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衆議院-法務委員会


平成17年10月14日

[最高裁判事任命等における公平性について]

○吉野委員長代理

 次に、枝野幸男君。

○枝野委員

 民主党・無所属クラブの枝野でございます。法務委員会は久しぶりでございますが、よろしくお願いいたします。

 きょうは、主観的に公正公平であるのかということとそれがどう見えるかということとは別問題だという観点から、幾つかの質問をさせていただいていこうと思っております。

 まず、最高裁について、最高裁判所の裁判官は、その中には一般の裁判官、判事から事実上ステップアップをして最高裁判事になられる方がいらっしゃいます。

 最近、これは二十五年分でやってもらっていますか、二十年分でやってもらっていますか、昭和五十四年最高裁判事任官の木下最高裁判事以降で、裁判官出身二十六名かと思いますが、これは間違いないですか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 調べさせていただきましたのは昭和六十年以降に在職したということでございまして、委員御指摘のとおり、木下忠良最高裁判事以降ということになろうと思いますが、裁判官出身の方、二十六名でございます。

○枝野委員

 その中に、最高裁事務総局で局長以上を経験された方は何人いらっしゃいますか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 十六名でございます。

○枝野委員

 その中に、最高裁事務総局の総長経験者は何人いらっしゃいますか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 九名でございます。

○枝野委員

 それから、最高裁事務総局の局長経験はなくても、法務省の局長の経験がおありの方は何人いらっしゃいますか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 恐れ入ります。ちょっと数を集計しておりませんが、香川保一最高裁判事、貞家克己最高裁判事、それから千種秀夫最高裁判事、藤井正雄最高裁判事……(枝野委員「法務省だけ」と呼ぶ)法務省でございますね。今挙げた方々でございます。

○枝野委員

 そうすると、裁判官出身の裁判官のうち、いわゆる行政経験なしの経歴で最高裁判事になられた方というのは、二十六名の中に何人いらっしゃいますか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 失礼いたしました。先ほど申し上げましたとおり、最高裁判事で裁判官出身の方二十六名、うち十六名が最高裁事務総局で局長以上の経験、それに今お答えいたしました法務省の局長以上の経験の方を加えた数ということになりますと、三名加わることになると思いますので、十九名がそういう経験の持ち主。そういたしますと、差し引きいたしますと七名が、今申し上げましたポストにはつかずに最高裁判事になられた方ということになろうかと思います。

○枝野委員

 そうですね。二十六名のうち七名、三、七、二十一ですから三分の一以下、逆に言うと三分の二以上が、最高裁事務総局または法務省で局長級以上という大変重いポストで、行政官をされている方が最高裁判事になっている。逆に、そういう経験をしないで最高裁判事になっている方は三分の一にも満たないということなんですね。

 逆の聞き方をします。最近二十年間の最高裁事務総長の経験者は現職を除くと八名だと思いますが、間違いないですか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 仰せのとおりでございます。

○枝野委員

 その中で、最高裁判事になられた方は何人ですか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 六名でございます。

○枝野委員

 そうですね。しかも、そのうち一名は、長官までなられています。

 先ほど、逆に、最近の二十年間の裁判官というのを見てみると、実は十六名が事務総局の局長以上経験者で、九名ですが、最近の最高裁長官六名のうち五名が最高裁事務総局の経験者、うち三名は事務総長経験者ということになっておりますが、私の計算というか、間違いないでしょうか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 恐れ入ります。ちょっと集計をしておりませんので、個別にお話しさせていただきますが、現長官、町田顯長官ですが、町田顯長官は事務総局の局長経験でございますし、その前の山口繁長官も事務総局の局長を経験しております。その前の三好達長官、これは事務総局の局長を経験しておりません。三代さかのぼりますと、そういう状況でございます。

○枝野委員

 多分その前、草場長官は事務総長を経験しておられますし、矢口長官も事務総長を経験しておられます。寺田長官も事務総長経験者ということで、長官六人のうち三名総長経験者、事務総局を局長以上で経験していない方がたった一人ということなんですね。

 どうしましょうか。ここで、最高裁判事はどうやって任命されるのかということで官房副長官にお願いをしていたんですが、まだお着きになっていらっしゃらないんですが、時計をとめてお待ちしますか。時計をとめてください、官房副長官が着くのをお待ちしますから。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

○塩崎委員長

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○塩崎委員長

 速記を起こしてください。  枝野君。

○枝野委員

 それでは、お忙しいところ、官房副長官においでいただきましたが、最高裁判所の判事は内閣が任命するということになっておりますが、内閣が勝手に、閣議で急に名前が出てきていきなり決定するわけじゃないだろうと思います。慣習的にどういうプロセスで、特に裁判官出身の裁判官、最高裁判事の選任をしていくプロセスを説明してください。

