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 議事録


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衆-法務委員会


平成15年05月23日

[司法制度改革について ]

○枝野委員
 民主党の枝野でございます。

 私は、主に、今修正案も出されておりますが、弁護士法の五条、六条関係についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、私には、司法修習生となる資格を得た後、国会議員を五年以上やったら司法修習が免除される、この理屈がさっぱりわけわからないんですが、何でこんな法律が出てきているんですか。

○森山国務大臣
 今回、弁護士資格の特例を拡充するということにいたしましたのは、弁護士の果たすべき役割が増大していきます中で、多様で広範な国民の要請に十分こたえ得るよう、多様なバックグラウンドを有する層の厚い法曹を確保するということが必要だと考えたからでございます。

 この中で、国会議員につきましては、国権の最高機関であり国の唯一の立法機関である国会におきまして、法律に国民のニーズを反映させるという大局的な視点から、法律案の立案、審議という高度な識見、能力を要する職務を行っているということから、司法試験合格後に五年以上その職にあった者に対して、弁護士資格を付与するということにいたしたものでございます。

 このように、国会議員を初め、社会のさまざまな分野、場面で法律に関する実務経験を経て、高度の専門的能力を備えた者については、実社会におけるこれらの実務経験を通じまして、社会に生起するさまざまな事象について、法的な解釈、解決方法を見出していくという弁護士に求められる実践的能力を有するものと考えたからでございます。

○枝野委員
 よくわからないんですが、一般的に、いろいろな経験をした人が司法修習を受けないでも例外的に弁護士資格を持つということ自体を否定するつもりはありませんが、では、そもそも、ここから行きましょう。司法修習生となる資格を得た後といった場合、大部分は司法試験に合格した後ということになるわけですが、司法試験というのはどういう能力をチェックしているんですか。

○森山国務大臣
 司法試験は、先生もよく御存じのとおり、裁判官、検察官、または弁護士といった、いわゆる法曹になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的としておりまして、その判定に当たりましては、知識を有するかどうかの判定に偏ることなく、理解力や判断力等の法曹が実務的な業務を行うに当たって必要な能力を有するかどうかを判定することに意を用いなければならないこととされております。

○枝野委員
 では、弁護士法自体に、その後司法修習を受けたということが要件ですから、弁護士法の意味として、学識、応用能力があると司法試験で判定された人に、何ですぐに弁護士資格を与えないで一年半も修習させるんですか。

○森山国務大臣
 司法試験におきましては、理論に裏打ちされた論理的な思考力が判定されるということにまずなるわけでございますが、このような能力は実務を執行する上で不可欠なものではあります。

 また、司法試験においては、試験問題の作成、採点及び合否の判定を行う司法試験考査委員の約半数はいわゆる実務家をもって充てられておりまして、いわゆる実務的なセンスというものも評価の対象になると考えられますが、試験に合格した後、実際の法曹の仕事ということについて実際に体験をし、あるいはさらなる知識をふやしまして、すぐに即応できるようにするということだと思います。

○枝野委員
 国会議員は法曹の実務を実際に体験しますか。

○森山国務大臣
 国会議員はその実務を直ちに直接習うということは必ずしもございませんけれども、しかし、先ほども申しましたように、法律案の立案あるいは審議等を通じまして、社会全体の国民の意見を吸い上げ、それを法律の形にするというやり方を通して、高い識見を持ち、社会における法律というものの求められているものをよく承知しているはずと考えます。

○枝野委員
 例えば、市議会議員さんは条例の作成の仕事をしているわけですよね。県会議員さんも条例の作成の仕事をしているわけですよね。では、その人たちはいいんですか。

○森山国務大臣
 市会議員、県会議員さん等につきましても、もちろんその条例等の審議にかかわっていらっしゃるわけでありまして、その範囲での見識を養っておられるわけでございますが、国会議員の場合は、さらに広く国全体の、国民全体の意向をしんしゃくしつつ、場合によっては互いに相対立するかもしれない、賛成反対いろいろあることについて、その中で最も妥当な道を探っていく、そして法案にし、審議し、それを結論づけていくということでございますので、市会議員、県会議員等に比べてさらにより広い、より高い見識が必要であるというふうに思います。

