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衆-予算委員会


平成14年02月18日

[天下り規制緩和問題/公務員私見改悪問題/BSE問題/金融機関に対する公的資金再注入問題/台湾のWTO準加盟問題ついて ]

○津島委員長
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。枝野幸男君。

○枝野委員
 外務大臣に二つの視点からお尋ねしたいことがあるんですが、途中できょうは会見があるということですので、まず、短く終わりそうな方を、会見で抜けられる前に済ませておきたいと思います。

 WHOという国際機関がありますが、ここに台湾が加盟できていない。WHO、国連の機関ですので、正式加盟ができないということについてはわからないではないんですが、台湾は、準加盟でも何でもいいのでこういう国際的な、健康、保健にかかわる問題でありますので、ぜひ何らかの形でWHOに関与したいという強い要望を持っていると聞いています。この要望を日本政府として外務省は把握をしているのかどうか、まずお答えください。

○川口国務大臣
 把握をいたしております。

○枝野委員
 これに対して、日本政府としてはどういう対応をとっておられますか。

○川口国務大臣
 台湾がオブザーバー、準加盟でもいいからWHOへ参加をしたい、総会へのオブザーバー参加について強い関心を持っているということについては、先ほど申しましたように承知をいたしておりますけれども、これについては、加盟国全体のコンセンサスが得られないということでございまして、これまでに台湾のオブザーバー参加問題がWHO総会の議題になっていない、議題にすることができないという状況であるというふうに承知をいたしています。

 それで、日本が何をやっているかというお尋ねでございましたけれども、私どもは、この件についてWHO加盟国全体のコンセンサスができることが大事だというふうに考えておりまして、そのために鋭意努力をいたしております。

○枝野委員
 本当に努力しているんですか。つまり、台湾が加盟できた方がいいと日本の外務大臣として思っていらっしゃるという認識でいいんですね。努力しているということはそういうことですよ。いいですね。

○川口国務大臣
 コンセンサスが形成されるように努力をいたしております。

○枝野委員
 コンセンサスが得られるように努力しているということは、コンセンサスを得て準加盟してもらった方がいいと思っていなければコンセンサスを得る努力にはなりませんね。理屈でそうですよね。

 ですから、コンセンサスを得る努力をしているということは、準加盟していただいた方がいいと思っている、そういうことでいいですよね。

○川口国務大臣
 何よりも、コンセンサスがこの点についてできることが大事であるというふうに考えておりますので、そのための努力をしております。

○枝野委員
 では、台湾に準加盟していただいた方がいいという立場に立っていない、逆に言うとそういう理解のように聞こえますが、そういうことなんですか。

○川口国務大臣
 コンセンサスができませんと議題として上がらないということでございますので、コンセンサスができるように努力をいたしております。

○枝野委員
 日本は主体的な外交をするんじゃないんですか。日本としてコンセンサスをとるために努力をして、皆さん参加オーケーですねというコンセンサスをとる努力をしているんじゃないんですか。コンセンサスをとるということは、参加していただけるようにというコンセンサスをとる努力をしているんじゃないんですか。

○川口国務大臣
 これにつきましては、たしか総務委員会といったと思いますけれども、議題を決定する委員会がございまして、そこで合意されませんと議題となりません。そういう形でコンセンサスができるということが大事だというふうに考えております。

○枝野委員
 議題とすることについてのコンセンサスを得る努力をしているんですか、それとも、何の努力をしているんですか。コンセンサスというのは、どういうコンセンサスをとる努力をしているんですか。

○川口国務大臣
 議題とすることもそうでございますし、その後もそうでございますけれども、まず、議題とするということにコンセンサスができませんと議題となることすらないわけでございまして、まずコンセンサスが大事だということでございます。

○枝野委員
 では、逆に聞きましょう。なぜコンセンサスがとれていないんですか。

○川口国務大臣
 さまざまな国がさまざまな意見を持っているということではないかと思います。

○枝野委員
 では、日本はどんな意見を持っているんですか、準加盟させるかどうかということについて。

○川口国務大臣
 コンセンサスを形成するということが大事だと考えております。

○枝野委員
 それは全く意思でも何でもないじゃないですか。つまり、みんなが一致をしたら日本も一緒にやります、みんなが一緒にならなければどちらか何とも言えません。それは日本の国家としての意思がないということじゃないですか。違いますか。(発言する者あり)

○津島委員長
 御静粛にお願いします。

○川口国務大臣
 国際的な問題というのは一国の意思だけで動くものではないというふうに私は考えておりまして、そのためにコンセンサスをつくるということがまず大事だと考えております。(発言する者あり)

○津島委員長
 枝野君、質問してください。

○枝野委員
 コンセンサスをとれなかったら物事決まらないのは決まっているんですよ、国際社会は。日本がどっちの方向で努力しているのか。一番最初にあなたは努力するとおっしゃいましたからね。どういう方向で努力するんですか。台湾なんて入れないようにしようという方向でコンセンサスをとる努力をするのと、入れる方向でコンセンサスをとるために努力しようというのは、努力しようということの意味が全然違うじゃないですか。あなたは努力すると言ったんですからね。どっちの方向で努力しているんですか。

○川口国務大臣
 我が国といたしましては、こういった国際機関への加盟問題というのは、コンセンサスがなければこれは実現いたしませんので、我が国の立場あるいは国際情勢その他いろいろ勘案いたしましてコンセンサスができるように努力をいたしております。

○枝野委員
 それは、日本は主体的な意思がない、コンセンサスがとれないことについては日本は物を言わない、そういう外交姿勢だ、そういうことでいいんですね。(発言する者あり)

○津島委員長
 御静粛にお願いします。

○川口国務大臣
 我が国といたしましては、外交というのはまず日本の国益を守ることが一番重要であるというふうに考えておりまして、その立場から主体的に取り組んでいるところでございます。

○枝野委員
 だから、主体的にどう取り組んでいるのかと聞いているんですよ。質問にならないから答えさせてください、委員長。

○川口国務大臣
 どういうあり方が主体的なあり方であるかというのは、事項事項、外交課題、外交課題で異なってくるというふうに考えますが、このWHO総会へのオブザーバー参加につきましては、コンセンサスができるということが非常に大事でございますので、そのための努力をいたしております。

○枝野委員
 では、国益という観点から別の聞き方をしますよ。

 厚生労働大臣。通告していませんので、わかる範囲で結構ですが、WHOというのはどんなことをやっているんですか。

○坂口国務大臣
 これは言わずもがな、各国の保健に関しますことを全体で討議をし、どういうふうに世界の健康を維持していくかということを議論するわけであります。

○枝野委員
 健康に関する、保健に関すること、こういった国際機関に加盟して、お互いにいろいろ協議したり情報交換したりするということは、日本の国益にかなっていると思うから加盟をしているんですね。外務大臣と厚生労働大臣、簡単にお答えください。

○坂口国務大臣
 我々は、これはもう独立国でありますから、このWHOに参加をいたしております。

○川口国務大臣
 当然そのように考えております。

○枝野委員
 通告で細かいことまで聞いていませんから、細かい数字は結構ですが、日本から台湾に年間相当な数の観光客、その他ビジネス客などが行っています。台湾からも日本に相当な数の方がお客さんとしていらっしゃっています。そのことは、外務大臣、御存じですね。

○川口国務大臣
 数は存じておりませんけれども、承知しております。

○枝野委員
 たくさんの人々がお互いに行き来をしている地域が、WHOという保健にかかわるところで参加ができていない。ということは、もちろん今情報が発達している世界ですから、それはWHOで議論されたことが間接的に台湾にも伝わったりするでしょう。しかしながら、本当にその現場で議論をしている保健に関する最先端の一番重要な部分のところの議論に、台湾の皆さんは参加ができないわけです。

 そういった地域と我が国は、人が相当交流しているわけです。そうすると、我が国の保健衛生という観点からも、物すごい隣国であって、なおかつ多数の人々がこうやって交流している地域がWHOに準加盟とはいえしていないということは、我が国の保健衛生の観点からも問題だと思いませんか、厚生労働大臣。