○杉浦内閣官房副長官

 お答え申し上げます。

 最高裁判事は、憲法第七十九条及び裁判所法第三十九条に基づきまして、内閣が任命し、天皇が認証することとなっております。

 任命に当たりましては、極力、客観的かつ公正な見地から人選を行い、最高裁長官の御意見を伺った上で、人格、識見にすぐれた最高裁判事にふさわしい方を内閣として閣議決定しているものでございます。

○枝野委員

 もうちょっとだけいてくださいね。

 逆に、今度は最高裁事務総局にお尋ねしますが、最高裁長官が内閣からそうやって意見を求められたときに、最高裁長官が一人で勝手に考えて動くわけじゃないだろうと思います。最高裁長官のいわゆる官房機能を担っているのはどこですか。

○山崎最高裁判所長官代理者

 ただいま内閣の方からお答えがございましたとおり、最高裁判所裁判官の選任に際しましては、最高裁判所長官が長官としての立場から内閣総理大臣に対して意見を述べるというのが慣例となっておりまして、これは、長官というものは裁判所の運営に最も詳しい立場にあるということ、それと、最高裁判所の裁判官の選任という事柄の性質上、司法部の意見を聞くことが望ましいということからこの慣行ができ上がっていると承知しております。

 その意見というのは長官自身が考えておるところでございまして、事務総局というものはもちろんございますけれども、事務総局は、長官の指示がございますれば、その指示に基づいて基礎的な資料あるいはデータといったものを調えるということはございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、意見の内容そのものに事務総局が関与するということはございません。

○枝野委員

 予防線を張ってお答えになっていますが、別に意見を事務総局が出しているんじゃないかとは言っていません。官房機能をどこが担っているのかと申し上げたので、それは事実上お認めになったわけですよね。

 つまり、人事局長に来ていただいているわけですから、裁判官の人事考査などの資料は最高裁事務総局人事局にあるわけですから、使う人使わない人いるかもしれませんが、そういった資料はベースになるわけですね。

 さて、そこで官房副長官、先ほど、今おいでになる前に、最近二十年の裁判官出身の最高裁判事二十六名のうち、七名を除いて十九名は最高裁事務総局の局長経験者または法務省の局長経験者、しかも、総長経験者が九人、逆に、最近二十年の最高裁事務総長の経験者八名のうち、長官一名、判事五名で、事務総長になりながら最高裁判事にならなかった者は二名だけなんですよね。なおかつ、最高裁長官が意見を求められた場合の、どれぐらい具体的に意見を言っているかどうかは確かにおっしゃるとおり別としても、官房機能を担っているのは最高裁の事務総局なんですよ。

 裁判官、たくさんいるわけですよね。たくさんいる中で、裁判官として有能であるのと、司法行政事務を担うに当たって有能である能力とは別ですよね。これはそう思いますよね、副長官。

○杉浦内閣官房副長官

 その点はおっしゃるとおりだと思います。

○枝野委員

 ところが、結局、事務総局が、官房機能を担った長官が意見を言って、事実上それに従っている。逆に、そこで政治的にいろいろなことがあったら困ると思いますから、決まっているわけですよ。その最高裁長官、あるいはそれを支える最高裁の判事の多くが裁判官出身ということは事務総局出身だと。ぐるぐる、裁判所という大きな機構の中だけれども、最高裁事務総局という、裁判業務とは別の能力でもってその職についている、そういうセクションが、最高裁判事という裁判官にとってある意味では最も権威ある、そういうポジションを一種寡占しているという指摘を受けないですか、これだけの比率を占めているのに。

 最高裁事務総局の局長を経験する裁判官というのは、同期の裁判官の中でもほんの一部ですよね。ところが、三分の二以上を占めているんですよ。寡占しているという指摘を外からは言われませんか、副長官。

○杉浦内閣官房副長官

 私も先生と同じ法曹界におる者でございまして、弁護士会副会長もやりまして、最高裁判事の人選はいかにあるべきかという議論をした覚えがございます。確かに、事務総局局長、それから人事局長等を経験された方が選任されるケースが多かったものですから、それはいかがなものかという議論をした記憶もございます。

 ただ、結果としてそういうふうになるわけで、私は、内閣としては、人格、識見ともに最高裁判事にふさわしい方を選任しているものでございまして、結果としてそういうふうな割合になったということで、内局の局長をやったから必ずしもそれは裁判官としていかがかということもない。最高裁判事としての適格性に着目して、内閣としては、十分に最高裁長官の意見を聞きながら、適切な方を選任されているというふうに思っております。

○枝野委員

 一般論としては、おっしゃることはわからないではないんですが、今の長官も事務総局の局長経験者でいらっしゃいますよね。それで、裁判官の人事は事務総局の人事局長のところでやっているわけですよ。判決の裁判の中身についての一番のトップも事務総局の経験者、実際の人事権を握っているのも事務総局ということだと、裁判官の独立性とかという観点からも、抑止効果が働くのではないかと指摘をされてもしようがないですね。主観的に、あるいは現実にそれが不公正であるとか偏っているとかと言うつもりはありません。しかし、外から見たときにそう見えませんかということを申し上げているんです。

