http://www.edano.gr.jp
衆議院議員枝野幸男の公式政策発信サイト
こちらからは、アーカイブページになります

 議事録


>>[議事録INDEXへ]




衆-厚生労働委員会


平成16年04月23日

民主党の年金改革案に対する答弁
※民主党の年金改革案正式名称:高齢期等において国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するための公的年金制度の抜本的改革を推進する法律案

○宮澤委員
たしか先週の水曜日、古川先生は大変自信を持って、未納、未加入という問題は私どもの中では起こらないというふうに考えております、こう断言をされた。一方で枝野先生は、おとといの原田委員の質問に対して、残念ながら違反をする人はゼロにはなりません、そうした人たちには税で補われる最低保障年金についてペナルティーを科すということになるのは当然のことだと思っていますというような発言をされている。

 お互い矛盾していると思うんですが、未納問題というのは起こるんですか、起きないんですか。

○枝野
 本来であれば、現行制度でも未納、未加入という問題は生じるはずがない話なんでありますが、国民の信頼を失っていて大変大きな未納、未加入を生んでいる、その実態をどう改善するのかという政府側からの具体的な提案がない中での御質問だということを、まず前提としてお答えをさせていただきたいと思います。

 何度も申し上げておりますとおり、私どもの案では、所得に応じて保険料を納める、しかも、社会保険庁と国税庁を一体化して歳入庁という形にして、所得税と一体化をした形で保険料を納めていただくという形になります。

 したがいまして、現在のように、特に国民年金の場合は独立して税などとは別に保険料を納めていただくという制度とは異なりまして、保険料を納入しないということは自動的に脱税になるというような仕組みになっていくわけでありますね。今でも、厚生年金などの方には、事実上ほとんど未納、未加入という問題は生じません。それは源泉徴収をする税の話などと一体となって徴収をしているから事実上生じていないという話と同じように従来の国民年金の部分のところもなるという意味で、制度的に、現在のような未納、未加入という問題は生じないということを古川提案者は申し上げている。

 ただ、その上で、現在でも、税を納めない、税について未納の人は本来生じない制度ではありますけれども、しかし、現実には、そうした法の抜け穴を通ろうとして脱税をするという方がいらっしゃるのと同じような意味では、そういう部分が残念ながら若干残るということは、あらゆる制度、どんな制度をつくったとしてもあり得るわけであります。そうした方に対しては当然、脱税とセットになりますので、脱税ということで、これは刑事法的なペナルティーが科せられますし、同時に、脱税については追徴という制度もあります。

 同じような意味で、税と一体化して納めていただく部分について、それを逃れた場合については、刑事罰まで科すかどうかは別問題として、保険料の部分のところの追納、あるいは最低保障年金の計算――ただ、実際に脱税までして保険料を逃れようという方の場合は、最低保障年金が云々ということよりも、むしろ保険料納付の額の大きい方ということが想定されますので、むしろ、ペナルティーを科して保険料をたくさん納めていただくというような形の方が合理的ではないか。

 この辺のところは最終的な細則の決め方のところで決めていけばいい、こういうふうに思っています。

<省略>

○宮澤委員
 したがって、未納という問題は新制度でも必ず起こる話だろうと思います。

 滞納というのも、これは、実はけしからぬ人ばかりじゃないわけです。昨年度所得があったんだけれども、それがもう払うときになくなっているという人が結構いらっしゃる。大変な思いをする。一方で、滞納処分、これは時効がないんです。ずうっとやっていて、ただしどうしても取れないというものは、滞納処分の停止というのをかけて、これが例えば十四年度で七百六十億円ある。こういう状況があって、やはり未納がないという制度ではない。

 したがって、これらの人については、最低保障年金をどうされるんですか。

○枝野
 まず、今の滞納という実態は、今委員御質問の中でお認めになられましたとおり、本人が意図して払わないというような滞納は、これは要するに税逃れにほかならないわけですから、これは別においておいていいんだろうと思います。

 もう一つ問題なところは、確かに、今おっしゃられたとおり、所得のあった年とそれから実際に納める時点との間にタイムラグがあるために、実際には納めるべき義務があったにもかかわらず納める能力を失った。これは、年金の問題に限らず、そうした実態について、課税をどうするのか、あるいは負担をどうするのかということについて、税の本質問題として解決しなければならない。

 例えば、私ども、破産法などの議論も別のところで進んでおりますけれども、実際には、破産債権で、税の債権が非常に優先されて、労働債権などより優先されて徴収されている。実際にはもう破産状態ですから納税能力を持っていないにもかかわらず、そこにも税がかかってしまうということで、社会的な大変な問題を今まで起こしてきているわけですね。

 そういったところの部分でこのタイムラグによる未納の問題というのは解決をするべき問題であって、そこの部分を解決すれば、ペナルティーを科すべきではないかというような議論での未納問題は生じない。そこの税制改革を政府・与党としてもしっかり急いでやっていただくべきじゃないかと思っております。

○宮澤委員
 後段の方は、御説明、よくわかりました。大変知識を持ってこの年金も検討されているということはよくわかりましたが、前段、けしからぬやつがいるという部分は、最低保障年金を出すんですか、出さないんですか。

○枝野
 それは、先回以来申し上げておりますとおり、納める能力があるにもかかわらず納めない、つまり、そのときには税も納めていないわけですから、脱税になる。(宮澤委員「脱税じゃないです、滞納ですから」と呼ぶ)

 今、二つ委員はおっしゃっているわけですね。納める能力が途中でなくなってしまって未納になって滞納になっている方の話と、それから、納める能力があるにもかかわらず意図的に納めていないケース。

 意図的に納めていないケースということについては、当然脱税によるペナルティーも科せられますし、それから、その場合には最低保障年金の部分のところについて、それに応じた一定のペナルティーを科すのは当然だと思います。

<省略>

○桝屋委員
 いろいろ委員の皆さんからやゆされておりますが、私がきょう申し上げたかったのは、民主党の皆さんがいろいろな方に、各閣僚に年金の納付状況、江角問題もあったんでしょう、明らかにしろとおっしゃっていますが、きょう私がこの場に出せなかったように、やはりすぐれて個人のプライバシーの問題でありますから、やはり個人の判断でここは示す、個人の判断が大事だと。内容を見ていただければわかるんですが、なかなかに個人のプライバシーにかかわる問題があるということもあわせて申し上げておきたいと思います。

