[内閣官房と防衛庁リスト問題への対応について ]
○枝野委員
民主党の枝野でございます。
官房長官においでをいただきましたので、きのう官房長官いらっしゃらなかったので突っ込めなかった部分について、順次お尋ねをしていきたいというふうに思います。
まず、行政機関の個人情報保護に関する部分でございますが、きのうも申し上げましたとおり、昨年のこの法案の審議が途中でとまってしまいましたのは、いわゆる防衛庁リスト問題に対してこの政府案が対応できるのかどうかということでありました。出し直してこられたので、当然のことながら、今度の法案では、防衛庁リスト問題のような事件が起こらないように、起こった場合にはきちっとした対処ができるようにという中身になっているのかなと思いましたら、残念ながら、政府案ではああした案件に対して罰則を科するというようなことはできない、そんな内容になっています。
この経緯に当たりまして、これは一方では、防衛庁のリスト問題が具体的にどういう事実関係であり、それに対して防衛庁としてどういう行政的な措置をとり、あるいは、これは情報公開法の施行に絡んでの話でありますので、その情報公開法に対する周知徹底をどうするのか、あるいは個人情報を保護するという観点からどうするのか、内閣官房としてはどのような調整を行ってこられたのか、官房長官にお尋ねします。
○片山国務大臣
行政機関個人情報保護法も、まだ保護法案ですね、これも情報公開法も私どもの方の所管でございますので私が答えさせていただきますが、昨日も一部御答弁いたしましたけれども、この法案を策定する過程において、総務省が、全省庁集めまして連絡会議を開催の上、個別の法令協議を行い、内閣官房、防衛庁を含め、各省庁と十分調整を行った上で提案しているものでございます。
防衛庁の事案は現行法制で対応いたしましたので、防衛庁の責任において、十分調査の上、処分を行っております。
○枝野委員
私は、内閣官房としてどういう調整をされたんですかとお尋ねしているんです。
○福田国務大臣
一般論として申し上げれば、行政府内の最高かつ最終調整というのは内閣官房で行います。しかし、今回は片山大臣の調整で十分行ってまいった次第でございます。
○枝野委員
官房長官もあのとき委員会室にいらしたかどうかは私も記憶がありませんが、昨年の、主に私と総務大臣との内閣委員会でのやりとりというのは十分御承知であったというふうに思いますし、それから、防衛庁リスト問題が大変重大かつ深刻な問題として、メディア、世論も含めて大きく取り上げられていたことも当然、官房長官は御存じであったと思います。
当然のことながら、こうした問題に対して内閣全体として調整を図る、特に、防衛庁リスト問題がどのような原因で生じたのかということは基本的には防衛庁の中の問題でしょうし、一方では、この法案は総務省の問題でしょうし、そこのところを、まさに高度な政治的な問題も含めて、官房として扱うに値する問題だと判断されなかったんでしょうか。
○福田国務大
一般論として言えば先ほどの答弁でございますけれども、今回の法案の主務大臣、これは総務大臣でございます。
この法案を策定する過程において、総務省が、全省庁による連絡会議を開催の上、法令協議を行い、内閣官房、防衛庁を含め、各省庁と十分調整を行った上で提案したもの、こういうように承知しております。
○枝野委員
ですから、その程度の問題だと。防衛庁リスト問題も行政機関の個人情報保護法案もその程度の問題なんですね。
○福田国務大臣
その程度の問題かどうかということは別として、十分なる調整は行った上で提案はしております。
○枝野委員
外務大臣のかわりのようなことをされる暇はあるようですが、本来の内閣官房としての業務については、こういう重要な案件も人任せで、何か総理に似てこられたようですが。
きのうも総務大臣は、防衛庁リスト問題についてでしょうか、周知徹底が十分なされていなかったというような趣旨のことを答弁されました。官房としてもそういう認識なんですか。
○片山国務大臣
官房としての答弁は後ほど官房長官からあると思いますが、周知徹底の努力はしましたけれども、受け取る側のあれもありますので、そこのところは末端までしっかりと認識していただいたかどうかについては、我々ももう少し努力が足りなかったのかな、こういうふうに思っておりまして、以降、さらに周知徹底の努力を会議や通知やその他研修等で行っておりまして、今後とも、新法ができるわけでありますので、さらに周知徹底を努力してまいりたいと思っております。
○福田国務大臣