 実は、まさにその最高裁判事の任命を内閣がその都度の政権の意図で政治的にするということは、今の日本の政治、社会状況からすると望ましくないだろうと私は思っていますので、個別に最高裁長官から推薦された名前を、内閣が、これはだめだとかこれでいいとかと言うべきではないだろうと思います。それから、最高裁の事務総局にいた人間は全部だめですと言うつもりもありません。

 しかし、一般的に、少なくとも外から見て偏っていると指摘をされても仕方がない数の比率になっている、過去ですね。そういうことを配慮すべきではないかということを、個別のときにではなくて一般的に、政府、内閣としての考え方としてあってもいいんじゃないかと思いますが、どうでしょう。

○杉浦内閣官房副長官

 枝野先生のようなお考えの方が法曹界にいらっしゃることは間違いございません。そういうお考えも、そういう批判があることも承知いたしております。

 ただ、現実に、最高裁判事の任命の過程がアメリカのような極端な政治的任用でないことも、これは御承知のとおりでございますし、先ほど申し上げましたように、内閣において最高裁長官の意見を聞いて、人格、識見ともにふさわしい判事が任命されている、私はそう承知をしております。

○枝野委員

 副長官、おわかりになってわざとお答えになっているんだと思いますが、過去に選ばれてきている人がふさわしくなかったなんと言うつもりは全くないんです。大まかには適切だったというふうに言えるんじゃないかと思います。

 ただ、これだけ事務総局の出身者が多い、あるいは事務総長を経験すればよほどのことがない限り最高裁判事になっているという裏表からの現実がある中で、最高裁事務総局の仕事というのは、裁判官の判事、判事補の仕事の中ではごく一部であり、ごく一部の人しかならない職である。本来最高裁判事に求められる裁判業務とは別の業務であるというのに、事務総局経験者が三分の二を超える比率を占めているという、この客観的なものに対して、幸か不幸か、まあ不幸なんでしょうけれども、日本の場合、先ほど津村さんが御指摘されていましたけれども、最高裁の裁判官に対しての国民の関心が低いから許されているのかもしれない。国民的な関心が高ければ、何でそんなに偏っているのということになりかねない話じゃないですかと。

 だから、僕は一方でやらなきゃならないと思う、つまり、最高裁判事になるような優秀な裁判官を何で裁判をやらせないで事務総局に置いているんだということも、実は最高裁事務総局の人事の問題として僕はあると思うんですが、ここは三権分立の中でどこまで言っていいかどうか悩みながら、この後言おうと思っているんです。

 しかし、少なくとも、内閣が最高裁判事を任命する権限を持っている。そこが、アメリカのように政治的に余り偏ってもいけない、政治的な争点になり過ぎてもいけないとは思うから、個別の人事のときに何か言ってはいけないと僕は思うんですが、少なくとも一般的な傾向として望ましくないということぐらいは、あるいは、少なくともそういった点の配慮は要るのではないかということ自体はおっしゃってもいいのではないかなと私は思うんですが、どうでしょうか。

○杉浦内閣官房副長官

 そういう御意見やら批判があることは、私個人としては承知しております。

 ただ、私の同期で最高裁判事になったのはおりませんが、内局の局長になったのはいますけれども、裁判官としても長年やり、局長もやったというわけで、ほかの時期の、今最高裁判事をやっている方々、局長をやっている方々の経歴はどうか、詳しくは存じませんが、必ずしも、内局だけでずっと裁判をやらないでいるという人はいないんじゃないか。裁判官をやり、内局もやりというようなことで、比較的バランスのとれた人事をなさっているんじゃないかな、これは個人的な感想で、正確に調べたわけじゃございませんが。

 ただ、先生の言われたような批判があることは承知をしております。

○枝野委員

 いいです。ここで明確なお答えは立場上もできないだろうと思いますが、そういったところに、もちろん人格、識見、立派な方だと思いますし、事務総局をやったから絶対だめだと言うつもりもありません。

 しかしながら、結果的に偏って見えているんじゃないかということ、そしてそのことが、個々の裁判官の立場からしてみれば、ただでさえ最高裁事務総局というのは人事権を持っているわけですから、次はどこの地方裁判所に飛ばされるか、基本的には最高裁事務総局の人事局長が持っていらっしゃるわけでしょう。その出身者が最高裁本体の意思決定機関である裁判官会議を構成する裁判官にがっと上がってくるんだよね、ここにいる人たちがねということだと、それはいろいろな意味での意識が働くのではないかなということをきちっと内閣として理解しているということで物事を考えていただきたい。だからといって、個別のところに余り介入してもらっては困るんですが。

 お忙しいと思いますので、本当は座っていて聞いていただいた方がいいんですが、もしお時間でしたら結構でございます。

 もう一つ、司法関係の人事関連の話のところで、判検交流と一般に言われているものがございます。これは、ここ数年間の実態、そちらでの判断で結構ですが、裁判所から法務省などに出向する裁判官、あるいは逆に、そういった出向を終えて裁判所に戻る裁判官、こういった人たちがどれぐらいの量いるのか、御説明ください。