 したがって、個人の判断でおやりになるべきで、組織の一員が全部資料を出せというようなこともいかがかな、こう思っているんです。そんなことも野党の皆さんに御理解をいただきながら、やはり一人一人が私は明らかにすることなんだろうと。

 先ほど申し上げた社会保険の業務についてはぜひ改善をしていただいて、できれば、これから、携帯でぴっとやれば自分の納付の状況あたりがすぐわかるような、やはりそういう時代をぜひ望みたいなと。何かありますか。どうぞ。

○枝野
 さすが桝屋先生、ぜひ我が党案を読んでいただきますと、今のようなことができるように、法案の中にきちっと書き込まれておりますのは、政府案ではなくて私ども民主党案であるということをぜひ御理解をいただいて、御賛同いただければというふうに思います。

 それから、先ほど来先生御指摘のとおり、確かに子供とかあるいは御両親とか、まあ配偶者についてはいろいろ御議論はあるかもしれませんけれども、そういった方のところまで年金納付状況を報告しろということであれば、これは確かにプライバシーの問題があるだろうというふうに思います。私も、自分の配偶者に出せと言ったときに、うんと言ってもらえるかどうか、正直言って自信はございません。

 しかし、私ども、少なくとも国会議員になって以降の年金納付ということについては、国民の皆さんに法律をつくって納付をお願いしている立場でありますから、少なくとも本人の国会議員になって以降の年金の納付状況というのは、この間もプライバシーをめぐっていろいろな仮処分等がございましたけれども、これはどう考えてもプライバシーの範囲には入らないというのは、賢明な先生でございますから、少しプライバシーに関する判例などを調べていただければはっきりしていることだというふうに思っております。

○桝屋委員
 野党案、民主党の皆さんの案も、それから政府案もあわせて、例えば今僕が申し上げた、こういうものですぐわかるという仕組みをつくるのはなかなかたやすいことではない、やはり相当努力をしなきゃならぬだろうと思います。

 その上で、枝野さんがそこまでおっしゃるので、私、一つは、菅代表のホームページでこういう表現がありました。少し前でありますから、もう変わっておられるかもしれません。

 今、我が国の二十代の国民年金に加入すべき人が五百四十万人、そのうち百三十三万人、四分の一が年金の掛金を払っておりません、私の息子二人もちょっと怪しいと思っているんです、彼らに払えと言えば、では四十年後に保証してくれるのか、こう言われますと、厚生大臣をやった私としては保証できると言い切れないところに問題がありますと。率直な御意見だなと私は思いました。

 ただ、私はいささか悲しい。私は、何も厚生副大臣を経験したからではありませんが、地域を回るときには必ず自営業者に、うちの両親のこともあるわけでありますから、年金入りましょうよ、障害年金も、もし今入っていなければ障害になったときにどうするんですか、今の年金制度は確かにいろいろ言われているけれども、こんなすばらしいところもあるんですよ、ぜひ入ったらどうでしょうかと。私は、手紙も書いたり、一生懸命努めているわけです。

 そういうときに、恐らく野党の皆さんが対案をつくられるということでおっしゃっているんだろうと思いますが、こういうふうにあえて言われているんだろうと思いますが、ただ、私の息子二人もちょっと怪しい、ここまでおっしゃるのであれば、私のようにみずから明らかにされた方がいいんじゃないか、ホームページで。老婆心ながら申し上げたい。

 特に、息子さんは僕はよく知っておりませんが、お一人はよく知っているんです。この前の衆議院の選挙で、菅源太郎さんは立派にお戦いになった。私、中国比例でありますから、中国五県はよく知っているわけでありますが、本当に、候補に出られて、これからもまたおやりになろうという方でありますから、それが怪しいと思うんですよねという言葉だけで終わったんじゃ、いいのかなと。機会を見つけて明らかにされる必要があるのではないか、私はこんなふうに思ったりするんです。これは老婆心でありますけれども。

 続きまして次のテーマに移りたいと思いますが――何かありますか。どうぞ。

○枝野
 先ほど申しましたとおり、桝屋先生の御指摘のように、家族等については、それぞれ公人の家族がどこまでプライバシーの範囲かということについては、桝屋先生御自身もおっしゃられましたし、過日の仮処分などをめぐる裁判でも大変争点になったところでございます。

 ただ、私申し上げましたとおり、少なくとも国会議員本人は法律を賛成であれ反対であれつくっている当事者でありますから、これは、国民の皆さんに義務を課す以上は、本人として納付の義務を果たすのは当然だろうということを申し上げましたので、少なくとも国会議員本人である我が党の菅直人代表は納めているということは党として調べさせていただいておりますが、桝屋先生も与党の一員でいらっしゃいますから、これはお互いに対等原則でやるべきだと思いますので、私どもは提案者全員すぐにでも、政府側と同じ時点で出せと言われればすぐお出ししますので、政府としての提案者、つまり全閣僚ぐらいは同時にお出しをいただくということを与党の一員としてお勧めいただきたいというふうに思います。



年金改革法案に対する質問

○枝野委員
 まず、事実関係のことを一点ずつ確認させていただきます。

 総務大臣と防衛庁長官は厚生年金の期間があったというふうにおっしゃられておりますが、国会議員になられて以降の厚生年金の期間が、麻生大臣についてはあるということを今具体的におっしゃられました。それから、防衛庁長官については、それが議員になって以降なのか、それ以前なのかわかりませんが、もし議員になって以降、厚生年金の期間があったとすれば、それはどういう立場で厚生年金に加入をされていたのか、お答えください。

○麻生国務大臣
 しばらくの間は麻生セメントの社長をしておったと思います。その間と、それ以後、麻生セメントの役員をしておった、役員、何かをしておったということだと思いますが、麻生セメントに所属をしておって、麻生セメントの厚生年金に払っておったと記憶します。

○石破国務大臣
 厚生年金に加入をしておりました昭和五十四年四月一日から五十八年二月一日までは、株式会社三井銀行の厚生年金に加入をしておったものでございます。その後、国民年金になりまして、その後また厚生年金に戻っております。五十八年十一月一日から昭和六十年の一月一日ということでございます。

