http://www.edano.gr.jp
衆議院議員枝野幸男の公式政策発信サイト
こちらからは、アーカイブページになります

 議事録


>>[議事録INDEXへ]




衆-予算委員会


平成15年02月07日

[デフレ対策/税制改正/医療保険制度/公共事業予算/郵政民営化/公務員制度/中小企業金融について ]

○枝野委員
 民主党の枝野でございます。

 今回の予算で、デフレを何とか克服したいという強い意欲だけは示されていますが、そもそも、デフレというのはどういう状況なんでしょうか。これは竹中さんで結構です。

○竹中国務大臣
 これはもう言うまでもありませんが、デフレというのは収縮するという意味でありますから、個別で言えば、やはり物価が下がっている状況ということになろうかと思います。具体的に日本の場合は、GDPデフレーターは一九九〇年代の半ばからもう七年、八年、一時期を除いて下がっておりますし、消費者物価についてもここ数年間下がっている。

 ただし、一般にデフレと使う場合は、純粋に物価が下がるだけではなくて、景気が悪い、不況だということも含めて使われる場合もありますので、これは人によるわけでありますけれども、ここで我々が議論しているのは、物価が下落している状況、それを何とかストップさせたい、そういう趣旨でございます。

○枝野委員
 さて、このデフレから脱却しなきゃならない。要するに、物が売れないからデフレになるわけですね。それで、デフレを解決させるためには、物が売れるようになるか、それとも、物が余らないように供給を削減するか。まさか供給を削減するとは思っていないですよね。やはり物が売れるようにならないと、あるいは、物というものの中にはサービスも含めてですけれども、そうしなければデフレは解決しないと思うんですが、そういう認識でいいですか。

○竹中国務大臣
 これももう既に何度か御議論させていただきましたが、デフレ、物価が下がる要因は極めて複合的なものであるというふうに思っております。

 需要が供給に比べて不足している、需給ギャップがあるという面も確かにあります。しかし、今の需給ギャップ率は過去に比べてそんなに大きいわけではないというのも事実でございます。さらには、海外から安いものが入ってくる、IT革命でパソコンの値段が下がるという供給側の要因もございます。さらに、我々がやはり一つ注目するのは、これはすぐれて金融的な現象であるということで、マネタリーな側面、金融的な側面であります。社会全体でマネーの量が余りふえていない状況にある。

 これに関していろいろな議論が今なされているわけでありまして、そのすべての問題をやはり考えていかなければいけないというふうに思っております。

○枝野委員
 マネーの話は、日銀が供給量を非常に緩和をしているのにお金が途中で詰まっている。これは、一番最後のところで中小企業金融の話でさせていただきたいというふうに思いますが、消費者の立場、一般の国民の皆さんの立場から考えてみます。

 「改革と展望」の中で、政府は、二〇〇四年度までの集中調整期間後にはデフレは克服できると見られるとお書きになっています。政府が正直であるということは一般的にはいいことだというふうに思うんですが、時々やはり、すべてのことは伝えることができない部分、例えば外交上などにそういった部分があるのはわかります。何でここだけばか正直にお答えになっているのか、お書きになっているのか私にはよくわからない。

 実は、昨年もこの議論をさせていただきましたが、二〇〇四年度までの集中調整期間後にはデフレは克服できると見られるということは、二〇〇四年度中まではデフレの状態が続く、つまり、物価が下落することは続くということはやむを得ないんだというか、避けられないんだという認識を示されているわけですね。

 消費者の立場から見れば、もちろん、時期を選べない必要なものについてはこの期間においてもお金を出して買い物するでしょうけれども、二〇〇四年度が終わるころまでは物価は下がり続けると政府も太鼓判を押してくれているんだったら、不要不急の買い物は二〇〇四年度の終わりごろ、つまり二〇〇五年の二月か三月ぐらいまで買わないで待っていた方がいいなというのが消費者心理として当たり前だと思いますね。そうするとますます物が売れなくて、需給ギャップが広がって、物の値段が下がって、デフレを加速することになるんじゃないですか。

 総理、どうですか。難しい話じゃないんで、経済の難しい話じゃない、シンプルな話です。

○小泉内閣総理大臣
 学問的なことは竹中大臣に後ほど答弁させますが、確かに、一般的な感覚としてそういうことも当てはまるかもしれません。

 と同時に、今消費者は賢いですからね、不要不急のものは買わない、しかし、高くても買っている人はいるんですよね、この時代に。それで、安ければ安いほどいいという人もたくさんいる。同時に、高くても質がよければ買おうという、消費者が非常に賢明になっている。確かに全体としてこれから物価はそんなに上がらないだろう、下がるだろうというときにおいては、もうちょっとこれは待った方が下がるかなという動きも確かに出ると思います。

 しかし、そういう中で、各企業等が努力して、いかにサービスを提供していくか、いい商品を提供していくか、そういう努力をすることによってまた新たな需要が出てくる。いかにそういう環境をつくっていくかというのも非常に私は大事なことではないかと思っております。

 学問的なことは、ちょっと竹中大臣、どうぞ。

○枝野委員
 微妙に論点をずらされてお答えになっているなと思うんですが、もちろん消費者は賢い。消費者は賢いという中で、どうしても欲しいものは高くても買う。それもそのとおりです。

 しかし、全体として、マクロの日本経済全体としてどれぐらい消費が伸びるのか下がるのかということを考えたときに、これから物価は下がりますと政府がお墨つきをつけてくれている状況の中で、国民の皆さんが、例えば不動産、土地を買おうかどうしようか、こんな大きな買い物だから、まだデフレが続くんだったら、もっと下がったときに買った方がいいなという方向に気持ちがなっていって、そうした中でも、やはりいいものだから早く買っておこうという人はもちろん一部にはいますけれども、全体としてはやはり消費を冷え込ませることになっていくのではないか。

 この消費者心理といいますか、消費者の立場から経済を見ないで、学問的なところから、一生懸命先ほど難しいことをおっしゃっていましたが、デフレは何だかんだということをおっしゃっているから、いつになっても経済が回復しないのではないかというふうに思っていますが、そういう観点から税制改正の話をちょっとお尋ねさせていただきたい。

 税制改正は何のために今回なさったんですか。景気の回復そしてデフレの克服のためではないんでしょうか。

○塩川国務大臣
 経済の活性化を図るということ、これに、一点に絞って税制改正いたしました。

 そのためには、企業が積極的に投資をしてくれること、あるいは研究開発に投資をすること、それからまた個人の資産が流動しやすく、例えば親の財産が子供に移転して、子供がそれを積極的に経済活動に使うこと、あるいは証券投資を積極化するために貯蓄から証券へと資金が動く、そういう資金の流動を通じて活性化を図るという面を考慮してやったものであります。

○枝野委員
 ところが、もう政府もお認めになっているとおり、今回の減税は、税制改正は先行減税だけれども税収中立だと。将来、今回減税になっている分はどこかで増税をして取り返す。しかも、その取り返す増税の中身というのは、酒、たばこという大衆増税であったり、あるいは配偶者特別控除の廃止、これまた大衆増税です。

 国民の皆さんは、総理もおっしゃったとおり賢い消費者でありますから、今回いろいろ減税をしてくれているようだけれども、その減税になった分はこういう大衆増税で、配偶者特別控除だなんというのは、基本的にはかなりの一般の庶民の皆さんが受けているもの。酒、たばこ、もちろん嫌いな方もいらっしゃるでしょうけれども、多くの方々が酒、たばこの消費者であります。そういう皆さんにとっては、なるほどいろいろな減税をしているようだけれども、その分はどうせ後で取り返されるんだなということがわかっているときに、さあ消費者の皆さんは、せっかく減税もあったことだしお金を消費に回そうか、こういう方向に向かっていくと思いますか、総理。

○小泉内閣総理大臣
 私は、皆さん増税のことばかり言いますけれども、酒、たばこ、二千億円増税しますけれども、研究開発投資とかあるいは住宅取得しやすいような減税とか、二兆円しているんですよね。それを、増税二千億円、酒、たばこ。しかもお酒は発泡酒でしょう。一缶十円ですよ。たばこは一本一円ですよ。これで二千億円の増税ばかり言いますけれども、二兆円の減税、みんな言わない。(発言する者あり)いやいや、だから、二兆円の減税して二千億円の増税するから、差し引き一兆八千億円なんですよ。そうだよな。そう、そう、そう。

 だから、そういうことを考えると、しかも、それじゃ減税だけすればどういうことになるか。その穴埋めはまた借金でするんですか。そういうことじゃなくて、やはり長期的に財源がないといろいろな政策執行できないんだから、そういうことも考えて、単年度じゃなくて多年度でやろうということなんですよ。

○枝野委員
 私も質問の中で今申し上げましたけれども、減税はされている、だけれどもその減税分は、税収中立で、いわゆる先行減税なんだから、将来その分増税しますと公言しているわけです。

 そのときに、消費者の心理として、幾らことしの分だけ見たら減税ですと言われても、だけれどもその分は将来増税されて取り返されるんですよというメッセージを投げていて、それが消費者の購買意欲、物を買おう、サービスを買おうという意欲にはどういう影響を与えますか。もちろん財源が必要だ、それは後で申し上げます。だけれども、消費者の心理との関係でどういうふうにお考えなんですかと聞いているんです。