○三ッ林大臣政務官

 お答えいたします。

 裁判官から検察官に転官している者の人数は平成十六年度において四十九名で、検察官から裁判官に転官した者は五十四名であります。

○枝野委員

 多分、平均的なところを出してこられているんだろうと思いますが、毎年五十人前後、裁判所から検察庁に行き、検事の身分を持って行政にいるわけですよね。そこにいた人たちは五十人ぐらい裁判所に戻って、裁判官に戻るということになりますね。

 さて、そういった人たちの中には多分、訟務検事と俗に言われている人がいると思います。どれぐらい訟務検事の中に裁判官出身者の方がいらっしゃったりするのかということはわかりますか。

○三ッ林大臣政務官

 お答えいたします。

 平成十六年度におきまして、訟務検事として法務省に出向しました人数は十七名で、訟務検事から裁判官に出向した人数は十六名です。

○枝野委員

 訟務検事というのは、前にお座りの方は御存じだと思いますが、要するに、国が当事者である裁判の代理人をするという役割ですよね。何で裁判官から訟務検事に人事異動させているんですか。なぜ裁判官を訟務検事に使っているんですか。

○富田副大臣

 裁判官から検察官に転官されて、その中に今政務官がおっしゃられた数字の訟務検事として活動されている方がいらっしゃるわけですけれども、それはもう、人格、識見が豊かで、その任にかなうから担当されているというふうに答えるしかないと思いますが。

○枝野委員

 そうなんですよね。人格、識見にすぐれて能力があると思うから、そういう人を訟務検事に使うんですよね。

 国が当事者である訴訟、訟務検事が代理人的な仕事を務める訴訟、相手方がいるわけです。相手方は弁護士を代理人にするわけですが、自分の費用で、どんな人がこういう事件に適切な弁護士であって、どういう能力を持っていて、人格、識見がどうなのか、全部自分で調べて、自分で選択し、その人が実は適切でなかった人だったりする場合のリスクも全部本人が持っているわけですよ。それに対して国の側は、自分たちの行政の側の検事さんだけじゃなくて、裁判所からまで優秀な人間を引っ張ってきて自分たちの代理人にできるんです。アンフェアじゃないですか。

○富田副大臣

 日本の国の弁護士、また検察官、裁判官、それぞれ同じ司法試験を受けて合格されて、それぞれの分野に行かれているわけですから、能力的にはもう全く同じような能力を持ってそれぞれやられている。

 委員は、全部自分の費用、責任で民間の方は弁護士を選任しなきゃならないじゃないかということを言われていると思うんですが、国の方も指定代理人制度で民間の弁護士さんを代理人として指定することもございますので、そういった意味で、それをアンフェアと言われても、いかんとも答えようがないというふうにしか答えられないんですが。

○枝野委員

 本当に、みんな司法試験に受かっているんだからみんな優秀じゃないかとおっしゃるんだったら、やはり裁判所に本籍を持っている人を引っ張ってきて国の代理人なんかさせるのはやめた方がいいんじゃないですか。

 つまり、その人は裁判所に本籍があって、また戻るわけですよ。あるとき国の代理人をやっていた人が、大きな意味では国の組織の一つである裁判官という立場で、今度は国が一方当事者である裁判の裁判をするわけですよ。フェアに見えませんよね、国民から見れば。違いますか。

 もし能力が、どこにいる人でもみんな一緒じゃないか、司法試験に受かっているんだからというのだったら、わざわざそんな、裁判所に本籍がある人を国の代理人的な業務につかせるだなんという、いろいろと誤解を招くようなことはやめた方がいいですね。違いますか。

○南野国務大臣

 大変おもしろいというか、理論的なお話を今伺っておりますけれども、裁判官が裁判官としての職務以外の多様な職務経験を積むことは、広くかつ高い識見を得た裁判官を確保するという観点から極めて意義の大きなものと考えます。これは、いろいろな専門職についても言えるのではないかなと思います。自分の仕事を少し立場を変えて考えてみるということも、これも大きなその人のステップアップになるというふうに思っております。

 国に対して提起されました複雑困難な訴訟につきましても、法律による行政の理念のもとに適正に解決するためには、民事裁判の実務経験を積んだ法曹の能力、それを活用するという必要があると思いますし、裁判官としての経験を有する者が訟務検事の職責を担う、これは制度には十分に合理性があるというふうに考えております。

 また、法務省の所掌事務や検察事務の中には、一つ、司法制度に関する法令または民事及び刑事の基本法令の立案、また訴訟事件の遂行に関する事務など、法律に関する専門的な知識、経験を要する事務が多うございます。これらの事務を適正かつ能率的に行うためには、やはり法律の専門家として、裁判官としての実務経験を有する者の中から任用する必要性が高い、今の現場を見ていてもそのように思いますし、合理的な制度と考えております。