○坂口国務大臣 保健上の御趣旨は御主張になるとおりだと私は思いますが、しかし、WHOにおける、WHOの加盟のあり方というものが先ほど御指摘のように一つ決まっていて、加盟につきましては、これは全体のWHOの総会の決議によりまして、中華人民共和国政府を中国を代表する唯一の政府とするというふうになっているので、ここは無理。それで、準加盟につきましても、台湾の準加盟につきましては、WHOへの参加は中華人民共和国が申請しない限り認められないといったことがある。

 今、それではオブザーバーとしてどうかというお話になっておりますが、総会のコンセンサス、そして全体の合意が得られなければこれまたなかなか認められないということになっているものですから、現在のところ認められていない。そういう現状にあるわけでありまして、二〇〇〇年一月の理事会におきましても、台湾の要請を受けたチャド等から、ぜひオブザーバーに加えてはという提案がなされたということもお聞きをいたしておりますが、全体として、その中で投票をいたしました結果は、総会の議題としないことに賛成した国が二十カ国ということです。

○枝野委員
 いいですか。わかっているんですよ。私は、日中共同宣言をやめろだなんて言っている話じゃないし、北京の政府を中国を代表する唯一の政府として我が国が対応しているという今の仕組みを変えろだなんて言っていないんですよ。ただ、現実に、日本のすぐそばにたくさんの人々が日本との密接な交流をしている、その人たちもやってくる、私たちも行く。そういうところがWHOの保健衛生に関する世界の最先端の議論に直接加われないという状況が、我が国の公衆衛生、保健衛生の見地から、本当にいいと思っているんですかとお尋ねしているんです。どうですか、厚生労働大臣。

○坂口国務大臣
 世界の仕組みは仕組みとして、我々とそしてこの台湾とは同じ東南アジアにいるわけでありますから、そこは二国間でそうしたことを解決していく以外にないと思います。

○枝野委員
 二国間で解決できる話だったら、そもそも我が国は何でWHOに加盟しているんですか。WHO、要らないじゃないですか。

○坂口国務大臣
 ですから、その仕組みとして、先ほど申しましたように、WHOに参加をする、そして準参加をする、オブザーバーとしてする、それぞれのやり方についての決まりがある。それに従ってやらなければならないわけでありまして、そこに台湾が当てはまっていないということでありますから、これはやむを得ないわけでありまして、それに対しまして、我々は、それじゃどうするか。

 もちろん御指摘のように、日本から台湾へ、台湾から日本へも多くの人がお見えになっている。そこをやはり我々は知恵を出して乗り切っていかなければならない。

○枝野委員
 これぐらいにしたいと思うのですが、外務大臣、今のように大量の人が行き来しているわけですから、保健衛生という見地からは、一緒の場にいてもらった方が日本にとっていいに決まっているんですよ。

 もちろん、これは国連の機関ですから、代表権問題とかという政治的な問題がかかわっているのはよくわかります。だから、加盟させろだなんて言うつもりはありません。準加盟だってややこしいかもしれない。でも、日本はこれだけ利害関係を持っているわけですから、日本としては、中国の代表権とかかわらない形で台湾に参加してもらうようなルールをWHOの中でつくるべきじゃないかとか、そういう積極的な対応をすべきじゃないですか。どうですか、外務大臣。

○川口国務大臣
 この問題につきまして、枝野委員のようなお立場の方が大勢いらっしゃるということも承知をいたしております。そういった皆様の御意見、日本の国益、総合的に考えまして、コンセンサスが形成されるように努力をいたしてまいりたいと思います。

○枝野委員
 本当にこの外務大臣には主体性がないということを言っておきたいと思います。

 記者会見があると思いますから、どうぞ行ってください。また後ほど本丸の話をお尋ねします。

 行革の話についてお尋ねをいたします。

 公務員制度改革の大綱を年末に閣議決定したと言われています。この委員会でも何度も問題になっていますが、今まで人事院の承認が必要だった天下りについて、各省大臣の承認でオーケーにするという改革の中身になっています。こんなばかな話はないと私は思います。

 行革大臣、なぜ天下りは国民から批判をされているのですか、わかっていますか。

○石原国務大
臣 天下りの問題につきましては、先般も御同僚の五十嵐委員から御質問をいただきましたので重複は避けたいと思いますが、やはり権限や予算を背景に天下って、世間から見ていかがかなと思われるようなことが行われているというのが第一点と、あるいは、特殊法人改革でも話題になりましたけれども、わたりなんという言葉があるように、ぽんぽんぽんと五つぐらいの天下りを繰り返すことによりまして、世間一般の常識から考えてびっくりするような退職金や生涯賃金が多くなっている。その一方で、公務員の皆さん方に対する信頼ということがさまざまな面で問題になっている。

 このようなことから、国民の皆さん方の御批判があり、政治の世界でも、これを是正していかなければならないということは与野党一致してお考えになっている点でありますし、私も、その点には十分留意をさせていただいて、そういう批判に真摯にこたえられるような体制をつくっていかなければならないと思っておりますし、冒頭お話しいたしました、いわゆる押しつけ型の天下りというものは、根絶をしていかなければならない。

 またその一方で、これももう五十嵐委員にお答えいたしましたけれども、やはり、恩給制度というものがなくなって、今のままの年金では十分な生活ができないという事実もあると考えております。

○枝野委員
 厚生労働大臣、結構です。私の質問、終わりましたので。

 こういう聞き方はいかがでしょうか。例えば、財務省をおやめになって、大学の先生をやっている方がいらっしゃいます。こういう方については、余り、天下りだとかという批判はされません。それで、世間の批判もありません。なぜ、そういったところに対して再就職することは天下りとして批判をされないで、よく言われている特殊法人などに行ったりとかの天下りは天下りとして批判をされるのか。その違いはどこにあると思いますか。

○石原国務大臣
 これもお答えさせていただきましたことに含まれると思うんですが、これまで官僚の一員として培ってきた権限また予算というものと学究というものがセパレートされているということが一つの点ではないかと認識しております。

○枝野委員
 橋本行革の結果で内閣府などがつくられて、石原大臣もそこの大臣をしているわけですが、なぜ、内閣府をつくるというような改革が必要だということになったと認識していますか。一番大事な点、一点挙げてください。

○石原国務大臣
 これは枝野委員御承知の上での御質問だと思いますが、縦割りだと思います。

○枝野委員
 縦割り行政は、若干は是正されたのかもしれませんが、内閣府をつくったことで解決されましたか。

○石原国務大臣
 内閣府の採用の問題一点とりましても、すべて解決しているとは認識しておりません。

○枝野委員
 そうですよね。役所は縦割りだ、そしてそこで予算や権限を持っている。その縦割りの、予算や権限のトップはだれですか。

○石原国務大臣
 省庁で申すならば、大臣であると認識をしております。

○枝野委員
 権限や予算を背景にして再就職することが国民の批判をされている、そのことは御理解をされている。役所は縦割り、問題だ、その縦割りのトップにいるのは各省大臣だと。その各省大臣のところに天下りの承認権限を戻すだなんというのは、この権限や予算を背景に天下っているという国民の批判を考えたときには、まるで逆行じゃないですか。御自身がおっしゃっている中の理屈でもそうなるじゃないですか。

○石原国務大臣
 先ほど、重複を避けるということで御答弁を差し控えておりましたが、御同僚の五十嵐委員からも同趣旨の御質問をいただきまして御答弁をさせていただいたんですが、内閣が承認基準を法令で定めて、大臣は承認した案件についてディスクロージャーする、すべて公にする。あるいは、これまでは人事院がつかさどってきた部分についてではございますけれども、引き続いて人事院にも、この内閣の決める、政令で定める承認基準が合っているか合っていないか、意見の具申もちょうだいいたしますし、その承認事務の実施状況についても、仮に、ただいま枝野委員が御指摘されるような、世間から見て、あるいはだれが見てもおかしいと思うようなものについては、改善勧告を行っていただく等々、二重三重にも、これまでにも増して、実は、お手盛りというような批判に耐えられるようなものをつくっていかなければならないという観点に立ちまして制度を仕組ませていただいたので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

○枝野委員
 私のお尋ねには答えていませんよ。

 つまり、国民からは、権限、予算を背景に再就職することはおかしいと言われている、その権限や予算のトップが大臣だと。そこに承認の権限を持たせるということは、ほかにどんなことをやろうとも、やはりむしろお手盛りが強化されるということじゃないかと国民からは受け取られるんじゃないですか。

