目的で組織性を持っているわけではありませんから、官庁の一部に民間企業と同じように違法性を持ったセクションができたとしても、それは共謀罪における共謀には当たらないというふうに考えます。
○枝野委員
要件のどこに当たらないのかがわからないんですが、例えば行政機関の一局とか課でもいいです。例えば、一つの課に十人の人間がいる。その十人の人間がいたとすれば、例えば二条の括弧の中、「指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体」と言えるのは間違いないですね。いいですね。
○富田副大臣
組織性の定義は、今先生が指摘されたとおりだと思います。
○枝野委員
共同の目的を有する多人数で、例えば一つの課だったら多人数の継続的結合ですね。一つの課というのは、「その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が」、さっきも括弧内を確認した「組織により反復して行われ」ている。
一つの課の中で、課長か何かを先頭にして、こういう犯罪を犯しましょうということの目的、意思を統一させて行動していたら、当たるじゃないですか。当たらないですか。
○富田副大臣
今、当該セクション、経理課を例に挙げられましたけれども、その経理課がもともとの会社と別個独立した社会的存在としての実体を有するものであれば団体に当たりますから、先生御指摘の例がそういうふうにもし当たる場合であれば団体というふうに言えると思いますが、通常は、別個独立の社会的存在というふうには考えられないんじゃないかと思いますけれども。
○枝野委員
つまり、例えば大きな企業の場合は、大きな企業の中の一セクションだと独立した存在と認められないから団体に当たらない。役所の場合も、役所の中の一部局だったら独立性がないから団体性を帯びない。こういう理解でいいんですか。
○富田副大臣
団体性に関しては、先生が今御指摘のとおりだと思います。
○枝野委員
これは、僕、逆方面からも危ないと思うんですけれども。
つまり、まともな会社の事業をやっていながら、その中の一部局にだけ組織的な凶悪犯罪をさせる部局をうまいことつくって潜り込ませていたら、この法律をつくっても意味がないですね。
○富田副大臣
今、先生が例に挙げられた、意図して、一つの会社があるけれども、その一部にそういう目的を持ったセクションをつくるんだというふうにする場合には、会社全体がそもそもそういう目的で集団化されているわけですから、それは当たると思います。
○枝野委員
ちょっと待ってください。全体のうちの例えば九五%は正業を行っていて、正業を定款に掲げて、正業を実行しているんですよ。それでも全体が、皆さんがよくおっしゃる犯罪集団に該当する、こういう解釈でいいんですね。
○富田副大臣
今のは先ほどの質問と例が変わっているんですよ。もともと、大きなものの中で一つのセクションに意図してそういう集団をつくった、それだったら全体がもともとそういう犯罪組織集団になりますけれども、二度目のは全然違う形になっていますから、それは全然違います。
○枝野委員
要するに、犯罪集団に当たるかどうかというのは、意図、目的で分けられるわけですね。つまり、もともと、このセクションを犯罪集団として使うためのダミーで残りのセクションをつくった、それなら犯罪集団だ。だけれども、正業もやりましょう、一部では犯罪もやりましょうということで、あるセクションは犯罪をさせる、八割、九割のセクションは正業をやらせる、こういう意図で初めから会社をつくったらどうするんですか。
○富田副大臣
今の設問の設定ですと、何か殊さらに分業体制をとっているというふうに思われますので、もともと全体の中で犯罪性を帯びたセクションをつくっているんだという形になると思いますので、それは当たるのではないかと思います。
○枝野委員
結局、その組織をどういう目的でつくったかという意図で判断するということですよね。そういうことになりますね。
○富田副大臣
会社自体の全体としての共同目的が何なのかという点で、それで当たるか当たらないかが解釈される。
○枝野委員
だから、その目的というのは、まさに主観で判断をする。目的というのは、組織を構成した人たちの主観ですよね、主観で判断する、こういうことですね。
○富田副大臣
こういう会社と認められるか否かは、当該共謀が行われた時点における団体の活動実態、意思決定された犯罪行為の内容、当該犯罪行為を実行する組織の実態などの事実関係を総合的に考慮して判断される。だから、主観的な意図だけではない。
○枝野委員
その主観的意図を認定するための今の材料の話じゃないですか。
つまり、たまたま大きな組織の一セクションが犯罪集団化しているということがあったときに、全体を犯罪組織集団と認定できるのかできないのかといったことは目的で判断するんでしょう。今、その目的を認定するための材料の話をしたんじゃないですか。違いますか。(発言する者あり)
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
単なる主観だけで目的を判断しているわけじゃなくて、先ほど、総合的に判断すると言いましたけれども、その主観的な目的が結合体の基礎になることは事実であります。先生がそういうふうな趣旨で言われているのであれば、それは事実であります。
○枝野委員
総務省に来てもらっているので、ちょっと別の視点から今の話に入っていこうと思うんですが、公職選挙法上、この共謀罪の対象になる犯罪はどういうものがありますか。