○小泉内閣総理大臣
 しかし、経済というのは、消費者だけ、一部だけじゃありませんね。それでは、もう減税だけやって、あと財源考えないで借金しようということになった場合に、国債が暴落する、長期金利が上がる、こういう影響もやはり考えなきゃいかぬ。そういうこともやはり必要じゃないでしょうか。

○枝野委員
 財源の話は後で。我々、八・八兆円分の財源を生み出すということで、民主党の予算案、きのう菅代表が提示をさせていただいていますが、財源は、きちんと必要度の小さいところを削減するということで借金をふやさなくてもできると私たちは考えています。

 そして、まさに消費者、消費だけではない、確かに経済は消費だけじゃありません。しかし、僕はそこのところがやはり根本的に間違っているんじゃないかと思うのです。というのは、企業の設備投資、大変大事です。設備投資が伸びてくれないと経済は活性化しない、それはそのとおりです。しかし、設備投資というのは最終的に消費をしてくれる人がいるから設備投資の意味があるんです。

 ちなみに、この間の日本の不況は、輸出のところが落ち込んで、そのことで不況になって、デフレになっているわけでは基本的にはありません。輸出の部分は必ずしも悪くありません。国内で物が売れない、あるいはサービスが売れない、最終的な消費者の皆さんの財布のひもがかたく閉ざされている、だから不況になっているんです。この部分が、財布のひもが緩んで消費者の皆さんが最終消費をしていただかなければ、設備投資だけふえたとしても、設備投資をした分がまた供給過剰になってしまうだけです。

 ですから、やはり最終消費、消費者がどういう気持ちになるのか、消費者の皆さんがこれならばお金を使おうという気持ちになっていただかなければ、投資のところで幾ら減税をしようが何しようが、実は効果は上がってこない。このことは実は何年間も繰り返しているんじゃないですか、総理。

○小泉内閣総理大臣
 今いみじくも枝野さんも言われたように、経済活性化というのは消費者だけのことじゃない、全体ということを見なきゃいかぬということを言ったわけでありますが、消費を刺激するというのは、これは、民間が今消費に占める割合は五〇%以上になっていると思いますね、六割。かなり民間の部分が大きいわけです、政府の役割以上に。そういう点も考えると、いかにやはり企業にやる気を出させるか。設備投資にしてもそうです。消費者だけじゃなくて、それがひいては企業の活力が出てくると雇用にもいい影響をもたらす、それがめぐりめぐって消費者にも影響してくる。

 だから、消費者の一部だけ見ますと、例えて言えば、日本は消費税が五%だけれども、二〇%以上持っている国は消費がもう減退しているのかというと、そうじゃないでしょう。一部だけ見ると違うんですよ。だから、一部だけじゃ見れない、そこの点もやはりよく考えていただきたいと思うんですね。

○枝野委員
 消費者の性向というのは、確かに消費税の税率が五%の国もあれば二〇%の国もあります。だけれども、これから増税になっていくんだという状況における消費者の心理と、それから将来について安心なんだという消費者の心理と、それはどれぐらい消費に向かうのかという意欲は全く違っている。しかも、確かに私どもも、いわゆる公的な、いわゆる公共事業的なところで最終消費をふやそうという考え方は違うと思っていますので、民間が頑張っていただかなきゃいけないんですが、民間が頑張っていただくためにも、消費者の皆さんの財布のひもが緩むようなことをできるだけしなきゃいけないのに、大衆増税をする。このことは財布のひもを閉じる。

 もう一つだけ。

 医療費の自己負担が二割から三割に上がる。これも明らかに消費者の心理からすれば、病気になったときに病院で、窓口で払わなきゃならない負担が、五〇%の値上げですよ。二割から三割という言い方をしているから何となくちょっとのように感じますけれども、五〇%の値上げをされるんだ、うかつに病気にもなれないな。うかつに病気にもなれないんだったら、病気のときに備えてますます財布のひもを閉ざして、できるだけ物を買わないで少しでも貯蓄をふやさないといけないな、そういう心理になるのが当たり前じゃないか。

 最終消費をふやさなければならない、デフレを克服しなきゃならないというときにこういう改悪をするというのは、明らかに経済に対してマイナスだと思いますが、いかがですか。

○小泉内閣総理大臣
 今、医療費の三割負担のことを言及されましたけれども、これも、医療費は健康な人も保険料を払っているんですよね。当然、税金は、今防衛費は五兆円ですけれども、たしかことしはもう七兆円超えているんじゃないかな、税金投入。国民も負担しているんです。医療保険というのは、全員が支えているんです。病気にならない人も、病院へ行かない人も、健康な人も保険料を負担しているんですよ。

 だから、今回、今まで診療報酬なんか下げたことないと今お医者さん、みんな怒っています。野党の皆さんは、お医者さんと相談して、つぶせ、つぶせと今やっているでしょう。そういう、お医者さんは怒る、自分たちも診療報酬下げられて、とんでもないと怒って、自民党も応援しないなんか言っている。野党を応援しようかななんか言っちゃっているんだよ、本当に。これは、もういかに自由民主党が国民全体のことを考えているかという一つのあらわれだと思うんですが、ともかく、そういう医療保険というのは、国民の全体の、病気になっていない人も、保険料を負担している方のことも考えなきゃいかぬ。同時に、税金ももう七兆円、毎年毎年負担している。そしたら、病気になった人も、これはもうお医者さん、ただで診てくれれば、病院行けばいいんだというんじゃ健康にならない。医療費が安くても、やはり薬にだけ頼っちゃいかぬ、お医者さんにだけ頼っちゃいかぬ。日ごろの生活習慣、よく休養をとって、食事も気をつけて運動もするということがやはり健康につながるんで、そういうことも全体考えて。

 この日本の医療保険というのは世界に冠たる保険なんですよ、医療保険制度なんですよ。病院に行けば安く診てくれる。三割負担といっても、百万円かかったら三十万負担じゃないんですよ、上限が設けられている。低所得層はさらにその半分。今まで六万三千六百円が今回七万ぐらい、上限は。だから、百万かかろうが二百万かかろうが、七万円程度の上限が設けてある。二十万、三十万じゃない。今、もう毎月、一年間百万じゃない、毎月百万、二百万かかる患者さんも多数いるんです。驚くことなかれ、一月一千万かかっている患者さんもいるんですよ。それを病気にならない人も負担しなきゃいかぬのだ、そういう点も考えなきゃいかぬ。

 今、じゃ、医療費の負担を三割、反対だといった場合に、それじゃ、もっと税金を投入すると言っている。どこで増税するんですか。(発言する者あり)財源はあると言っているけれども、その不正請求もちゃんと正している、今まで。いろいろなことをやっている。だから、非常な、全体を見ながら対応しなきゃいかぬ。

 それで、今皆さん……(枝野委員「聞かれたことからもう超えていますよ」と呼ぶ)ああ、もういいか。

○枝野委員
 聞かれたことに正面からお答えをいただきたいんですけれども、これでは消費者の皆さんが財布のひもを閉ざすんじゃないですかということを言っているんです。

 確かに、医療保険制度というのは抜本的に見直さなきゃいけない。このままいったら、高齢者の方がどんどんふえていけば医療費はどんどんふえていきます。このままいったら破綻をしてしまうから何とかしなきゃならない。そこで、小泉さんが一年九カ月前に登場したときに、聖域なき構造改革という言葉に多くの皆さんが期待をしたんじゃないですか。これ、構造改革で二割から三割の負担増なんですか。

 例えば、医療保険の保険者が不正診療とか過剰診療とかをチェックできるような保険者機能、きちんとチェックしましょう、あるいは、これからお年寄りがどんどんふえていって高齢者の皆さんほど医療にかかる比率は高くなりますから、そういうところの高齢者医療制度を抜本的に改善しましょう、そういうことで、医療全体のことを見直しましょうというのが構造改革のはずなのに、単にお金が足りないから二割から三割に上げます、これが構造改革なんですか。

 そうしたら、また抜本的な改革がないところで高齢者はどんどんふえていくんですから、次は三割が四割ですね、四割が五割ですよ、お金足りなくなって。その抜本のところをやらないで、そして消費者の心理を冷やすところ、とりあえず数字のつじつま合わせの負担増だけしているから、これでは景気に対してマイナスで、抜本改革も行われていない、こういうことなんじゃないかということを申し上げているんです。反論ありますか。

○坂口国務大臣
 今お話しございましたように、少子高齢社会、これからさらに進むわけでございますし、そしてまた、医療技術の進歩というものもございますから、トータルで考えましたときに、なかなかこの医療費が下がっていくということは考えにくい。これからどうしてもやはり上がっていくということをある程度前提にした上で将来を考えていかなければならないというのは、これはもう枝野議員も御存じのとおりでございます。そうした中で、今御指摘の抜本改革の問題につきましても取り組んでおりまして、この三月までにその結論を出したいというふうに思っております。

 まず、この診療の中でも……(枝野委員「抜本改革の中身はいいです。そんなこと言ってないです」と呼ぶ)保険の問題につきましても、ほかのことに、診療以外のところでたくさんのことが入り用になっておりますところを、そこを削らなきゃならない、診療自身にそれが向いていくようにしなきゃならない。そうした意味で、保険の統合の問題ですとか、さまざまな問題も今考えているわけでございます。

