[私立学校教職員共済法の一部を改正する法律を廃止する等の法律案について(答弁)]
○遠藤(利)委員
今、選挙で民意を聞かれたと。私たちは選挙で大変苦戦をいたしましたので、いろいろな理由の中で、年金法案、確かに、いろいろな説明不足だった点もありますし、それはあると思っております。
ただ、私は、選挙の終わる前、いわゆる衆議院から参議院に移った段階で皆さんの方針が変わったのかなと。しかし、公党の約束というのは、衆議院だけの約束とか参議院だけの約束ではなくて、党と党が約束をしたわけですから、少なくとも衆議院、参議院を通じて約束したんだろうと。その上で、さあ、次のステージにお互いに進みましょうかと。それが、約束の最中に、破棄していないとおっしゃいましたが、方針あるいは行動を見ますと、参議院の審議の段階ではもう既に実質的には合意を破棄した行動をされていたんではないだろうか。
そんなことを考えますと、私は、参議院の議決が終わって、改めて一元化のためのいろいろな協議会をつくるなり努力をしましょう、それをしなかったというなら、これは理解できるんです。しかし、その前の段階で、既に方針が変わった、あるいは選挙、多分これは選挙を意識されたんだろうというふうな思いをいたしますが、それはやはり違うんではないだろうか。
これはさっき言いましたように、もし自民党がそういうことをされたときに、では皆さん方は、その合意は、どうぞ方針が変わったら結構です、あるいは、全体の流れが変わったから結構ですとおっしゃるか、絶対おっしゃらないと思うんです。そこは、しっかり信頼関係で成り立っている合意、これを守らなければ、私は、国会の運営というのはなし得ない。それを前提にした形でのその後の活動というのは、大変不信を持っております。
それについては水かけ論になるかもしれませんので判断は求めませんが、ただ、今回の廃止法案、なかなか、そんなに多く書いてありませんが、見ますと、例えば給付と負担のあり方の見直しなど、今回の法案には触れていないわけですね。年金制度を持続可能にしますよ、こういうふうな形で、たしか、前回の国会での法案はこういうことが書いてあったと思うのです。今回の廃止法案には、これは全く書いていない。
それから、三党合意の中で、十九年三月を目途に結論し、随時実施をしましょうと。しかし、今回の民主党の皆さんの案は、十八年度中にもう既に行う。三党合意と今回の皆さんの案とそごを生じているのではないだろうか。
それから、必要な整備を平成十八年度中に行う、そういうふうに書いてありますが、国民年金、厚生年金そして共済年金、いろいろな仕組みを、今は十六年の半ばでありますが、そうした具体的な姿とか内容とかスケジュール等を示さないで、さあ、これでやりましょうといって二年足らずで本当にできるものだろうか。
そしてまた、この提案の中に最後の方にありますが、今回成立した、前国会で成立した改正案のいいところは今回は取り込んでいる。
ですから、そうしますと、逆に、全体のバランスとか年金財政というのは無視されているのではないだろうか。こんなことを考えますと、こんなことを言うと大変民主党の皆さんに申しわけないのですが、先に否決されるということを前提にして、国民の皆さんに受けをねらった何かパフォーマンスなのかな、そんな思いが私はするんです。
ぜひそれについてお答えをいただきたい。
○枝野
まず、三党合意の話なんですけれども、我々、通常国会の段階で、衆議院と参議院で途中で方針が変わったという事実は全くございません。
あくまでも、三党合意をお読みいただければよくわかると思いますけれども、政府案のことについては全くこの三党合意ではかかわっていない話でありますし、実際に衆議院でも、我が党は、修正部分には賛成をいたしましたけれども、政府原案には反対をいたしています。
そして、参議院に行きまして、残念ながら、最後の採決の段階で混乱をいたしましたが、これは既に御承知のとおり、西川きよし議員の質問が予定されていて、総理も出席してというようなことがあったのに、なぜか一時間、二時間を待てずに無理な採決をされたというようなことなどがあったという国会対策上の問題、国会運営上の問題で混乱をいたしましたが、私どもは一貫して、中身が自分たちの意見と違うから国会に出ないなどというような姿勢はとったことはございません。
あくまでも、国会に出ていく出ていかないという話は、ルールや前例を無視した強引な国会運営があった場合には、それに対する抗議の意思を示すというようなことはあり得ます。それは三党合意とは全然別次元の話でありまして、私どもは一貫して、政府案には反対であり、ただ、この三党合意の文書の中にある範疇については、これは合意をしたし、これは我々としてもぜひ与党にも真摯に受けとめていただきたいということであります。
ただ、一言付言させていただきますと、三党合意に基づくお互いの約束事を時系列的に、何をやらなければならないかという一番最初には、実は、衆議院の厚生労働委員会における年金に関する委員会決議を行う、これが時系列的には最初にやるべきことなんですが、残念ながら、これがまだ合意ができておりません。午前中の厚生労働委員会でも、ここは与野党間で意見の食い違いが明らかになっています。
まず、委員会決議が合意できて委員会決議が行われれば、次のステップとしては、厚生労働委員会の小委員会設置や協議機関の設置という段階に進み得るのかもしれませんが、まずその前の段階であるということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