○今井副大臣
公職選挙法上の共謀罪の対象となる犯罪はどんなものがあるかということですが、枝野委員さんはプロでございますので、条文だけでいいですね。たくさんあるんですよね。
公職選挙法上、長期に四年以上の懲役、禁錮の刑が定められている犯罪でございますが、二百二十一条、二百二十二条、二百二十三条、二百二十三条の二、二百二十四条の二、二百二十五条、二百二十六条、二百二十九条、二百三十条、二百三十五条、二百三十五条の三、二百三十七条、そして二百五十三条があるところでございます。
以上です。
○枝野委員
それから、政治資金規正法上ではどうですか。
○今井副大臣
次に、政治資金規正法上の御質問でございますけれども、これも、二十三条、設立の届け出前の寄附または支出の禁止規定違反の罪、それとあわせて二十五条ですが、収支報告書等の記載及び提出義務違反の罪があるところでございます。
○枝野委員
これは法律の所管の総務省に聞いた方がいいのか、法務省に聞いた方がいいのか、お答えになる方、どちらでも結構ですが、それらの罪についての犯罪の成立の前提として、いわゆる違法性の認識は必要ですか。
○富田副大臣
違法性の認識の問題については、判例の大勢は、故意の要素として違法性の意識は不要であるとの立場でありますが、違法性の意識を欠いたことに過失がなかったとき、あるいは行為者の誤信に相当な理由がある場合には、故意を阻却するとしたものもあります。
○枝野委員
選挙対策本部とか政治資金団体は、したがって共謀罪の対象になり得ますね。
○富田副大臣
選挙対策本部というのは、不法な目的のために設立されるものではありませんから、当然、候補者を当選させるという正当な目的で設立されるものだと思いますので、対象になりません。
○枝野委員
資金団体は、政治団体はどうですか。政治団体はなり得るんじゃないですか。
○富田副大臣
資金管理団体も、候補者あるいは候補者となろうとする者あるいは政治家の資金を適正に管理するために設立されるものですから、これもならない。
○枝野委員
先ほど、政治資金規正法の長期四年以上の犯罪の中で、届け出前の出入金が対象になるという御答弁をいただいています。違法性の認識は犯罪の成立には必要ありません。
だれかを選挙で当選させようと思って、政治団体をつくるために十人ぐらい集まりました。だれも政治資金規正法を知りませんでした。だれも政治資金規正法を知らないので、届け出など全くしないで、政治活動で入金したり出金したりということを継続的に続けていました。これは共謀罪、成立しませんか。
○南野国務大臣
先生のお問い合わせでございますが、これは御指摘の罪に限らず、法案の共謀罪における故意の対象は、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの等の他の要件を別にすれば、対象となる犯罪の成立に必要な事実の認識と同じものとなると考えられます。
したがいまして、政治資金規正法第二十三条の罪につきましては、一般論として、政治団体の届け出前に寄附を受けまたは支出をするという事実についての認識があれば足りると解されている以上、共謀の内容としては、政治団体の届け出前に寄附を受けまたは支出するという事実を認識しつつ、これを行うことについて具体的かつ現実的な合意をすれば足り、対象となる犯罪において必要とされる事実の認識を超える認識が必要とされるものではないと考えられます。
もっとも、政治団体の届け出については、何らの相談がなされていなくても、共謀をした者が既に他の者が政治団体の届け出をしたものと認識していた場合は、故意を欠くことになるので、当然、共謀罪は成立しませんということです。
○枝野委員
今の話は、最後のところ以外は、つまり、みんなが届け出をしなきゃいけないということを知らなくて、届け出をしないまま出入金を繰り返すということを目的にして政治団体をつくっているんですから、政治資金規正法違反の出入金政治活動をするという目的のために結合して継続反復しているんですから、共謀罪の対象の団体性を帯びるんじゃないですか。(発言する者あり)
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
もともと政治団体は、自分たちの主義主張なりをきちんと広めよう、あるいは政治家の応援をしようというような形で、正当な共同の目的のために活動している団体ですよね。その団体の中で、先ほど先生御指摘のように、政治資金規正法に反して資金集めをしたとしても、本来は正当な目的のために結合された団体ですから、それが政治資金規正法違反の行為をしたからといって、直ちに共謀罪に言う共謀に当たるということはないというふうに考えます。
○枝野委員
どこの条文に、共同の目的に正当な目的だなんて書いてありますか。目的に限定は何もないじゃないですか。
○富田副大臣
もともと政治団体というのは、共同の目的が正当なものだ、自分たちの主義主張を社会に広めよう、あるいは政治家の応援をしようということで、共同目的は正当な目的なわけですから。違法な目的でその団体がつくられたわけではありませんので。
○枝野委員
だから、共同の目的が正当なものならいいだなんて、どこに書いてあるんですか。目的の限定はないんじゃないですか。目的が違法な目的のために共同しているという、違法な共同の目的をだなんて、どこにも書いていないじゃないですか。