 そうしたことで、将来の目標としまして、総医療費の中で自己負担というのは大体一五%ぐらいのところへ持っていきたいというふうに思っています。今一七%ぐらいのところです。総医療費ですよ、総医療費の中でそのぐらいなところに持っていきたいと思っているところでございます。

○枝野委員
 抜本改革をしたいしたい、するんだするんだというのは、もう一年九カ月ずうっと聞いてきているんです。ずうっと聞いてきているんだけれども、抜本改革の話が出てこないで、負担増の話だけが具体的には出てきているというのが今の現状なんだ。これで本当に、将来ちゃんと医療制度を抜本改革してくれて、今回は二割から三割に上がるけれども、これが最後で、これから高齢化がもっともっと進んでいっても、これからの医療は安心なんだなと本当に国民の皆さんが思っていらっしゃるのか。そこのところが、先ほど来ずっと言っている消費者心理との関係で、不況克服、デフレ克服という観点から大事なんだというふうに申し上げているんです。

 さて、先ほど来、財源がないじゃないか、財源がないじゃないかということを総理は繰り返しおっしゃられました。確かに政府の予算案を見ると、お金が足りない。これ以上借金はできないということかもしれません。しかし、まさに財政の構造改革をしましょうという話というのは、減らすべきところを減らして、ふやすべきところをふやす。今回の施政方針演説の中でも総理は、大胆に重点配分しましたとおっしゃっているんです。それから、一年九カ月前、小泉総理が就任をしたときの所信表明演説に対して、民主党を代表して代表質問を本会議でさせていただきましたが、そのときの答弁でも総理は、ふやすべき予算がある、減らすべき予算がある、そういうところを、どこの予算を削るのか、ここが大事だと総理御自身がおっしゃっています。

 では、この二年間、そしてことし、国民負担増をこんなに入れなきゃならない、消費者心理を冷やすような国民負担増をしなきゃならない、その前提として、何をどれぐらい、どんなふうに大胆にカットしたんですか。

○塩川国務大臣
 今回、おっしゃるように、めり張りをつけるのはどこにつけたかということですけれども、一つは社会保障関係にはうんと増額をいたしました。それと、科学技術の振興費ということでございますが……(枝野委員「減らした方を聞いている、減らした方」と呼ぶ)減らした方は、食料安定供給施設の整備であるとか、あるいはまた、ODAでございますね、そういうところ、あるいは公共事業、そういう点について削減しております。

○枝野委員
 それぞれ幾らぐらいずつですか。そして、何%削減したんですか。

○塩川国務大臣
 公共事業では三%、それからODAでは四・七%、それから食料関係で五・八、大体そんなところであります。

○枝野委員
 公共事業三%に絞ってやりましょう。

 幾らですか。

○塩川国務大臣
 約六千億円ほどであります。

○枝野委員
 総理、これが大胆なんですか。

○小泉内閣総理大臣
 これは、限られた予算の中で、ふやせ、ふやせという要求の中で減らすということは、これはかなり大胆なことなんです。

○枝野委員
 いいですか、国民の皆さん。総理の言っている大胆な改革というのは、三%削減で大胆だという、それが大胆な改革なんだということを、国民の皆さん、ぜひよく聞いておいてください。

 私どもは、例えば公共事業の国費部分で三・六兆円公共事業費をカットするということで、三・六兆円分公共事業予算を一般会計の中からカットする、そういうことで、きのう菅代表が提起をしました民主党予算案を組んでみました。これぐらい減らすというのが大胆なカットなんじゃないですか。

○小泉内閣総理大臣
 その場合、当然予算というのは財源を考えなきゃいけませんから、ざっと拝見しましたけれども、ODAを五〇%削減しようと言っていますよね。これは、本当に日本の外交的な立場を考えて実現可能かどうか。

 しかも、予算というのは全体のことを考えなきゃなりませんが、医療費を上げるなということになりますと、これまた支出がふえます。(枝野委員「聞かれたことに答えさせてください。公共事業の削減のことについて」と呼ぶ)

○藤井委員長
 ちょっと静かにしてください。

○小泉内閣総理大臣
 だから、公共事業を削減した場合に、恐らく民主党にも、公園をつくってください、住宅をつくってください、河川の改修をしてください、いろいろな公共施設があると思います。それを本当に、今大体八兆円程度、それを三兆円以上カットできて、これは国民のいろいろな要望にこたえることができるかどうか。(発言する者あり)ああ、できるというのは大したものだ、これは。

 そういう場合、しかも、三十兆円を三年間法律で縛るというんだよ、国債発行。民主党はそう言っていたんですよ。国会で、法案提出していたんですよ。三十兆円に縛るという中でどうやって組むかというのは、これは私は非常に疑問に思っているんですよ。

○枝野委員
 まず、後段の話をよくきちんと反論しておきますが、私たち、一年九カ月前に、一年九カ月前の経済状況の中で政府支出から経済運営からきちんと間違えないでやれば、こんな税収減になっていませんから、三十兆の枠で十分縛れるんです。この一年九カ月、我々は経済運営の執行権を持っていないんです、間違った経済運営をした結果、税収減になって、それで三十兆円を守れなくなりましたという責任を野党に押しつけられても困るんです。我々に政権を預けていただければこんなことになっていなかった。皆さんは、少なくとも失敗をしたことというのは結果を出しているんですから。我々がやったときにできたかどうか、もしやってできていないんだったら我々の責任です。皆さんが経済運営をしていたということを忘れないでください。

 それから、公共事業全体で八兆のうち三・六兆も削って本当にやるべきことができるのか。わかっておっしゃっているのか、それともわかっていないでおっしゃっているのか、どちらかわかりませんが、三・六兆円公共事業予算を削ることで、いいですか、名目で、公共事業全体、どれくらい減るとわかっていますか、総理。

○小泉内閣総理大臣
 そこまで細かいことを言わせないでくださいよ。

○枝野委員
 いいですか、国費ベースの公共事業予算を半減近く我々はカットする、三・六兆カットすると言っています。これは、特別会計の出入りの部分とか特別会計で移せない部分がありますから、完全に半減ではありません。でも、一般会計では半減する、三・六兆円削減して、これをほかのところに回そうとしています。

 しかし、ではこれで、例えば建設業者の皆さんが半分仕事がなくなるのかと思ったら大きな間違いです。というのは、公共事業の大部分は地方がやっているんです。地方がやっている中で、国の予算を三・六兆円カットしても、全体としての公共事業、国、地方を合わせた公共事業の総額は八%しか減らないんです。いいですか。そのことをわかっていらっしゃいますか、総理。

○片山国務大臣
 民主党なり枝野委員は、一括交付金を地方に渡すので、その中で単独事業をやれ、単独事業的な建設事業をやれ、こういうことだろうと思いますけれども、今、私どもの方の地方財政計画を間もなく国会に出させていただきますが、大変単独事業に各地方団体は慎重になっておりまして、なかなか決算との乖離が大きゅうございますので、我々は、やってもらわないけません、これは景気対策もありますから、しかし、それは厳選してやってもらう、生活インフラを中心にやる、こういうことで今指導しておりまして、直ちに一括交付金をもって単独事業が公共事業並みにふえるかということには、必ずしもそういう見通しは持てないと私は考えております。

○枝野委員
 そちらから出していただきましたので、民主党の基本的な予算の資料も配らせていただいていますが、大きな概略を御説明させていただきますが、今わざわざ資料を配らせていただいております。(パネルを示す)一番上にあるのが、政府の予算の主な項目配分です。資料を皆さんには配らせていただいております。それです。一枚紙です。こういう資料です。同じものですね。

 我々は、一括交付金として、全体の三〇%を地方に自由に使ってくださいというお金にしようと思っています。実は、この三〇%分というのは、現在の政府の予算でも地方が使っているお金です。国が事業を発注して行っているのではなくて、地方自治体、市町村や都道府県の皆さんが行う事業に補助金をつけています。しかし、その補助金の使い方というのは、役所の縦割りの中で、このお金はこの事業に使いなさい、このお金はあの事業に使いなさいと。さすがに最近は減っていると思いますが、よく言われてきているのは、その縦割りのせいで、片方は農林省予算でついている農道、すぐ隣に、これは総務省でしょうか建設省でしょうか、県道が、二本立派な道路が並行して走っていますねというようなむだが地方で出ていたりしています。

 それから、地方公共団体の皆さん、事務で何に一番手間をとられるか。補助金の、この補助金つけてください、あの補助金つけてくださいという、申請業務に物すごい事務の手間がとられているというふうに言われています。地方が、それぞれの地域でどこに道路が必要なのか、どこに橋が必要なのか、こんなことは、霞が関のお役人よりも、それぞれの地域に住んでいる人たちの方がよくわかっています。我々だって、自分の選挙区の、くまなく全部のところを、どこの道路をどう直したらいいのかなんてなかなかわからない。それぞれの地域の人たちが一番わかっているのです。それを、国の基準に基づいて、ここにつけます、あそこにつけますだなんてやっているから、むだなところに道路がつくられたり、本来必要なところがなかなかつくられなかったりしているというわけです。

 ですから、これを、そっくりと自由にお使いくださいと。国の基準に合っていようが合ってなかろうが、例えば、二車線道路じゃなくてもいいですよ、車が少ないところだったらもっと規格のよくない道路でもいいですよ、自由に使ってくださいというようにお分けをします。しかも、今総務大臣がおっしゃられたとおり、それを借金の返済に充てられては困るわけです、地方で。これは事業を行ってくださいということでやるわけですから。