○枝野委員
 司法修習は、さらなる知識とも先ほど大臣はおっしゃいましたが、見識、知識だけではなくて、実務法曹としての体験を積むということが、試験に受かっただけではなくて、一年半必要なわけで、税金を使ってやっているわけですよね。それにかわり得るような法曹実務家としての体験を国会議員はしますか。法律の解釈をしてアドバイスをし、あるいは法廷に立ってクライアントの利害を訴えるというような法律実務家としての体験をしますか、国会議員は。

○森山国務大臣
 国民の希望あるいは要望を吸い上げて、それを法律的にどういうことになるのか、あるいはどういうふうにすればいいのかということを相談に乗り、またアドバイスするということは、お互いやっていることではないかと思いますが、これらが役に立つのではないかと考えます。

○枝野委員
 だったら衆議院の法制局と参議院の法制局を廃止して、そういう仕事も国会議員がやるというんだったらよくわかりますよ。法律実務的な仕事は法制局の皆さんにみんなお願いしているじゃないですか。こういう政策を実現したいというのは政治家の仕事としてやりますよ。それを法律にするという法律実務としての仕事は、法制局にお願いしてやっていただいているじゃないですか。それが法律実務としての仕事ですよ。国会議員でそんなことやっている人いますか。

○森山国務大臣
 技術的な面について、そのようなことまでおやりになる方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、法律の解釈あるいは法律のあるべき形ということについては、それぞれ見識をお持ちなんではないかと思います。

○枝野委員
 見識だったら、国会議員じゃなくたって、法律の解釈をいろいろ考えなければ実業だってできない。いろいろな御商売をされている方だって、法律の解釈ができなければ商売が成り立たない職場はたくさんありますよ。見識だったら、この国は、どういう法律であるべきかだなんて、国会議員じゃなくたって考えている人はたくさんいますよ。国会議員だからなぜ法曹実務につながるような体験ができているのかということについては、全く答えになっていませんよ。

○森山国務大臣
 もちろんほかの仕事の方でも、法律の問題について全く知らなくては仕事ができないというのは、おっしゃるとおりでございますが、国会議員の場合は、法律を立案し、審議し、そして成立させるという立法のプロセスに非常に深くかかわっているわけでございますので、そのような意味で、ほかの仕事とは違うかと思います。

○枝野委員
 では、政策担当秘書も、五年やったら法曹資格を与えたらいいですね。国会の職員の皆さんなんか、もう毎日毎日、毎年やっているわけですから、国会職員の皆さんも全部上げなきゃいけないですね。私設秘書だって、事務所によってはそのプロセスをやっている人たちはたくさんいますよ。何で国会議員だけなんですか。

○森山国務大臣
 個別に見ればいろいろな人がおられまして、秘書でも、その他の仕事についている方でも、個別にそういう意味で詳しい方はいらっしゃるかと思いますけれども、国会議員は、先ほど来申しておりますように、その中でも特にそのような責任を持って、非常に詳しく、あるいは深く、あるいは広く検討して立案、立法作業に深くかかわるという意味で、典型的といいましょうか、そのような仕事ではないかと思います。

○枝野委員
 では、司法試験受かっていない国会議員にも与えたらどうですか、そんな立派な仕事をしているんだったら。法律の知識がなきゃできないんでしょう、そんな法曹実務経験をするのと同じぐらいの見識を持って、経験をするんでしょう、国会議員は。だったら、司法試験受かっていなくたって法曹資格を与えたらいいじゃないですか。全く言っていることが矛盾ですよ。

○森山国務大臣
 それは、その司法試験に合格したという一つの基準をもって、理論的な知識に裏づけられているということが証明されているわけでありますので、その上でさらに五年国会議員の実務をされたということが一つの根拠になろうかと思ったわけです。

○枝野委員
 司法試験に受かっていらっしゃらない、つまり、司法修習生となる資格を得ていない国会議員の方はたくさんいらっしゃいます。その方は、今おっしゃったような意味での法律的な知識がなくても、国会議員として立派に仕事をされています。

 つまり、国会議員としての仕事のベースには、もちろん一般人としての一定の法的知識がなければ大変やりにくいところはたくさんあるでしょう、だけれども、その法律の深い、司法試験に合格するに要する程度の知識とかそういったことは必要ないから、圧倒的多数の国会議員の皆さんは法曹資格を持っていない。司法試験に受かっていなくてもやれる仕事なんです。その仕事を五年間やったということが、司法修習にかわり得るようなものなんですか。