共同の目的が違法であろうと正当であろうと、犯罪を組織的に反復して行う集団は対象になるんじゃないんですか。政治活動をやるという正当な目的があっても、いいですか、その活動のすべてが違法行為なんですよ、今の届け出義務違反は。すべて違法な行為ですよ、お金の出入りについての。違法な行為を反復継続するためにその組織は活動しているんですよ、目的は正当かもしれないけれども。
○富田副大臣
今の先生の質問は、ちょっと前提が変えてあるんじゃないかと思うんですが。違法な政治資金を集める目的のためにつくられた政治団体ではないですよね。(枝野委員「だけれども、日々の活動は全部違法なんですよ」と呼ぶ)それじゃ、その政治団体が何のためにどういう政治活動をしているのかがちょっと前提として出てこないですね、今のは。
○枝野委員
つまり、どうも今の答弁を聞いていると、その団体の目的が正当であるならば、違法な行動がなされても構わない、少なくとも共謀罪の対象にはならないとお答えになっているようなんですが、それでいいんですか。
○富田副大臣
今までの御説明を言いかえますと、団体が有している共同の目的が犯罪行為を行うことと相入れないような正当な団体については、仮にたまたまその団体が犯罪行為を行うことを決定したとしても、共同の目的を有する団体として意思決定したとは言えないため、「団体の活動として、」という要件を満たさず、共謀罪は成立しないというふうに考えられます。
○枝野委員
犯罪を行うことと相入れない目的という言い方をしていましたね。犯罪を行うことと相入れない目的なんじゃないですか、多分、わかりませんけれども、多くの、本来この共謀罪で取り締まろうと対象にしている団体も。犯罪を犯すことを目的として組織を形成している団体というのは、あるのかもしれませんが、本来の目的は、お金もうけをしたいとか威張りたいとか、そういう犯罪を犯す以外の目的で組織をつくっているんだけれども、その団体の活動のかなりの部分が犯罪行為を伴う活動になっている、これが犯罪組織なんじゃないですか。ましてやテロ集団だなんというのは、彼らにとっては少なくとも正当な政治目的のためにテロをやっているんでしょう、きっと。
だから、目的の部分のところで正当かどうかだなんという話で区切ったら、逆に、まさに主観的に、この団体は悪い目的の団体だ、この団体はいい目的の団体だということで、だれかがその目的の主観的正当性を判断するしかなくなるんじゃないですか。違いますか。
○富田副大臣
今の先生の御指摘にストレートに答えられているかどうか、ちょっとわかりませんが、個別具体的な事実関係を前提とし、団体の共同の目的をどのようなものとして認定されるかが確定されなければ、法案の共謀罪の成否について一概に申し上げることは困難であるというふうに思います。
そして、テロ組織とか、今先生がいろいろ御指摘されたような犯罪集団が、実態がどういうものかは定かでありませんが、民主主義社会において、正当な政治活動を行う団体とは異なり、一定の主義主張を実現する立場から暴力行為やあるいはテロ活動を中心的な活動として行うことが共同の目的と認められ、あるいはこれに沿うものと認められる団体もあり得ると思うんですね。先生が言われたのは、まさにこういう団体ではないか。
結局、このような団体と認められるか否かは、当該共謀が行われた時点における団体の活動実態、意思決定された犯罪行為の内容、当該犯罪行為を実行する組織の実態などの事実関係を総合的に考慮して判断されるべきものではないかと思います。
○枝野委員
条文のどこに暴力行為などについて取り締まると書いてあるんですか。
つまり、本来、彼らは彼らなりに何か正当な政治目的があるんでしょう。正当な政治目的があるんだけれども、それを暴力的なことでやろうとしているこの人たちは、暴力は違法なことだから、そういうのは犯罪集団として認定していいんですね。そういう理屈ですよね、今の理屈は。
何で暴力だけと限定するんですか。政治資金規正法の届け出違反だって、立派な違法行為じゃないですか。違法行為を継続して行うということについて、これだって犯罪集団じゃないですか。(発言する者あり)いや、わかるんですよ。実質的違法性の観点から全然違うのはわかるんです。だけれども、この法律は区別していないんですよ。形式犯的な違法性を帯びている話と、実質的にまさに凶暴凶悪でこれは許されないという重度の違法性を持っている犯罪とを全く区別していないから、こういうわけのわからない話になるんですよ。区別していないでしょう。どこか区別していますか。政治目的のために暴力でテロをやるからけしからぬ、だけれども、届け出違反なら構わない、そんなことの基準、どこに書いてありますか。
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
先生、今暴力集団だけに限るのかと言われましたが、それはそうではない。当然御存じのように、詐欺集団とかありますので。
法案の共謀罪は、団体の活動として行われ、かつ、犯罪行為を実行するための組織により行われる犯罪を実行することを共謀したことをその構成要件としています。
ここで、団体とは、組織的犯罪処罰法第二条第一項において「共同の目的を有する多数人の継続的結合体」等と規定されており、団体の活動とは、同法第三条第一項において「団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するもの」というふうに規定されております。
このような規定からすると、「団体の活動として、」という要件を満たすためには、犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体として意思決定することが必要であり、したがって、犯罪行為を行うことがその団体が有している共同の目的に沿うものであることが必要であると考えられます。この規定に書いてあるというふうに解釈されます。