 ですから、何でも丸ごとじゃなくて、真ん中の段を見ていただければわかるとおり、カテゴリーごとに分けます。教育関係に今まで使っていた補助金は教育関係の枠内で使ってください、今まで公共事業で使っていた補助金は、一括して渡しますけれども、公共事業という枠の中では何に使ってもいいですけれども、それ以外のことには使わないでください。こういうことで、それぞれのカテゴリーごとで使ってくださいということですから、このお金を渡した分は、公共事業でちゃんと使っていただければ、単独事業でやっていただくことになるわけで、事業量は減りません。

 こういうやり方をすれば、先ほど申し上げた地方の役人の皆さんも、補助金の申請業務で物すごく手間がとられている。遠い皆さんは、東京まで陳情に上がってくる公務員の皆さんのあの交通費だって、あれは公費でしょう。こういう予算など、それから、先ほどの農道と県道が並行して走っているみたいなところは、減っているとはいいながらも、いろいろな精査をして集中的に使えるでしょうということで、ここでトータルを二割カットしますが、それぐらいの分で、事業の規模としては、地方では十分確保できますね。こういう案を我々は提供しています。

 国の、霞が関の、その地域なんかに行ったことない人が判こ押さないと補助金が出ないという自民党政府がいいのか、それとも、それぞれの地域の事情に合わせて公共事業ができる民主党の予算がいいのか、これは国民の皆さんに御判断をいただきたいというふうに思います。

 さて、次の質問を伺います。

 総理は、菅代表の補正予算に対する審議の中でも、もっと大きなことがあるということで、行財政改革をおっしゃっておられました。そこで、道路公団の民営化の話についてお尋ねをしたいと思います。

 総理、何で道路四公団民営化しようと思っているんですか。

○小泉内閣総理大臣
 今までの公団方式でやりますと、ますます借金が膨らんでくる。今でも約四十兆円。これをだれが負担するのか。しかも、道路が必要だからということで、どこが必要かと言うと、全部必要だと言ってくる、どの知事さんも市長さんも国会議員も。地元の負担がなければ、つくってくれ、つくってくれというこの要求にどうこたえていくか。やはり費用対効果、採算性というのも考えなきゃいけないだろうということを総合的に考えますと、今の方式だったらどんどん借金が膨らむ、この債務をどんどん先送りする構造、そして本当に必要な道路、費用対効果を考えるというためには、やはり民営化した方がいいんじゃないかということから始めている。

 なおかつ、ファミリー企業とか建設コストの問題、いろいろ指摘されています。こういう点も直すには、公団方式よりも民営化方式の方がいいんじゃないかということから、民営化に持っていこうということを考えた次第であります。

○枝野委員
 民営化をすると費用対効果を考えることになる、それは総理のおっしゃるとおりです。

 そうだとすると、きのう菅代表もお尋ねをいたしましたが、直轄無料高速道路を今度また別途、この道路公団民営化の議論と別にやろうとしている話、それは矛盾しませんか。

○小泉内閣総理大臣
 これは矛盾しないんです。

 それは将来、民営化の会社が、これはいろいろ採算性とか必要性とかを考えて判断して、つくる道路、つくらない道路、出てくると思います。しかし、民営化会社がつくらない道路も、どうしてもこれは地域にとって必要だ、国全体の発展のために必要だという場合には、税金でつくる方がいいという意見が当然出てくるんです。その場合に国の税金をどのぐらい投入するか。それから地域の場合、地域にとっては一番地域がプラスになる場合に、地方にもやはり負担してもらわなければならない。

 では、どの程度の道路が必要かという場合には、どの程度の費用がかかるかということを考えないと、今みたいに地方は全然負担してくれないというんだったら、つくってくれ、つくってくれの大合唱ですよ。こういうことだったら、これはもう借金はふえることがあっても減ることはないということを考えて、やはり税金でつくる道路は将来必ず出てくると思いますよ。民営化がやらなくても、必要な道路は税金でやらなきゃならないという声がもし出てきたならば、それに対してもやはり謙虚に耳を傾けて、では、お互いどの程度の税金を負担すれば、どの程度のいい道路ができるかということを考えながらつくっていくことも必要じゃないでしょうか。

○枝野委員
 片方では採算性ということを考えて、民営化をすることで採算のとれない道路はつくらないようにするんだ、でも片方では、本当に必要な道路はちゃんと判断してつくるんだと。

 ちゃんと必要な道路の判断を政府ができるんだったら、今の公団方式だって、必要な道路をつくりますということで言えばいいだけの話なんであって、そこは民営化をする、僕は民営化に対して大賛成で、この意見書をちゃんと守るべきだと思いますが、しかしその一方で、税金で直接つくる。それが本当に必要な道路に限定してつくられるんだったら、今の公団方式でもつくれるはずなのに、それができていなかったから民営化するというのに、また政治の判断で高速道路をつくりますというのは私は矛盾していると思います。

 さて、この意見書、総理は「基本的に尊重する」とおっしゃっています。「基本的に」とはどういうことですか。総理。総理がおっしゃっているのです。

○石原国務大臣
 ちょっと細かい話なので、閣議決定をしたときの経緯等々も含めて私の方からお話をさせていただきたいと思います。

 これは委員御承知のとおり、四十兆円、先ほど総理が言われたような莫大な債務を返還するということを一義的に置いて、そして建設コストの削減とかファミリー企業の問題等々、八割は七人の委員の方が共通した認識を持たれて案をまとめられました。

 しかし、御承知のように最後の段階で、道路資産、すなわちこの道路は公共公物なのか、あるいは民間の会社が持っていいのか、さらには、いつ上場するのか。十年後に上場しろ、こう言う方がいらっしゃいますけれども、十年後の債務、調べても三十兆円あるわけですね。キャッシュフローの十五倍以上あって、本当に上場できるのか。あるいは、賃貸料、リース料をどういうふうに設定するのか。また、通行料を半分にしちゃえ、いや、それは無理だ、五%でいいんだ、一〇%でいいんだ。こういうふうに意見の対立点があったわけであります。

 こういう問題が残った以上は、政府として責任を持って対処していかなければならないので、もちろんこの答申は基本的に尊重しますが、細部の詰めは政府で責任を持つ。その結果、「基本的に尊重する」という文言になったわけでございます。

○枝野委員
 政府の私的諮問機関というのはよくあります。私的諮問機関だったら今のような答弁もあるかもしれない。中の議論の中で複数の意見が出る、どうこう。これは、法律に基づいて、ここで、国会で我々も審議に加えさせられて、そして、国会で法律で決めてこの委員会をつくったんですよね。そして、法律に基づいて施行令も決まっているんです。

 施行令は何と書いてありますか。「委員会の議事は、委員で会議に出席したものの過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。」初めから、七人の委員の皆さんの意見が分かれることはあるかもしれないけれども、そういうときは多数決で決めて意見書を出してくださいと法律で決めているんですよ、法で。それなのに、中で意見が複数ありましたから、だから意見の話はそのまま受け入れられませんというんだったら、違法行為じゃないですか。

○石原国務大臣
 ただいま委員が御指摘されました道路民営化推進委員会の法律案では確かにそのように書かせていただいておりますが、今回のように、この特別な委員会、いわゆる三条機関ではなくて八条機関をつくって物を決めていくとき、橋本行革の中で、本来あるべき審議会の姿という行革の基本みたいなものを実は決めさせていただいてあるわけでございます。その中には、明らかにこういうものは全会一致を目指すべきであるということを規定してある。すなわち、原則論、この審議会等々のあり方の憲法みたいなものもあるということを御理解いただきたいと思います。

○枝野委員
 今の橋本行革云々というのは、それは法律ですか。法律ですか、それは。

○石原国務大臣
 閣議決定でございます。

○枝野委員
 閣議決定と施行令、法理論上どっちが優先ですか。政令の方が優先じゃないですか。

○石原国務大臣
 ですから、私申しましたように、この委員会の法律ではそのように明記されておりますと冒頭明確に申させていただいております。

○枝野委員
 ですから、法律に基づいて過半数で決して出てきた意見書を、中で意見が分かれていたから云々だなんということは理由にならないんですよ。後から、やはり党内で反対する人がいそうだから、もっと骨抜きにするために、そのプロセスのところで意見が分かれていたと、法律上、答申の影響力には全く効果を及ぼさない部分のところを取り出して、そして骨抜きにしようとしているとしか私は言いようがない。

 では、もう一つ聞きましょう。

 「基本的に」と言ったその「基本的」の中に、意見書の九ページにあります(四)機構の具体的な内容の2業務のアで「機構から」、これは保有機構ですね。何か上下分離して、高速道路の道路そのものの所有は何とか機構が所有をする。「「機構から新会社、国等への新規投資資金の一部の支出」は機構の業務とはしない。」その前に、「機構は、」「貸付料を徴収するとともに、債務の返済、借換えのみをその業務とする。」つまり、民営化された道路公団から高速道路を保有している保有機構は貸付料を徴収するけれども、その貸付料は全部、債務の返済や借りかえに使うべきであって、その金を政府に吸い上げさせたり、新しい道路をつくることには使わせない。