○石原国務大臣
 ちょっと裏からのお答えになるかもしれないのですけれども、権限や予算を持ってのいわゆる押しつけ型の天下りというものに対する批判に真摯にこたえて、こういうものはやはり全廃していくという方向でこの改正をまとめさせていただいていると御理解をいただきたいと思います。

○枝野委員
 やはり答えていないですよね。

 では、厳格な基準、今までより、今まで人事院がやっていたよりどう厳格になるんですか。そして、公表すると。今まで人事院がやっていた公表よりどう詳しく公表されるんですか。具体的に答えてください。

○石原国務大臣
 厳格という言葉を平たく説明するというのは非常に難しくて、厳格なる承認基準というものを政令で、内閣が責任を持ってお示しいただきますので、その政令が出たものを見て、これが厳格でないか厳格であるのかということは御議論をいただくと思いますし、何度も申しますように、押しつけ型の天下りは根絶していくということでございます。

 その一方で、それでは、公務員の方々はもう六十歳でやめて、その後は野となれ山となれ、年金で生活してくれということができるのかということもこの問題ははらんでいるのではないかと思っております。

○枝野委員
 結局、人事院によるチェックというものを外す。政令ですから、政令を先に出してくれるんですか。だったら、法改正の前に政令を先に出してくれるんですか。

○石原国務大臣
 これは、公務員制度改革の案を決定させていただいた後、可及的速やかに政令でお示しいただきまして、この制度が変わったときは、新しい基準で天下りというものが批判のないものにしていかなければならないと認識をしているところでございます。

○枝野委員
 質問に答えていません。法改正よりも政令を先に見せてくれるんですね。

○石原国務大臣
 一般論でございますけれども、順序としては、法案を通していただきまして、その後、それに付随する政省令というものが整備されるというのがこれまでの国会の姿ではないか、国会というか、行政の姿ではないかと認識をしております。

○枝野委員
 それじゃ国民も国会も判断できないじゃないですか。

 石原さんは、きちんと厳しい厳格な基準をつくるから大臣に移したっていいと言っている。でも、その基準そのものは、政令は、法改正などが済んでからつくられる。せめて、この法律ができ上がったらこういう政令をつくるつもりですと、政令案ぐらい先に見せてくれなかったら、本当に厳しくなるのか、それともお手盛りになるのか、判断しようがないじゃないですか。どうですか。

○石原国務大臣
 行政でございますので、その分については行政の責任において、ただいま枝野委員から御批判をいただいたようなことのないようにさせていただく。これまでも、法案の審議、そしてその後政省令というものについても、国会で十分な御議論がなされているものと承知をしております。

○枝野委員
 本気で政省令が国会でちゃんと議論されているなんて思っていますか。聞いたことないですよ、そんな話は。法律は国会で議論の対象ですけれども、政省令は内閣が行政の中だけで勝手に決められる。当たり前じゃないですか。

 公務員制度改革というのは、行政の中でいろいろ変なことが起こることに対して、国会がちゃんとチェックしたり、国民がちゃんとチェックする、それが公務員改革であり行政改革なんじゃないのですか。行政でしっかり信頼してやりますという話だったら、初めから行革なんかやらなくていいのですよ。行政を信頼できるんだったら、行政に全部お任せしてやってくださいという話ですよ。行政に対する国民の信頼がないから行政改革なのに、政省令は行政を信頼してくださいというのは自己矛盾じゃないですか。

○石原国務大臣
 ただいまの委員の御指摘は、行政と国会のあり方についての御指摘だと認識しておりますが、そこの部分につきましては、行政の長である者がかわる、あるいは国会の構成がかわる、そのようなさまざまな事態においてさまざまな事態が変化するということも、これまた一般論ではございますが、変化するということは常識ではないかと考えております。

○枝野委員
 今まで、大臣がかわろうが何しようが天下りはとめられなかったし、行政の不祥事はとめられなかったから、行政改革として制度を変えようというのがこの十年だか二十年だかの話じゃないですか。それは、上がかわったらちょっとは変わるでしょう。だけれども、変えようとして大臣は首になっていますよね。こういう話なんですよ。

 ちゃんと制度として、どんな大臣が来ようとどんな内閣ができようとおかしなことができないような制度をつくる、それが行革じゃないですか。

○石原国務大臣
 ただいまの御指摘は、行政改革はというような大きな命題でございまして、私の考えます行政改革とは、むだを省いて効率のある行政をつくるというふうに考えて仕事を日夜させていただいております。

○枝野委員
 そうですか。やはり小泉内閣は我々とは全然違っていた。私は、確かにむだを省いて小さくすることも行政改革の大きなテーマだと思っていましたが、しかしそれ以上に大事なことは、行政に対する国民の不信、これを払拭して行政に対する国民の信頼を回復させること、役所の人たちだけがおいしい思いをしているんじゃないかという国民の不信を持たれないような仕組みをつくること、私はそれが圧倒的に最優先であって、小さな政府か大きな政府かみたいな話はずっと相対的には小さい、もちろんそれ自体は大きなテーマだけれども、そんなふうに思っていましたが、全然違っているということがよくわかりました。

 ところで、農水大臣、急に来ていただきましたが、農水省のこの間問題になった熊澤さんというんですか、事務次官、おやめになったら食肉業界団体に天下りをしようとしていた、ところが週刊誌に見つかったので辞退をされた。この経緯、いつお知りになりましたか。

○武部国務大臣
 私が知ったのは二月十三日の夜、前次官が当該団体の嘱託の要請をお断りしたというその夜であろうと思います。

○枝野委員
 要するに、マスコミがかぎつけてばれた、ばれてから初めて教えられた、こういうことですね。

○武部国務大臣
 そのとおりなんだろう、こう思いますが、私が承知したのは二月十三日の夜でございます。

○枝野委員
 本当にそれで農水省をしっかり指揮監督してBSEの問題を初めとしてやっているんだという話になるんですか。全然違うじゃないですか。こんな話を勝手に農林省の役人ベースのところで進めていて、ばれて初めて大臣のところに報告が来た、こんな話をこんな状況のときにやっている役所を、あなた、一生懸命使ってやっています、掌握してやっていますと。国民が納得すると思いますか。

○武部国務大臣
 まことに非常識きわまりないことだ、このように思いますし、私も責任者といたしまして、担当課長から聞いたときに、BSE問題の経緯からして国民感情から見てとんでもないことではないか、感覚を疑うと。

 同時に、担当課長に対しても、常に報告、連絡、相談ということを徹底するようにと指示していながら、かような、これはあっせんしたとかそういうことじゃありませんが、そういうことを知っていながら私に何の報告もなかったということはとんでもないことでありますので、厳しく叱責し、注意し、事務次官に対しても、二度とこういうことがないように徹底するようにということを指示した次第でございます。

○枝野委員
 あなたは何度も、特にこのBSEの問題が出てから、農水省の役人に対して、改革しろ、変えろ、おかしいじゃないかと厳しくしかった、何度も繰り返しているじゃないですか。国会でこれだけ批判をされて、大臣もやめろと言われて、それでも、ちゃんとやりますといって居座っているわけですよ。でも、またこうやって繰り返されているわけですよ、役人を指導しなきゃならないという話を。なめられているんですよ。

 何でこんなことになるんですか。

○武部国務大臣
 委員が御指摘されることは全く同感でありまして、私どもはそれだけに、農林水産省の大改革に向けて大手術をしなきゃならぬ、そういう決意で今私が先頭になって努力をしているわけでございます。これはまことに弁解の余地はございませんで、今後徹底してまいりたい、かように存じます。

○枝野委員
 私は、なぜ繰り返されるのかとお尋ねしたんです。

 違う聞き方でいきましょう。

 こんなに問題を起こしても大臣は責任をとらないで居座っている。こんなに問題を起こした、その畜産部長だかなんだかの当時からずっと携わっていた熊澤さんも、引責辞任ではなく、退職金をがっぽりもらっておやめになって、責任をとらされていない。みんな、上の方の幹部の人たち含めて、だれも責任をとっていない。だから、いろいろおかしなことをやっても、変なことをやっても、ごめんなさい、済みません、今後しっかりしますと言ったらまた許してもらえると農林省の幹部みんな思っているんじゃないですか。そう思ってもおかしくないような行動をとってきたんじゃないですか。だから繰り返されているんですよ。だからあなたが責任とらなきゃいけないんですよ。どうですか。