 議員でおりましたときに、もちろん当たり前の話でございますが、厚生年金にあわせて入っておったということはございません。

 先ほど申し上げました、一つ訂正をお許しいただきたいのですが、納入をいたしました金額、十五万一千七百九十円というふうに申し上げましたが、二十五万一千七百九十円の間違いです。

○枝野委員
 麻生大臣、その麻生セメントでどういうお立場にあったのか、具体的にお答えをいただきたいんですけれども、もし今お出しになれないのでしたらば、次回月曜日の理事会までにお出しをいただけますか。

○麻生国務大臣
 役職の話ですか。(枝野委員「はい」と呼ぶ)簡単なことだと思いますが、役職はちょっと、正確を期するのでありますれば、月曜日に書類で提出いたします。

○枝野委員
 それでは本題をお伺いしたいと思います。

 先ほど来、お三方とも未納であったことについておわびをしておられますが、事の本質を御理解されていないのではないでしょうか。確かに人間ですから、特に過去まで振り返ったときに未納の期間があるという方は、現に四割の未納があるわけですから、それはあり得るかもしれません。しかし、お三方ともこの国民年金法の一部改正案、国民の皆さんに国民年金の保険料を引き上げる、負担をふやすという法案の閣議決定に署名をしておられるんです。その署名をされるに当たっては、自分がどういう立場であるのか、自分が義務を果たしているのか、そのことをしっかりと確認をして、認識をして、この値上げ法案に署名をするのが当然の責任ではないですか。

 未納自体ではなくて、閣僚としてこの法案に署名をしたことについての責任をどう考えておられるんですか。

○麻生国務大臣
 確認をすべきところであったと存じますけれども、自分としては、払っているつもり、六十歳になっておりますので、そのあれは少し違うかとは思いますけれども、当然、従来どおり手続がされておるものと思っておりましたので、私のミスであったと存じます。

○中川国務大臣
 閣僚であろうが、国会議員であろうが、社会人であろうが、国民年金を払っていなかったとすれば、これは大変なミスだということを先ほども申し上げているところであります。閣僚以前に、社会人として私はミスを犯していたということでございますから、閣僚としても当然おわびを申し上げているところでございます。

○石破国務大臣
 これは先ほど申し上げましたとおり、勘違いによるものでございまして、きちんと確認をしなかったということにつきましては、これは幾重にもおわびをすべきものだと考えております。これは、このまま年金が継続をされておるということの勘違いによるものでございまして、国民年金の保険料を払っておらないという認識はなかったものでございますが、その勘違いをいたしたこと自体が申しわけのないことで、確認をしなかったことはおわびをしなければいかぬと思っております。

○枝野委員
 まず、麻生大臣に伺いますけれども、麻生大臣は政務次官になったときにはちゃんとわかっていて、国民年金に切りかえていたとおっしゃっておりますよね。なぜ今度は、大臣になったときには、気づかずに手続を怠ったのか。まるで合理的な説明になっていませんね。どう釈明されるんですか。

○麻生国務大臣 
手続のミスだったと反省しております。

○枝野委員
 手続のミスという話で済む話だというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。

 この国会における、それは人によって判断は違うかもしれませんが、少なくとも、最重要法案の一つがこの年金改正である、それはさすがに閣僚である三人の方は御自覚あられたというふうに思います。そして、この年金制度改革の大きなポイントとして、国民年金の未納問題というのがあった。これも当然、政治家としてお三方には認識があったというふうに思います。その上で、女優さんの国民年金の未加入問題が大変世論を大きく騒がせました。私自身も、万が一にも自分で未納だなんてことなかったよねと念のため確認をいたしました。

 少なくとも、あの女優さんの未納問題があったときに、自分は大丈夫かという確認ぐらいするのは、国民の皆さんに保険料納付の値上げをお願いしている立場として当然の義務ではないですか。うっかりミスではなくて、政治家としての自覚の欠如ではないですか。

○麻生国務大臣
 自覚の欠如であったとは存じますけれども、今申し上げましたように、手続を怠ったというミスであって、払わないという意思があったというわけではないというように御理解いただければと存じます。

○枝野委員
 あとの二人も。

○中川国務大臣
 私も、払わないという意思があったわけではございませんが、時期のことは別にして、先週どうなっているんだと確認をしたところが、議員になって丸々払っていないということでございましたので、わかった時点でお支払いをしたわけでありますが、いずれにしても、私の認識のなさでございました。

○石破国務大臣
 恐縮です。万が一にもそのようなことはないというふうに信じ込んだところは、私の責任でございます。委員御指摘のように、女優さんの件があったときにまさかと思って調べてみるべきでございました。万が一にもそのようなことはない、毎月毎月振りかえが行われているというふうに私自身が安心しておった。その時期に調べるべきだったと御指摘をいただくとするならば、そのとおりでございます。

○枝野委員
 厚生労働大臣、国民年金の未徴収の問題が深刻だということで、厚生労働省は、社会保険庁は強制徴収を改めて最近やっているじゃないですか。それから、それこそ先ほどの女優さんの話じゃないけれども、保険料の、皆さんの納めた金を使って、納めましょうというキャンペーンを金をかけてやっているじゃないですか。金をかけてキャンペーンを張って、払いなさいと国民に向かって言いながら、自分たちの閣僚の仲間がこういうことになっている。厚生大臣、そんなこと許されると思っているんですか。

○坂口国務大臣
 未納問題につきまして、今厚生労働省として取り組んでおりますのは御指摘のとおりでございます。

 三人の大臣、長官からは、現在までの経緯についてそれぞれお話しになったところでございまして、お互いに気をつけていかなければならない問題だというふうに思っている次第でございます。

○枝野委員
 気をつけていかなきゃならない問題じゃなくて、厚生労働省、社会保険庁は、皆さんの保険料を使って、払ってくださいというキャンペーンを張っているんですよ。社会保険庁の公務員の皆さんが強制徴収の手続をとっているんですよ。強制徴収で差し押さえまでされている人がいるんでしょう。それとのバランスをどう考えるんですか、厚生大臣。