 むしろ、今のようなお話で、高度の法律的な知識とか見識とかそういうものがなきゃできないんだったら、司法試験合格者しか国会議員にしないという話だったら一つつじつまは合うかもしれない。そんなばかな話じゃないですよね。法律的な知識は要らないんですよ、国会議員には。なくたってもっと大事なことがたくさんある仕事を我々はしているんですよ。それで何で、そんな経験を五年したからといって、司法修習にかわり得るような代替性を持つんですか。全く説明になっていないですよ。

○森山国務大臣
 繰り返しになるわけでございますが、司法試験に合格されたというそれなりのレベルの知識、理論的なものをお持ちだということがまず第一でありまして、その上に、五年間の、国会議員という立法に深くかかわる仕事についておられたということが、それなりに十分なものではないかというふうに思ったわけです。

○枝野委員
 逆に、実態論から行きましょう。

 本当に、例えば私も弁護士資格を持っています。国会議員になる前に二年間弁護士をしておりました。国会議員の仕事をして十年になりますけれども、忘れていくんですよ、普通は。今いきなり弁護士の仕事をしろと言われたら大変ですよ。それも、一応司法修習を受けているし、二年間実務をやってきました。それでも十年ブランクがあったら、今や、例えば民事裁判所に出す書類の書式から何から全部変わっている、十年前に司法修習所で教わった要件事実論みたいな話も、全然、実務のところでは進化をしている。大変な話になるわけですよ。

 資格を持っていて、しかも一応弁護士ですから、法律相談程度は年に数件ありますよ。それでも十年やっていたら、今すぐ弁護士に復帰しろと言われたってできないというのが圧倒的多数の弁護士資格を持っている国会議員の認識だと思いますが、例えば法律実務家としての資格を持って国会議員をやっている人たちの、そういう実態調査というか認識調査とかされていないじゃないですか。

○森山国務大臣
 実務ということを考えますと、あしたからまた弁護士の仕事をしろと言われても非常に難しいとおっしゃる気持ちは私もわからないでもございませんが、それ以外に、あるいはそれよりももう一つ重要な、全体の総合力あるいは判断力、利害の調整力というようなものが、国会議員の場合には、学校に行ったりあるいは人に教わったりするのではなく、いろいろな国会議員としての実務を通じて身についていらっしゃるはずだというふうに思います。

○枝野委員
 国会議員のやっているいろいろな利害の調整の仕事と法曹実務がやらなきゃならない利害の調整の仕事は、全然異質じゃないんですか。

 国会の政治的な調整とか利害調整というのは、法律がないところで、あるいは法律が不備なところで、どうやって利害を調整するかということが我々の仕事なんです、政治家の仕事なんです。法曹実務家の仕事というのは、今ある法律に基づいてどう調整するかという仕事なんですよ。全然意味が違うじゃないですか。

 我々は、法律的ないわゆるリーガルマインドの思考では政治家としての調整はできないですよ。全然異次元のことをやっていますよ。そうじゃありませんか。それとも大臣は、政治家としてリーガルマインドに基づいて今まで活動されてきたんですか。そんなことないでしょう。

○森山国務大臣
 私は、司法試験の合格者でもありませんし、それなりのバックがございませんので、先生とはちょっと全然レベルの違う立場でございますけれども、しっかりとした法曹知識、理論というものを司法試験によって証明され、その上で、総合的な判断力というものを国会議員五年間の経験によって備えておられるという方はいらっしゃる、それが立派な資格であるというふうに私は思います。

 政治的調整力とこれとはまた違いまして、政治的な問題は司法試験など特に関係はないわけですけれども、法律上の利害の対立をした人たち、いろいろな意見の人たちを調整していくということは、国会議員になられて五年間の間の御経験によって積み重ねられていくのではないだろうか。それは、いわゆる政治調整ではなく、立法作業とかあるいは審議とか、そのような経験を通じて培われていくものではないかというふうに思います。

○枝野委員

 違う視点から聞きましょう。

 司法試験の制度を大きく変えて、ロースクール制度を導入するということなんですが、何でこんなことにしたんですか。

○森山国務大臣
 いろいろな理由がございますけれども、大きく考えられる一つは、多様なバックグラウンドを持った人たちに法曹にたくさん入ってもらおう、そして、今までの養成の仕方ではなく、特に法曹に必要な判断力とか全体としての考え方というものをきちんと持った人になってもらおうということから考えられたものでございます。