○武部国務大臣
 私は、今申し上げましたように、農林省の大手術に今着手している、そういう決意で努力中でありますので、これからしっかりやってまいりたいということで御理解をいただきたいと思います。

 それは、いろいろ御指摘されることはもっともだと思いますし、私どもは、そういう意味では、役人任せにせずに、強い決意で、政治主導で徹底究明、徹底改革をやろうということで今努力していることを御理解いただきたいと思います。

○枝野委員
 役人任せにしないでと言ったって、実際に今度の天下りの話だって役人しか知らなかった。大臣がすべて細かいことを全部知ることができるわけじゃないんですから、役人に任せなきゃできないことはたくさんあるんですよ。その役人がおかしなことをやったら、首になるかもしれない、責任とらされるかもしれない、そういう緊張感を持たせないと、こんな不祥事が起こった役所がしっかりするわけないじゃないですか。どう考えたって、やっていることが支離滅裂ですよ。とてもじゃないけれども、こんな農林大臣のもとでは農林省改革は進まないということを申し上げておきます。どうぞお帰りください。

 行革大臣にもう一点お尋ねをいたします。

 この公務員制度改革のところで、1種試験の合格者の数を二倍にするというような方向性が出ていると聞いています。何で国家公務員試験の合格者の数をふやさなきゃいけないんですか。公務員の数は、むしろ採用を減らしていこうという時代ですよ。逆行じゃないですか。おかしいじゃないですか。

○石原国務大臣
 委員御指摘のように、一倍であるならば、採った人間がその役所に行くということでございますが、受ける方の都合もございますし、採用する側の都合もありますので、二倍程度が適当ではないかと考えているところでございます。

○枝野委員
 それは現状が、今の採用数の二倍合格している。それをさらに二倍にふやすと。採用数の四倍くらい合格者にさせる。そのことがおかしいんじゃないかと聞いているんです。

○石原国務大臣
 結果として何倍になるのかということは、現時点では正確な数字を申し述べることはできませんけれども、試験に偏った採用ではなくて、その人の人格あるいは識見等も十分に見れるような試験の体制、すなわち公務員の採用方法というものをこれから模索していかなければならないと考えているところでございます。

○枝野委員
 だったら、試験そのものに、いわゆるペーパーテストだけではなくて、人格その他が見られるように、見る方の人格に問題があるんじゃどうにもならないんだけれども、面接とか、そういうことを重視していくということをやればいいんですよ。合格者の数をふやして、公務員試験の難しい試験にようやく、勉強して受かったのに採用されないという人をそんなにふやして本当にいいんですか。

○石原国務大臣
 実態は詳細には把握しておりませんが、公務員試験に合格されても、若い方からヒアリングを何度かさせていただいたんですけれども、例えば、同期の方で公務員になった方は、公務員試験に受かっていても二割であって、残りの八割の方は御自分の意思で、あるいは希望した省庁に採用されなかったから違うところに行かれたということもあるということを御理解いただきたいと思います。

○枝野委員
 それで採用ができなくて足りないんですか。今の、二倍ぐらい、採用数の二倍ぐらいというのが、ほぼ適切にでき上がっているんじゃないですか。それは年度によっていろいろな状況はあるでしょうから、応用するのはわかりますよ。だけれども、制度改革として合格者の数をふやしましょうというのは、違う意図があるんでしょう。

○石原国務大臣
 委員御指摘の違う意図ということは、ちょっと思い当たるものがございませんが、試験制度自体の問題ということにもございますけれども、現在の二倍ということで、実はさまざまな悪癖というものも出てきている。

 すなわち、公務員試験対策の参考書、書店に行けばたくさん最近では並んでおります。このほか、都庁の地下に、これは地方公務員でございますが、行かれるときっとびっくりされると思いますけれども、昇級試験をどのようにクリアするかといったような本が、一般書店にないようなものがずらっと並んでいる。

 こういうことに象徴されますように、試験中心ではこれからの激動する世の中に対応できる人材が十分に採用できない。もちろん採用する側の問題もございますし、試験の問題はございますが、そういうものを改善したいということで今回の制度変更を検討している最中でございます。

○枝野委員
 それは試験のやり方の問題でしょう。つまり、いわゆるペーパー試験的なものを試験だということに限定すれば、それは傾向と対策で対応できますよ。

 しかしまさに、例えば面接とかそういうところを公務員試験そのものの中に組み込めば、そういうところは幾らでも対応できるし、いやペーパー試験であったとしても、そのペーパー試験の中身をいろいろと工夫することによってある程度はできるのであって、別に合格者をふやして、合格はしたけれども採用してもらえませんという人を大量に生み出す必要は全然ないわけですよ。

 逆の方向から聞きますが、先ほど縦割りが問題だと言いました。省庁ごとに採用するんですよね。省庁ごとに採用するに当たっては、それは分母が多い方がいいでしょう、自分の役所にとって都合のいい人を採用していくのには。だからこういう制度を組もうというんでしょう。

○石原国務大臣
 ちょっとただいまの質問の御趣旨は理解できないんですが、大体今1種、いわゆるキャリアでいいますと六百人ぐらいの方が、平成十三年度からは外交官の方も外交試験というものでなくて一本化されましたので、六百数十人の方が合格をされております。

 こんな中で、いわゆる文系と言われる方々は半分弱、技術系と言われる方が半数以上という形になると思いますけれども、文系の方々の試験と技術系の方々の試験というものは、もちろん学んできたものが違いますので、技術系の方々に経済理論を聞くわけにもいきませんので、そこの問題は分かれていると思います。そういう中で適正な人員というもの、今はおよそ二倍でございますけれども、そういうものが結果として出ていると認識をしております。

○枝野委員
 いいですか、合格者の数と採用数が一致をする、あるいはせめて合格者の中で採用をみずから辞退する人を除いて採用数と一致をするということであれば、第三者の恣意的な関与の余地がないんですよ。いろいろなところの地方の、特に学校の先生の採用や、あるいは地方自治体の特に小さなところでの採用に政治的な圧力が加わるという話は、全国でいまだに残念ながら残っています。

 要するに、採用数に比べて合格者数をふやせばふやすほど、その中からだれを選ぶのかという明確な基準がない中で採用されていくんですよ。そうすれば、どこかの役所のどこかの問題のように、政治家がこいつを採用しろとかあいつを採用するな、そういう圧力が出てくる余地が出てくる。

 公務員制度というのが今までそれなりに一定の信頼をされてきたのは、まあいろいろな人がいていろいろ変な人もいるけれども、そうはいっても一応公正な試験に受かっていった、その部分のところだけは信用すると。この前提が崩れるんですよ。そうすると、変なやつもたくさんいるし、そもそも採用のところで、試験に受かった幅広い中からどうして採用されたのかもわからないよねというような役人をだれがどうやって信用するんですか。公務員に対する信用をさらに悪くする。

 しかも、役所の縦割りを強めるんですよね。役所に入ってからずっと、おれは財務省だ、おれは厚生省だという中で縦割り意識が強くなっていく。それを採用のところから、採用されるかどうかもわからない、だけれども何とか省が採用してくれた。試験に受かることじゃなくて採用の方が重要視されるようになったら、ますますどこの役所が採用してくれたかが大きくなって、入ったところから縦割り意識が強くなるんですよ。

 やるんだったら一括採用すべきなんですよ、採用のところなんて。どの役所に飛ばされるかというのは関係なし、まず一括して採用して、本人の希望は聞くけれども、どこの役所に行くかだなんというのは、転々とかわっていってもらっていいんです。かわれないところはありますよ、確かに。厚生省のお医者さんとか、そう簡単に別の役所に行くところはないでしょう。でも、法務省あたりだったらありますよ、お医者さんの仕事の部局は。

 そうやって、どこの役所に行くか、転々とかわるようにすれば、役所の縦割りなんてできないですよ。もちろん、どうしても動けない専門の人はいますが。そういう方向が本当の公務員制度改革なんじゃないか、逆方向だということを申し上げておきたい。