○坂口国務大臣
 まあしかし、過去の問題、それぞれの人の人生があって、そして払っていないという事実があります以上、それはさかのぼってお支払いをいただく以外にないわけでございますが、しかし、何年もさかのぼれるというわけではありません。二年という限定がついているわけでございますので、未納の皆さん方が反省をしていただいて、そして二年間さかのぼってお支払いをいただいているということでございますから、それぞれがこれは申しわけなかったというふうにおっしゃっているわけでありまして、今それ以上していただこうと思いましても、していただく道はないということでございます。

○枝野委員
 国民の皆さん、特に国民年金の皆さん、本当は払いたくないんだけどな、法律で決められているからしようがないんだよなと思っていらっしゃる、そういう皆さんが、皆さんのこの未納問題に対してどういうふうに受けとめられると思いますか、三人の大臣の皆さん。

○麻生国務大臣
 おっしゃるとおりだとは思いますけれども、残念ながら、そのときの認識として、今払っておると思っておったという手続上のミス、自覚の欠如だと存じます。まことに申しわけなく存じます。

○中川国務大臣
 確認の問題は別といたしましても、率直に申し上げて、こういう問題がなければ、私自身は、チェックをする機会がなければ、この状態が続いていたというのが私の率直な、まことに恥ずかしい話ではございますけれども、そういう認識でございました。申しわけないと思っています。

○石破国務大臣
 これは、常に確認をする、油断をしてはいけない、万が一にもそういうことがあってはいけないということで、きちんきちんと見なければいけないということを改めて認識をした次第でございます。それで、そういうふうに見ていかなければいけないのだなということを思っておりますし、それは、先ほど来麻生大臣もおっしゃっておられますが、自分は払わないというつもりも全くありませんし、毎月毎月落ちておったということを誤って判断をしておったということについて、私はもう既に責任があると思っております。月々、本当に見ていかねばならないというものだと思っております。

○枝野委員
 特に中川大臣、大変長い期間未納でございます。そして、中川大臣は、総資産約四千二百万円と資産公開されております。資産のある方で長期滞納の方には最後通告が行っているはずなんですけれども、受け取っていませんか。

○中川国務大臣
 率直に言って、私はそんな話は今初めて伺いました。

○枝野委員
 この問題は、時間がもったいないので、後で厚生省に、お三方の時間がなくなった後で聞きますけれども、お三方とも、最初に申しましたとおり、何か問題の意識を勘違いしておられるんじゃないか。皆さんが、納めていない、そのことをきちんと確認もしないで国民の皆さんに保険料の値上げという法案をお願いしている、このことを問うているんです。

 当然、人間ですからミスもあって、未納の期間があったりすることはあり得るでしょう。しかし、それは、国民の皆さんに値上げをお願いする以上は、例えば、過去について未納があった、これは私は反省しているとか、あらかじめあったりとか、せめて自分でチェックをして法案提出の時点で過去の払える分は払っておくとか、そういう対応が必要だったんじゃないですか。

 そもそも、お三方とも、これは内閣全体に対しての問題ですが、我々が、ちゃんと、大臣の皆さん、副大臣の皆さんが納めておられますかと資料要求をしたのは二週間前です。それから二週間全くお答えはなく、政府筋などは記者会見などでも、プライバシーの問題だというようなお答えが返ってきております。

 三人の大臣にお尋ねをします。国民の立場から見て、大臣であるお三方が過去納めていなかった、この事実はプライバシーとして保護されるべき問題だと思いますか。

○麻生国務大臣
 個人の話であることは間違いないと存じますので、私どもといたしましては、基本的には個々人できちんとして、内閣として対応すべき段階に来るまで個人の問題として伏せておられたというように理解をいたしております。

○中川国務大臣
 プライバシーの問題かどうか以前に、払っていなかった私の問題でございますから、私の責任であり、おわびを申し上げているところであります。

○石破国務大臣
 私の見解も中川大臣と同様であります。どういう問題だからということ以前に、理由はともあれ、お支払いをしていないということは事実でございますから、そのことにつきましては幾重もおわびをしておるわけでございます。

○枝野委員
 ちゃんと答えてください。国民の皆さんに隠せるならば隠したまま、黙ったまま、この法案を成立させた方がいいということですか。それとも、提案者としては、こういう問題があったのなら国民の皆さんにきちっとお伝えをする責任があるというふうにお考えになっているんですか。どっちですか。

○中川国務大臣
 私は、さっきも申し上げましたとおり、自分のミス、あるいはいわゆる善管注意義務、みずからのミスによりまして、こういうことがなければ、まことに申しわけないことながら、自分の国民年金を支払っているかどうかをチェックする機会がまだ先になっていたかもしれないというふうに思っているわけでありまして、私が払っていなかったのは私自身の責任でございますから、改めて、今できることを精いっぱいやったということでございます。

○石破国務大臣
 これは繰り返して申し上げて恐縮でございますが、自分は払っているという認識、したがいまして、これは、委員のお言葉をかりれば、そのまま隠してほおかむりして逃げようとか、そんな気があったわけでは全くございません。自分自身、これはもう毎月きちんと払っておって、これはお願いすべきものだという意識でございました。そこに勘違いがあったということを先ほど来何度もおわびをしておるわけでございます。

○枝野委員
 今のお二人の答弁を伺う限りでは、やはり法案提出の閣僚の皆さん、あるいはそれと一体になっている副大臣の皆さん、それぞれ皆さん、お三方のようなことがないようにきちっと調べて、間違いがあったら公表される責任があるというふうに思いますが、お三方ともそれでよろしいですね。

○麻生国務大臣
 間違いであった場合は、率直に開示すべきものだと存じます。

○中川国務大臣
 麻生大臣と同じでございます。

○石破国務大臣
 同様の見解であります。

○枝野委員
 ぜひ、本法案の主務大臣である厚生労働大臣、内閣の一員として、全閣僚、副大臣についてきちっと調べた上で、ほかに間違いがないかどうか、きょうの会見での御答弁も、むしろお三方はある意味正直だ、どうもあいまいな御答弁をされている方がたくさんいらっしゃいますので、全部きちんと調べて報告をしていただきたい。厚生労働大臣、いいですね。