 これは、「基本的に尊重する」の基本的部分に入りますか、石原さん。

○石原国務大臣
 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの前段の御質問に若干補足してお答えしたいと思うんですが、さっき申しましたように、十年後に上場しろ、すなわち、土地を新会社が買えという答申になっておりますけれども、現実問題として、どんな試算をやっても十年後に三十兆円以上の負債が残っていて、それで本当に上場できるのかといったような具体的な問題がありますので、そういうものを精査していかなければならないので、基本的に答申を尊重する、そういうふうに御説明を申し述べたわけでございます。

 それと、今申しました点は、九ページの「業務 ア」でございますが、この答申は明らかに、機構から新会社、国等への新規投資資金の一部の支出は機構の業務としないと答申にはなっております。ですから、基本的にはこの答申を尊重するということでございます。

 しかし、もう一点進めさせていただきますと、議論の過程の中で、この答申をつくる前に何度も何度も議論をさせまして、その都度都度に委員会としての守るものというものを決めてあります。決まったことを列挙してあります。その中にはこのような文言がないということもまた事実でございます。

○枝野委員
 法律に基づいてでき上がった委員会の答申としての意見書なんですよ。そのプロセスは、皆さんはかかわっているかもしれませんけれども、国民との関係では、最終的に多数決で決められて決定したものが答申なんですよ。その答申にこう書いてあるのを、それを基本的に守るのか守らないのかということをお尋ねしているんですが、どうもあいまいなようなんですが、まあいいです。

 道路公団総裁、来ていただいていると思います。道路公団の総裁、当然、まないたの上のコイでもあるわけですけれども、法律に基づいてこの委員会ができて、この委員会が法律とその法律に準拠した施行令に基づいて多数決で決められた意見書、公団としても、これに従うべく一〇〇%協力しますね。

○藤井参考人
 私どもは、こういう委員会の結論については承知しております。それで、いずれにいたしましても、与党と政府の間で昨年十二月に打ち合わせがあったことも承知しております。そして、それらを含めて閣議決定をなさったことも承知しております。したがって、私どもといたしましては、政府機関の一つでございますから、こういう国の、政府の最終的な決定に従いながら、国土省の指導に基づいて適切に対処していくというのが基本的な姿勢でございます。

 しかし、その際に、要は、数年にわたって、非常にいろいろとこの民営化という問題を国全体で議論してまいりました。そのポイントは、道路公団の持っているいろいろな問題点、経営の不合理性であるとか……(発言する者あり)天下りもそうでしょう、その他いろいろな問題があると思います。そういったものを全部、一つ一つ解決していくことは、この結論がどうであるかということとは抜きにやらなければいけない問題だ、そういうふうに認識をいたしております。

○枝野委員
 私は、独自に努力をされるのは当然のことなので、そんなこと聞いていないです。法律に基づいて出てきている意見書なんです、これは。それに従うという法的な義務を道路公団も道路公団総裁も負っているんだ、負っているんじゃないですかということをお尋ねしているんです。

 具体的に、この意見書に従っていただきたいところを申し上げます。二十ページの一番下、「直ちに取り組むべき措置」ということをこの意見書は決めています、書いています。その「2 民間企業経験者の登用等 直ちに、道路関係四公団の現首脳陣に代わり企業経営について豊かな経験と知見を有する複数の民間人を登用する。」と書いています。「直ちに、」と書いています。

 先ほど御本人も、天下りも問題点だとおっしゃっています。総裁も、建設事務次官からのいわゆる広い意味での天下りです。この意見書を尊重するという立場から、おやめになった方がいいんじゃないですか。

○藤井参考人
 今、天下りという、「複数の民間人を登用する。」こういうくだりにつきましては、私どもは、その趣旨は、いわゆる役人やあるいは政府機関の人間だけではこういう民営化の作業が滞りがある、民間の知恵をどんどん積極的に早く入れるべきだ、こういうふうに理解をいたしております。

 したがって、そのための作業は今着々とさせていただいておりますが、私個人に関して言えば、私は国から、国土交通相から任命を受けた立場でございますので、そのもとで精いっぱい努力をしていくということ以外にお答えしようがございません。

○枝野委員
 ですから、今度は任命権者の方に聞きます。

 この答申を基本的に尊重するということで、わざわざここに、現首脳陣にかわり、かわりですよ、現首脳陣にかわり直ちに複数の民間人を登用すると。ちなみに、同じ文書の後の方には、例えば、二〇〇二年度決算とか、二〇〇二年度内に作成するとか、二〇〇二年度内というのは期限として書いてあるものの、その前に「直ちに」と書いてあるんですから、当然、これはもう現首脳陣にかわり複数の民間人を登用されたんでしょう。

○扇国務大臣
 今枝野議員はわかっていておっしゃっていると思いますけれども、公団法という法律がございます。そして、総裁の任命権者は私でございますから、まず私に聞いていただくのが先だろうと思いまして、私が任命した人に、あなた、いつと言われても、私が任命しなければかえられません。そのこともおわかりで、わざとお聞きになっているんだと思います。

 それから、民間人を登用するということは、私は大変貴重なことだと思って、今、累次どういう民間人がいいかということも選定に入っておりますけれども、これは、公団の総裁の、職員に関しては総裁が任命権者ですけれども、理事ではなくて、理事もこれは公団法で任期が来なければかえられません。特に不祥事なことがあったり、あるいは法に触れることがあればかえられますけれども、現段階では、何の落ち度もない人を、あなた、首ですよというのは、公団法によってかえられませんけれども、総裁の任期が四年、そして理事が二年ということで、私は、できれば、理事が二年の任期中に不祥事がなければ、参与というポストもございますので、まずそこに民間人を入れていただいて、今おっしゃった答申と、出たものに対して一歩ずつ近づいていくという方向をしたいと思っております。

○枝野委員
 今おっしゃった後段のことがわかっているから、私は一番最初に総裁に、おやめになったらいいんじゃないですかと。

 つまり、任期がある話だから、任命をした側から、あなた、やめてくれとは言いにくいでしょう、任期が切れていないし、不祥事もないのに。だけれども、道路公団の改革について、法律に基づいての意見書の中で、直ちに民間人に現首脳陣にかわりとまでわざわざ書いて、直ちにと書いてあるんだから、建設事務次官までやって、天下国家のために長年功績がある総裁は、みずから、ああ、こういう意見書が出たんだから、やめろと大臣も言いにくいだろうから、御自身で、自分から、やめます、民間人にかえていただいた方がいいですねとおっしゃるのが筋じゃないですか。

 大臣に聞いていないですよ。それが筋じゃないですかと総裁にお尋ねをしているんですよ。違いますか、総裁。

○扇国務大臣
 私、枝野議員はわかっておっしゃっていると思いますけれども、この法律は、十六年度に法律として出させていただくということを明言してございます。ですから、私は法律に、皆さん方に御審議いただくまでに一つずつ整理していかなきゃいけないことを一つずつしているということの中で、法律の中でもきちんと新たに総裁を民間人にするということも書かせていただくかどうかも、今後の法律を出すまでに私は審議させていただきたい。

○枝野委員

 結局先送りなんですよね。

 この意見書に基づいて、民営化そのものの法律は来年の今ごろ出してくるんでしょう。だけれども、それに先立って「直ちに取り組むべき措置」ということで書いてあるから、今、何でやらないんだと聞いているんですよ。

 その中には、ほかにも書いてありますよ、二〇〇二年度中にコスト削減計画書を作成しろとか、二〇〇二年度内に入札資格要件を撤廃しろとか。法律はもう一年かかるかもしれないけれども、その前にできることをやれと。その中に、現首脳陣にかえてと、法律に基づいて、これは総理が任命をしたのかな、その人たちが多数決で決めた意見書に書いてあることなんだから、それは、法律ではやめさせることはできないだろうけれども、御自身の意思で、この趣旨に基づいたら、みずから身を引きますとおっしゃるのが当たり前じゃないですかということを申し上げている。

 既にもう骨抜きが始まっているということを私は今回明らかにできたというふうに思っています。

 もう一点。郵政民営化の話を総理は一生懸命おっしゃっておられます。ことしの四月から公社化がスタートするとおっしゃっておられます。

○藤井委員長
 枝野委員に申し上げます。

 道路公団総裁はもうよろしいですか。

○枝野委員
 もうちょっと、別の件で聞きます。

 郵政を民営化する、民営化すると言いながら、公社化がスタートするだけで、そこから先のことは決まっていません。どちらに向いているんですか、この公社はということをお尋ねしたいんです。

 総理、どちらに向いているんですか、この公社というのは。

○小泉内閣総理大臣
 これは、公社化するというのはもう決まっていたんですよ。順序があるんです。直ちに民営化する、民営化の方法だってたくさんありますよ。

 そういう前提のもとで将来のことを言っているのであって、私は、公社化は実質的な民営化の第一歩だと言っていますよ。まず、企業会計原則を導入するんでしょう。民間参入認めていけるんでしょう。民間にできることは民間にということを、総論はみんな賛成だ。今、郵政三事業、民間にできないことはあるのか。私はないと思いますね。

 だから、将来を見れば民営化当たり前だというのを、みんな反対したじゃない、国会。初めて私が民営化と言っているので、民主党も何か賛成してくれるかどうか、これからわかりませんけれども。そういう、自民党が反対していたのを賛成に回したんですよ。公社化法案出すのも、自民党の了解得なくて内閣が出したんですよ。こんなのはつぶしてやると言っていたのが、最終的には自民党、協力してくれたじゃないですか。民主党は賛成してくれたっけ。していないでしょう。そうなんですよ。いかに自民党は、一部では反対があっても、最終的には、小泉内閣の構造改革進めるのに全体を考えて協力してくれるか。自民党は変わってきているんですよ。