そして、今度の廃止法案について、我々としては、まず、さきの選挙で示された民意というのは、私どもも、民主党の示した対案がそのまま一〇〇%支持されたというところまでうぬぼれるつもりはありません。しかしながら、少なくとも、決め方といい、中身といい、成立した政府案がだめなんだ、もう一回一からしっかりと議論をし直せ、こういう民意であるということははっきりしているというふうに思います。
そして、その上で、では、本来の抜本改革はどうあるべきか。これは、我が党はさきの通常国会で示した案があります。ぜひ政府・与党としても一元化などについての方針を党内あるいは与党内でしっかりと整理をしていただいて、その上で協議をということであるならば、三党合意に基づいてぜひさせていただきたいと思いますが、まず与党の側でそのことを整理していただかないと前に進みようがないということを申し上げさせていただきたいというふうに思っています。
また、その上で、一たん白紙に戻して抜本的な部分についてやるとした場合だとしても、それは与党の側の皆さんもおっしゃっているとおり、年金財政は後になれば後になるほど大変厳しくなります。
これも三党合意に基づいて、十九年の三月までに、つまり十八年度中にというめどが示されています。我々は、そこまでに結論を得るにとどまらず、措置をとるところまで頑張ってやっていこうということでありますし、与党の側も、その十八年度中に合意をするというようなことについて合意をされているわけですから、それぐらいの期間の間に、与野党協議という困難なことを乗り越えた上で、一致をして抜本改革、一元化等のことをまとめられるというふうに与党の側もお考えになっているから三党合意をされたのではないかというふうに思っておりますので、これは国会内の努力によって十分可能だと思っております。
最後に、我々は、そうやって一たん白紙にして抜本改革の部分を一から議論し直すべきだと考えておりますが、政府案の中にも部分的にはいい部分も含まれていたということは否定するつもりはありません。しかも、仮に我々の一元化をしても、従来の負担に対応する部分の給付という意味では従来制度が残りますので、そこを部分的に手直しすることで、いいことについて、しかも抜本改革のスタートまでの間に先行して行うことが可能な部分について、これは改めて復活をさせるということで考えております。
確かに、この廃止法だけ見ると、理念とか哲学とかが見えないというふうな御批判はあるかもしれませんが、我々は抜本改革の理念、哲学は通常国会で示した対案で明確になっておりますので、それに至るまでの経過措置的部分としての復活部分がある、こういうことでございます。
○高木(美)委員
公明党の高木美智代でございます。
私は、さきの水害におきまして多く亡くなられましたその方たちの御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、また、水害の被害に遭われた皆様の一日も早い復興を心よりお祈りいたしております。
先ほど、年金のことがございました。私は、一点だけお伺いしたいことがございます。
それは、さきに成立しました年金改革法におきましては、女性を中心に大変早期の実施が期待されておりました離婚時における夫婦分割の問題、この制度を初めて導入することになっております。これは、本来であれば夫婦ともに負担をしたということで、年金を受けるときに、今の形でいえば御主人の方にたくさん入る、また第三号の奥様の方には基礎年金が入るという、こうしたシステムではなくて、半々にすべきであるというのが私のかねてからの主張でございました。
そうした意味合いも込めまして、今回この法案の中には、夫婦がともに負担をした、こういう形で文言が盛り込まれております。これは、女性の低年金を解決するためにも大きな第一歩だったと大変多くの女性の方たちから高い評価をいただいているところでございます。
ところが、民主党案の中では、この施策については復活させないというふうに書いてございます。この理由につきまして御説明をお願いしたいと思います。
○枝野
私どもも、政府案の中で、女性の年金権の確立に向けて、離婚時に限定ではありますけれども、年金権の分割を認めたということは半歩前進だというふうに受けとめておりますので、この点は評価をいたしております。ただ、この部分については、政府案でも平成十九年四月の施行という内容になっております。
私どもの今回の廃止法では、十九年四月スタートで抜本改革の新制度をスタートさせようというふうな中身になっております。そして、十九年四月のスタートの時点で、私どもとしては、半歩前進の離婚時の分割ではなくて、年金権の個人化をして、そしていわゆる二分二乗方式を取り入れてという本当の意味での抜本改革を十八年度中に取りまとめて、十九年四月、本来の離婚時に限定したスタート時点には、もうそれをスタートさせたいというふうに思っておりますので、今回の廃止法の中にその部分は復活項目として入れていませんが、我々としてはより進んだ形で同じ十九年四月にスタートさせたい、こういう意図でございます。
○石井(郁)委員
日本共産党の石井郁子です。
まず、提出されました私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律を廃止する等の法律案について質問をいたします。