○坂口国務大臣
 閣僚につきましては、そのように皆さんにお伝えをして、そういうふうにさせていただきたいと思います。

○枝野委員
 すぐに調べられますから、月曜日に出していただけますね、厚生労働大臣。

○坂口国務大臣
 きょうはもう金曜日でございますし、夜でございますから無理でございますので、月曜日には何とか提出できるようにしたいと思います。

○枝野委員
 三十分というお約束ですので、そろそろ時間がなくなってまいりましたが、改めて伺います。

 未納があったこと自体を私はけしからぬと言っているんではないんです。お三方とも、未納であったことをおわびしているし、確認を怠ったことについておわびをしています。確認を怠ったという感覚自体が、この法案の提出者として失格なんではないですか。

 国民の皆さんに保険料の値上げをお願いし、政府としては、皆さんも政府の一員ですから、政府としては、未納問題解決のために保険料も使い、強制徴収もしているという実態の中で、保険料値上げの法案を閣僚の一員として国会にお出しになるに当たって、こんな初歩的な確認も怠って国民の皆さんに値上げをお願いしている。そのことに対する政治責任は、単なる勘違いとかミスとかというレベルで通じるものだと思いますか。

 ますます国民の皆さんの年金不信を高める。そのことだけでも大臣をやめるに値する重い責任があるんじゃないですか。大臣をおやめになる気はありませんか。

○麻生国務大臣
 国民年金を、おのれのミスとはいえ、払っていなかったという事実が六十歳までの間約三年ありました点につきましては、私どもとして深くおわびを申し上げる次第であります。

 三十年払い続けておって、最後に、自分のミスとはいえ、この種のことで御迷惑をおかけすることになりましたことは大変申しわけなく存じますが、大臣をやめるかと言われれば、小泉総理に任命をされております立場を考えまして、私の方から大臣を辞任するつもりはございません。

○中川国務大臣
 冒頭申し上げましたように、当委員会あるいはまた国民の皆様、そして内閣に大変御迷惑をおかけしたことは、もう何回申し上げても足りるものではないと思っております。

 私は小泉総理に任命された閣僚でございますので、任免権は小泉総理の御判断だと思います。

○石破国務大臣
 未納だったことをおわびしているのではなくて、不注意であったことをおわびしているという御指摘であれば、それは、未納となった、結果的に未納となった理由は不注意であったことをおわびしておるのであって、もちろん、その前に、未納をおわびいたしておるわけでございます。

 閣僚の件につきましては、これは総理から任命をちょうだいいたしておりますので、私からとやかく申し上げることではございません。

 未納の問題につきましては、幾重にもおわびを申し上げる次第でございます。

○枝野委員
 年金については、この委員会でも、あるいは皆さんもお聞きになったと思います本会議などでも、国民の皆さんからの信頼が一番大事なわけです。国民の皆さんから信頼をされるためには、その制度を運用している、制度を組み立てている人たち自身が、その制度に乗っかってきちっと責任を果たしているということが前提になければ、国民の信頼なんか得られないじゃないですか。

 国民の信頼を回復して年金改革をしようと言っているときに、その言い出しっぺの方が自分の責任を怠っていたというようなことに対して、ただ、ごめんなさいという話だけで国民の皆さんが本当に納得をされるとお三方とも思っておられるのか、あるいは厚生労働大臣も思っておられるのか。

 ますます国民の皆さんは、大臣だって払ってなくて、そして、そのことについて指摘をされるまで気がつきませんでしただなんという言い逃れで済ませている、こういう実態を国民の皆さんが知ったら、ますます年金不信が高まって、年金の空洞化は拡大をする。これは、どう見ても間違いないんじゃないでしょうか。

 ぜひ、お三方には、年金に対する国民の皆さんの信頼を取り戻すためにも、速やかにみずからの政治責任をお果たしいただきたい。そのことを申し上げて、ぜひ、我々から法に基づいた手続をとる前におやめいただくことを期待して、お三方は結構でございます。

○衛藤委員長
 麻生総務大臣、中川経済産業大臣、石破防衛庁長官は退席していただいて結構でございます。

○枝野委員
 先ほど、中川大臣の最後通告があったのかなかったのか聞きましたけれども、厚生労働省、社会保険庁は、資産がある方で長期にわたって未納の方に対しては、最後通牒をした上で強制徴収を始めています。

 何で中川さんのところにやっていないんですか。資産が、総資産四千二百万円もあるんですよ。当然、支払い能力の資産のある方ですよ。そして、二十年、三十年、こんな長期にわたって未納、一種、悪質ですよね。どうして、ここにはそうした通告をし、催告をし、強制徴収をしていないんですか。おかしいじゃないですか。

○坂口国務大臣
 加入手続をしている人につきましては未納者として挙がってくるわけでありますが、中川大臣のときには、加入手続をしていなかったために、社会保険庁のリストには挙がってこなかったということでございます。

○枝野委員
 そういう制度のまま保険料を値上げしていいんですか。

○坂口国務大臣
 ですから、今回もすべての皆さん方に加入をしていただくようにしているわけでございまして、最近は、学生の皆さん方につきましても、卒業していただきましたらすぐにそれは加入手続をしていただくようにしているわけでありまして、加入手続をしていただいておりますが、未納者の皆さん方は出ているということは現実でございます。

 しかし、加入手続をしていただくということに今鋭意すべて切りかえているわけでありまして、過去の問題と現在の問題とございますけれども、これからはすべての方に加入をしていただくということにしていかなければいけないというふうに思っております。

○枝野委員
 今までだって国民皆年金じゃなかったんですか。すべての人に、厚生年金、共済年金以外の方には加入をしていただくという制度だったんじゃないんですか。そして、今までも加入をしてくださいと、保険料を使ってキャンペーンを張ってきたんじゃないですか。それなのに、足元で未加入の方がいらっしゃったんですよ。全く制度として成り立ってないということじゃないですか。

○坂口国務大臣
 現在はいわゆる年金番号制度を導入いたしておりますので、現在はすべての人に加入をしていただくようになっている。加入していただかない人はすぐにわかりますから、催促を申し上げるというふうにいたしているわけでありまして、全員の皆さん方に加入していただくような手続を今しているところでございます。