 公社化になって、これから将来、これは総裁も民間人、そして設立委員も民間人入っている。なおかつ、私ははっきりと、四年間、自民党の一部には民営化の議論は公社化の間はしちゃいかぬというのを、当然公社化になってもしますよといって、党の部会の了解を得なかった法案を出して、最終的には、自民党、協力してくれたじゃないですか。だから、私は、これは民営化の実質的な第一歩だということを言っているんです。

 公社化、一つ一つやっていかなきゃ。さっき言った道路公団も、すぐ民営なんかできっこないですよ。法律があるんで、国会があるんで、民主的な手続があるんです。独裁じゃないんです、私は。独裁者じゃないんですよ。(枝野委員「委員長、独裁じゃないんならやめさせてください」と呼ぶ)やめさせてくれって、私、指名されたんだから。

○枝野委員
 聞かれたことだけ答えてください。どっち向いているんですか。どっち向いているかわからない法案だから我々賛成できないんですよ。その部分を聞きます。

 この公社化をされた郵政公社は、従来の郵便局時代にやっていた業務よりも、業務範囲、拡大をしたりやりやすくしたりということはあるんですか、ないんですか。どっちですか。

○片山国務大臣
 これは、郵政公社につきましても、どういう商品、どういうサービスをするか全部法律で決まっておりますから、その法律の範囲でやるということで、基本的には変わりませんが、ただ、法律が決めている範囲の中で、いろいろな経営努力をして、より質のいいサービスをやるとか、もっときめ細かくやるとか、そういうことになるだろう、こういうふうに思っております。

○枝野委員
 どちらの方向に向かうんですか。つまり、広げるという方向に向かうんですか、それとも縮小するという方向に進めるんですか。

○片山国務大臣
 当面は、我々は公社の立ち上げを最優先に考えておりますから、そういう中で、設立委員会議でもいろいろな議論をしてもらっております。しかし、当面、それを拡大するようなことは考えておりません。

○枝野委員
 ということは、従来の郵便局のやってきていることと新しい公社がやることは、国民の側から見れば変わらないという理解でいいですね。

○片山国務大臣
 範囲や幅は法定されておりますからこれは変わりませんが、今言いましたように、やり方や質の高さやきめの細かさ等については今度公社で考えていく。公社によって、なるほど変わったな、よくなったなということを国民の皆さんに実感していただくように考えております。

 それから、一部やじがございましたが、市町村がやっております各種証明書の受け付け、交付については、法律に基づいて市町村と郵便局で受託契約をして行う、こういうことになっております。皆さん御承知のとおりであります。

○枝野委員
 この郵政事業の改革というのは、総理御自身も、就任のときの話、所信表明に対する質疑の中で私にお答えになっていますが、民業圧迫をしないということです。

 ところが、公社になっても、郵政公社は税金を払いませんね、一般的な意味で。それから、貯金であれば、銀行預金には預金保険料があります。それから、保険であれば、今若干問題になっていますけれども、生命保険の契約者の保護機構があって、そこに拠出金を出しています。簡保は出していません。したがって、明らかに民間の銀行や民間の生命保険会社に比べて競争上有利な立場にあります。

 競争上有利になっている公社が、その競争上有利であるという部分をいじくらずに業務範囲を拡大したり業務をしやすくさせたりすれば、小泉さんの言っていたこととは逆に、民業に対するますます圧迫になります。そういうことはしないということを、総理、約束してください。

○片山国務大臣
 今度公社になりますので、税金については旧公社、かつての公社並みの税金を払おうと。例えば固定資産税や不動産取得税は一定の、例えば固定資産税、二分の一にしますけれども、それは払う、あるいは自動車重量税、自動車税、軽自動車税、宅地開発税等は払う、こういうことにいたしております。それから、郵便貯金は預け入れの限度額が一千万でございますし、簡保の方も一千万でございまして、そういう意味では制約条件をつけておりますし、例えば職員の基礎年金の国庫負担分については、民間金融機関は国が払っているわけでありますが、我々の郵貯、簡保は、これは全部その郵貯、簡保事業の中で払う。それから、今言いましたように、いろいろな商品もサービスも法律で限定されておりますし、やり方についても相当限定されておりますから、私どもは、民間と比べてプラス・マイナス、ほぼ似ているのではなかろうか、こういうふうに思っております。(発言する者あり)

○藤井委員長
 御静粛に願います。

○枝野委員
 今の最後の答弁、総理、それでいいんですか、今の状況で民間との競争条件ほぼ一緒じゃないかという。

 確かに、今度は固定資産税とかも払うようになった。でも、銀行の営業所とか生命保険の営業所とか、全部固定資産税を普通に払っているんですよ。郵便局は半額で済むわけですよ。いろいろな制度がいろいろ、確かに郵便局の方が競争上不利なもの、若干はありますけれども、何よりも、預金保険料を払っていない、契約者保護機構に対する拠出金を出していない、それから法人税を払わない。全然、競争上有利じゃないですか。競争上有利だという条件のままで営業範囲、業務範囲を拡大したりやりやすくしたりするというのは、総理の意図と反して、逆行して、民業圧迫が進むと思いませんか。総理、絶対こんなことはやめさせてください。

○小泉内閣総理大臣
 その主張はいい点なんですよ。そういう主張が国会で出てきたということは私は歓迎しますし、そういう意見を私が言って、いかに今までたたかれてきたか、それをようやく、だんだん私の意見がもっともだなと認められてきた。そして、ともかく公社化に踏み出して、民間人を総裁にして、しかも民間参入を認める、企業会計原則を導入する、そういう段階にやっと来た。この法案を出すときに、自民党も認めなかった。それを出して成立させたんです。

 そして、今言った民業圧迫のこと、これはやはり今後の公社の運営で気をつけていかなきゃならないと同時に、国民の多くの中には、やはり公社になってももっとサービスしてくれという点も強いんです。その辺も考えながらやっていかなきゃならない。しかし、将来、これは公社化になると、これから私は実質的な民営化の道を歩むように改革を進めていきますが、その段階でむしろ公社の方が、こんなに縛られるのは嫌だ、どうせなら民営化してくれという意見が私は必ず出てくると期待しているんです。やはり民間も参入してくると、民間のサービス競争に勝ち抜くためにはもっといろいろなことをやりたいという声が、私は今民営化反対論者の中からも出てくるということを期待しているんです。

 そして、急がば回れという言葉があります、せいては事をし損ずるという言葉もあります。ようやく、これだけ反対の多かった公社化も実現させてきて、そしていろいろ実現して民業圧迫にならないような……(枝野委員「聞かれたことに答えさせてください」と呼ぶ)今言っているんじゃないですか。民業圧迫化にならないようなことも気をつけながら……

○藤井委員長
 総理、答弁は簡潔にお願いします。

○小泉内閣総理大臣
 いかに国民にサービスを提供していくかということも考えてやっていきたいと思っております。

○枝野委員
 いいですか、総理が何をおっしゃっても、その前の総務大臣の答弁は、これなら民間と対等じゃないかということをおっしゃっているんですよ。総理が幾らそこで力んでおっしゃっていても、今、流れとしては公社化なんだから、もっとやりやすくするべきだという議論が実際にあるわけですよ。ところが一方では、民間よりも競争上有利な条件というのは公社である限りやはり続くわけですよ。

 この宙ぶらりんな状態というのは、利用者にとっても、圧迫されている銀行や生命保険会社という民業からしてみても、あるいはその職場で働いている人たちにとっても、この公社化というのは御本人もお認めになりましたけれども小泉内閣の成果ではなくて橋本内閣の成果ですからね、橋本内閣が公社化を決めたんですから。その公社化という状況の、宙ぶらりんな状況で、どっちに向かっているのか。

 総理は民営化民営化とおっしゃっているけれども、どうも、政府・与党の中にも民営化じゃなくてあくまでも公社の形態でずっといくんだという声もたくさんあって、どっちに向かっているかわからないから、宙ぶらりんな状態でよくないんじゃないですかと。公社なら公社でスタートで、これが一歩だというんだったら、しばらく公社でやりますなら公社でやりますでいくしかないし、それとも民営化に向けてということであるならば、きちんと、ここからどういうステップで民営化にいくのか。そういうことを示さずに、ただ民営化だ民営化だと、いかにも民営化をしそうだという話の宙ぶらりんな状態にしておくのはよくないんじゃないかということを私は申し上げているんです。

 それでは次に、公務員制度についてお尋ねをします。

 せっかく、道路公団総裁は建設事務次官経験者でもあって、今道路公団の総裁でもあるということなので、非常に具体例としてわかりやすいのでお尋ねをさせていただくので、ちょっと気の毒といえば気の毒なんですが、建設事務次官というのは大体退職金幾らぐらいもらえるんですか。

○藤井参考人
 私の建設省の退官時には、約八千万ということでございました。

○枝野委員
 大変大きいなと、多分、テレビをごらんになっている方、ラジオをお聞きになっている方は思っていらっしゃるんじゃないかと思います。

 昨年、外務省のいろいろな不祥事があって、大使をおやめになったりとかした人の退職金幾らなんだという話で、一億近い額で非常に高いじゃないかということが議論になりました。そうすると、公務員全体が退職金物すごく高いんだなということを、世の中はついそう受けとめてしまいますが、実はどうもそうでないらしいということを調べてみたら知りました。