今担当大臣から答弁されたとおりでありますけれども、担当大臣の発言というものは、これは重いものである、このように認識しております。
○枝野委員
周知徹底がなされていなかったというのは、何について周知徹底がされていなかったんですか。これは総務大臣で結構です。
○片山国務大臣
とにかく必要最小限度の扱いをする、個人情報については、目的に従って。目的外利用的なことについては、これは厳重にチェックしていく、こういうことでございまして、関係のないようなところが知り得るような状況をつくるということはよろしくない。こういうことについて、現行法の問題ではありますけれども、現行法を含めて、新法はそれを発展的に解消というのか大きくするものでございますから、その辺の個人情報保護の必要性、重要性、そのあり方についてさらに周知をしていきたい、こういうことであります。
○枝野委員
総務大臣は、防衛庁の職員に対して周知徹底する権限をお持ちなんですか、内閣法や国家行政組織法上。
○片山国務大臣
防衛庁については、行政機関の長である防衛庁長官に責任がございますが、防衛庁長官について、法律の所管大臣としていろいろなことをやれる仕組みになっておりますから、そういうことで我々は要請をするわけであります。
○枝野委員
ほかの法案の審議に御迷惑を余りかけたくないと思ったので、防衛庁長官は必要ないと思ったんですが、そういう御答弁なら、防衛庁長官に来ていただいて、どういうふうな周知徹底ができなかったのか、そういうことをちゃんと聞かないと先へ進めないと思うんですが。
○村井委員長
枝野委員に伺いますが、それは防衛庁長官の出席を求めるという御趣旨ですか。(枝野委員「そうです」と呼ぶ)それであれば、委員長において、別途理事会でお諮りいたします。
枝野君。
○枝野委員
官房としてはどういう把握をしているんですか。つまり、横並びの省庁ですから、総務省、総務大臣と防衛庁長官との関係で、防衛庁長官が庁内でどういう把握をし、どういう調査をしということは、総合調整である官房長官のところには連絡が入り、把握をする責任も権限もあると思うんですが、官房長官として、この防衛庁のリスト問題はどういう部分がどういうふうに不徹底だから生じたのか、どういう認識ですか。
○福田国務大臣
これは国家行政組織法第二条第二項にあるんですけれども、「国の行政機関は、内閣の統轄の下に、その政策について、自ら評価し、企画及び立案を行い、並びに国の行政機関相互の調整を図るとともに、その相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。」こういうふうなことでありまして、総務大臣としてその任に当たっておるわけであります。
○枝野委員
では、具体的に、本当に総務大臣がされていたんだったら、防衛庁の中のどういう部分が不十分で不徹底だったんですか。お答えください、防衛庁のことについて。
○片山国務大臣
それは先ほど答弁いたしましたように、防衛庁の中における周知徹底は、それはそれぞれの大臣の責任でやっていただく。我々の方は、周知徹底をするように要請をする立場でございますし、あと場合によっては、報告をとるとか、いろいろなことについての調査をするとか、そういうことはあるわけでありますし、意見を言うとか。それは二次的に我々がやるわけでありますが、当面はそれぞれの行政機関の長であります、法律の建前も。
○枝野委員
今、官房長官が、連絡その他の権限が総務大臣にあるんだとおっしゃったから、どういう連絡を受けているんですか、防衛庁長官から。防衛庁リスト問題が、どういう周知徹底が不行き届きでこんなことが起こったのか。当然、総務大臣のところには報告が上がって、連絡が上がっていないと、上がっているということで自分じゃないと今お逃げになったんだから。総務大臣、いっているんでしょう。
○片山国務大臣
私どもの方では、何度も言いますけれども、各省庁に対して、防衛庁を含めて、周知徹底方のための会議だとか打ち合わせだとか通知だとか報告徴収だとか、そういうことをやったわけでありまして、具体にそれぞれの、どういう方策をとるかは各省庁においての御判断でやっていただく、こういうことでございまして、細部まで私が知り得る立場にはありません。
○枝野委員
ちなみに聞きますが、行政機関のこの法律ができ上がった、何らかの形でもし成立をした場合、その後も同じ構造ですね。
○片山国務大臣
法律が通りますれば、もう通る前からいろいろな打ち合わせや会議をやっておりますけれども、さらに徹底してまいりたいわけでありますし、いろいろな報告をもらうわけでありますから、今度の新法に基づいて。そういうことはしっかりとやっていきます。
