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 議事録


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衆-厚生労働委員会
民主党年金改革法案について(答弁)


平成16年04月21日

○福井委員
 たった二回お答えしていただいただけで、もう三十分くらいたってしまいまして。途中、三兆円、四兆円という数字が今五十嵐先生から出てきましたけれども、それ以外はすべて情緒的なお答えをいただきました。

 我々の方は、あるいは政府の方も、制度設計ですから、感度分析もしなければなりません。それもしていると思いますし、何よりも、そこまでぎりぎりの経済成長それから出生率も前提にしても百年間持続可能だというので、それに達するために、もうそこまで負担を上げてそこまで給付を下げるかという、本当に奥歯が折れるような我慢を国民にしていただくという提案すらしているわけでございます。ですから、制度設計というのは、特に年金の方は、数字が何よりも大事ということなんじゃないかというふうに思っています。

 ちょっと委員長にお許しをいただいて、これは先週から我が党で使わせていただいている、宮澤理事作成の民主党案でないかと思われる説明図でございますが、今五十嵐先生おっしゃったのは、最低保障年金に一〇〇%充てるのではなくて、消費税は、これを上回る場合は積み立てるというふうにおっしゃったんでしょうか。それから、最低保障年金の額がその三%消費税を下回った場合は税率を下げるというふうにおっしゃったんでしょうか。何かその辺が、先ほどの御答弁の中でそういうふうに聞こえたものですから。ちょっと、目的税の税収と最低保障年金の支出との関係を、ごく簡単に御説明いただけますでしょうか。

○枝野議員
 私どもの案では、新制度が成熟した後は別として、旧制度、現行制度の過去債務をこれからお支払いし続けるわけですね。今受け取っている方、これから、今二十歳になっている人も一部分は旧制度で受け取るわけですから。その部分の、財源が足りない部分にまずは消費税が実は充てられる。皆さんが保険料は値上げで賄おうとしている部分を、我々は消費税三%で賄おうとしている。そして、その過去債務が減っていくにつれて新制度に基づく給付がふえていく。したがって、その消費税は、今度は新たに新制度の最低保障年金の財源になっていく、こういうことを御説明させていただいているわけであります。

 そして、先ほど来、数字の話が繰り返し出てきていますが、我々も計算をさせていただいています。計算の前提になっているのは政府の出してきている数字です。

 そして、我々は、給付の総額はほぼ政府案と同じ水準を維持しよう、したがって、それがほかの財源でどう置きかえられるのかということで、消費税三%。二〇〇七年から積み立てていきますから、それを計画的に早期に切り崩すことによってほぼ同じ金額の支出の財源は賄えるという計算はきちっとした上で、消費税三%。

 それから、モデル世帯で給付水準五〇%程度ということを申し上げておりますが、そもそもこの政府案の数字そのものを我々は信用していません。今ぎりぎりということでおっしゃいましたが、政府案の数字は、例えばGDPが毎年一・七%ずつ上がっていくという計算をしているわけですね。戦後の過去のGDPの数字をごらんいただければすぐわかる話ですが、人口増加率とGDPの上昇率というのはほぼ横並びで来ています。つまり、人口増加率が高いときはGDPの成長率も高い。これが落ちてくるに従って実はGDPの成長率もずっと下がってきて、ゼロとかマイナスになってくる。したがって、こういった過去の経験則からいくと、これから人口が減っていく社会においては、むしろここをマイナスで計算するとか、せめてゼロで計算をしなければぎりぎりの計算とはなっていない。

 しかし、ここをプラス一・七などという、可能性の中では一番高い数字で計算をしているという数字しか今我々前提にできませんから、それを前提にして、成り立つということを申し上げているわけですが、これが成り立たないということでは、政府案も成り立たないということになってしまう、こういう話であります。

 我々は、そこは、こういう無理のある数字でやるのはおかしい、したがって、きちっと前提となる数字についての議論はもう一回しなきゃいけないでしょう、そして、もともとの枠組みとして、どちらがしっかりと長期にわたって成り立つのか、それは今五十嵐議員から御説明したとおりであります。

 以上です。

○福井委員
 私も技術系でありますので、設計とかあるいは物をつくることに携わっておりましたし、役所におりますときも、制度を設計するということにも携わらせていただきましたが、すべてギブンじゃないんですよね。与件ではなくて、前提としたものを本当に実現するためにどうすればいいかというのも、そういう関数もあるわけですから、それをどう振り分けるか。天から降ってくるような与件をどれとどれにして、もう歯を食いしばってもこれは実現するんだという要素をどれにするかということが制度設計の根本のスタートではないかと思います。

