[国会・内閣等に関する自由討論]
○枝野委員
私、二院制などについてもいろいろ意見がありますが、まず一番大事なところとして、みんな忘れているんですが、憲法六十五条、「行政権は、内閣に属する。」以下の規定、私はこれは、自衛隊と九条の関係とかそれから私学助成に関する八十九条の話とか、これと同じぐらいかあるいはそれ以上に、現行憲法の条文のミスといいますか欠陥ではないかと思っています。
というのは、「行政権は、内閣に属する。」と書き、内閣の構成は国務大臣で構成するとあります。では、何とか省の局長とかが許認可の判こを押しているのは何なんだという話なわけですね。もちろん、憲法を受けて国家行政組織法や内閣法などに基づいて内閣から委任を受けているという説明になるんだろうというふうに思いますが、憲法上、何らの規定もなければ、その関係についても何にも書いていないわけですね。これは明らかに憲法の欠陥だろうというふうに私は思います。
先ほど鹿野先生から基本的な考え方をお述べいただきましたけれども、内閣として閣議で決めることは何なのか、そして閣議のもとでそれぞれの役所、選挙によって選ばれたのではない行政官庁が具体的に行うことは何なのか、このあたりのところが全く整理もされなければ、わけのわからないまま憲法典に規定をされているというのが今の実態ではないのかと私は思います。
そういう意味からすれば、先ほどの話のとおり、内閣がやるのは、これは執政権と私どもは呼んでいますけれども、行政を行っていく上での基本的な意思決定は内閣合議体で行うということだろうと思います。しかし、それに基づいて、こういう組織がこういうルールに基づいて個々の行政運営を行うんだというような役割分担と権限の範囲というものを、やはり憲法上本来きちっと位置づけるべきではないのだろうか。もちろん、何とか省を置くとかかんとか省を置くとかということを言っているわけではありません。内閣のもとでの行政各部がこういう役割を担うというようなことを書いておくということが必要なのではないか。
さらに言えば、今内閣は、国務大臣によって構成されるものを内閣と呼んでいます。内閣としての意思決定をするのは国務大臣、二十名弱ぐらいでいいのかなというふうに思いますが、国会と内閣の関係をしっかりしようと思ったときには、今ある副大臣とか政務官などという仕組み、つまり政治的に大臣をサポートし意思決定を行っていく政治家も憲法上にきちっと位置づけるべきではないのか。
先ほども大臣のかわりに副大臣が出てくればいいじゃないかとかという話がありましたが、副大臣は憲法上、国会との関係は何の位置づけもされていないわけですね。私は、国会に対する責任ということを、例えば副大臣の答弁で大臣にかえようということであるならば、憲法上も副大臣や政務官をしっかり位置づけて、そして国会に対して内閣を代表して出席し、発言し、答弁する場合には、それは副大臣であろうと内閣を代表して、その発言は内閣全体で連帯して責任を負うなどという規定がなければ、やはりどうしてもできるだけ各省大臣、大臣が出てこい、内閣の構成員である大臣が出てこいとなりますし、あるいはトップである総理大臣が出てこい、こういう話にどうしてもなりがちではないだろうか。
こういうことを考えますと、私は、現実の運用が決定的に変わらなければならないとは思いません、きちっとした政治主導にしていくという流れをつくっていくということですが、それをしていく上からも、しっかりと、内閣あるいは政治家によって構成される行政の意思決定部門とその執行部門というものを憲法上明確に位置づけていくという議論がきちっとなされる必要があるのではないかというふうに考えます。
以上です。
<省略>
○枝野委員
まず、今お話ありました二院制の話をしておきたいと思います。
大村さんから御指摘あったような問題意識は私も共感をいたしますが、現実的に、早い時期に一院制の発議を国会ができるのかというようなリアリティーを考えますと、二院制の制度のもとでどういうふうに弊害を防ぐのかということになっていくんではないかと私は思います。
そうした中で、私、持論で、前回も申し上げましたが、先ほどの、選挙が一年もたたないうちにあるというようなこととの絡みで、やはり私は、衆議院の解散を限定的にした上で、三年ごとに衆参ダブル選挙をやるというのが一番合理的ではないだろうかと。この場合、衆議院は政権選択の選挙ということで小選挙区制、そして参議院ではその小選挙区制ではすくい切れない少数意見をきちっと反映させるという意味で比例代表または大選挙区制ということで、それぞれ一票ずつであれば、衆参を同時にやったとしても有権者の混乱はそれほど大きくないのではないだろうかと。その上で、役割を分担させていったり、あるいは、先ほど葉梨先生でしょうか、ありましたとおり、内閣との関係を整理していくというようなことをやっていくのが合理的ではないかと考えます。
それからもう一点、先ほど来、議員立法といいますか内閣の法律案提出権についてお話が出ております。
これは、特に与党の皆さんに御検討いただきたい、つまり運用との絡みだと私は思っておりまして、小泉総理スタートのときに、与党の事前審査をどうするかという議論があったかと思いますけれども、私はこれと絡んでくるのかなというふうに思います。
私は、どちらかといえば、もし内閣提出ということを認めるのならば、事前審査などやらないで、与党の議員の方も国会の場において政府に対して、内閣あるいは官僚に対して質問を行い、必要に応じて国会の場で修正をする、これが一つのやり方で、これならば内閣提出を認めないと都合が悪いなということになるかと思います。
逆に、今のように与党の事前審査で、与党の内部では議論が終わっていて、与党はみんな賛成しているんだ、賛同しているんだということになりますと、今現実にそうですが、与党の議員さんは、こういう憲法調査会のような場は別として、国会審議でほとんど仕事がないわけですね、実質的な仕事が。だとすると、政府・与党一体なんですから、何も官僚に答弁をさせて、政府の提出である必要はない。
例えば、外務省に関する法案であれば、筆頭提案者を外務大臣、これも国会議員でしょうから。そして、与党の外交部会の議員さんたちが共同提案者となって、政府なんかに答弁をさせないで答弁席に立つという形で、一体となった政府・与党側として野党と国会でやり合うということになれば、国会審議が実質化をするんじゃないか。
つまり、与党の国会における役割をどちらをとるのか。政府に対して国会という立場から議論し、チェックし、場合によっては修正をさせるという立場での与党の国会議員という役割にするのか。それとも、政府・与党一体の提案者側のサイドに立って答弁をする側に回る、野党とやり合う側に回るのか。こういうところを運用上整理すれば、私は、形式的に内閣の法案提出権をどうするかということよりも、与党の皆さんが政府提出法案に国会という国民から見える場でどう議論に加わるのかという実質的な面が前に進むのではないか、こんなふうに思います。
以上です。