○枝野委員
 だって、中川さんには全然催促してないじゃないですか、加入してくださいと。だから、未加入だったと言っているんでしょう。加入をしていれば督促手続があったかもしれないけれども、未加入の人に全然督促してないじゃないですか、入ってくださいと。今の答弁、全然成り立ってないですよ。

○坂口国務大臣
 番号制度ができましてから後の人とその以前の人と違うわけでありまして、番号制度ができました後の人はすべて皆さん方に加入をお願いするということができるわけでございますが、それ以前の皆さん方の場合には、しかも、なお加入していただかなかった人に対しましては、その番号そのものがついていないということでございまして、そうしたことも、しかし、それでいいのかと言われますと、それはいけないわけで、改善をしていかなきゃいけないと思っております。

○枝野委員
 どこかこの法律に改善策が書いてありますか。そして、督促されても、加入をしている人が未納だったら督促手続があるかもしれないけれども、幾ら言われても加入したくないという人に、これは督促手続とれるんですか、差し押さえできるんですか。どうですか。

○坂口国務大臣
 ですから、番号制ができましてから後の人は皆、加入をしていただくように番号をつけております。ですから、その前の皆さん方につきましては番号はついていないものでございますから、その皆さん方に対しても、加入してくださいということを今お勧めしているわけでございまして、したがって、国民全部に番号がついているわけではないということでございまして、その以前のついていない人たちにも、現在は加入してくださいということをお願いしているところでございます。

○枝野委員

 だから、お勧めしているけれども、実際、あなたの足元のお仲間が、閣僚が、全然そんなこと知らなかったと言っているんですよ。全然、言っていることとやっていることが違うじゃないですか。それに対して何か手を打っているんですか、今度の法案で。何もないじゃないですか。

 結局、中川さんのように、自分では払っているつもりだったんだ、払っていなかったという人がこれからも出てくるんじゃないですか。あるいは、加入しろという催促を幾らしたって、加入するの嫌だという人には差し押さえできないんでしょう、今の制度で。そうしたら、空洞化はどんどん進みますよね。まして、大臣まで納めてなかったんじゃ、おれもいいやという人が残念ながら出てくるんじゃないですか。どうですか。

○坂口国務大臣
 ですから、今まで加入をしていなかった人たちに対しましては、これは広報でお入りくださいということを呼びかける以外にないわけでございまして、それは現在そういうふうに一生懸命にやっているわけであります。しかし、最近の皆さん方には、したがって、すべて加入をしていただいている、こういうことでございます。

○枝野委員
 本当ですか。最近の人は本当にみんな加入していますか。未加入、いませんか、若い世代に。

○森副大臣
 現在は、二十になった人に対しては職権でもって加入を勧めるような制度になっていますから、昔入っていない人は、これはちょっと、実はブラックボックスみたいになっちゃうんですけれども、これから二十になる人には全部直接呼びかけることができるということで、また、確かに、先ほどの中川さんのケースですと、とにかく一般的な広報でもって対処するしかないというのが実情でございまして、それについても、また今後、いろいろな手だてを工夫してみたいと思います。

○枝野委員
 直接呼びかけても嫌だと言っている人はどうなっているんですか。

○森副大臣
 ですから、今では、二十の人に対しては職権的に加入を適用できるということでございます。  ちなみに、平成七年、十年、十三年で見ますと、未加入者は百五十八万から九十九万、そして六十三万というふうに大幅に減ってきております。

○枝野委員
 だったら、ほかの人も、上の人たちも強制手続すればいいじゃないですか。何で、二十の人には強制加入手続とれるのに、職権でできるのに、上の人にはできないんですか。(発言する者あり)

○衛藤委員長
 ちょっとお静かに。

○森副大臣
 本人と接触いたしまして、一号であるということが確認できましたら、職権で適用できます。

○枝野委員
 だったら、何で、中川さんとかそういう方は、三人もこんな話が出てきているんですか。

 まず、この法案を国会に出すに当たって、提案者である閣僚の皆さん、ちゃんと払っているのか、払っていないのか、厚生労働省と社会保険庁でチェックして、あんた、入っていないんだから、入らないとまずいよ、国民の皆さんに保険料の負担をお願いするんだから、それぐらいのことをできなかったこと自体が、今の制度はおかしいんですよ。

 この問題自体、まだまだ聞かなきゃならないことがありますので、あと一時間はこのことで質問させていただきたいので、そのことを留保した上で、ほかにも大事なことがありますから、聞かせていただきます。

 選択エージェンシーの疑惑問題。選択エージェンシーの汚職事件は大変深刻な話でありますけれども、この選択エージェンシーに書籍をつくらせて、そしてそれを保険料で購入している。つまり、保険料が選択エージェンシーに渡っている。その渡された保険料の中から、厚生労働省、社会保険庁のお役人が監修料と称してお金をもらっている。この額が大変多額に上っていますが、これが社会保険庁にプールをされて、裏金になっていた。こういう疑惑が挙がっていますが、資料はたくさん出していただきました。社会保険庁のお役人が、選択エージェンシーから監修料と称する話で幾ら受け取っていたか。むちゃくちゃな話がありますよ、一つの監修で一人で六百万だなんていう話もありますよ。

 社会保険庁で、年金の周知徹底のために金を出してやっている事業に、社会保険庁のお役人が監修をして、金を受け取っている。このこと自体おかしいんですが、その金が役所の事実上の裏金になっている。違いますか。

○坂口国務大臣
 御指摘をいただきましたように、社会保険庁というふうに言っていただきましたけれども、社会保険庁だけではなくて、厚生労働省の職員も含まれておりますが、選択エージェンシーから報酬を受けて、書籍等の監修等の作業に当たっておりまして、このことの事実につきましては、現在、さらに調査を続けているところでございます。現在までのところわかりました分だけにつきまして御報告を申し上げたということでございます。
 これは大変な問題だと私も認識をいたしておりまして、監修ということについて、一般的な書籍と申しますか、国が関与しない本についての監修を、個人的に、しかも夜間等でやられるというのは、それは私はそういうことはあり得るんだろうというふうには思いますけれども、しかし、国が出しております手数料なり、あるいはまた一部でありましても国が出しておりますものについて監修をするということは決して許されることではない、そういうふうに私も認識をいたしております。