○枝野委員
だけれども、実際に具体的にやるのは、各役所の中の所管大臣がされるんで、各所管大臣がどのように各省内で周知徹底を図るのか、片山大臣に聞いてもわからないということは、これは全大臣そろっていただかないと審議できないということをみずからお認めになっているんですよ。
○片山国務大臣
それは、賢明な枝野委員よく御承知のように、内閣はそれぞれの所管大臣が責任を持って行うわけでありまして、私の立場は、新しい法律に基づいていろいろな調整をやる、あるいは、場合によってはいろいろなチェックをさせていただく、こういうことでございまして、そういう立場でやっていく。防衛庁のことまで総務大臣が全部やる、何とか省まで全部入っていってやる、そういうことには今の内閣制度でなっていないんですよ。
私は、所管大臣としては、連絡や調整や、あるいは不備があればそのチェックなんということはやらせていただく、こういうことであります。
○枝野委員
だから、実際にこれは法律がつくられても、現に、今までも似たようなコンピューター関係の法律があって、そういう法律がありながら防衛庁には周知徹底されていない。これは大臣がきのうおっしゃったんですからね。周知徹底されていなくてああいう結果を招いてしまった。
この法律をつくっても周知徹底されなければ、これで保護すべき国民の権利というものが保護されないことになるかもしれない。では、どんなふうに周知徹底するんですかといったときには、当然のことながら、どなたか周知徹底をする責任者の方にお答えいただかなきゃならないけれども、それは私は片山大臣か官房長官だと思っていました。
でも、そうなんだとすれば、過去の件についてなぜ周知徹底されなかったのか。具体的なことについてどちらかにはお答えいただかないと、防衛庁リスト問題の反省を踏まえて、では、これはどうしてそういうことが起こったのか、なぜ周知徹底できなかったのか、そのことをだれかに答えていただかなければ、それは前へ進みようがないじゃないですか。
○片山国務大臣
私は、周知徹底されてなかったとは言っていないです。周知徹底が不十分であったと。だから、防衛庁……(枝野委員「一緒だ」と呼ぶ)なかったと不十分とは違いますよ。だから、それについては、例えば海幕三佐については懲戒処分が行われたわけでありますから、そういうことが行われないのが、それはベターなんですよ。しかし、結果としてああいうことが、いろいろな事情で、本人の不注意か何かわかりませんけれども起こりましたので、それについては周知徹底の程度が不十分であったのかな、こういうことを私自身は思っておるわけでありまして、それは、防衛庁は防衛庁で調査した結果の判断で、御承知のような懲戒処分をしたわけでありますから、そういう意味では、その周知徹底の不十分さについて防衛庁としての責任はとったわけであります。
○枝野委員
だけれども、周知徹底の問題だとおっしゃったのは大臣なんですからね。防衛庁長官が、どこかで周知徹底が行き届かなかったんでとおっしゃったんじゃないですからね。
周知徹底が行き届かなかったんでと防衛庁長官も御認識で、内閣として御認識ならば、処分の相手が違うじゃないか、きのう申し上げたとおりですよね。そんな現場の、一番末端の、いわゆるトカゲのしっぽ切りみたいな、そういう処分じゃなくて、周知徹底を防衛庁内でするべき責任者こそが処分を受けるべきなのであって、それはどういう認識なんですか。それは防衛庁とどういう話をしているんですか。その話を聞いているんです。
しかも、こんな大きな問題なんだから、主務大臣や所管大臣限りの話じゃないですよ。内閣官房として総合調整して持ってくる話ですよ。官房長官、どうですか。
○片山国務大臣
いや、それは、言いましたように、これは隅々の、すべての人が十二分に法律やいろいろな仕組みを了解して、認識してやるということができれば一番いいんですよ。だから、そのためにいろいろな手だてはとりますけれども、今回の場合には、御承知のような海幕三佐の事案が起きたので、それは大変遺憾であり、周知が不足したのかなと考えておるわけでありまして、しかし、それは行為をした人について、行為責任を国家公務員法で防衛庁はとらせたわけでありまして、内部についてのいろいろな反省は、あるいはそれは防衛庁として行ったと私は聞いております。
○枝野委員
