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 議事録


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衆-厚生労働委員会


平成16年08月04日

[民主党年金改革法案について(答弁)]

○大野(功)委員 
一元化という理念をお持ちでございます。そこで、女性の問題ですが、一元化というのは、夫婦単位で考えるのと、それと個人単位で考える年金制度に区分けて言いますと、一元化というのはやはり個人単位の話になっていくんですね。それを、第三号被保険者の届け出についての特例という、夫婦単位で考えておられる、そこに理念の矛盾があるのではないでしょうか。

 もう一つの問題の、ポイント制というのは、これは政府案でも将来の問題だから、今回は廃止とか採用とか言っていないんだとおっしゃいますけれども、これもやはり理念の問題ですよ。いいことをやりましょうという問題。そういう思想とか態度の問題を放棄して、極めて実務的に、先の話だからというと、どうも、理念を優先するよりも実務を優先されているな、こんな感じでなりません。

 それでは、年金赤字の問題を質問したいんですが、一元化の問題について、トピックを変えさせていただきます。

 一元化というのは、もう言うまでもありません、実務面で極めて難しい問題があります。一元化をやっている国も世界じゅうではたくさんはありません。アメリカ、スウェーデン、カナダでございます。

 そこで、思想としては、一元化は多様化する人生あるいは公平という意味で大変わかりやすいということはあるかもしれません。だけれども、実務で非常に難しい。所得把握が難しいということはだれしもわかっていることでございます。

 そこでお伺いしますが、八百屋さんの所得をどうやって把握されますか。

○枝野
 自営業者の方の所得把握の問題については、さきの通常国会の中でも何度かお尋ねありまして、何度も御説明を申し上げております。確かにサラリーマンの皆さんの方が所得把握がより容易であるという客観的な事実はあると思います。しかしながら、いろいろな収入の形態によって所得の把握の仕方、あるいはそれによって把握のやりやすさというものに差があったとしても、しかし現実問題として、より公平な制度になるような努力をしながら、実際に所得把握を皆さんの政府もしていらっしゃるわけです。

 つまり、例えば、所得税という制度は、自営業者の方にもサラリーマンの方にも同じ税率で所得税をかけていらっしゃるのは今の自民党政府です。自営業者の方の所得把握ができないというのであるならば、所得税という制度をかけていること自体が矛盾をする。そのことにどうお答えになるのかお答えいただかないと今の質問には答えようがありません。

○大野(功)委員
 問題をそらされてしまっておりますが。

 要するに、自営業者の、あるいは第一号被保険者の数は全体で二千二百万人います、その中で七百万人しか国税庁で所得を把握していないんです。そういう意味で、それは調査をもっともっとやれば、あとの千五百万人の中から少し、七百万人の所得税徴収の対象になってくる人がいるかもしれません。これは所得把握が物すごく難しいからなんですよ。その所得把握をどうするんですかというのが私の質問なんです。

○枝野
 我々は、より公平に所得把握をするために、納税者番号制度の導入というのを我が党の対案の中に組み込んでおります。そういうことをすることによって、現行の、今の政府が所得把握も十分にできていないのに所得税をかけているというむちゃくちゃなことを御自身でお認めになっていることよりも、ずうっと公平に、税についても年金の負担についても皆さんに負担をしていただく、政権交代をすればこういう制度になる、こういうことであります。

○大野(功)委員
 納税者番号を導入いたしますと八百屋さんの収入がわかるというような趣旨に理解いたしました。

 そういたしますと、奥様方が八百屋さんへ行きまして大根を一本買います。そうすると、八百屋さんは納税者番号のついた領収書を奥さんに渡す、そしてその奥様はその領収書を税務署へ送る、こういうことができますかね。とてもじゃないけれども、できませんよ。納税者番号制度の本来の目的というのは、これは特に金融資産所得を把握していく、こういうことであります。所得の把握という意味じゃ、これは今申し上げましたように大変難しい。

 もちろん、自営業者の中でも小規模の、例えばメーカーの方、仕入れ先が限定されている、販売先が限定されている、こういう方々の場合は、その仕入れ先あるいは販売先からそういう証明書をとることができますから、これはある程度いけると思います。さらに、今もう事実やっておりますけれども、例えば顧問料を各方面から、数社からもらっている、これはもう既に今でも把握しておりますけれども、そういう場合に、納税者番号制度を導入すれば簡単にできる。しかし、自営業者の中で、八百屋さんとか小売屋さん、これは本当に所得の把握は難しいわけであります。そのことを御指摘申し上げて、次に。

 一元化の問題というのは――さまざまなライフスタイルに応じた年金をつくっていく、これは私、大賛成なんですよ。これも個人的でございます。大賛成なんです。だけれども、実務的に難しい、こういう問題がある。