 指定職、一般的に局長級になった途端に、退職金が二五%も上がるという制度になっているそうですね、総務大臣。

○片山国務大臣
 退職手当は退職時の俸給月額を基準に算定いたしますので、指定職、局長クラス以上は俸給月額は高いんですよね。何で高いかといいますと、これは、例えば管理職手当だとか通勤手当だとか住宅手当だとかあるいは勤勉手当というのはないんですよ、指定職というのは無定量の勤務ではありませんけれども、そういうことの属人的な手当だとか勤務評定的な手当は全部外しているんですね。それだけやれということなものですから今枝野委員が言われたように俸給月額が高くなっておりまして、これは、今の我が国の給与原則は職務給でありますから、職務の複雑、困難、責任の度合いにおいて給与は決まっているんで、指定職は特別重い責任を課しているから高くなっておりまして、したがってそれが退職手当でも高くなる、こういうことであります。

○枝野委員
 指定職の直前までは、いわゆる管理職手当が、本俸とは別に管理職手当としてついている。ところが、指定職になった途端に、その管理職手当に相当するようないろいろな手当が本俸の中にどんと含まれる。その結果として、本俸の掛け算で出てくる退職金が一気にどんと上がるんですよね。こういう制度で間違いないですね。

○片山国務大臣
 指定職には管理職手当はありませんから。今言いましたように、幾つかの手当はないんです、指定職の場合には。それは俸給月額そのもので手当しておりますから、委員の言われるようなことになるわけであります。

○枝野委員
 それで、その結果として、指定職までなってやめると、その毎月毎月もらっている給料として給料袋から渡されるお金としては、それは本俸なのか管理職手当なのか何手当なのかお金に色ついていませんから、余り変わらない、急にぐんと上がるわけではないのに、退職金のところだけは、ある瞬間にがんと本俸の中に組み込まれるから退職金はぐうんと上がって、国民の皆さんから見るとちょっともらい過ぎじゃないのという額になっているんじゃないですか。

 だとしたら、退職金の計算のときに、指定職未満の方の本俸の相当分が上に上がるほど上がっていくということに掛け算をするのか。それとも、指定職未満の人たちの退職金についても、管理職手当とか何とか手当とかを含めたものに対して退職金を支払うことにして、全体としてその何%という部分を率を下げて、全体としての退職金の総額は現状維持、あるいは場合によっては僕は縮小すべきかもしれないと思いますが、ということにするけれども、指定職以上になったらぐんと上がるというこのアンバランスを変えるべきじゃないですか。

○片山国務大臣
 指定職には管理職手当はないんですよ。管理職手当という考え方がもともとないんですよ。

 というのは、先ほども言いましたが、指定職はもともとは一官一職的な思想でございまして、これは、それだけ職務の複雑度、困難と責任の値が高いので、そういう位置づけの制度なんですね。それは国会で決めていただいたんですよ、給与法の中で。だから、私は、今の仕組みならこういうことになる、こう考えております。

○枝野委員
 だから、国会で決めているものだから国会で議論しているんですよ、おかしくないですかと。

 確かに、その理屈はわかりますよ。例えば民間企業でも、役員になれば、それまでサラリーマンで上がっていって役員になる方でも変わります。でも、民間企業の場合、こうしていますよね。取締役になる時点で退職金を受け取って、従業員という立場を離れて、今度は役員になる。政府組織の場合には、指定職級というのは民間企業でいえばちょうど取締役みたいなものなんだから、むしろ指定職になる時点で退職金を支払ってしまってそこまでの計算をチャラにして、今度は幹部として政治任用的にきちんと責任も負ってもらうということもあるかもしれない。

 そこまで一気にいかないんだとしても、今のように、指定職になったらぐんと二五%退職金が上がるというこの実態を、やり方はいろいろあると思いますよ、やり方はいろいろあると思いますが、きちんと精査して、それは、幹部の人も頑張っているかもしれないけれども、例えば、実際に仕事を一番やっているのは課長補佐クラスじゃないかということは世間でもよく言われています。それどころか、仕事の中身を一番わかっているのはノンキャリアの人じゃないかと言われています。こういう人たちだって一生懸命やっているんですよ。

 なぜキャリアの上の方の局長級になれた人だけそんなにぼんと退職金をもらうのか。理屈はいろいろある、説明はわかりましたけれども、やはり実態としてアンバランスじゃないですか。

○片山国務大臣
 民間企業の場合には、取締役になる前に一度退職するんですね。株主総会で選ばれるんですよ。だから、身分が続いているようで、切れているんですよ。

 ところが、公務員の場合には、指定職になる前からずっと続くんですね。今の公務員の退職手当の考え方は、枝野委員御承知のように、長期勤続報賞ということですから、身分が続く者について、そこで一遍やめてこれを二度払いをしろ、これはなかなか今の制度では私は考えられない。

 ただ、地方なんかの場合で、知事や副知事や出納長の特別職は、特別職になる前に一遍そこで清算をして、特別職をやめるときにもう一度払う、こういうことは条例でやっている地方団体は幾つかあります。

○枝野委員
 ですから、理屈の話じゃなくて、実態としてアンバランスじゃないんですか。その実態としてのアンバランスを変えましょう、そういうところの制度に手をつけましょうというのが構造改革だったんじゃないんですか。結局、そういう構造改革の話になると、今の制度はこうなっていますからという説明で、実態のアンバランスを変えないというのは全くわけがわからない。

 もう一つ、公務員制度について、公務員制度改革大綱が出てきていて、これは去年もやりました、公務員試験の合格者の数を今よりも倍にしよう。つまり、どういうことかというと、合格しても採用されない人をぼんとふやしましょう、そのかわり、各役所が恣意的にその中から好きな人を選びましょう、しかも役所の中でもっと能力評価をきちんとやるということ、これは方向性自体は私は否定しませんけれども、しかし、では、それを実際にだれがやるんですか。

 大臣や副大臣や政務官がきちんと採用のときにやるんですか。採用のときに大臣や政務官がやるとなったら、これは政治の介入で、行政の中立性を損ないますね。政権がかわるたびに採用される人が変わってくる、人事、能力評価も政権がかわるたびに変わってくる。公務員の中立性というところと矛盾をしますね。こういうことをやるのが公務員制度改革なんですか。

 今の退職金の問題のアンバランスあるいは天下り。結局、天下りは何か変わるんですか、この公務員制度大綱で。今までは、人事院という一応は第三者的機関がチェックをしているものを、さすがに大臣の了解で天下りできるようにするというんじゃだめだから、閣議了解か何かにするということにしましたが、では、閣議了解で、天下りチェックがきいていますか。今でも民間以外に対する天下り、先ほどの道路公団なんかに対する天下りは閣議了解事項ですね、全部ひもつきじゃないですか。自分の関係している省庁に天下っていて、そこの特殊法人の幹部になっているじゃないですか。

 結局、チェック、働いてないじゃないですか。むしろ、人事院から民間企業の分までそこに奪ってしまったら、役所のお手盛りで天下りが認められると、民間にまで広がるじゃないですか。こんなことが公務員制度改革なんですか、総理。

○石原国務大臣
 総体的な話は総理から伺わせていただくにしましても、細かい点は私の方からお話をさせていただきます。

 二点の御質問だったと思います。

 その一点は試験制度の問題で、試験だけではなくて合格者数をふやすことは情実ではないかという御質問、二点目は、天下りについてどういうふうに考えるのか、規制を今回の構造改革の中でやっているのかという質問だったと思います。

 委員もう御指摘のとおり、実は合格者数を去年の試験はふやしました。試験で受かる方から、すなわち逆を返せば、入る方、公務員になれる方の数が減ったということは事実でございます。

 それは、じゃ、なぜかというと、もうこれも委員御承知のことだと思いますが、試験に偏重し過ぎた採用というものがここ数年行われてきたという事実があると思います。すなわち、どの省庁で採用された方にお話を聞いても、全員、どこの大学にいようが、予備校に通っていらっしゃった。公務員試験を受けるための予備校に通わないと通れない試験になってしまった。それを是正していくためにふやしたわけであります。

 もう一点、今委員が御指摘になったのはもっともでございまして、やはり公務員の皆さん方のための再就職、天下りであってはならないということは事実だと思います。そういうことをなくすために、二重三重に今回は縛りをかけたわけです。しかし、この縛りについても、臨時国会等々の中でも、大臣承認制というものは人事院が承認するよりも悪くなるんじゃないか、こういう御指摘が多々、いろいろな分野から出たことは事実でございます。

 こういうことを考えますと、いずれにいたしましても、総体的には、国民の皆さん方の天下りに対する批判、あるいは退職金につきましても、退職金の限度額を減らすという法律案もきょう閣議決定いたしましたけれども、この大臣承認制の運用に関する内閣の総合調整のあり方というものを十分検討して、国民の皆さん方の批判あるいは今の枝野委員の批判にこたえられるようなものにしていかなければ、何のための改革かということだという認識はしっかりと持っております。