今、「かな」とかおっしゃっていますが、言葉の揚げ足取りをするつもりはありませんが、周知徹底ができなかったせいで防衛庁リスト問題のような問題が起こった。それが不十分だったせいで起こったのか、それとも周知徹底はそれなりになされていたのに本人の問題として起こったのか、それとも組織全体の体質として、周知徹底されていても、こんなものいいやと思っていたのか、それによって全然やるべき対応が違うわけですよ、組むべき法律も違うわけですよ、対応するために。そのことを総務大臣が認識していないということを今お認めになったんですよ。全然総合調整ができていない、あの事件を踏まえていないということを自分でお認めになっているんですよ、今のは。
○片山国務大臣
国家公務員法に基づく懲戒権の発動は懲戒権者がやるんですよ。だから、懲戒処分に該当する事由があるんなら、懲戒権者が十分調査の上やったんで、あの結果は、行為をした海幕三佐に責任があるという懲戒処分だと理解しております。
○枝野委員
多分、頭のいい大臣のことだから、わざとずらしているんでしょうが、私は、処分どうこうという話をしているんじゃないんです。
あの事件が発覚をして、発覚をした上で新しい法律に出し直してくるんですから、当然のことながら、あのような事件が二度と起こらないようにと、それなりの配慮がなされたのは当然でしょう。そうだとしたときに、なぜあんな事件が起こったのかということは、処分をどうこうするか、それは防衛庁長官の問題ですよ。だけれども、どうしてああいう事件が起こったのかということを、少なくとも内閣としてきちっと共通認識を持って、そして法案を出してこなければ、あの事件の教訓を生かしたことにならないですね。
したがって、それは官房長官がきちんと把握をした上で、総務大臣と調整をされて、ああいう事件が起こらないようにとされるべきだと私は思いますが、それをお二人の間で押しつけ合って、どちらがどうでも構いませんが、それは総務大臣が、いや、それは防衛庁長官が自分で調べて、責任を持って処分したんだからと。処分の問題はそうでしょう。だけれども、それに基づいて、どういう事実関係だったのか、どうしてあんなことが起こったのかということを大臣が大臣として認識をしていなければ、それを教訓にしてこの法案を出してきたということにはならないですね。
○片山国務大臣
防衛庁の事案だけじゃないんです。防衛庁の事案も一つありますけれども、万般の、前の法律についての国会の御議論や、あるいは世論というんでしょうか、そういうことを含めまして、すべてのことを総合勘案して、与党とも調整の上に今回の法律を出したわけでありまして、もともと、前の法律も現法に比べると相当進んでいる、それをさらに処罰規定を追加することによって万全を期した、こういうことでございます。
○枝野委員
わかっておっしゃられているんだと思うので、もう本当に、半分腹が立つのですが、その罰則が、今回の防衛庁リスト問題のようなケースは対象にならない、そういう中身になっているわけですよ。
そういうことについて判断される以上は、なぜ防衛庁リスト問題が生じたのかということについて、もちろんほかの理由もあって出し直したのでしょうが、そのことについてもきちんと内閣として把握をして、その上で、これこれこういう理由であの問題はこう起きた、そういうふうに少なくとも認識していると。官房長官から聞いたのか、調整を受けて聞いたのか、防衛庁長官と直接やったのかは、それはいろいろあるかもしれませんが、そこはきちんと大臣として把握をしていなければおかしい。
もし、それを把握しないのなら、できないのなら、それは、法律をつくった後の執行の問題だから各大臣だというのだったら、実際にこの法律を執行するのは各大臣なんだから、関係する全省庁大臣に出てきていただかないと、あなたの役所はどうやって周知徹底するんですかと聞けないじゃないですか。
○片山国務大臣
今回の防衛庁の事案は、今回の新法の罰則規定は、五十三条、五十四条、五十五条に追加いたしましたよね。そのいずれも、事実認定されれば罰則の対象になり得るのですよ。ただ、最終的な事実認定は司法がやるわけですから、厳重ないろいろな、刑罰ですから、犯罪ということで刑罰になるわけですから、そういう意味では捜査というのでしょうか、単なる調査でなくて、そういうことの上で事実認定されれば、これは刑罰の対象になる。だから、こういうことは相当な抑止効果があるということを私は昨日も申し上げました。