 このように、裁判官が訟務やそれから法務等に関する経験を積むことは、行政に関する知識を広め、法曹としての識見を高めるものであっても、裁判官としての中立公正な立場を揺るがすようなものではないと考えておりますので、先生の御指摘のような制度を導入する必要はない、そのように思っておりますが、どの専門職でも言えると思います。

 私、看護職でありますが、看護職だから病院だけにいなきゃならないということではない。地域への訪問看護もありますし、その他の、いわゆるスチュワーデスも、もともとはナースであるというところから、空のナースであるという観点からも、いろいろな立場の人間を見るということにも共通していると思いますので。

 以上でございます。

○枝野委員

 裁判官の方が、裁判所の中だけにいないでいろいろなことを経験した方がいい、これは私も全く賛成です。むしろ、裁判所の中だけしか知らない裁判官というのは、逆に迷惑だと思います。

 しかし、例えば弁護士任官という制度が最近あります。弁護士から裁判官になるケースがあります。弁護士時代にたまたま何か事件でかかわったことがありますというのが一方当事者になっていますということぐらいまでだったらいいかもしれないけれども、例えば、今、弁護士には企業内弁護士という仕組みがあります。大きな会社だと、弁護士の資格を持って、弁護士の登録をして、会社の取締役、法務部長とか、その会社に五年、十年、長くその会社の法務関係の最高責任者なんかを務める企業内弁護士がいます。そういう人が弁護士任官して、その会社が一方当事者である訴訟をやったら、やはり反対側の当事者は怒るんじゃありませんか。怒りませんか。

 例えば、Aという会社の法務部長を弁護士として十年務めてきました、そういう人が弁護士任官で裁判官になりましたと。たまたま訴訟が起こったら、そのAという会社が被告なり原告なりですという裁判をこの裁判官にされたら、やはり反対側当事者としては、それは立場が変わったんだから、第一この事件そのものにはかかわっていないんだからいいじゃないですかと言われたって、それは違うんじゃないという話になりませんか。

○富田副大臣

 具体的にどういう条件がそろうかわかりませんが、今、枝野先生御指摘のような案件の場合には、具体的な事案によっては裁判官の忌避事由になるんじゃないか、そういう形で当事者としては裁判を担当していただかないような制度が準備されておりますので、そういうふうにできるんじゃないかと思いますけれども。

○枝野委員

 そうですよね。やはり忌避なんかの事由に該当させて、それは幾ら何でもというのが普通の感覚ですよね。

 しかし、訟務検事というのはまさに国の代理人をやっているわけですよ、専門的に。国の企業内弁護士ですよ。しかも、国が一方当事者の事件というのは、民事事件の弁護を、あるときはA社の代理人をやり、あるときはB社の代理人をやりという話と違うんですよ。なぜかというと、まさに行政の観点とおっしゃいましたね、先ほど大臣。行政の観点というのは行政の外の観念と違うわけですよ。だから裁判官に行政をさせるわけでしょう。そういう話でしたよね、先ほどの大臣の話は。その行政の論理に基づいて行政の代弁をするという業務を、しかも単発でなくて数年間にわたって、それを専門で訟務検事としてやるわけですよ。先ほどの、特定の会社の法務部長とかを長年務めたケースと似たようなケースじゃないですか。

○富田副大臣

 具体的な事案に当てはめないと何とも答えられませんが、訟務検事というのは、法務省の方に、裁判官から検察官に転官されて、その中で訟務を担当していただくわけですけれども、その任を外れた場合に、また裁判所に戻った場合には裁判官として活動されるわけですから、企業内弁護士をされた方が裁判官になる場合と全くパラレルには考えられないというふうに私は思いますけれども。

○枝野委員

 それは一緒じゃないですか。だって、企業内弁護士をやっていた人間だって法曹の倫理に基づいて、企業内弁護士をやっているときはその会社のために全力を尽くすし、裁判官になったら中立公平にやるのは一緒ですよ。国の代理人をやっているときは国のために、つまり行政のために最善を尽くすし、それが裁判官の立場になったら中立公平な立場で見る。それは、弁護士から任官しようが、検事から裁判官になろうが、一緒じゃないですか。

 問題は、僕は、実際に訟務検事を経験された裁判官がアンフェアにやっているかどうかなんということを言うつもりはありません。どう見えるのかという話なんです。主観的な問題じゃありません。国民から、あるいは裁判の当事者から見たときに、あの裁判官はこの間まで国の、法務省の職員をやっていたんですよという裁判官が真ん中に座っていて、国を相手に裁判をやったら、こんなもの勝てないよねと普通の人なら思いますよ。それが、司法にとっても、法務省にとっても、この国全体にとっても、本当にいいことだと思いますか。

○南野国務大臣

 いいこと、悪いことということよりも、どの立場にあってもプロはプロです。例えば裁判官であっても訴訟事務をやる人であっても、その同じプロの人が、自分がどのような仕事をするかということで、今までやっていたことをそのままの価値観で立つということよりも、その人の人間性、基本的な司法官であるという人間性に立って事を運ぶのであって、それは私は合理性があるというふうに思っております。