 だから、その辺も民主党案と政府案との違いがあるということだと思いますので。まあ、よくわからないということはよくわかりましたが。

 だから、日本全体の制度設計を一番国民にわかっていただくのが、これは先週も質問させていただいただろうと思いますが、もう一度整理して、この最低保障年金が横軸と平行なところの、だから、折れるところですね、これの縦の年金受給額と、それから現役時代に納めた保険料総額の具体的な額の、それで具体的な額はだからそんなことは言えないとおっしゃるんでしょうから、大体のイメージですね。

 先ほど枝野先生のお話を聞いていると、モデル年金、すなわち現役時代は月収三十六万円ぐらいあった家庭の、夫婦二人で、専業主婦であった、その夫婦二人でもらうのがこの折れるところなのかなと思いながら、モデル年金の方がこの横軸ではどこら辺に存在するのか、そして縦の線、いただく年金の受給額がどれぐらいなのか。この最低保障年金が折れるところと、それからなくなるところ、それぞれ幾らぐらいのイメージなのか。それがわからないと国民に説明のしようがない。地元に帰っても、ミニ集会やっていても、皆さん方に説明のしようがないわけでございまして、ぜひちょっと教えていただきたいと思います。

○枝野議員
 私どもの考え方では、まず所得比例年金は、これはいわゆる確定拠出的に、そして賦課方式的に数字が出てまいります。そして、私どもは全体として政府案とほぼ同じ給付額総額というところを維持すべきである、給付の水準は政府案以上に下げるべきではないという立場に立っております。

 したがいまして、必然的に、実はモデル年金世帯に限らず、所得比例年金の部分のところでは所得代替率が五〇%には我々の案ではなりません。つまり、この人たちに五〇%を保障するということを申し上げているのは、モデル世帯の方々のところには最低保障年金が下支えをすることによってトータルとして五〇%の所得代替率を、政府の計算のような仕方に基づけばお約束をする制度の枠組みにしている。そして、その全体の額が成り立つのかどうかということについては、給付額総額というのは、政府の試算で出てきている、それと同じだけの財源を我々は基礎年金二分の一までの一般財源からの税の投入と消費税三%で成り立つという計算をさせていただいています。

 問題は、その今おっしゃられた折れ目とか一番右の線のところはどうなるのかということについて、あるいは、では具体的に幾らになるのかということについては、そもそも、政府の方が試算をしている計算自体が、物価上昇率が毎年プラス一%だなどという、最近の例を考えても全く実態と合っていない数字に基づいた試算を我々もせざるを得ないのでしているわけで、しかし、その我々も信用していない数字に基づいたものを国民の皆さんにお約束するというのは無責任で、政府のように、御自身でも成り立つとは思っていないであろう、少なくとも経済をわかっている方にとっては到底成り立ち得ないような数字に基づいた数字を国民の皆さんにお約束して言うような、厚かましいうそをつくことはとてもできませんので、そういった制度の枠組みだけ申し上げているということです。

<省略>

○福井委員
 余りわからなかったですが、ちょっと、次々と進めさせていただきたいと思います。

 我々の方は、まさに今ポイントにありました最初のバイナリーチョイス、完全な公平というのはあり得ない、お金持ちの方には我慢していただく、能力に応じて支払い、そして必要に応じていただくというのが、公的助け合い制度、公的年金の哲学じゃないか、精神じゃないかということで、そこで制度設計が始まるわけですから、そこが違うので結論も違うのは当然かと思います。

 ちょっと細かいかもしれませんが、今のこの図が正しいとすると、上に乗せるか下に乗せるかは別として、現役時代に所得が低くて保険料をほとんど納めなかった、この辺の人で、老後、年金を受給するようになってからたまたま何か収入がある、高額収入があるというような人は、現役のときは払わなかったですから、最低保障年金はもらうわけですね。

 一方、この辺の所得、イメージはいろいろあるんでしょうけれども、月々本当に多額の掛金をお支払いして、だけれども、老後はもう年金しかない、何にもない、本当にもうゼロだという人は最低保障年金はもらえないということだと思うんですけれども、これは素直に、それこそそういうこともあり得るということで理解申し上げてよろしいんでしょうか。

○枝野議員
 年金という世界の中での公平というものをしっかりと確保しなきゃならないということでは今おっしゃったような仕組みになりますが、ただ、それは、少なくとも最低保障年金に入らない層の方というのは、年金でそれなりの生活、年金だけでもきちっとした生活をしていただけるという層の方だからこそ、税金での最低保障年金は入らないということになりますし、逆に、たまたま現役時代にはほとんど収入がなかったけれども、高齢者になったときに突然多額の収入が入るようになったという方がいらっしゃれば、そこは逆に、所得税とか、それから我々は年金の財源に消費税を充てるということにしておりまして、多額の収入があって多額の消費をされる方はそれなりの負担をしていただくということになりますので、税も含めたトータルの公平さというものはそちらの方で確保するべきであって、年金という世界の中では今のようなことが起こることはそれは避けられないわけで、逆に言うと、政府案のように税金で二分の一を支えるということが、所得のない方も、あるいは、年金がたくさんあってそのほかにもたくさん収入がある方にも全部入るということの不公平感もあるわけで、これは選択の問題だと思っています。