○枝野委員
 全部論点がやはりずれているんですよね。試験制度のせいにする。

 確かに、一種のペーパーテストみたいなもので、いい成績だから公務員になっていただくということではよくないでしょう。だけれども、結局、各役所で面接して、その面接に基づいて採用するんですよね。試験制度自体の中身に、いわゆる学力偏重、ペーパーテスト偏重じゃない方向に、人事院と相談をして、要するにペーパーテストだけではない部分というのを、公務員試験の合格、不合格の時点できちんと入れればいいじゃないですか。それを何でわざわざ、合格はしたけれども採用されない人をたくさん出すんですか。

 私から言わせれば、実は、面接とかなんとかしても、民間企業に就職するのにも、面接のマニュアルのためだといって予備校みたいなものがたくさんばっこしている時代ですから、どれぐらい機能するかわかりませんけれども、試験制度の方を変えることで幾らでも対応できる話だし、今の人事院の第三者的チェックでも天下りが野放しなのに、それをより役所に近いところに持ってくるというのは改悪でしかないということを指摘しておきたいというふうに思います。

 この公務員制度に絡んで、実は、総理は国際協調とかいろいろなことをおっしゃられていますが、日本が常任理事国をやっているILOという機関があります。ここで、日本の現行の公務員制度、そして今回の大綱は、これはよくないことだ、これではだめだという勧告が出ているのを御存じだと思います。

 憲法まで持ち出しませんよ。国際協調と言ってみずからが常任理事国をやっているILOでそういう勧告を受けているのですから、当然従うべきだと思いますが、いかがですか。

○小泉内閣総理大臣
 ILOの勧告が出ていることは承知しております。

 そういう中で、公務員の労働基本権の問題、そして日本にあります人事院制度の問題、いろいろ、ILOの認識と日本の公務員制度に対する認識、若干違っている部分はあります。そういう点について誤解のないように説明することも必要じゃないか。

 今、公務員制度の改革につきましても、いろいろな国民の意見を聞きながら、改正していかなきゃならない点もたくさんあります。同時に、公務員として民間人と違う役割もございます。そういう中で、ILOが確かに勧告を出されておりますが、こういう勧告の背景にある実情について、日本の立場というものを、日本の状況というものをやはり説明しなきゃならない。そういう中で私は理解を求めていく努力も必要じゃないかと思っております。

○枝野委員
 先ほど来繰り返し言っていますけれども、日本はILOの常任理事国です。この問題が、急に突然、ある日降ってわいたようにILOから勧告が出てきたんじゃないんです。長年にわたってILOは世界各国の公務員制度や労働条件についていろいろと調べて、その中で日本の公務員制度についても長年にわたって議論がされてきている。

 説明が不足だったともし本当におっしゃるんだったら、今までの外務省あるいは労働省でしょうか、関係の人たちは何をやっていたんだという話ですよ。ちゃんと長年にわたって、日本の実情がわかった上で勧告は出ているんですよ。国際協調というんだったら、都合のいいところだけ理解されていないだなんて言わないで、ちゃんと国際機関の示している勧告に従うべきだということを申し上げておきたいと思います。

 本当は二十分ぐらい残して金融の問題をやりたかったんですが、最後にちょっとだけ、残された時間で一つ伺います。

 中小企業に対する貸し渋り、貸しはがしが非常に深刻だと受けとめています。中小企業と大企業との金融、実際に金融検査等のところで、どの程度、どういうふうに違いをつけているんですか。短く答えてください。

○竹中国務大臣
 これは、検査マニュアルの別冊、中小企業編もつくりまして、その中で実態に応じて判断すべきであるということを徹底させているつもりでございます。このことは、もちろん現場に徹底しなければいけないと同時に、銀行さらには債務者にも知ってもらう必要がありますので、今そういう広報のキャンペーンにも力を注いでいるつもりであります。

○枝野委員
 その中小企業の実態というところを金融庁がどれぐらいわかってやっているのか、あるいは銀行、金融機関がどれぐらいわかってやっているのかということが問題なんです。そして、日本の中小零細企業に対する金融というのは、私はやはり相当な特殊性があるというふうに思っています。

 二つ申し上げるんですが、裏表だと思いますが、一つは、日本の場合、残念ながら、直接金融、株を買うとか有限会社の出資金を出すとかという形での出資がなかなか定着をしていません。だけれども、企業を回していくためには、恒常的に資金が回っていかなきゃならないという、資本に本来相当する部分というのは一定の規模必要です。でも、有限会社、株式会社を最低の資本金でつくって、中小金融機関を中心として基本的にはぐるぐる回しで連続して貸し続けるんだけれども、本来資本金で出してもいいような種類のお金なんだけれども貸付金という形でお金を借りて、それを資本にして、そして企業を回している。こういう実態が中小企業金融の場合圧倒的多数です。

 ところが、これを大企業に対する金融と同じような基準で不良債権かどうかという査定をすれば、結果的に過少資本になるんですよ、名目上の資本金というのは小さいですから。したがって、貸し渋り、貸しはがしが起こるの当たり前なんです。

 だから、実質的には資本に相当するような部分を貸し付けという形でやってきたという歴史が日本の中小企業金融にあるわけですから、その実態をしっかりととらえて、こういう部分については、というか、もともと中小企業金融については、いわゆる今問われている不良債権問題の議論の対象からきちんと外さなきゃならないんじゃないか。

 もう一つ、特殊性です。

 日本の中小企業金融の場合は、大部分と言っていいほど、その経営者やその親族が個人保証をしています。個人の資産を担保として提供しています。本来おかしいですよね。株式会社、有限会社というのは、株主が出資した額しか責任を負わないから株式会社なんです、有限会社なんです。しかし、個人保証させられているというのは、それは企業に貸しているのと同時に、その連帯保証している経営者個人を信用して貸しているんです。個人に対する信用というのは、不動産の価値が下がったとか、一時的に利息の支払いを怠ったとか、こういうふうなものだけでは実ははかれないんですよね。

 仮に担保の価値が下がっても、例えば、全く別の次元で住宅ローンの場合は、今のように土地が下落しているときは、借りた途端に不良債権ですね、一種の。建物を建てて、家を建てたら、その途端に土地が下がっているんですから。だけれども、これは不良債権だから回収しなきゃならないといったら、住宅ローンができなくなります。

 同じように、人に貸しているというのは、夜逃げをしない限り、とにかく苦しいけれども、歯を食いしばって企業を回していて、ちょっと一カ月利息を待ってくれと言って、でも、ちゃんと額に汗してまじめに働いている限り、よっぽど恒常的にだめな業種もあるかもしれない、だめな企業もあるかもしれない。でも、多くの場合は夜逃げせずに、きちっと頑張っているところというのは、まさにその人を信用して貸しているんだから、それを、担保価値が下がったとか利息が一カ月おくれたとかということで不良債権だと認定をしていたら、貸し渋り、貸しはがしがたくさん出るのは当たり前なんです。

 この二つをもっと明確に区分しなければ、不良債権処理の結果として、実際には不良債権と言えないような、人に対する信用で貸している部分がどんどんつぶれていくんです。ここを明確に変えてください、竹中さん。

○竹中国務大臣
 事実の問題、中小企業の特性等々に関して、委員が御指摘になっているところの多くの部分、私も非常に共感、共通の認識を持っているということをまず申し上げたいと思います。

 その上で、まず、どうしてもこれはなかなか御理解いただけないんですけれども、この別冊の中小企業編のマニュアルをぜひもう一度詳細に見ていただきたいんですが、これは、中小企業、特に零細企業等に関しては、財務状況のみならず、今御指摘のようなことも踏まえて、さまざまな要因を総合的に勘案して、実態を踏まえて判断をしてと、何箇所もそういうふうに書いております。

 したがって、まず、我々はそもそも中小企業についてはやはり別の基準で見ているんだということを、これはこれで御理解をいただきたいと思います。

 例えば、これは、銀行についても、そういった中小企業を対象とした国内の金融については、自己資本の求める比率も八%じゃなくて四%にしている。これも、実はアメリカなんかでは八%だけれども、日本ではそういう状況を勘案して既に四%にしている。しかし、それに加えても、さらに日本の場合は特殊性を加味しなければいけないと思っております。

 そういう問題意識から、まさに間柄ですね、今、夜逃げしないだろうというふうに言われましたけれども、そういうリレーションシップ、間柄の、リレーションシップバンキングについての新しい基準をつくろうということで、金融審にワーキンググループも立ち上げて、これは急いで結論を出すようにしておりますので、この点についても、御指摘のような点も踏まえて、我々なりに今努力をしているところでございます。

 個人保証については、経産省、法務省等々でそれなりのまた努力をいただいているというふうに思っております。

○枝野委員
 マニュアルに幾ら書かれていても、これはテレビやラジオでお聞きになっている当事者の方が一番御存じだと思いますけれども、実際の現場ではそういう運用をなされていない。だから、中小企業に対する実際の貸し出しは大幅に減っているし、しにせで回っていたはずなのに何で倒れるんだというところが、中小零細企業がばたばた倒れているという実態があるんです。

 だから、書いてあるからいいじゃないかというわけにいかない。そこはきちんと政府の責任として、本来、不良債権を処理しても中小零細がばたばた倒れるということ自体おかしい、今やっていることはおかしいんだという認識、全然別次元のことなんだということをしっかり認識を持って、実際の効果として出てくるようにしていただかないと、現実に企業が倒れていくわけですから、現実にそのことでみずから命を絶っている人たちがいるんですから。そこのところをしっかりと考えてやっていただきたい。そのことを申し上げて、同僚議員にかわりたいと思います。

 ありがとうございました。