○枝野委員
 私はその意見に同意をしていませんでしたけれども、今までの司法試験ではそういったところに落ちがあるということですよね。

 ほとんどの人は、皆さんからすればちょっとおかしいと思っていた司法試験に合格している人たちなんです。それでも、司法修習を一年半なり二年なりやって、二回試験を受けて、そこで最終的な出口のところでチェックされているわけです。

 受験テクニックに偏重したりとか知識に偏重したりとか言っていましたね、ロースクールの審議のときに。そういう試験しか受かっていない人ですよ。その人たちが、法曹実務家としての要するにプロセスとかそれから法律家としての倫理とかそういった話、一切トレーニングを受けないで、その知識偏重で受験テクニックでごまかせるような司法試験しか通っていない人に法曹資格を与えるということですよ。皆さんが進めてきたロースクールの構想と全く逆行じゃないですか。

○森山国務大臣
 今度の司法制度改革におきまして、法科大学院を中核としたプロセスとしての法曹養成制度のもとで法曹人口の拡大を図ろうとしていることはおっしゃるとおりでございますが、これは、弁護士さんの果たすべき役割が増大していく中で、多様で広範な国民の要請に十分こたえ得るように、多様なバックグラウンドを有する層の厚い法曹の確保ということを目的としたものであるということは先ほど申したとおりでございます。

 今回の弁護士資格の特例の拡大に関しましては、今後の司法試験合格者の増大に伴いまして、司法試験合格後に多様な経験を積んでから弁護士を志す者も増加するのではないかという将来の展望も踏まえたものでございまして、現行の司法試験に合格している者についても、社会のさまざまな分野、場面における法律に関する実務経験を通じて養われた高度の専門的能力を活用する道を開くということは、こうした司法制度改革の流れと方向としては同じものであるというふうに考えます。

○枝野委員
 直接お答えをいただいていないと思うんですけれども。新しいプロセスの中で司法修習生となる資格を得た後ということだったら、まだ話はわかるかもしれない。だけれども、知識偏重で、受験テクニックでごまかしがきくような、私はそう思っていませんよ、だからロースクールは今でも反対ですけれども、それでロースクールに変えた。その司法試験に受かった、つまり、法的な知識に偏重し受験テクニックによって受かっている人もいるかもしれない人に、きちんとした研修もなしに法曹資格を与えて本当にいいのか、実務経験なしに与えて本当にいいのかということを問題にしているわけです。

 大体、お手盛りじゃないですか。国会が自分たちの仲間に、普通の人たちはやらなければならない一年半の修習を受けなくても資格上げちゃいますよというのは、全くのお手盛りじゃないですか。ほかの部分のところを進めていって、これぐらい広範に、司法修習を受けていない人でもそれなりの経験があれば法曹資格を与えますという話が先行していって、一番最後に、国会議員もまあちょっと危なっかしいけれどもという話だったらまだしも、一番最初にこの話をやる、全くお手盛りだと思いませんか。国民に対して恥ずかしくないですか。

○森山国務大臣
 現行の司法試験に合格された者でございましても、社会のさまざまな分野、場面で法律に関する実務経験を経て高度の専門的能力を備えた者については、実社会におけるこれらの実務経験を通じて、社会に起こってくるさまざまな事象について法的な解決方法を見出していくという、弁護士さんに求められる実践的能力をお持ちになっているというふうに考えられると思います。

 現行弁護士法におきましても、このように要件事実教育を十分に受けていなくても、司法試験合格後に衆参両議院の法制局参事の職にあった者など、トータルとして司法修習終了者と同程度以上のリーガルマインドを有すると類型的に認められる者に対しましては弁護士資格が与えられているということからしますと、国会議員を含め、こうした者に対して弁護士資格を付与することは問題がないのではないかと思います。

○枝野委員
 質問に答えていただいていないんですよ。

 私は、五条の二の関係について、いろいろ問題はあるけれども、ここは別に今問題としていないんです。五条の二で、いろいろな経験を、法律家の実務的な経験を積まれた方には、司法修習がなくてもそれにかわり得るといって法曹資格を認めるということは、それはあり得るんだと思っています。ところが、そこは非常に限定されて与えているわけですよ。本当に具体的に法律実務をやっている、契約書をつくったりとかあるいはいわゆる法制局的な仕事、そういうことをやった人に限定をしているわけです。