○福井委員
 ありがとうございました。

 あり得るということで、シンプルアンサー、ありがとうございました。

 だから、そういう議論のために、ラフでもいいから金額を出していただければ議論のベースができるということだと思うんですが、そのベースがないんで、いかんともこれ以上の議論はできません。

 そこで、さっきちょっと枝野先生おっしゃいましたが、五年間の道行きのイメージをもう一回聞かせていただきたいと思います。

 消費税は、さっき、十九年度でしたか、だから、二十年度末まで議論して二十一年度からやるのか。一体、五年間何するのか。その最初の年、そして、消費税、税制改革とあわせて、その五年間の道行きをちょっと教えていただきたいと思います。

○枝野議員
 我々は、年金本体の枠組み、特に一元化をするということ、それからそれに伴って納税者番号制度の導入、それから社会保険庁と税務署とを一元化して歳入庁にしていくというような準備の話があります。そういったことなどを考えると、一元化そのもののスタートは二〇〇九年であります。ただし、皆さんからも御指摘がありますとおり、確かに、財政的な問題を考えると、そこまで全く何もしないということでは、将来的な財政がより苦しくなりますので、消費税の三%引き上げについては先行して二〇〇七年からスタートをさせるという考え方であります。

○福井委員
 ありがとうございました。

 ですから、やはり、それこそ、怒られるかもしれませんが、目の子の五年間といいましょうか、緻密にスケジューリングして五年間じゃないことはよく今わからせていただきましたので、ありがとうございました。

 だから、幾ら野党の皆さんがおしかりをされても、我々の方としては、もっと早く、少しでも、一瞬でも早く掛金を上げて給付を下げるという今回の改正に着手すべきだ、時間が大事だということで、主張させていただいているわけですけれども。

 制度改革をおくらせればおくらせるほど、財政が逼迫をする。試算したら、何兆円か、十兆円近くなるかもしれませんが、そういう悪化があっても、どういう理由で今回の一元化を中心とする民主党の案の方が国民全体として得なのか。得する人はだれで、損する人がだれで、その時間的な、時間軸との関係が幾ら考えてもよくわからないんですけれども、この答えはいいです、とりあえず問題提起だけさせていただきましょう。

 この時間ファクターが一番大事なので、今回の政府案があるし、その時間ファクターを無視して、一元化のいいところもいっぱいあるでしょう。しかし、財政が悪化するというマイナスを超えるほどのプラスがどこにあるかという、納得する材料が今のところ私には見当たらないんで、それだけちょっと御指摘を申し上げたいと思います。

 次に、先ほど冒頭でおっしゃいましたけれども、政府案の一八・三%。足して二で割るという議論もあるでしょうけれども、しかし、一八・三%まで上げても、モデル年金で五〇%の給付がぎりぎり、やっと可能になる。一八・三%まで上げてやっとなるというんだけれども、しかし、民主党の案では、一三・五八%を維持したまま五〇%の給付が可能だということをさっきから何回も各先生おっしゃいますけれども、どうもわからないんですね。

 これを聞いてもまた同じ答弁になるかもしれませんが、ちょっと簡単に、だから、政府案の中身がわからないから答えられないと言うかもしれませんが、ちょっと答弁を試みていただきたいと思います。

○枝野議員

 いいですか。私たちも試算をたくさんしてきたと先ほど申しました。ただし、試算の前提となる数字は、政府の出してきている数字以外に我々データを持ち得ません。少なくとも国民の皆さんにこれでいけますという数字をお出しできませんので、前提となる政府の試算数字と比較をした上で我々の案が成り立つのかどうかということを議論せざるを得ないわけですが、例えば、二〇二五年、これは政府の試算もなされていますが、我々の案では、保険料収入は、確かに、保険料を上げませんので政府案より十兆円強少ない収入になります。

 しかし、その一方で、消費税収入で約九兆円の収入があります。それから、消費税を我々二〇〇七年から上げるんですから、後ろにおくらせるということじゃないです。逆に、早期に消費税で積立金の積み立て効果が上がって、その運用収入が、政府案のような利回りが確保されるのであれば一兆円強あって、つまり、政府案と同じ額の支出のために充てられる財源がイコールで成り立つという計算をちゃんとさせていただいています。

 これが成り立たないんだとすれば、政府案も成り立たないということになりますし、いみじくも今委員がおっしゃられましたとおり、政府案もぎりぎりの数字とおっしゃっているわけで、賃金上昇率であれ、利回りであれ、GDPであれ、何か一つでも今の言っている政府の数字が違ってきたら、政府案は成り立たないということを与党の側の皆さんもお認めになっているということを私は強調しておきたいと思います。