○枝野委員
 その金を組織的にプールして、職員の飲食代や交通代などとして流用され、部署として代々引き継がれていたということが指摘をされているんですよ。こんなこと、調べなくたってすぐわかりますよ、当事者は。こういう事実、あったんでしょう。

○坂口国務大臣
 そうした監修をした人たちは、自分の所得として税務署にもそれは届け出をいたしているわけであります。その後、それをどういうふうにみんなで使っていたか、あるいはまたその人が使っていたかということについて、まだそこまで詳細にわかっておりませんので、現在、そうしたことも含めて調査を進めているところでございます。

○枝野委員
 個人の所得になっていたとしても、今大臣がお認めになったとおり、先ほどお認めになったとおり、役所でつくっている本を監修して、役所の人が金をもらっているということ自体が問題なんですが、まさに部署でプールをして裏金として使っていたというと、組織ぐるみでこのことをやっていた、裏金づくりをして皆さんの保険料を食い物にしていたという話ですよ。まさに構造問題ですよ。個々人の問題じゃないですよ。そんなことは調べる以前の問題で、当事者が一番よくわかっているんですよ。答えられないんですね。

○坂口国務大臣
 私しか答弁ができないことになっておるようでございますから、私が御答弁申し上げる以外にございませんけれども、いわゆる課長以上の人たちはそういうことではなかったということは事実でございます。  ただ、いわゆる係長以下の皆さん方の中にそういう監修をしていた方があることだけはもう事実でございまして、皆さん方のところにも一部はそれは御報告を申し上げたとおりでございます。そのお金が、その人が個人が使っていたのか、あるいはそれを他の人にも利用させていたのかということについてまで、今私も確認ができておりませんから、これは今後確認をさせていただきたいと思います。

○枝野委員
 これも厚生省の内部の話ですから、月曜日には御報告をいただきたいということを申し上げておきます。  それから、内閣府に来ていただいていますが、内閣府は経済成長率や物価上昇率、賃金上昇率など見通しを立てていますが、いつの分まで立てていますか。

○西川大臣政務官
 私の方は、「構造改革と経済財政の中期展望」二〇〇三年度の改定版で、五年間、見通して立てております。

○枝野委員
 内閣府と言うとわかりにくいわけですが、旧経済企画庁ですよね。なんで五年間しか見通しを立てていないんですか。

○西川大臣政務官
 長期にわたりますと変動する要因がたくさんありまして、なかなか見通しが立てにくい、こういうことでありまして、中期的な分五年間、これにつきまして立てている、こういうことであります。

○枝野委員
 厚生労働省は、この年金の計算、財政計算を、五十年、百年先までやっているんですか。その数字は、専門家である旧経済企画庁ですら今のような答弁になっているのに、どういう根拠に基づいて、どういう研究に基づいて、どういう根拠でお出しになってきているんですか。

○竹本大臣政務官
 内閣府の方でやっておられます中期モデルというもの、これは五年間ぐらいを見通しておるわけでございますけれども、経済の変動その他社会動向というのは急激に変わる可能性もあるので、せいぜい五年ぐらいということでありますが、我々の担当しております年金問題というのは、保険料を納める二十歳から寿命を終えるまで、人によって八十年を超える超長期の保険でございます。

 したがって、将来の変化が不確実であるとしても、一定の前提を置きまして、人の人生に相当する期間を射程に置いて財政均衡を図ることは、将来に対する責任ある備えをするという意味で必要なことだ、そのように思っておるわけでございます。このため、年金財政の見通しに当たりましては、中期モデルのような詳細にわたる緻密なモデルではなくて、長期的なトレンドをもとに長期の財政均衡を図り、それを定期的に検証する、つまり五年ごとに検証をするということで財政の長期安定を図ることにしておるわけでございます。

 具体的には、「改革と展望」、これは政府の参考試算でございますけれども、これの期間が二〇〇八年まででございますから、その以降、二〇〇九年以降につきましては、年金資金運用分科会で議論いただいておりまして、マクロ経済に関する基本的な議論の上に立ってこういった試算を行っておるところでございます。

 大きい人生のスパンを考える意味で、どのようなお金の手配をしておくことが必要かという大きい視点からやっておるという意味で、内閣府で使っておられるような五年ごとの緻密なものではない、大きいトレンドを見るものであるということでございます。

○枝野委員
 緻密じゃない。緻密にやっている内閣府の計算も、残念ながら当たらないんですよね。緻密じゃない話、どうしてこれが当てになるんですか。実際に過去も、五年ごとの財政再計算、全部見通しが外れて来ていますね。そして、緻密じゃないとみずから認めているわけですね。

 全く当てにならない数字、それに基づいて、財政のつじつまが合いますと言っているだけの話にすぎないということを今の御答弁でお認めになったと言わざるを得ない。まさに、数字を出していること自体が、こんな仮定に基づいた数字では意味がないということを申し上げておきたい。

 さらに、なぜ意味がないのか、具体的なことを申し上げましょう。

 経済産業省も来ていただいています。先ほど大臣がいたからそこでも聞きたかったんですが、経済産業省は、中川大臣が昨年の十月三日、経済財政諮問会議に「年金制度改革の経済・産業への影響」というのを出しました。そこには、一九九八年、経済産業研究所の実証データの研究として、年金保険料を二〇%とすれば、失業率が最大一・三%上昇し、百万人の雇用が削減されるおそれがあるということをおっしゃっております。間違いありませんね。

○泉副大臣
 経済財政諮問会議において、中川経済産業大臣がそのような発言をしたことは事実であります。

○枝野委員
 年金の保険料は、政府案では、二〇%にならずに一八・三%になりました。一八・三%の場合、この経済産業研究所の数字に基づいて計算をすれば、失業率が約一%上昇し、七十五万人の雇用が削減されるおそれが出てくるということになります。我々は、保険料を値上げすれば、企業側が、その保険料負担の重みに耐えかねて、雇用を厚生年金の加入義務のない非典型労働へ大きく移すだろうということを指摘してきていますが、まさにそうしたことが、政府の内部の発言、検証からも出てきているわけであります。