○枝野委員
だから、同じように政治的主義を実現しようという共同の目的を持っている団体のうち、片方はそのための手段として暴力行為をやろうとした。みんなで暴力行為をしましょうといって、やった。これは、テロ組織、テロ集団だといって対象になる。こちらは、違法性の認識はないけれども、届け出もしないまま、政治資金の出し入れをしましょう。どちらも組織として共同の目的実現のために不可欠の手段として、片方は政治資金規正法違反の行為について共同の意思決定をして共同して作業している、こっちはテロを共同してやっている。
もちろん、テロの方が悪いのはよくわかっています。だけれども、この法律ではどこに区別されているんですか。答えになっていませんよ。どうしてこの二つが区別できるんですか、テロと政治資金規正法の届け出違反と。じゃ、違法性の認識がないものは対象にならないんだったら対象にならない、どこかの条文で読めるなら、それはそれでわかりますよ。それから、軽微な届け出犯は対象にならないというんだったら、それはそれでいいですよ。軽微な届け出犯じゃないんですよ、長期五年の重大犯罪の中に入っているんですから。
だから、全く法文上、今のことは、そういう解釈ですよねというのは一般常識論としてはよくわかります。一般常識論としてはわかるけれども、法律の条文を読む限り区別されていません。どこで区別されているんですか。
○富田副大臣
条文については先ほど御説明したとおりで、今先生が例に挙げられた二つの例、同じ政治団体でありながら、片方は、暴力的な犯罪行為を行っている方が共謀罪に当たり、もう一つの政治団体の方は政治資金規正法違反を繰り返す団体、これが分けられるのはおかしいんじゃないかという御質問ですが……(枝野委員「いや、どこで分けられているんですかと聞いているんです」と呼ぶ)いや、だからこれは、最初のが当たって次のが当たらないと明確に言っているわけじゃなくて、先ほど来言っているように、総合的に判断するというふうにお話ししましたので。
もともと政治団体として……(発言する者あり)
○塩崎委員長
静粛に願います。
○富田副大臣
政治団体として正当な目的を行っているというふうな前提でしたら、私は当たらないと思いますよ、仮にその中で犯罪行為を行ったとしても。政治資金規正法の方も当たらない。それは、もとが本来の正当な政治行為をしようとしてつくった政治団体であったら、私は当たらないんじゃないかと思いますけれども。
○枝野委員
今の答弁、本当に政府公式見解でいいんですか。
つまり、テロ集団みたいなものを取り締まろうというのは、これは条約上も対象になっているわけでしょう。国際テロ組織は、テロもやるけれども、デモもやったり、いわゆる真っ当な政治活動もしているんじゃないですか。それはテロしかやらないテロ組織もあるかもしれないけれども、テロもやるけれども、テロと同時に、自分たちの主義主張を通すための政治的なプロパガンダ活動もやっているんじゃないですか。両方やっていたらこの犯罪には当たらないんですねという解釈でいいという今の回答ですよ。そんなことないでしょう。
○富田副大臣
いや、そういうことは言っておりません。もともと正当な政治団体だという前提で先生は質問されているので、今の質問のところで、テロ集団が正当な政治活動もしているし、テロ活動もしているんじゃないかという質問になったので。それは、もともとテロ集団であったら、この組織犯罪処罰法のもともとの対象になるわけですから。
○枝野委員
だから、どこで区別されるのか。この間から、リフォーム詐欺みたいな話で、途中から真っ当な会社へ変わるとか。今度もそうですよ。最初は正当な政治活動でもいいですよ、正当な政治活動をやっていたんだけれども、どうも自分たちの主張が受け入れられないから、じゃ、テロにでも走ろうかといってテロも始めました。テロも始めましたけれども、正当な政治活動としてのプロパガンダ、多数派形成の活動もしています。これはどこから犯罪集団になるんですか。その判断基準はどこかに書いてあるんですか。
一〇〇%テロしかやらなくなったら、それはテロ集団でしょう。では、半分半分だったらどうするんですか。二対三ならどうなんですか。その二対三というのは量的に判断できるんですか。できるわけないじゃないですか。では、一つでもテロをやったら犯罪集団なんですか。そうしたら今までの答弁、全部覆りますよね。どこで基準引くんですか。
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
答弁が何度もダブってしまうと思うんですが、今先生御指摘されました事例については、個別具体的な事実関係を前提として、団体の共同の目的をどのようなものとして認定されるかが確定されなければ、法案の共謀罪の成否について一概に申し上げることは困難であるというふうに思います。
お尋ねのテロ組織がどのようなものであるかわかりませんが、民主主義社会において正当な政治活動を行う団体とは異なり、一定の主義主張を実現する立場からテロ活動を中心的な活動として行うことが共同の目的と認められ、あるいはこれに沿うものと認められる団体もあり得ると考えられます。結局、このような団体と認められるか否かは、当該共謀が行われた時点における団体の活動実態、意思決定をされた犯罪行為の内容、当該犯罪行為を実行する組織の実態などの事実関係を総合的に考慮して判断されるべきもの、こういうふうにお答えするしかないですね。(発言する者あり)先ほど条文については指摘しました。