○枝野委員

 もちろん、主観的にはそうする人がほとんどだろうし、まさにそういうことで実際に動いていくんでしょうが、当事者あるいは国民からどう見えるのかということですよ。

 例えば、私だって副大臣だって、あるいは先ほどの副長官だって、法曹資格がありますよね。選挙に落ちたら、じゃ、裁判官で任官してくれますかね。僕は、それはやはりよくないと思いますよ。それぞれみんな、政治家、国会議員になってやっている法曹資格者は、自分の政治的なスタンスをわんわん主張して、それで多くの人たちに、この人はこういう政治的な立ち位置だということを少なくとも宣伝し続けているわけです。私の信念はこうであるとやり続けているわけですよ。

 そういう人間が、国会議員じゃなくなったからといって裁判所で真ん中に座っていましたというのは、これは国民から見たら、例えば民主党の支持者から見れば、富田先生が真ん中に座っていたら、これはまずいよねと思うだろうし、自民党の支持者の人だったら、枝野が真ん中に座ったら、これはひどいじゃないかという話になりますよね。国民からの見え方というのはそういうものじゃないですか。

 国の代理人という、しかも単発で代理人をやったなら別ですよ。職として数年間にわたって国の代理人、企業内弁護士的なことをやってきた人をわざわざ裁判所に戻さなきゃならない、あるいは裁判所からわざわざそういう方を引っ張ってこなきゃならない。そこまでやらなきゃならない理由がありますか。裁判官はいろんな経験をした方がいいですよ。いろんな経験をするにしたって、国の代理人業務はいいんじゃないですか、それ以外のことで。あるいは、どうしても裁判官出身の人が欲しいといって引き抜くんだったら、片道切符で来させればいいんじゃないですか。

 これが定常的なシステムとして行き来をしていると、どんどんどんどん、国の代理人として行政の立場から法律を組み立てるという経験を数年間積んだ人間が裁判所のど真ん中に座る、こういうことをシステム化して経常化していくということが、本当に司法の中立性を、国民から信頼を高める方向に行くのかどうか、私は疑問です。

○富田副大臣

 私や枝野先生が任官したら、裁判官として法廷にいると、我々はある意味で政党人ですから一党一派に偏しているわけで、公務員は一党一派に偏さない、そういう形で活動されているわけで、裁判官は訟務検事から戻られたときにも一党一派に偏さず公平中立に活動されるわけですから、私たちが任官する場合とはやはり違うんじゃないかなというふうに思います。

○枝野委員

 それは違います。裁判官にもし任官してもらえたら、裁判官になったら一党一派に偏らない裁判をやりますよ、もちろん私だって。(富田副大臣「それはそうですよ」と呼ぶ)そうでしょう。

 では、一方で、例えば裁判官であった人が訟務検事になったときは、一党一派ではないかもしれないけれども、まさに国の代理人をやるわけでしょう。国の代理人をやるためには、まさに法曹倫理として、国の主張を裁判所によって通すための最善を尽くすんですよ。それが代理人の仕事じゃないですか。

 そのときに、中立公平ですからこの裁判は国が負けても仕方がありませんねだなんという判断に基づいて訟務検事をやられては困るじゃないですか。そうなんですか。訟務検事はどっちなんですか。一党一派に偏らず、中立公平な見地で、この事件は国が訴えられているけれども、負けだから仕方がありませんと負けちゃうのが訟務検事の職務なんですか。違いますでしょう。あくまでも国、行政の立場に立って、自分たちの正当性を徹底的に主張するのが訟務検事の仕事じゃないですか。どっちですか。

○富田副大臣

 今の点は枝野委員おっしゃるとおりで、ただ、私や枝野先生が仮に裁判官になった場合に、もともと一党一派に偏して活動していたという、その段階では公平中立性で活動していたわけじゃありませんから、それに対して国民がどう思うかという点では、パラレルには考えられない。

○枝野委員

 だから、訟務検事をやっているときの訟務検事も一緒じゃないですか。あくまでも国の代理人という立場で、行政という見地からの主張を徹底してやるのが訟務検事の立場なんですから。それは、いわゆる政治的な一党一派とは違いますけれども、つまり、国を相手に訴訟を起こそうだなんという立場からすれば、一方に偏っているわけですよ。その一方に偏っているという業務を数年間にわたって専従でやってきた人たちが真ん中に座るというのは、やはり当事者から見ればちょっとひどいんじゃないのという話になるのは、私は普通だと思います。

 本当にその人が偏ったことをやっているだなんて言っているつもりじゃないんですよ。見えている側からすればそう見えませんかということを言っているわけです。自分が国を相手に裁判をやって、裁判長が訴訟指揮をしている。中立公平にやってくれているのかなと思っていたら、この人は五年前は裁判所から法務省へ出向して、訟務検事で国の代理人で、同じ事件だったら忌避事由だけれども、同じような行政に関する事件で国の主張をがんがんやっていました。そんなことを知ったら、勘弁してくれよ、日本の司法というのはそんなに信じられないものですか、そう思うのが僕は普通じゃないかなというふうに思っておりまして、ここはしっかりと見直していく必要があるんじゃないかと私は思います。