 今回の年金計算にこういう数字を入れ込んでいますか、厚生労働大臣。

○竹本大臣政務官
 経済産業省の方の研究というのは、九〇年から九三年の実証データをもとに、賃金水準が低下すればリストラがどの程度緩和されるかについての研究でございます。したがって、賃金水準の一%の抑制によって、雇用調整の量は〇・二一%小さくなるという結果を導き出したものと理解しております。

 この研究は、九〇年から九三年という特定の四年間の経済状況を前提といたしまして、賃金水準の調整と雇用の調整の関係を調べたものであり、中長期的に経済が発展する中で、保険料の引き上げが雇用にどのような影響を及ぼすかというところまで織り込んだ分析ではないと考えております。

 今回の改正案におきます厚生年金の保険料水準の引き上げは、二〇一七年までかけて順次引き上げていくものであります。その間、日本の経済社会は九〇年代前半の状況にとどまっているわけではないので、保険料の引き上げにつきましては、生産性の上昇などの経済の変化の中で、その影響をとらえるべきものであると我々は考えております。こういったことから、御指摘の研究の結果を年金の財政計算に織り込むことは行ってはおりません。

 それから、政府の「改革と展望」二〇〇三年度改定の参考試算におきましても、年金保険料の引き上げを含めまして、いろいろの構造改革について一定の仮定を置いて計算した結果、二十年までの間、失業率が上昇したり経済がマイナス成長となるような見通しとはなっておりません。

○枝野委員
 だから、その見通しが本当にいいんですかという話で、これは経済財政諮問会議に出しているんですよ、雇用に影響があると、実際に。政府の閣内不一致じゃないですか。

 さらに言いましょう、時間がないから。

 日本経団連が二〇〇三年十一月十八日発表した調査結果によれば、保険料が二〇%に上がった場合、七八%の企業が労働形態の転換を勘案すると答えています。日本商工会議所の二〇〇三年十月七日発表の調査でも、五三%が賃金調整を検討する、五二%が厚生年金の適用を受けない形態への転換を検討するとしています。

 きのうの参考人質疑でも、日本経団連は、企業が耐えられる保険料は一五%が限界と強調をしています。

 政府案ではこうした雇用への悪影響を及ぼすのは、当事者の皆さんが認めておられるじゃないですか。大臣、答えてください。こんなのでいいんですか。

○竹本大臣政務官
 お説どおり、保険料の引き上げによって企業や個人の負担はもちろん大きくなるわけでございますけれども、企業にとりましても、年金等の保険料負担をすることによって老後の不安を解消いたします、そのことによってやる気を起こさせるという意味で、生産効率が上がるというふうに私たちは考えておるわけであります。

 そういうことで、戦後、厚生年金保険料は一貫して引き上げられてきたわけですけれども、これによりまして雇用にマイナスの影響が出てきたということは見られておりません。年金の保険料は、時間をかけて徐々に引き上げられるものでありますから、社会構造の変化に応じて、発展する経済の中で、ほどのよさを見ながら引き上げていく、そういう意味で、悪い影響は出ないというふうに考えております。

 年金改革に関する有識者調査というのをやっておりますが、この結果でも、給付と負担の関係を……(発言する者あり)

○衛藤委員長
 御静粛に願います。

○竹本大臣政務官
 説明した上で、保険料水準の限界について、経済界の分野の方の、こういうことなんでございますが、約六割が年収の二〇%まで負担もオーケーと回答しておられますし、一定の前提を置いて考えますと、保険料の引き上げによって人件費全体に与える影響は年率〇・〇九%と、決して大きいものではないというふうに我々は考えております。

 そして、そうはいうものの、経済は動くものですから、五年に一度、財政状況の見直しをしておる、こういうことでございます。(発言する者あり)

○衛藤委員長
 御静粛に願います。

○枝野委員
 きのうの参考人質疑は何のためにやったんですか。日本経団連の代表と連合の代表と、つまり被用者と雇用者の両方の代表が、一五%までしか耐えられないと。当事者が、この国会にわざわざお呼びをして、お答えになっているんですよ。それに対して、それは違うと言うんだったら、ちゃんと実証的な答えを出してくださいよ。

○坂口国務大臣
 枝野議員はもうよく御存じのことでございますけれども、これから年金の負担が、それが保険料であるか、あるいは税であるかは別にしまして、多くなっていくことだけは紛れのない事実でございます。

 保険料で上げますときには、先ほどから御議論がありますように、保険料は保険料としての影響というのを私たちも否定するわけではありませんで、それはそれなりに起こり得るというふうに思っております。しかし、それを税に変えれば何も起こらないのかといえば、これは、税は税としてまたその影響が出るわけでございます。

 例えば、消費税を導入いたしますときにも大変大きな問題になりましたけれども、消費税を導入する、消費税を上げることによる経済的な影響というのも大きいわけでございまして、それによって企業がどういう影響を受けるか、そうしたこともバランスにかけてこれは考えていかなければならない問題だというふうに思っております。(発言する者あり)

○衛藤委員長
 御静粛に願います。

○枝野委員
 それで、財務省に来ていただいています。

 我が国では過去に、消費税二回、ゼロから三へ、三から五へと上げています。消費税を上げた場合に、どれぐらい経済にマイナスの効果が出たんでしょうか。あるいは、財務省として、消費税を上げると経済にどういうマイナス効果が出るというふうに認識をされているんでしょうか。

○山本副大臣
 消費税率を上げた場合に、景気、雇用にどの程度の影響があるかにつきましては、具体的に、いつ、どのような形で税率を引き上げるのか、また、その時点におけるさまざまな経済活動の状況がどのようになっているかなどによって大変異なることでございます。これらの点が明らかでない中、仮定での御質問にお答えするということは大変困難であることを御理解いただきたいと思います。

○枝野委員
 まさに今のところ、つまり、保険料を上げた場合の雇用や経済に対する影響と消費税の場合の影響と、私が把握をしている経済の分析に基づけば、消費税の場合は、消費税が上がる前の駆け込み需要と上がった後の落ち込みとをならすと、基本的には、消費動向などには中期的には大きな影響を与えないというのが一般的な見方であるというふうに思っておりますので、その辺の議論をいよいよ煮詰めていきたいと思いますので、来週も時間をかけてしっかりと議論をしたいというふうに思います。

 以上です。

○衛藤委員長
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後八時十五分散会