 そこで、一つだけ。一元化の道のりへ到達する一里塚の問題として、例えばパートタイマーの方々について、年金保険料をどうするか、こういう問題があるんですね。我々もパートタイマーの保険料問題は随分議論いたしました。だけれども、パートタイマーで働いていらっしゃる奥様方からは、我々がパートタイムで働いているのは、疲れて帰ってくる御主人さんに夕食の食卓にビール一本つけたいんだ、育ち盛りのかわいいお子さん方にやはりおかずを一品余分につけたいんだ、こういうお話を聞くと、もうちょっとこれは議論してやらなきゃいけないな、こういうことで、パートタイムの年金保険料の問題については、将来の検討すべき課題として我々の場合は残してあるわけでございます。

 パートタイムの問題、これもさまざまなライフスタイルに応じてどういうふうに年金を処理していくか、この重要な課題であります。このパートタイマーの年金保険料の問題についてはどういうふうにお考えでございますか。

○枝野
 まず、先ほどの納税者番号制度について、若干誤解をしておられるようですので申し上げておきたいと思います。

 私ども、納税者番号制度ですべての問題がクリアできて、一〇〇%、例えばサラリーマンの方と同じような所得把握ができるだなんということは申し上げておりません。ただ、例えば納税者番号制度、それをどの程度細かく適用するかという、その技術的な話は、それこそ三党協議の場で、一元化という前提で協議に入っていただけるなら、そこで詰めればいい話でありますし、それから、消費税についても、消費税をしっかりと把握するためにより制度改革が必要であると言われていますので、消費税とそれから所得把握のところを、特に売り上げの部分などについては技術的にはいろいろなやり方があるわけでありまして、そんな枝葉末節なところで一元化の話が前に進んでいけない――そもそもが、所得把握のやりやすさには差があるけれども、それでも所得税をちゃんとお願いしているじゃないかという、その根本的なところに全くお答えができていないというか主張ができていない、そのことをしっかりとお認めになるべきではないだろうか。所得把握ができないから年金の一元化ができないという御主張であるならば、所得税という制度をやめなければ自己矛盾であると繰り返し申し上げておきたいというふうに思っております。

 それから、パートタイマーの皆さんの年金の保険料の問題は、まさに政府案の欠陥のポイントであるというふうに思っています。つまり、今の制度では、パートやアルバイト、非典型雇用である場合には厚生年金に加入しなくてもいい。そして、そうした中で、保険料がどんどんどんどん毎年上がっていく。そして、特に現在のような経済状況の中ではさらにそれが加速をいたしますが、それは、雇用主、企業側からすれば、できるだけ社会保険料負担を少なくするために非典型雇用へとシフトをさせていく、こういうことがどんどん加速をしていく。

 もちろん、御本人の選択で非典型雇用を選択されている方もいらっしゃいます。ですから、非典型雇用がすべて悪くて正規雇用の方がいいと言うつもりはありません。しかしながら、余りにも雇用の形態が流動化をし過ぎて、不安定な非典型雇用に、本人の意図とは違って、そういう先しか雇用先がないというような状況が制度によって加速をされていくということは、ますます社会に対する不安、将来に対する不安というものを加速させていって、そして経済にも悪い影響を与える。

 さらに言えば、政府の計算をしている国民年金や厚生年金の将来像というのは、現状の正規雇用、非典型雇用、無業者等の割合を基本的には前提としていますが、こういう形でパート、アルバイトならば上がり続けていく保険料負担から逃れられるという制度を織り込んでしまったら、そもそもその前提になっている正規雇用者、厚生年金加入者の率がどんどん下がっていく、少子化以上のスピードで下がっていく、こういうことになって、結局計算が成り立たなくなっていく、こういう矛盾を抱えているわけであります。

 したがって、私たちは、典型雇用であるのか、パート、アルバイトなどの非典型雇用であるのかということにかかわらず、いわゆる雇用労働者であるならば一元化された同じ年金制度に入って二分の一は雇い主の方に負担をしていただく、こういう制度の中に入っていただいて、パートで雇おうが正規社員で雇おうが同じ人件費を負担しているならば同じ社会保険料負担になるという形にする、ただし、そのかわり、政府案のように、社会保険料負担をどんどん上げていくことで個人の保険料負担も大変だけれども企業の側の保険料負担も上がっていく、こういうことにはならないようにしていく、こういうことを我々は対案として示しているわけであります。  その上でも、もちろん、いわゆる課税最低限をどの辺に置くかというような議論と同じように、そうはいっても、例えば一回限りのアルバイトに一々、今の厚生年金と同じような形で、企業、雇い主負担二分の一で全部一元化された年金制度の雇用主負担をかけるのかどうか、こういう話はもちろん出てくると思います。しかし、まさにそれこそ技術的な問題であって、そこは政治的に、まさに我々が申し上げているとおり、一元化に向けて自民党の中の議論の整理がまとまりましたら今のような技術的な話は十分協議をさせていただきたいので、一刻も早く三党協議に入れるように、自民党の中の一元化に向けた議論を整理していただきたいというふうに思っております。