○枝野委員
先ほど、総務省、公職選挙法の二百二十一条が長期四年の罪とおっしゃいましたね。いわゆる組織的買収ですよね。組織的買収を選挙のたびに継続して行っているような政治団体があったら、該当しますね。
○富田副大臣
選挙のたびに買収しているというその実態は、一つの判断材料でしかないと思います。共同の目的がどこにその政治団体としてあるのかが問題だと思います。
○枝野委員
そこがよくわからないんですよ。つまり、テロ組織だって、我々から理解不能だけれども、ある政治目的を達成するための手段としてテロをやっているわけでしょう。テロ自体が自己目的化しちゃっている人たちもいるかもしれないけれども、少なくとも、ある種のテロ組織というのは、一定の政治目的達成のために、要するに暴力行為という犯罪行為を反復継続して、それによって自分たちの目的を達成しようとしている。政治団体も、自分たちの政治的主張を、つまり選挙で当選させるという目的のために反復継続して買収でも何でもやって選挙に勝とうというような組織があったら、法理論上、当然同じような対象にならないとおかしいですよねということをお尋ねしているんですよ。
○富田副大臣
先生はおわかりの上で質問されているんでしょうが、やはり個別具体的な事案に沿って総合的に判断するとしか答えられないですね。
○枝野委員
その判断の基準を法文上示してくださいという話なんですよ。逆に、こういう場合が心配なわけです。つまり、その都度実態に即して判断するということだったら、今の公職選挙法違反が共謀罪で組織的な犯罪だといって取り締まられて、一方で、テロをやっている方が、いや、我々はテロはやっていますが、主たる目的は政治的な主義主張を実現することであって、テロは一手段にしかすぎませんから、この共同の目的は違いますといって頑張ったら裁判に勝っちゃう、こんなことが起こったら困るんですよ。
だから、どこの条文でどう整理されているんですかということを説明してくださいと言っているんです。結論として、こっちが犯罪で、こっちが共謀罪にならないのはよくわかりますよ、常識としては。だけれども、それを条文上どこでどう区別するんですか、解釈上。区別できていないじゃないですかと、御説明を聞いているんですよ。
○富田副大臣
先ほど来御説明しているように、先ほど御指摘した条文に「共同の目的を」というふうに規定がありましたので、この共同の目的に沿うか否かが判断材料で、当該対象法人がどういう思いで主観的にやっているか否かは、この共同の目的に沿うか否かとは関係ないというふうに解釈しますけれども。
○枝野委員
だから、その共同の目的が、テロも手段としてやっているけれども政治的な主義主張の実現という共同の目的の団体と、選挙違反もたくさんやっているけれども政治的主義主張の実現ということを共同の目的としている団体と、片方は対象になって片方が対象にならないということはないんですね。この区別をつけるためには、何となく常識的に、テロを政治的主義主張のために実現の手段としてやっている方はけしからぬけれども、選挙違反ぐらいならしようがないよなというのは、常識としてはよくわかります。常識としてよくわかるんだけれども、法文上どこで区別されるのか、全く理解できないんですよ。
○富田副大
臣 議論がなかなかかみ合いませんけれども、共同の目的が何かということによって、先生が先ほど来言っている、テロをやっている団体あるいは政治資金規正法違反をやっている団体、それがこの組織、団体に当たるかという判断をされるんだというふうに思いますので、明確に、テロの場合は当たって政治資金規正法の場合には当たらないというふうに言っているわけではありませんので、やはり総合的な判断、ケース・バイ・ケースで判断するしかないというふうに答えざるを得ないと思います。
○枝野委員
ということは、さっきの話に戻りますが、いわゆる政治団体、選挙運動母体みたいなものが共謀罪の対象になり得ることは否定しないわけですね。
○富田副大臣
通常であればあり得ないと思いますけれども、政治団体というふうな名称を使ったとしても、もともと犯罪目的で政治団体を名乗る団体もあるわけですから、そういう場合には当たる可能性があるというふうに思います。
○枝野委員
いや、だから、さっきの例ですよ。反復継続して、自分は演説も下手だし、ポスターで写りもよくないし、売り物が何にもないから、とにかく金を配ることで毎回選挙を乗り切ろうとして、村会議員の選挙ぐらいだったらやりようがありますよね。初めからそういう目的で政治団体をつくって、それで村会議員になりましょう、こういう目的でつくったら、組織的買収について共謀罪の対象になりますね。ならないんだったら理由をちゃんとわかるように説明してください。
○富田副大臣
今、買収を繰り返すというのは、共同の目的の判断材料として先ほど挙げましたけれども、活動実態の中身として判断されることになるというふうに思いますけれども。
○枝野委員
だから、あり得るわけでしょう。否定しませんね。要するに、選挙の運動としては、とにかく一万円札を封筒に入れて、これでよろしくねということだけを選挙のときに毎回繰り返すような候補者がもしいたら、それは共謀罪は成立する。イエスと答えちゃえばいいんですよ、これは。
○富田副大臣
それは、活動実態として判断材料の一つになるというふうに申し上げましたが、その候補者が当選してどういう政治を目指すのかとか、もともと政治団体として共同の目的を持つわけですから、そこがどういう目的を持って行動しているのかというところも総合的に判断しなければ、これは一概に言えないと思いますけれども。