本法案は、前国会で自民、公明両党によって強行成立した私立学校教職員共済法案の一部を改正する法律を廃止するものです。この私学共済法の最大の問題点は、国家公務員共済法の改正規定を準用し、マクロ経済スライド方式を導入し、厚生年金に合わせて今後国会審議抜きで私学共済年金の給付水準を自動的に引き下げること、また掛金も同様に引き上げることにありました。私学共済年金法の審議の中で、現行の掛金率が一〇・四六%なのに最終的には二〇・三五%にもなることが明らかになりました。
我が党は、さきの参議院選挙でも改悪年金法の廃止を訴えましたし、国民世論もその八割が法律の撤回、やり直しを求めており、廃止は国民の願いにこたえるものであり、賛成するものでございます。
その上で、お聞きいたします。
年金の積み立て度合いを見ますと、厚生年金の場合は四・七倍、国家公務員共済は四・六倍、そして地方公務員共済年金は七・六倍に対して、私学共済の場合は九・八倍なんですね。私学共済が一番健全である、何も横並びで保険料を引き上げる必要もない、給付水準を引き下げる必要もないと考えるわけでございますが、この点、提案者としてはどのようにお考えでしょうか。
○枝野
御質問ありがとうございます。
御指摘いただきました積み立ての度合いなどにつきましては、今後の年金の議論の参考にもなる大事な数字だというふうに思っております。そしてまた、確かに、今の現行制度を前提として物事を組み立てた場合には、今のような御指摘もあり得るかなというふうに思っております。
ただ、私どもは、日本全体として急速な少子化が進んでいて、これから急速に年金財政が悪化をしていくという現状の中では、今の分立した年金制度をこのまま継続して続けていくということはなかなか成り立っていかないだろう。むしろ一元化をして、途中で仕事がかわったりとか、そういう状況が変わった、あるいは特定の産業が、学校の先生、私立学校の先生が急速に人口減少以上の比率で減るということはちょっと考えにくいかもしれませんが、他の分野では多々出てくることだと思いますので、そうした中で、職業別に年金制度が成り立っているということでは大変やりにくいというか、成り立っていかないだろう、こういう観点から一元化をするということで考えておりますので、その点についてはぜひ御賛同、御理解をいただければと。
念のため申し上げますが、従来積み立ててきた部分、従来払い込んできた部分に対応して将来受け取る年金額につきましては、私どもの一元化が導入された以降についても、それは従来の既得権として、当然、私学共済の皆さんの過去に納めてきている分に対応する将来の給付は、これは従来の私学共済の計算法に基づいて給付をする、こういうことで考えております。
以上です。
○横光委員
中身の問題ではちょっと我々とも違う分野もあるわけでございます。
そのことについてちょっとお尋ねしたいんですが、まず社会保険庁のあり方なんですね。これは、二〇〇四年の年金改正法廃止法案で、国は、平成十八年度までに、社会保険庁を廃止し、公的年金制度における保険料及び国税を徴収するための新たな行政機関を創設するものとすることとなっております。つまり、社会保険庁の廃止といわゆる歳入庁構想の導入がうたわれているわけですね。
社会保険庁改革、これが今回の年金の問題のときに年金不信の象徴的な存在として浮上したわけで、この改革は積極的に取り組むべき課題であろうということは論をまちません。しかし、徴収一元化は、保険料と税の性格や対象の違いがあります。また、給付事務のあり方、徴収を税務署が行うことによって逆に滞納や資格停止者の増加の懸念もある、あるいは国税と地方税の相違など、詰めなければならない問題点があるんじゃないかと思うんですね。
本当に効率化が図られるのかどうか非常に疑問であると我々は考えておるんですが、この点について、今後どのように検討される予定なのかお聞かせいただきたいと思うんです。
○枝野
ありがとうございます。
御指摘のような問題点、論点があるということは私どもも十分に認識をしているつもりでございます。ただ、所得の把握をしっかりと行った上でその所得に応じて負担をお願いしていくというような性格を考えますと、税と社会保険と別々建てをしていくということの効率の悪さということはやはり逃れられないだろうというふうに思っております。
具体的に、歳入庁という形で社会保険庁を国税庁と一元化をした場合に、それをどういう位置づけと役割にするかということについては、さらに突っ込んだ議論が必要であろうかというふうに思っています。特に給付業務、当然年金などについては、社会保険については残るわけでございますから、そういう部分のところをこの歳入庁で一緒に行うのか、その場合であっても、事務だけ行うのかどうするのか、そういった問題点もあろうかというふうに思っております。
私どもといたしましては、先ほど与党の側から御質問ありました、三党合意が与党の側にお守りをいただけるのであるならば、そこで、一元化の具体的な手順の中で、これは与野党協議でございますので、社民党さんや共産党さんにも当然お加わりいただくんだろうと思っておりますので、その場で協議、検討して、十九年四月には一元化をスタートさせる。その前に徴収体制のスタートまでできるかどうかは議論はあるかもしれませんけれども、その議論の中で整理をしていきたい、こういうふうに思っております。