 どうしてもきょうじゅうにやっておかなきゃならないテーマがほかにありますので、石原大臣、以上で結構です。

 経済金融問題。この週末も、金融機関への公的資金の注入についていろいろな不規則発言が出てきています。

 金融大臣にまずお尋ねします。

 今の金融情勢では公的資金の再注入の必要はない、その認識は今も変わっていませんね。

○柳澤国務大臣
 公的資金の注入というのは、委員御承知のとおり、預保法百二条の金融危機対応の一つの措置として規定をされております。

 そういうことで、現在の金融情勢を見ますと、一つ大きなメルクマールであるところの破綻、破綻というのは資本がマイナスになるということで、債務超過とも申しますけれども、そういう状況があるか。これはないであろう。それからまた、その他、資金市場その他の金融関係の市場におけるいろいろな指標を見ましても、今危機の状況にある、あるいは危機のおそれがある、こういう情勢にはないという認識でございまして、その意味では、資本注入が何か大変大きな効果を上げる、そういう情勢にはない、このように考えております。

○枝野委員
 今の答弁は、預保法百二条の要件を満たす状況ではないというお答えにすぎません。新しい法律をつくる、法改正をするなどによって公的資金の注入をするという考えはおありなんですか。

○柳澤国務大臣
 今委員御承知のとおり、通常検査も強化されて、一年一回主要行に対してはこれを行い、かつ、自己査定のときには前回検査、直近の検査の指摘事項がどのように遵守されるかというようなことについてのフォローアップを行う、こういうことが一方あります。他方にはまた、特別検査というようなことが行われていることは御案内のとおりでございます。これは、現在それぞれ進行中というふうに申し上げてよろしいわけでございます。

 検査局、当該の部局からは、これは中間段階で何らの報告というか、そういったことはございませんが、他方、監督の方で、いろいろヒアリングというか、そういうものをかけて、次の決算がどうなるだろうかというようなことについていろいろ情勢を聞いているわけでございますけれども、そういったところから何か資本注入が必要だというような資本の状況にあるというふうには聞いておりません。

○枝野委員
 財務大臣、この間全然違う答弁をされていたような気がするんですが、同じ認識なんですか。

○塩川国務大臣
 表現はいろいろ違っていたかもわかりませんが、考え方は一緒です。

○枝野委員
 では、念押しをして聞きます。今の金融状況は金融機関に公的資金の注入を考えなければならないような状況ではない、そういう認識でよろしいですね。

○塩川国務大臣
 現在の時点ではそうでございますけれども、これが不良債権の整理とかいろいろなものが進んでいきまして金融情勢が変わってくるということになれば、これはまた別の話。けれども、現在のところは、私はまだその必要はないと思っています。

○枝野委員
 この週末、テレビで何か御発言になっていたようですが、竹中大臣の御認識はどうですか。

○竹中国務大臣
 これは、当局が検査をして監督をする話であります。当局の見通しのとおりなのだというふうに私も考えています。

○枝野委員
 この週末のテレビでは、年度内にも公的資金を注入する必要があるかもしれない、そういった趣旨のことをおっしゃっていませんでしたか。

○竹中国務大臣
 ぜひ、そういう発言はしていないということをビデオ等々で御確認いただけると思います。

 私が申し上げたのは、今、特別検査をやっているわけであります。その特別検査の結果が出て、もしも、これは司会者から聞かれたものですから仮定の質問として、何らか問題が生じるようなことがあるようだったら、これは敢然と非常に早いアクションをとらなければいけない、何らかの行動をとらなきゃいけないと。

 今年度中に公的資本の注入が必要などという発言は、これは御確認いただけると思いますが、一切しておりません。

○枝野委員
 では、検査の結果によってと。塩川さんもそういうことなわけですね。状況次第によっては、検査の結果いろいろな数字が出てきたら、必要が出るかもしれないということをおっしゃっている。

 それはそれでいいんですが、では、竹中さん、どういう状況になったら公的資金を考える余地が出てくるのか。つまり、自己資本比率が八%を割るような銀行が出てきたら、それで考えられるのか、それとももっと悪い状況なのか。

 私は、少なくとも、例えば預保法の百二条を見る限りでは、自己資本比率が八%を超えているというような検査結果である限りは、どうこの百二条を読んでも、公的資金を注入するような状況ではない、こういうことになると思いますが、その認識はよろしいですか。――いや、大臣がそう思っていらっしゃるのはよくわかるんですけれども……(柳澤国務大臣「いや、違うんですよ」と呼ぶ)違うんですか。どうぞ。

○柳澤国務大臣
 預保法百二条が規定していることは、金融秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれということでございます。

 その大きなメルクマールの中に自己資本比率というものがあるというふうに考えられますけれども、自己資本比率が低下するということ、即金融危機ではないわけです。それがまたいろいろな市場の評価等を介在させて実際にそこで規定されているような金融秩序に重大な支障が出るということでございまして、ワンクッションあるわけでございます。

○枝野委員
 逆を聞いているんです。八%を切ったから百二条の状況になるとは言っていません。それはおっしゃるとおりだと思います。逆なんです。八%を超えているような状況で百二条の想定するような状況はあり得ないですよね。

○柳澤国務大臣
 これは、あり得ないと言い切ることはできません。風評等で、八%を超える金融機関であっても、いろいろな資金市場で危機的な状況にさらされるということがないわけではないということでございます。

○枝野委員
 いいですか。一生懸命今金融庁は、検査をして、厳格な検査をして、自己資本比率が足りているのかどうか検査しているわけですよね。その結果で、八%以上もあるという結果が出ている状況なのに風評被害が出るような状況ということは、そもそも金融庁が信用されていない状況が起こるということを自己認識しているということですが、よろしいですね。

○柳澤国務大臣
 これは風評でございます。風評にまで我々責任を完璧に負うわけにはいきません。風評はどういう状況でも立ってしまうということでございます。

○枝野委員
 そんな一般論の話をしているわけじゃないですよ。

 今、金融庁は、しっかり検査しています、その検査は適正、適法、そうやっていますということを一生懸命おっしゃっているわけですよ。それが信用されていれば、どこでどんな風評をつくろうという人がいたとしたって、政府が信頼してくださいと言って国民が信頼している状況だったら、いや、それは株価が下がるとかいうことはあるかもしれませんよ。でも、少なくとも、信用の維持に極めて重大な支障が生じるおそれだなんというのは出るわけないじゃないですか、常識的に考えて。それは、自分たちが信用されていないということを前提としなければ、八%を超えているという金融庁の結果の中で、「信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれ」だなんて考えられるわけないじゃないですか。

○柳澤国務大臣
 全く常識的には委員がおっしゃるとおりなんです。しかし、世の中にはなかなか常識どおりいかない面があるということを、可能性の問題として申し上げているんです。

○枝野委員
 竹中大臣にもお尋ねします。

 今本当に、金融の世界ですから、あらゆる一〇〇%の可能性を言えとは言いませんよ。少なくとも常識的に考えて、金融庁がしっかり厳格な検査をした結果、自己資本比率が八%以上あるというような銀行が、危ないんじゃないかということで百二条の要件を満たすようなことは普通はあり得ない、常識的にはあり得ない、そういう認識は竹中さんも一緒でいいですか。

○竹中国務大臣
 これは、常識的には、普通の場合はという強い限定でありますから、それはもう普通の場合はそういうことはあり得ないんだというふうに思います。しかし、その場合でも常にいろいろなリスクに備えなければいけないんだというような趣旨を今金融大臣はおっしゃっているんだと思います。

○枝野委員
 認識、今の同じ質問、財務大臣。

○塩川国務大臣
 これは枝野先生、金融状況というのは刻々と変わっていきますよ。例えば不良債権の整理ということもどのようにかかわっていくかということはわかりませんし、ですから、今金融機関が全部八%以上、四%以上ある、大丈夫だ、そこへ無理やり公的資本を注入するといったって、これは銀行がのまないでしょう。けれども、不良債権の整理をどんどん進んでいった中で、そこで流動資金が変わっていきますし、そういう事態がどういうところで発生してくるかわからぬ。そういうときには、必要があればつぎ込んでいかなきゃならぬ、こういうことを言っておるので、私は、現在においてはその必要はないけれども、将来においてはどういう事態になるかわからぬ、場合によったら必要かもわからぬ、こう言うて、今は必要ない、こういうことを言っております。

○枝野委員
 今の御発言は大変問題で、いいですか、金融検査をして、そして自己資本比率などを出しているということはどういうことなんですか。つまり、将来処理をしたら損があるかもしれない部分をリスク管理債権などとしてちゃんと引き当てる、そのことが金融検査であるんですよね。