○枝野委員
今の答弁は、本当にいいんですね。ちょっと待ってくださいよ。例えばテロ集団だって同じことになりませんか。テロ集団だって、テロの結果実現しようという社会がどういう社会を目指しているのかということで判断は分かれるという話ですよ、今の話は。そんなばかな話はないじゃないですか。
○富田副大臣
そういうことを言っているんじゃなくて、政治団体ということでお話をしたわけですから、政治団体が毎回毎回選挙のたびに買収をやっているけれどもどうだという最初の御質問ですから、それは共同の目的を判断する活動実態の一材料ですよというふうにお話をしたので、ほかにいろいろな判断材料があるわけですから、そこは政治団体の目的が一体どういうふうな目的なのかというところもきちんと判断の材料の一つになるというふうに申し上げただけです。
○枝野委員
総務省、済みません、お待ちいただいて。もう結構ですので。
結局、ここで言う団体が何なのか、今の答弁を聞いていてもさっぱり、では、どういう基準でここの団体性を帯びるのかということが全くわからないんですけれども。結局、その都度その都度総合的に判断して、組織犯罪の共謀罪の対象になる、その都度その都度総合的に判断して、共謀罪の対象にならない、そういうことでいいんですね。
○富田副大臣
ある犯罪行為が共謀罪における共謀に当たるかは、今先生がおっしゃったように、その都度個別具体的な事案に即して判断するしかないというふうに思います。
○枝野委員
共謀する側は、共謀した段階で、これが自分が犯罪に当たるのか当たらないのか判断しようがないわけですね。せめて客観的に判断材料を提供してもらわないと、罪刑法定主義に反するのかな……(発言する者あり)いやいや、だからその犯罪目的を今聞いているんですよ、最初から聞いていましたか、今の。
犯罪目的といったときに、公職選挙法違反は何で犯罪目的に当たらないんですか。政治資金規正法違反、届け出義務違反は犯罪目的ですよ。何でそれが目的じゃなくなっているんですか。テロ集団は逆に政治的な目的を持っているんですよ、目的が重なっているんですよ。正当かどうかは別として、政治的な主義主張という目的とその手段としてテロ行為を行うという目的と、二つが重なっているんですよ。あるいは、政治的な主義主張、当選をさせるという目的と買収という犯罪行為を繰り返しやるという目的、重なっているんですよ。
この二つ重なっているときに、どちらを重く見るのか、ケース・バイ・ケースだなんて話だったら判断しようがないじゃないですかと聞いているんです。
○富田副大臣
今の御質問を伺っていると、それこそまさにケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないというふうに私は思いますけれども。
○枝野委員
だから、まず、目的が二つ重なっているときどうなるんですかということについて、条文上よくわからないんですよ。二条に「共同の目的」と言っている共同の目的というのは、例えば今のように目的が二つある、二重にあるわけですよ、究極の目的とそのための手段としての目的と。
例えば、テロをやるというのは手段ですよ。その結果こういう主義の社会をつくりたいという目標があるわけですよ。買収というのは手段じゃないですか。そして、そのことによって当選するというのが目的じゃないですか。「共同の目的」という日本語を普通に考えたら、テロも買収も目的には当たらないじゃないですか。どうしてその手段がこの「共同の目的」の目的に読めるんですか。
○富田副大臣
今のお話を伺って、テロは手段で、自分たちの主義主張を通すのが本来の目的だとおっしゃいましたけれども、よくよく考えてみると、テロは目的であって、目的を達した結果が自分たちの主義主張どおりの世界になるというふうにしか考えられないんですけれども、そこはちょっとレトリックがあるんじゃないかと思うんです。
○枝野委員
ちょっと待ってください。確かに、テロ自体が自己目的の人たちはいるでしょう、きっと世の中に。だけれども、テロ集団と言われているものの中には、少なくとも、我々から理解不能だけれども、何らかの、ここで例を出すと多分やばいんだろうな、何とかという、こういう世界をつくりたいという目的があるのか、あるいは、このことによって何かどこかの神様のそばにおぼしめしで行けるとか、何かの目的があるからテロをする人たちがむしろ普通なんじゃないですか。
今の話は、テロが目的であって、目的の結果政治的な主義が実現する。テロの結果政治的な主義主張は現実されませんよ、逆に。結果として自分たちの主義主張が実現されるだなんということはないんで、テロによっては。テロ自体が自己目的化している人たちはいるかもしれないけれども、まさに何らかの政治的目的のためにテロをしている。逆に言えば、何らかの目的のためのテロだったら共謀罪の対象にならないということですか。共謀罪だけじゃなくなりますよね。この組織犯罪処罰法の対象にならないということをおっしゃるわけですか。
多分、これはやはり条文のつくり方に無理があるんですよ。だから、ちゃんと条文をつくり直して整理しないとだめじゃないですか。答弁していてもそう思いませんか、大臣。
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