例えば五十三条でいいますと、個人の秘密に属する事項について、正当な理由がなく他に提供するということが刑罰の対象になるわけです。しかも、それは過失でなくて故意でなきゃいかぬ。だから、正当な理由があったかないかの事実認定、個人の秘密に属する事項であったかどうかの事実認定、故意か過失かの事実認定、これは、それこそ刑事当局が、司法が法と証拠に基づいてしっかり捜査をして、その結果、事実認定できれば罰則の対象になる、こういうことであります。
○枝野委員
その答弁はきのうもお聞きをしたのですが、あの事件に今さらこの法律を適用して処罰しろだなんて言っていないんですよ。
あのような事件の性質は、少なくとも行政的には把握をしているわけですよね。行政的に把握をして、それで懲戒処分をしているわけですよ。その行政的に把握をした事実に基づいて、これは周知徹底が不十分だったのか、本人の個性の問題なのか、組織的な体質の問題なのか、そういうことを判断して、その上であの手のところまで、つまり、我々の案と政府案との一番の違いは、その職務の用以外の用に供する目的というものの有無ですね、そこのところで広く処罰の対象にしないと我々はいけないと思ったわけですよ、あの防衛庁リスト問題で。
そこのところについては、少なくとも、これこれこういう事実関係で、行政的にはこういう事実関係で把握をしています、原因はこういうところにあります、したがって、こういうところの処置をこうすれば処罰をしなくても、つまり、そういう処罰を広げなくてもこれは抑止できます、そういうことの御答弁がなければ、あれを教訓にしたということにはならないと思うんですが、官房長官にお尋ねします。
今のようなことについて官房長官は調整をしたのですか、していないのですか。事実関係です。いや、事実関係です。官房長官の認識の問題、事実関係です。
○片山国務大臣
官房長官の御答弁があるかもしれませんが、今は五十五条の話ですね。五十三、五十四は野党案も政府案も同じですからね。五十五条は、私どもの方は、専ら自己の職務の用以外の用に、こういうことでございまして、そこが皆さんの方の野党案は落ちている。
そこで、刑罰というものは何でもかければいいというものじゃないんですね、これは釈迦に説法ですけれども。当罰性がなきゃいかぬ。
そこで、熱心な余り、自分の職務の範囲のことについて行き過ぎた、こういうものについては刑罰にすることが適当かどうかという議論があるものですから懲戒処分にしたわけでありまして、したがって、今の防衛庁の事案につきましても、海幕三佐も懲戒処分の対象になりましたが、御承知のように、官房長も文書課長も総務課長も懲戒処分の対象になっているわけであります。
○枝野委員
いいですか。聞かれていないことに答えていただきたくないし、今のお話はきのうもお聞きをしました。
処罰に値する行為なのかどうかということというのは、それは議論があります。前提として、当然のことながら、あれだけ問題になった防衛庁リスト問題について、これはこういう原因で、こういうところに根拠があって、こういうことになったんだ、その事実の認識があった上で、だから、そこまでは処罰をする必要はなくて、懲戒処分で足りますからそこは対象に含めませんでしたということになるのか。それとも、やはりそこまで処罰の対象にしておかないと抑止できないということになるのか。
いわゆる立法事実の問題としてどこまで把握されているのですかということについて、総務大臣はきちんと把握されていない。それは、防衛庁が防衛庁の責任で事実関係を調査して処分をされた。
それで、事実関係として、官房長官は、例えば、防衛庁がどういう理由に基づいて、どういう調査結果に基づいてどういう処分をしたのか、そういうことについて詳細な報告は受けているのですか、受けていないのですか。官房長官の認識の問題です。
○福田国務大臣
そもそも、内閣におきましては、政策ごとに担当大臣というのを決めているわけでございます。この個人情報保護法案については、細田IT担当大臣または片山総務大臣が法案の担当大臣でありまして、この両大臣が内閣を代表して答弁等に当たっておるわけでございます。
ですから、私の方に調整があったのかどうかというふうにお尋ねでございますけれども、これは、必要な調整はもちろんいたしますけれども、しかし、担当大臣はそういうことで決まっておりますから、担当大臣が防衛庁とよく相談をして諸事決めていくもの、このように承知しておるわけでございます。
○枝野委員
その防衛庁長官から、少なくとも官房長官はしっかりとした認識の連絡を受けていないということは、この間の議論で、きょうの議論でも明らかになったじゃないですか。調整が不十分だった。少なくとも、この法案の立法事実となるべき今回の防衛庁リスト問題がどういう理由でああいうことになったのか、周知徹底が不十分であったようだみたいなことはおっしゃっていますが、具体的な認識を大臣はお持ちにならないできのうから答弁しています。これは議事録を全部見ていただければ改めて確認できます。