 もしどうしてもというなら、片道切符ですよ。どうしても裁判官の中で訟務検事に引っ張りたい、それは、大きな意味では国でしょうから、訟務検事に引っ張るときは片道切符で訟務検事にするということが全くあっちゃいけないと言うつもりはありません。しかし、システムとしてでき上がっているんですからね、この行き来は。

 僕は、明らかに裁判の公正を、じわじわじわじわとこういうのは広がっていくんですから。一気に、おかしいじゃないか、裁判所のやっていることはだったら、直すのは簡単ですよ。じわじわじわじわと、おかしいよね、こういうケースは、ああいうケースはと広がっていって、どんどんどんどん司法不信が広がっていってからでは遅いんですよということを申し上げておきたい。

 最後に、十分しかありませんが、似たような話でちょっと違うんですが、法務省の本省局長級以上の方で検事採用でない方、つまり普通の省庁の、昔だと上級職試験といったんでしょうか、国家公務員試験合格で本省局長級以上の方は何人いらっしゃいますか。

○三ッ林大臣政務官

 お答えいたします。

 法務省の局長級以上の幹部のうち検事として採用されていない者は二名であります。これらの二人及び事務次官については一般職給与法が適用されており、これらの三人を除いた者には検察官俸給法が適用されております。

○枝野委員

 その二人のポストはすぐわかりますか。

○三ッ林大臣政務官

 一名は大臣官房審議官矯正担当、もう一名は大臣官房審議官で入国管理局担当であります。

○枝野委員

 局長級ですけれども局長じゃないんですよね。ということは、局長ポストは全部検事が占めているということなんですよね。何で検事じゃなきゃいけないんですか。普通の役所は、国家公務員試験を受かってきた人たちが局長とか次官になっておられて、いろいろな役所が法律をたくさんつくっているんですよね。なぜ法務省だけ、国家公務員試験じゃなくて司法試験に合格して検事採用された人が、法務省本省でそんな局長ポストを全部握って仕切っているんですか。どうしてですか。

○三ッ林大臣政務官

 お答えいたします。

 法務省の所掌事務の中には、司法制度に関する法令並びに民事及び刑事の基本法令の立案、訟務事件の遂行、検察に関する事項等専門的な法律知識、経験を要する事務が多く、これらの事務に関する高度な判断を的確に行いつつ法曹資格者を初めとする部下を指揮監督して適正に職務を遂行しなければならない法務省幹部に法曹としての豊かな専門的知識と経験等を備えた者を任用することには、合理性があると考えております。

○枝野委員

 例えば入国管理局長とか入国管理局というのは、検事の経験とか検事の資格は、ないよりあった方がいいでしょう。ないよりあった方がいいでしょうけれども、国家公務員試験だって法律の試験をしているわけですよね、法律職で採っている人たちは。ほかの役所は、例えば入国管理とある意味対になる外務省のビザの発給だなんという話は、別に法曹資格者がやっているわけじゃないですよね。矯正だってつながりはあるかもしれない、刑事司法とは。だけれども、やはりちょっと違うんじゃないですか。人権擁護に至っては、検察官のやるべき方向の仕事と矛盾する部分がかなり含まれていますよね。何でみんな検事なんですか。

○南野国務大臣

 先生の御指摘はそのようでございますけれども、御指摘のように、国家公務員の採用試験などによりまして採用された一般の行政職員等の職員がさまざまな経験を積んで、これは医療の世界でも医師の世界でもそうでございます、自分は外科を目指したいといっても、内科から何から全部知って、その上に人間を理解した上での医療が展開されるわけでございますので、そういうこととも関連するのかなと思っておりますが、基本法の立案などの専門的業務にも従事し得る能力、これを蓄えることはもとより望ましいことであるというふうに思っております。

 そのような職員を養成すべく努めているところでございますが、法務省には、検察に関することを所管する刑事局を初めとして、検察事務に精通した者でなければ円滑に遂行できない事務を所管する部局もございます。また、現状では、複雑な専門的知識を要する民事、刑事の基本法律案の立案や、ますます困難性を増してくる訟務事務などについても、法曹資格を有しない一般職の職員のみでは十分に対応し切れない実態も出てまいります。そのことも御理解いただきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、法務省の官職のうち現在法曹資格者が占めているものにつきましても、必ずしも将来にわたって法曹有資格者じゃなければ任用し得ないと考えているわけではありませんが、今後とも、適材適所の観点から適切な配置に努めてまいりたい、このように思っております。

○枝野委員

 検察官も足りないんですよね。検事も足りないんですよね。検事が採用し過ぎちゃって余っていますとかいう国なんですか、この国は。さらに言うと、裁判所も裁判官が足りないと言っていますよね。だから裁判はおくれていますよね。民事局長は裁判官ポストでしたね。何でそこから持ってこなきゃならないのか。