 当然、確かに経済の状況が劇的に変わるというようなことがあったときには、それは塩川大臣のおっしゃっていることはあるかもしれません。しかしながら、例えば以前から危ないと言われていた企業がああやはり倒れましたとか、以前から危ないと言われていた銀行がやはり倒れましたとか、そういったリスクをすべて検査をきちんとして、そして引き当てなどを積んで、それで自己資本比率を出しているんですよね、金融大臣。

○柳澤国務大臣
 引き当て、その前に担保、保証という方法による保全が行われ、それからまた引き当てが行われる、そして、ここまでが予測される損失に備えるものでございます。予測しがたい損失に備えるものとして資本が必要だとされているわけでございまして、我々としては、今言ったような予測される損失と予測されない損失にどう備えているかということを金融検査で検査をしている、こういうことでございます。

○枝野委員
 ですから、財務大臣、不良債権の処理が進んだら云々だなんという話はあり得ないんですよ。今、不良債権の処理、ちゃんと進めましょうと政府を挙げて言っているんですから、不良債権の処理が進むであろうことを前提にして引き当てをし、担保をとり、そしてそれでも予想できないところへ自己資本比率があるわけですから。違いますか、財務大臣。

○塩川国務大臣
 だけれども、物事は、不動産にしても株券にしましても、あるいは売り掛け債権にしましても、全部そのときの時価によって変わってくるでしょう。ですから、我々今必死になって株価の維持を、上昇さすために一生懸命になっているのは、そういう新しい不良債権が出てこぬようにする。このことがもし起こってきた場合これは大変だからというので、一生懸命に経済のいわば回復、景気の回復、これに努力しておる。それが成果を結んでくれば、もう不良債権の新しいものは発生してこない。

○枝野委員
 まあ、揚げ足取りはしません。委員長はお気づきのようですが、揚げ足取りはしませんで、本題の方で攻めます。

 いいですか、今の経済状況の中では、株も上がるかもしれないけれども下がるかもしれない、土地の値段もさらに下がるかもしれない、売り掛け債権は貸し倒れになるかもしれない、焦げつくかもしれない。そういったことについては全部予想をした上で引き当てとか担保とかというのをやって、その上で自己資本比率を出すわけですよ。塩川さんのおっしゃっていることは、いや、そういういろいろなことがあるからと。それを全部考慮に入れてちゃんと引き当てておけと。

 その上でも、万が一にも、例えば突然土地の値段が半分になるとか株の値段が半分になるとか、経済だから何が起こるかわかりませんよ。そういうことがあったらまた別かもしれないけれども、今常識的に言われている、株が下がるかもしれないとか倒産企業がたくさん出るかもしれないとか、そんなことは全部考慮に入れているんでしょう、金融大臣。

○柳澤国務大臣
 株価を例にとられましたので、私も例にとらせていただきますが、株価については、これはリスクの係数というのは普通の貸出先債権と同じように一でございます。これが八%を切るような暴落があるかないか、これはなかなか予測しがたいところだと思います。そういうものに対しては、自己資本比率で備えるということに尽きるかと思います。

○枝野委員
 うまく論点をずらされておりますが、株が下がったりとか、土地の値段が下がったりとか、売り掛け債権が回収できなくなるとか、不良債権の処理が進んだらつぶれるところがたくさん出てくるとか、塩川大臣がおっしゃっているようないろいろな予想できない事柄というのは予想した上で金融検査をやっているんですよねとお尋ねしているんです。

○柳澤国務大臣
 これは非常に難しい問題を委員が提起されております。金融検査マニュアルが査定の基準を示しているわけですが、そこにいわゆるフォワードルッキングのファクターがないかといえば、私は、ないことはないというふうに思っています。

 ただ、例えば、バーゼルの監督委員会でこのフォワードルッキングの引き当てをすべきかどうかということがつい昨年でも議論がされたようですけれども、これに対しては、アメリカ側はフォワードルッキングのファクターを大いに入れるべきだという論を張ったそうですけれども、ヨーロッパ等は、フォワードルッキングの観点から引き当てをやるということは、全くそれを完璧に入れるということはそれは適切でないということで、論議が分かれ、そこのところはホールドになって現状維持がなされているということであります。

 我々も、検査マニュアルに定められた範囲でフォワードルッキングになっていますけれども、しかし、それ以上に、基本的に引き当ての原理としてフォワードルッキングの引き当てをするということにはなっていないという状況でございます。

○枝野委員
 そんなこと言っていいのですか。金融庁が一生懸命検査している、その検査の結果で自己資本比率がこんなにあるんだから信用できるかもしれないとまだ思っている人いるのですよ、国民の中に。いや、先の見通しについては入れている部分と入れていないところがあります、その程度なんですか。株が下がるかもしれない、不況がもっと深刻になるかもしれない、当然そういうことを織り込んで自己資本比率を出しているんだと普通の人はみんな思っていますよ。そんな見通しなんか半分しか入れていないと。そんなんじゃまた株は下がりますよ。

○柳澤国務大臣
 フォワードルッキングのファクターがあるかないかということは、例えば計数化できないというような、そういうものについてはこれを入れることはできないというのが引き当ての基本的な考え方です。ですから、例えば経済情勢、これを引き当ての計算上入れることができるか。これは入れられないという考え方が今の会計の基本的な原則でありまして、そのことを申したのです。

 ですから、計数が、ある過去の実績を引き延ばして将来起こるであろうというような意味では、フォワードルッキングであるわけです。しかし、経済情勢というような、一般に、では例えば成長率幾らというようなことを前提にして引き当ての率にそれを反映させるということは、これは会計学としてもできないんだというのが、今、我々がのっとっておる会計学の基本的な思想だということを申し上げているのです。
○枝野委員
 論点を意図的にずらしていますね。外務省もやりたいのだけれども、そこまで行けないかもしれないな。

 いいですか、私が言っているのは、まさにその引き当てなどをいろいろな基準に基づいてやるということは、株も上がるかもしれない、下がるかもしれない、それは将来はわからない、だから下がったときにもいいように備えているのです。土地の値段も上がるかもしれないし下がるかもしれない、下がったときでも大丈夫なように備えておく。それが引き当てであったり、自己資本比率であったり、つまり、その計算を全部、どれぐらい下がりそうだからどれぐらいにしましょうとは全部一個一個できないけれども、そういうリスクを全部計算に入れて、例えば引き当てをしなさいとか、例えば自己資本比率を一定程度置きなさいとか、そういうことになっているのでしょうと。だから、将来の常識の範囲内で出てくる経済状況の変化とか、どこかがつぶれましたとか、そういう話は当然検査の中で、検査の中でと言うべきなのか検査の結果と言うべきなのか、織り込み済みなんでしょうと申し上げているのですよ。

○柳澤国務大臣
 いや、これは、枝野委員もかなり専門的な方でございますから、専門家として申し上げたつもりでございますけれども、要するに、例えば株価でいいますと、株価はリスクの比率は一なんですね。それに対して、株価がどのぐらい下がるか、これはだれも予想できません。そういう、予想できないものについては自己資本というものでもって対処しようというのが考え方なのです。そういうことを申し上げているのです。(枝野委員「それは否定していません」と呼ぶ)わかるでしょう。では、それを引き当てでやっているかというと、やっていませんよ、そんなことは。

 それから金融機関の債権についても同じでして、これは、過去のトレンドとかいうようなものでちゃんと根拠づけられるものについては、それを将来に引き延ばして引き当てというものでもって対処できるわけですが、経済情勢がどうなるか、こういうようなことについて見込みを立てて、それでもって何か腰だめで引き当てを積んでおくということは会計学では許されてないということを申し上げているのです。

○枝野委員
 私は決して専門家なんて自分でも思っていませんし、別に専門的なことで――今のような議論はよくわかっています。今のような議論はわかっています。

 要するに一般的な話として、国民の皆さんは、金融検査をしていますと、債権とか株とかいろいろな評価の仕方はあるのだろうけれども、例えば引き当てなどについてはまさにここ数年間のいろいろなデータに基づいて計算をしているわけですから、当然、今のトレンドの中ではもうちょっと倒産がふえるかもしれないとか、もうちょっと経済が悪くなるかもしれないというようなところはちゃんと結果的に織り込まれて、それでこれぐらい引き当てを積まなければいけないとなっているだろうし、株についても、上がったり下がったりするものだからどうなるかわからないから、そこは自己資本比率のところでリスクを見ましょうということになっているでしょうと。