組対法の条文は、先生もおわかりだと思いますけれども、組対法の第二条に、「この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織により反復して行われるものをいう。」というふうに定義されています。
そして第三条で、「次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。」というふうに規定されて、この法律は施行されて五年経過しているわけです。
今回の条約刑法の今御審議いただいている法案というのは、それに加重要件を加えているだけですので、条文がよくわからないからとか、それだったら、組対法が通ったときにその議論がなされるのならよくわかるんですが、条文としては一緒ですので……。
○枝野委員
ちょっと、今の答弁では議論を進められません。ちょっと時計をとめて確認してください。我が党は賛成していないと思うんですが、自分たちが賛成していない法案について、その中身を前提にして質問しろと言うのは、無責任な答弁ですよ、そんなもの。失礼な話ですよ。
○富田副大臣
いや、前提にして質問しろと申し上げているのではなくて、五年前に成立した法案で、実際に施行されていて、先ほど来、五年間にこの適用が何件あったという御答弁もしているわけですから、この条文がわかりにくいとか解釈できないという御批判は当たらないのではないかというふうに申し上げているだけです。
○枝野委員
だから、その話自体が、私は、今の日本の警察は、基本的には、河村さんは違うかもしれないけれども、大筋では信頼していますよ。信頼される警察が今運用しているから、おかしな解釈とかあいまいなところは抑制的にやっているだろうから、ちゃんと運用しているだろうと僕は信用しているんですよ。
だけれども、それはたまたま今そうなのであって、法律というのは、つくったら、それをだれが運用するかということで、例えば、民主党政権になったら警察の運用もころっと変わるかもしれない、そのときには解釈の余地も全然変わるかもしれない。そういうものなんですよ、法の施行というのは。だから、どういう人たちが執行権を握ったときでも、ちゃんと、ここまでですねとわからせることが国会で法律をつくるときの責任じゃないですか。
今まで運用しているからいいですだなんて話で、だから答えないというのは、そんな無責任な話じゃ話にならないですよ。
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
組織的な犯罪集団が関与するという限定がされていないのではないかという点につきましては、法案で新設する組織的な犯罪の共謀罪は、厳格な組織性の要件を満たす場合に限って成立することを条文上も明記しておりますが、これが必ずしも明確ではないのではないかという御指摘があることは、もう十分承知しております。
先生はそういう観点から御指摘をされているんだと思いますので、その点に関して、この委員会で十分御審議をいただければというふうに思います。(枝野委員「ちょっと今の答弁は何を言っているんだかわからないですよ、私の質問とどうつながっているのか」と呼ぶ)
○塩崎委員長
質問を繰り返しますか。(枝野委員「質問じゃなくて、まず、先ほどの発言をどうにかしてくださいよという話ですよ」と呼ぶ)
どこをどうしてほしいの。
○枝野委員
先ほどの発言を撤回してくださいという話でしょう、僕のは。
つまり、運用しているんだからいいじゃないか、質問するなという無責任な発言をしたから、それはけしからぬという話をしているんです。それにどう責任をとるんですかという話なんですよ。
○富田副大臣
質問するなとかいう答弁はしておりませんので、五年間運用しているということを御紹介申し上げて、直前の答弁では、問題点が指摘されているのは十分承知しておりますので、この委員会で十分御審議をいただきたいというふうに申し上げているわけです。
○枝野委員
ですから、僕がずっと聞いているのは、どこで仕分けをするんですかと。共同の目的というときに、政治的主義主張を実現しようという崇高な目的と、それを実現するためには悪いことをしても仕方がないという手段と、この悪いことをしても仕方がないという手段がどれぐらいの程度になったら目的になっちゃうんですか。そういう話でしょう、ずっと言ってきている話は。
いや、今の政治だけの話じゃないですよ。例えば、真っ当なお金もうけをしている民間の株式会社がある瞬間から詐欺集団に変わる。だけれども、全部お金もうけをする株式会社、営利企業というのはお金もうけをするという目的は何も変わっていないんですよ。それを、正業で行うのか詐欺で行うのかという違いだけであって、どっちも、共同の目的はお金もうけをするという目的であって、そのための手段として正業をするのか、それとも詐欺行為をするのか、なぜその手段がある瞬間に共同の目的になっちゃうんですか。それを説明してほしいとずっと言っているんですよ。
○塩崎委員長
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
またダブっての答弁になってしまうかもしれませんが、御指摘のような事例につきましては、個別具体的な事実関係を前提とし、団体の共同の目的をどのようなものとして認定されるかが確定されなければ、法案の共謀罪の成否について一概に申し上げることは困難である、これはもう御理解いただきたいと思います。
もっとも、一般の会社のように、正当な共同の目的のために活動している団体につきまして、違法行為が繰り返されるという事実だけで、当該団体が継続的な結合体として有する共同の目的が直ちに変容して、犯罪行為を行うことが共同の目的に沿うこととなるわけではないというふうに考えられます。