 まあ、あしたから変えろと言ったら大変でしょう。つまり、法務省の職員の皆さんも、どうせ検事組がやってくるんだろうという思いで、つらい思いをされているのか楽な思いをしているのかどっちか、それは人によって分かれるのかもしれませんが、そこはある程度時間をかけないと大変だと思いますが、法務省の行政、国家公務員試験に受かった人たちも、法律職であれば、司法試験と同じとは言いませんけれども、それに準ずるかあるいはそれ以上の能力を持っている人もたくさん含まれているわけで、その人たちをちゃんと行政の見地から、法務行政にかかわる幹部に育つように養成していけばいいんじゃないですか。その努力を明らかに今まで怠ってきたわけですよ。

 それで、検事の資格を持っていたり裁判官の資格を持っている人は、裁判官も足りないんですから、検事も足りないんですから、その本来の業務に集中してもらって、もちろん、一切認めないとは言いません。状況に応じたり時期によっては、ここはこの時期だけはちょっと裁判所から人を持ってきてやってもらった方がいいとか、検事から持ってきてやってもらった方がいいとかというケースは例外的にあり得るかもしれないけれども、一般的には法務省の局長はみんな国家公務員試験採用の法務省の官僚の皆さんがなる、こういうシステムに来年からでも変える努力をスタートさせましょうよ。急に全部変えろとは言いません。トレーニングしていないんだから、そういう想定で来ていないんだから。でも、今から始めたって二十年ぐらいかかりますでしょう。始めましょうよ。

○南野国務大臣

 今の職員の方々の中にも、一般の試験を受けて入ってきておられる方もおられます。それは本当に数が少ないと思いますが。これから入省してこられた方々を立派に育てていくのが我々の役割かというふうに思っておりますので、枝野先生のお思いになるような形になるべく早く到達できるということも必要かと思っておりますが、そのように適材適所に配置できることを努力いたします。

○枝野委員

 余りみみっちいことを言いたくないのですが、国家公務員採用の人を局長にする場合と司法試験組を局長にする場合と、同じ局長にした場合でも給料は違いますよね。

○南野国務大臣

 それは違いますけれども、自分のプロを持ってその立場を変えられた場合に、その立場から今度はまた自分のもとの職場に帰る場合、うんと給料が下がるということは、これはまた大変なことでございますので、そういう意味では、その方のキャリアに合わせた賃金ということが今適用されておるところでございます。

○枝野委員

 僕も司法試験組ですから、国家公務員試験に受かった人よりも社会全体で司法試験に合格した人の方が高い給料を取るという社会的風潮は、個人的には都合がいいんですが、しかし、果たして本当にそれは合理性があるのかということも考えなきゃいけないし、少なくとも、司法試験に受かっていなくたって、ちゃんと法務省の中でキャリアを積んでくれば刑事局長だって民事局長だってできるにふさわしい能力と見識を二十二歳の段階で持っている人は、幾らでもいるはずなんですよ、司法試験に受かっていない国家公務員組でも。そういう人たちが局長になった方が、本当にみみっちい世界かもしれないけれども、人件費は安くなるんですよ。なのに、なぜか当たり前のように、法務省というのは検事と裁判官が占めるポストだということで、ずっと慣習的に来ている。

 繰り返しになりますが、検察官が余っていてしようがない、検察庁にポストがないんだ、裁判所も裁判官が余っていてしようがないんだ、ポストがなくてしようがないんだというならば、百歩譲ってまだあるかもしれない、せっかく採用して首にはできないんだから。だけれども、一般的には検事さんも足りない、裁判官も足りないと言われているんでしょう。

 だったらむしろ、検察官は、せっかく検事の資格を持っている人は検察業務をやってもらったらいいんですよ。裁判官の資格を持っている人は裁判官業務をやってもらったらいいんですよ。最高裁の事務総局も同じなんです。最高裁の事務総局だって、事務総局でやっていることは司法行政で司法と絡んでいるけれども、何で経理局長を裁判官がやらなきゃいけないんですか。書記官だって裁判所事務官だって、裁判所の庁舎のこととか、そこの備品のこととか、裁判官を長くやっているよりよっぽどわかっている人たちがたくさんいるじゃないですか。それもまた同じことが言えるんです。

 こういうことをちゃんと見直していくと、小さなことかもしれないけれども、先ほどの判検交流とか事務総局のあり方とか全部絡んできて、司法のあり方を見直すというのはこういうところからも手をつけなきゃいけないんじゃないでしょうか。最後に大臣の御感想を。

○南野国務大臣

 先ほども申し上げましたけれども、法務省の官職のうち、現在法曹資格者が占めているものにつきましても、必ずしも将来にわたって法曹の有資格者でなければ任用し得ないと考えているわけではないわけであります。今後とも、適材適所の観点から適切な配置に努めてまいりたいと思っております。

○枝野委員

 終わります。

<他の議員の発言部分省略>