 そういうふうに、それぞれ、経済がいろいろ動いていくことについて、普通に起こることについてはちゃんと織り込んでありますよ、検査の結果と自己資本比率の中に。ということを申し上げているので、それはそのとおりでしょう。

○柳澤国務大臣
 今おっしゃることでしたら、そのとおりです。(枝野委員「いいです」と呼ぶ)じゃ、もう付言することはやめます。

○枝野委員
 塩川大臣。だから、塩川大臣がおっしゃっているような、いろいろな、これから状況が云々かんぬんということについて、普通のことについては検査の中にちゃんと入っているのですよ。だから、そんなことを今から、検査をした後だっていろいろなことがあるかもしれないとか、検査の中でいろいろなことが出てくるかもしれないとか、そういう軽率なことをおっしゃると、ますます市場にマイナスの影響を与えるのじゃないですか。

○塩川国務大臣
 だけれども、だから私は現時点においてはと、もう再三再四言っておりますから。これからの推測というものはどうなるか。

 現に、昨年の夏から現在を見ました場合、相当変化してきておるということも事実でしょう。そういうことを思いました場合、そうした場合、ただ、検査が将来予測まで、八卦じゃありませんし、見通しと言ってできるというものでもないだろう。だから現時点に立っての会計基準なり……(枝野委員「それが余計なんだよ」と呼ぶ)いや、標準のマニュアルによってきちっとやっているということなのですから、それはそれで私は意味があると思う。

○枝野委員
 経済の先のことはわからないから、だから、それぞれの債権の種類によって引き当てをさせたり、株についての上下の幅に変動が起こることについては自己資本比率で見ているんじゃないですか。それを、状況が変わるかもしれない、状況が変わったら公的資金が必要になるかもしれないと。では、そんないいかげんな引き当て基準であったり自己資本比率であるんですかという話になるというんですよ、塩川さんの言い方じゃ。

○塩川国務大臣
 それでは、将来予測でどの程度のリスクを見ておくかということなんか、一つの基準としてあるんでしょうか。

○枝野委員
 要するに、一個一個の債権をどれぐらいで評価するかというのは、まさに行政の執行の問題ですから、我々はやりたくたってできないんですよ。それで、問題は、金融庁のやっている一個一個の債権の認定、評価が正しいかどうかにかかっているわけですよ。正しければ、経済状況が少しぐらい変動したって、ちゃんと引き当てがされているんですよ、担保があるんですよ。そうじゃないですか、金融大臣。

○柳澤国務大臣
 株については、これはさっきから言っているように、リスク係数は一なんですよね。ですから、これについて引き当てをするとか、そういう手法は用いられてなくて、それは自己資本比率でもってカバーしよう、こういうことです。

 債権については、ここは要管理以上であるか、あるいは破綻懸念先以下であるかによっても全く違う方式がとられているわけです。引き当てについての思想が違うんです。要管理以上のところについては、確率の問題として処理されているということです。一対一の引き当てじゃない、集合概念で、格付の区分ごとに、それで過去に起こった実績を、できるだけひどくというか厳しく、その引き当てが必要になるような方法で積み上げましてやっている。それから、破綻懸念先以下の問題については、これは一対一の対応で、実際にそれが破綻したときどのようなロスが起こるかということで引き当てをしている、こういうことです。

○枝野委員
 要するに、我々は、今の金融検査は必ずしも実勢をあらわしていない、しっかり検査をしたら、もっと引き当てを積む必要がある。その結果、我々は、責任をとらせること、強制注入が前提ですが、公的資金注入やむなしと思っているわけですが、そこは、その金融検査に自信がおありだったらば、そんないろいろ細かいことをおっしゃる前に、いや、我々の検査はしっかりしているんですから信用してください、公的資金なんか必要な状況にはなりませんよと、堂々と各閣僚そろって言えばいいんですよ。どこかで危ないと思っているから、いろいろな逃げ道をつくっているとしか思えない。

 もう一つだけ。逃げ道をつくらないでください。RCCに不良債権を簿価で買い取らせようということをどこかの党のお偉い方がおっしゃっていますが、こんなばかなことをやるつもりはないですね、金融大臣。

○柳澤国務大臣
 簿価という言葉でどういうことを意味されて、イメージされているかということが、私、あの新聞記事だけではわかりません。

 したがって、これについてコメントをすることは控えたいと思いますが、一般論として、一般的に認められている簿価、つまり、ある債権についてその担保、保証というものは一緒くたに考える、それで引き当てだけ差し引く、そういうものを仮に簿価ということであると、やはりちょっと、今我々が考えているこの市場価格というか、そういうものとはやはり乖離があるというふうに考えまして、私は、やはり今の考え方の方がベターである、このように考えております。

○枝野委員
 では、こういう聞き方をしましょう。

 実勢価格とは異なって、実勢価格よりも高い、例えば、取得価格の方が実勢価格よりも現時点の時価よりも高いというようなケースで、実勢価格よりも高い別の基準で国が買い取るというようなことは憲法違反ですよね。四人の方に伺います。

○津島委員長
 どなたに質問ですか。(枝野委員「四人」と呼ぶ)

 まず、柳澤金融担当大臣。

○柳澤国務大臣
 実勢価格、いわば市場価格という、フェアバリューと言ってもいいと思うんですが、そういう価格より高く国が何か買うというようなことは、一種の隠れ補助金になるというふうに思います。

○枝野委員
 同じ意見ですか、ほかの三人。ほかの三人、同じ認識でいいですね。

○津島委員長
 竹中経済財政政策担当大臣。

○竹中国務大臣
 今のお話を聞いている限りはやはり、補助金というお話がありましたが、モラルハザードを起こす可能性もありますし、これは市場での価格での売買が原則だと思います。

○塩川国務大臣
 昨年十二月、法改正しましたですね。その中には時価で買い取ると書いていますね。

○枝野委員
 時間がないので、別の問題、もう一点だけ聞きたい。

 お手元に資料を配っていますが、これは金融庁が出しているんでしょうか、中小企業向けの貸し出し状況ですが、平成十四年三月末の健全化計画、Cですが、九月末の実績では全くこの実績に達しようとはしていません。つまり、約束されただけの中小企業への貸し出しをしていません。これから九月から三月まであるということなんでしょうけれども、金融大臣、これは前回公的資金を入れたときに、健全だけれども貸し渋りを、特に中小企業への貸し渋りを防ぐために公的資金を入れたんですよね。ですから、そのための計画ですから、この計画を必ず守らせますね。

○柳澤国務大臣
 守らせるように、いろいろな体制を内部に整備するようにして、努力をさせているところであります。

○枝野委員
 守れない場合、どんな責任をとらせるんですか。あるいは自分でとるんですか。

○柳澤国務大臣
 これは、現在の日銀の金融機関の貸し出し態度DI、ディフュージョンインデックス等を見ましても、もうそういうクレジットクランチのような状況には私どもないと思っております。

 ということは、今貸し出しの状況が不振であるということのかなりの大きな部分は、資金需要が低迷しているということの反映だというふうに考えておりまして、責任をとらせる、もちろん我々はパブリックプレッシャーのもとにおいてできるだけ努力をさせますけれども、その結果が責任問題に結びつくかどうか、つながるかどうか、これは現実の起こってみたことをケース・バイ・ケースに判断するしかない、このように考えております。

○枝野委員
 現実に中小企業の皆さんは、貸しはがしに今遭って大変なことになっているという声は、金融大臣、さすがに伝わっているでしょう。だから、これを守らせなきゃいけないんですよ。そのために最大限何をするかが問われているんですよ。少なくとも、これを守らせるためには、直接償却なんかやったら減っていくに決まっているんですよ。まずは間接償却なんですよ、中小企業には。違いますか。

○柳澤国務大臣
 結局、貸しはがしということなんですけれども、他方、金融機関の側は、収益の向上ということにもう極めて熱心に取り組まざるを得ない、そういう状況に置かれております。金融のリスクプレミアムをとるということでして、そのいわば折り合いがつかないというところで貸し出しの不振というものが起こっているという側面があることは、御理解いただきたいと思います。