そういう事実認識しかしていない総務大臣が、防衛庁とはちゃんと調整しました、それで出してきましたということにはならないので、当然、現場での調整が不十分だったら官房長官が調整をしていただくしかないじゃないですか。
○片山国務大臣
私どもの方は、この事件が表ざたになってから、調査をするようにも防衛庁に話しましたし、防衛庁もしっかり調査して、その報告は受けておりますし、その結果に基づきこういう懲戒処分を行いたい、それもすべて相談を受けております。その結果、我々としても、そういう処分が妥当ではなかろうか、こういうことを申し上げましたが、あくまでも処分をやるのは法律に基づいて防衛庁長官でありますから。今の内閣制度はそういう仕組みになっているので、我々としては、法律に基づいて、現行法に基づいて、現行法に基づく限りのいろいろな関与はいたしたわけであります。何にもしなかったわけじゃ全くありません。
○枝野委員
だけれども、結果的になぜあんな事件が起こったのかということについては、言葉の揚げ足取りをするつもりはありませんから、周知徹底が不十分ということの意味を細かくは聞きませんけれども、きのう来の御答弁を議事録ができたらきちっと御本人にも読んでいただければわかると思いますが、少なくとも、そのことがどういう原因だったのかということについては、あいまいな御答弁しか一貫してしてきていないわけです。その事実認識についてあいまいなままで今度の法案では対応できますということの説明には全くならないわけであります。
そろそろ時間のようなんですが、確認します。
この法律ができ上がった後も、各行政の内部で、違法なとき、つまり処罰しなきゃならないような問題のときは、これは司法が動くでしょう。警察、検察が動くでしょう。そこに至らないけれどもこの法律に反するような行為が疑われた場合、これは全部、やはり主務大臣、所管の大臣がそれぞれの役所のことについてやる、それで間違いないですね。総務大臣がそこについて調査をしたり、ほかの役所について調査をしたり、あるいは処分をしたり、そういう権限はないですね。確認いたします。
○片山国務大<臣
現行法における権限をほぼ引き継いでおりまして、例えば、個人情報ファイル簿のいろいろな項目については報告を受けるとか、それについては我々の方がいろいろな調査ができるとか、意見を言えるとか、いろいろな権限がありますから、それはそれに基づいてやっていきたい、こういうふうに思いますし、今度は処罰規定が入りましたので、自分の仕事の範囲で犯罪が起こったと思料すれば、これは告発の義務が生ずるわけでありまして、そういうことでは現行法よりは相当変わってくる、こういうふうに思っております。
○枝野委員
私がお尋ねしているのは、防衛庁のリスト問題についても周知徹底が不十分だったとすれば、それは、防衛庁長官、防衛庁の問題なのか、それとも総務省の問題なのか。だけれども、今の法体系の中では、それは各所管大臣の責任になるんですよね。それは、総務大臣としては各大臣には言うけれども、その大臣が各省内を徹底するかどうかというのが今の法体系ですよね。私はその内閣法自体変えるべきだと思っていますが。そういう体系の中で、では、各省庁はこの法律をどういうふうに省内に徹底をさせていくのか。
実は、同じことは個人情報保護法の方にも言えるわけで、これも民間に対する監督が各主務大臣ですから、細田大臣が、この内閣が続いていたとしても、経済産業大臣に対して何か言えはするんでしょうけれども、具体的に現場の人間に周知徹底する権限を持たないわけですよね。そうすると、それは各役所でどういうふうに周知徹底をさせるのかということについては、各役所の大臣に来ていただいて、あなたの役所どうするんですかと聞いていくか、全体についての総合調整をされる福田官房長官に来ていただいて、内閣官房の責任で全体として総合調整こうしますとおっしゃっていただくかだと思います。したがって、そのどちらかに出てきていただきながら審議しないと、具体的にどう執行されていくのかという審議はできない。
なお、さらに加えて、今の総務大臣の御答弁では納得できませんので、直接、防衛庁リスト問題がどういう原因で起こったのかということについてどういう認識をされているのか、防衛庁長官の出席を求めたいと思いますので、御配慮ください。
終わります。