 ところが、国会議員だけ国会議員をやっていれば全部オーケーなんですよ。民間企業はどこだって法律に関係しているわけですよ。法務部で仕事をしていなくたって、営業をやっていたって、総務をやっていたって法律は常にかかわるわけです。人事労務をやっていたって全部かかわるわけですよ。だけれども、いわゆる法務部的な仕事をしている人に限定しているわけです。役所だって、みんな法律を使って、法律に基づいて動かしているわけですが、公務員をやっていたからといって免除していないんです。物すごく限定しているんです。

 なぜ国会議員だけこんなにフリーハンドで与えるんですか。国会議員だっていろいろな人がいますよ。議運、国対族もいるでしょう。政策ばかの人もいるでしょう。政策も、自分で議員立法しながら一生懸命やっている人もいるかもしれないし、基本的には受け身でやっている人もいるでしょう。いろいろな人がいる。確かにその中には、司法修習を受けた、あるいは五条二項に匹敵するようなプロセス、経験をしてきた人もいるかもしれないけれども、いろいろな人がいる。

 何で民間の方はこんなに絞って、公務員だけこんなにわっとやるのかというのは、まさにお手盛りだと批判をされても仕方がないじゃないですかと聞いているわけです。

○森山国務大臣
 国会議員の仕事というのはいろいろございまして、法律にまつわる、深くかかわるものばかりではございませんので、それはおっしゃるようないろいろな種類の活動をされる方、いろいろな分野が得意な方がさまざまいらっしゃると思います。

 しかし、一遍司法試験に合格したということでその論理的なあるいは知識的な面で一定の保証があり、さらに、五年間国権の最高機関として立法作業にかかわるということをやってこられた国会議員というものは、それなりに立派な資格を持っていらっしゃるというふうに私は思います。

○枝野委員
 いや、今のはお手盛りじゃないですかという話にお答えいただいていないんですよ。民間はこんなに絞っているんですよ。何で国会議員だけ無条件で与えるんですか。

 大臣お認めになったように、国会議員だっていろいろな仕事をしているわけですよ。私も確かに、この法務委員会に長くいさせていただいて、法務委員会で仕事をさせていただいているときはそれなりに法律を忘れずにやっていましたが、最近は、残念ながらと言うべきなのか幸いにと言うべきなのか、すっかり離れてしまっていますから、今は民法どうなっているんだ、民事訴訟法どうなっているんだということ自体、私の頭の中からすっかり落ちていますよ。それが普通じゃないですか。どうしてもというんだったら、国会議員の中でももっと絞ったらいいですよ、議員立法を何件つくったとかという基準が本当に客観性があるかどうかは別として。民間はそういう絞り方をしているじゃないですか。何で国会議員だけ無条件なんですか。

○森山国務大臣
 国会議員の仕事はたくさんありますが、その中で一番中核になるのが立法事務ということでありますので、それにかかわって五年間経験を積まれた方というのはそれなりに十分な資格があるというふうに私は思うわけでございまして、そういう意味では客観的にも認められるのではないか、お手盛りとおっしゃるのは当たらないというふうに思います。

○枝野委員
 そろそろ時間になるので終わらなければいけませんが、本当に今の話を有権者、市民の皆さんに堂々とおっしゃれますか。私たち国会議員は、立法活動をしているので、司法研修所に行ってトレーニングを受けるのと同等以上のいろいろな法律的な見識を深めているんですと、本当に堂々と国民の皆さんに向かっておっしゃれる国会議員が何人いますか。

 私は、自分も含めて、残念ながらそれは言えない。もちろん、国会議員として責任を持った仕事をしていますけれども、司法修習を受けたり、あるいはこの五条の二で今回認められるような、例えば企業法務のような現場の実務をやってきたというような人たちに匹敵するような、法曹実務家に必要なトレーニングをこの場で受けているとは全く思わない。むしろ、この場にいると、そういう知識とか経験とかというものを、あるいはその感覚を捨て去らないと政治家として仕事ができないということを私は思っています。

 本当に今大臣のおっしゃったようなことを、この法案に賛成される人は国民の皆さんに向かって堂々とおっしゃれるのかどうか、皆さん、胸に手を当ててお考えをいただいて採決に臨んでいただきたいということを申し上げて、時間ですので終わります。

 ありがとうございました。