 加えて、一言だけ申しますが……(枝野委員「いいです」と呼ぶ)よろしいですか。

○枝野委員
 これもちょっと二十日までに一応聞いておかないといけないことなので、外務省。

 まず最高裁、来ていただいています。シリアの大使館が裁判が云々という話が、その二十四日の夜の会議の趣旨だったという話が出ています。在京シリア大使館にかかわる裁判、どんな裁判があったのか、言える範囲でお答えください。

○千葉最高裁判所長官代理者
 今枝野委員御指摘の件でございますけれども、シリア・アラブ共和国大使館が賃借権を有するという主張がされておりました港区麻布永坂町にあります建物、これは五階建てのビルでございますけれども、競売によって落札した民間会社がビルの占有者を相手に引き渡し命令の申し立てをした。東京地裁は、大使館が賃借しているというこの占有者の主張を認めずに引き渡し命令を出して、この執行によりまして昨年の十二月の十九日に民間会社がその引き渡しを受けた、これが事実経過でございます。

○枝野委員
 毎日新聞の報道によると、この引き渡しの執行のときに、何か政治家の秘書とか名乗るような人がいちゃもんをつけたという報道がなされていますが、事実ですか、最高裁。

○千葉最高裁判所長官代理者
 昨年十二月十九日の明け渡しの執行の際に、このビルの占拠者のほかに、債務者、これはモハメッド・カブールでございますが、この代理人の弁護士の蒲野宏之である旨を名乗る人物及び衆議院議員の谷川和穗議員の秘書泉秀樹である旨を名乗る人物があらわれまして、その旨の記載のある名刺を示して、政治的な決着がついているので明け渡し執行はやめてほしいという趣旨の発言をいたしました。しかし、担当執行官は、発言をした人の身分関係を確認するまでもなく、このような事情は明け渡し執行を停止する事由に当たらないというふうに判断しまして、そのまま執行を続行して執行を終了したということでございます。

○枝野委員
 また政治家の新しい名前が出てきた。残念ながら、ここまで、きょうまでには調査する時間がなかったので、谷川先生は名前を使われただけなのか、本当に関与したのかよくわかりませんが、いずれにしろ、この明け渡し自体に政治的な決着がついているのでなどということをぬかす人間が出てきていた。その事件の問題について政治家と外務省の官僚とが何やら密談をしていた。また外務省は新しい疑惑事件をもたらすんですか。説明できますか、外務省。(発言する者あり)

○津島委員長
 御静粛に願います。

○重家政府参考人
 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁のありました、外務省と話がついているので執行しないでほしい、そういうようなことは、私どもといたしましては全く承知しておりません。そういう事実はございません。

 また、二十四日の夜その会合に参りましたのは、先般御答弁申し上げましたように、松岡議員より急遽来るようにということで呼ばれましてお伺いしたわけでありまして、シリアの建物の経緯、事実関係を御説明したということでございます。

○枝野委員
 あと二点だけきょうのうちに聞いておきたい。

 この十二月十九日の明け渡し執行でこういうトラブルがあった、政治的決着がついているとか云々とか。こういう話は外務省は把握していなかったんですか。

○重家政府参考人
 御答弁申し上げます。

 私どもとしては聞いておりません。

○枝野委員
 シリア大使館との話って、こういう話じゃなかったんですか。

○重家政府参考人
 御答弁申し上げます。

 十二月十九日の強制執行のところでごたごたしたということは、そのとき私どもとしては承知しておりませんでした。

○枝野委員
 いいですか。これは外交問題なんで気をつけて申し上げなきゃいけないと思うんですが、いいですか、もしも日本の裁判所でしっかりとした明け渡し命令が出ている件について政治的な決着でそれを妨害しようだなんていう話が現実にあったとしたら、それこそ大外交問題ですよ。もしそんなことをシリア大使館の知らないところで勝手にやっている日本人がいても、これまた大外交問題ですよ。つまり、この二十四日の夜の会合というのは、外務省側がきちんと納得できる説明を我々にしない限り、日本とシリアとの外交問題になりかねない、そういう問題なんですよ。ちゃんと説明してください。

○重家政府参考人
 お答え申し上げます。

 私ども、従来から、この問題は既に司法の判断にゆだねられている問題であり、外務省として司法の判断を尊重するものである、そういうことを説明してきておった次第であります。

○枝野委員
 だから、それだったら、何でのこのこと、政治家が間に入って、この話だとわかっているのに出かけていくんですか。余計疑われることになるじゃないですか。逆でしょう、全く。

 もう一点だけ、この件について。

 私の事務所は、金曜日、質問通告のときに、シリア大使館に、例えば二名の同席者などの名前や、名前まで言えなくてもどういう氏素性の人なのか、例えばどういう職業の人なのか、可能な限り国会でしゃべってもらいたいので、直接やるのは何だから、外務省からどこまでしゃべっていいのか打診をしてくださいとお願いしました。打診しましたか。

○重家政府参考人
 シリア大使館の了解を得るべく連絡をとっておりますが、いまだ回答を得ておりません。

○枝野委員
 そんな話が通用すると本当に思っているんですか。よく事情を説明しているんですか。単なる問い合わせ、事務的に問い合わせているんじゃないですか。大政治問題、下手をするとシリアを巻き込んだ外交問題になりかねない話だという話をしたら、向こうだってすぐ対応するんじゃないですか。

 二十日以降にまたやらせていただきますが、外務省、ごめんなさい、もう一点だけ。

 二十四日の夜の鈴木宗男さん主催の会合に、国会担当の外務省職員が参加をしていますね。だれが参加をし、いつごろその会場に行き、どういう行動をしましたか、御説明ください。

○小町政府参考
 今御質問の件は、外務省の粗参事官のことを指していると思われますけれども、粗参事官は、当日、鈴木議員の席に同席しておりませんで、別の勉強会に出席しておりました。鈴木議員の会合が終わるころになって、その鈴木議員の会合に主賓として招かれておりました高橋、ブラヒミ特別代表の秘書役を務めておりました人が次の日に帰るということで、会いたいということで、鈴木議員の会合が終わった後合流したということでございます。

○枝野委員
 合流したのは、どこに合流したんですか。鈴木氏の会合の場に合流したんですか、別れて会ったんですか。

○小町政府参考人
 お答え申し上げます。

 ざくろを出られた鈴木議員の御一行と、そこ、出たところで合流したというふうに聞いております。

○枝野委員
 それでは、鈴木議員と一緒に鶴八へ行ったんでしょう。

○小町政府参考人
 ざくろの外で合流して、鈴木議員と一緒に松岡議員の場においでになられました。

○枝野委員
 参事官だけじゃないでしょう。国会などの対応の窓口になる課長かなんかも一緒じゃないですか。

○小町政府参考人
 お答え申し上げます。

 粗参事官と同じ勉強会に谷崎総務課長が出席しておりまして、谷崎課長も粗参事官と同一行動をいたしました。

○枝野委員
 あと二点だけ、ごめんなさい。

 なぜ鈴木さんと一緒にああいう場所に高橋さんがいたということをこの二人は知ったんですか。

○小町政府参考人
 粗参事官も、それから谷崎課長も、高橋秘書役といいますか、をよく存じ上げているからでございます。その次の日に日本を離れるということも知っておったからでございます。

○枝野委員
 いずれにしても、国会担当の参事官、あるいは国会担当参事官などから本省の方で受ける責任者ですね、官房総務課長なんというのは、そういう人が、あの二十四日の質問があってごちゃごちゃした夜で、事務次官の言っていることと大臣の言っていることがもうばらばらで、どうにも支離滅裂になっているという状況の中で、そういう人たちが鈴木宗男さんが主催をしている会の流れの中に一緒に加わっていくという判断をした。それは間違いないですね。

○小町政府参考人
 判断をしたといいますか、高橋秘書役とぜひ、彼が日本を離れる前に会いたいということから加わったものでございます。

○枝野委員
 河村議員が指摘をした、単に、担当課の、局長などだけではなくて、国会担当の参事官、国会などとの窓口の対応の責任を実務的に担っている総務課長、こういう人が鈴木宗男さんと会い、一緒に酒飲んで何やらしていたということは、さらに疑われても仕方がない。この疑いを本当に晴らしたいというのだったら、外務省の側で納得できる説明をしていただきたい。そのことを申し上げて、同僚議員とかわりたいと思います。