もちろん、組織的な詐欺商法を行っている会社のように、犯罪行為を行うことが共同の目的と認められ、あるいはこれに沿うものと認められる会社もあり得ると考えております。
結局、このような会社と認められるか否かは、当該共謀が行われた時点における団体の活動実態、意思決定された犯罪行為の内容、当該犯罪行為を実行する組織の実態などの事実関係を総合的に考慮して判断されるべきものというふうに考えられます。
○枝野委員
ちょっと申しわけないけれども、繰り返し申し上げますが、答弁していただかないとこれ以上質問できません。
いいですか、個別具体的に判断しなければ、それはそうです。個別具体的に判断するときの判断基準、条文上とか、どこかでちゃんと出ているんですかということを私はお尋ねしているんですよ。
つまり、どういうときには、それは詐欺行為、例えば民間企業の金もうけ、金もうけという目的で正業をやるのも詐欺をやるのも一緒じゃないですか、目的という意味では。どっちもお金もうけでしょう。首を振っているけれども、どうしてそれが、正業である限りはお金もうけが目的である、詐欺をほんのちょっとだけやっているんだったら詐欺は手段でしかないと。
何である瞬間から、どこの基準を超えたら詐欺行為を行うこと自体が目的になるんですか。そこは何にも書いていない。「共同の目的」と書いてあるだけで、その共同の目的の中身というものが、今のように、手段があるときから目的に変わる、どこまでが手段で、どこからが目的に変わるんですか。このことについて、何の説明も受けていないし、何の条文上の基準も書いていない。
この答え、つまり共同の目的というものが、手段と思われるものと目的と思われるもの、どこでどう区別をするのかということについての判断基準を示していただかないと、これ以上質問できません。
○塩崎委員長
速記をとめて。
〔速記中止〕
○塩崎委員長
速記を起こしてください。
富田副大臣。
○富田副大臣
今の御質問をこちらとして十分理解できているかどうかわかりませんが、先生の質問の中でも、手段と目的がどこで境があるのかというのははっきりしていないんだと思うんですね。
つまり、金もうけの目的、それを詐欺的にどの程度行った場合に共同の目的になるんだという、その境がはっきりしないじゃないかというふうにおっしゃられているんだと思うんですが、そこはやはり個別具体的な事案で総合的に判断するとしか言わざるを得ないと思うんですけれども。
○枝野委員
それじゃ判断にならないから、この条文じゃだめだと私は言っているんですよ。「共同の目的」という言葉で、手段にすぎないものも抱え込んでしまおうという条文なんかつくっているから、わけわからなくなっているんですよ。「共同の目的を有する」というところで、犯罪性を帯びているかどうかということをけっているわけです。つまり、真っ当な目的だったらここで入らないんですよということを共同の目的のところで切ろうとしているわけですよ、皆さんは。それは間違っているんですよ。
「共同の目的」ということでここに置くんだとしたら、その共同の目的は、いい目的だろうと悪い目的だろうと、とにかくこれは一つの団体の定義ですから、一つの組織集団については、やはり共同の目的を持っているから団体としての組織性を持つので、これは価値中立的な言葉としてこの「共同の目的」という言葉は使わなきゃいけなくて、さっきの話のように、つまり、これは凶悪な組織犯、まさに犯罪集団であるからこれの対象だ、これは犯罪集団ではないから対象にならないというのは、別にもう一つ言葉を使って仕分けをするような文言を入れないと、幾らやっていても多分ここの区別はつかないと私は思いますけれどもね。
○富田副大臣
今、先生の方で価値中立的な概念だというふうにおっしゃいましたけれども、この共同の目的というのは事実の認定の問題であって、ほかの罰則においても、例えば行使の目的等の事実認定についても、その基準は法定されておりません。これは事実関係でどう判断するかというのが残されていますので、この文言から全部わからなきゃいけないというものではないというふうに考えますけれども。
○枝野委員
時間になったんですけれども、非常に時間をロスさせられているので非常に不満なんですが、今の話も多分、副大臣はわかっておっしゃっておられたんだと思いますけれども、行使の目的と共同の目的というのは全然違うじゃないですか。行使の目的というのは目的がはっきりしているんです、行使という目的なんだから。行使という客観的な行動に対する目的じゃないですか。共同の目的の目的は、この目的の中に手段まで入れ込んじゃった解釈をしているからおかしいと言っているんであって、今の例なんて、全く前提になっている水準が違う、次元が違う話を持ち出して混乱させないでください。
いずれにしても、とにかく全く、これは多分私が聞いているだけではなくて、聞いていらっしゃる方も中立的に聞いていただければ、それはどこまでがどうなるのと、ますますわけわからなくなったと思います。
私は、この条約のときには賛成をした立場ですから、こういう法律は必要だと思っていますが、よほど丁寧にきちっとつくらないと、二重、三重に引用をして、こうやって枠がはまっています、それで、詰めていったらこういうふうにわけわからなくなってくる。もう一度構成要件というか、多分、法律の組み立て自体から組み立て直した方が、わかりやすくてみんなから祝福される法律になると思いますよということを申し上げて、きょうの質問は終わります。
以上です。
<他の議員の発言部分省略>