[内閣と与党の一体化/国内テロ対策/道路公団改革/天下り規制の緩和/経済状況の認識について ]
○枝野委員
おはようございます。民主党の枝野でございます。
この九月から、民主党のネクストキャビネットで警察、防災を中心に内閣委員会所管のところを担当しろということになりまして、初めて内閣委員会で質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
四人の大臣においでをいただいておりますが、それぞれ、順次お伺いをさせていただきたいと思いますが、まず最初に官房長官にお尋ねをさせていただきたいと思います。
我々、新聞報道を通じてでございますので正確な表現ぶりはわかりませんが、小泉総理が、内閣提出法案の与党審査の廃止という表現なんでしょうか、それとも与党と政府との二重権力構造というものを解消したいということなんでしょうか、いずれにしろ、こういった趣旨の発言をされたということで新聞報道をされております。
民主党は、既に九八年の十二月に、政権運営委員会という党内の組織をつくりまして、さまざまな政治のリーダーシップを発揮させるためのシステム変更について議論をし、まとめておりまして、その中でも、政府と与党というものがばらばらにならないように一体化をさせるべきだ、与党の主な幹部は政府の中にきちんと入って法律的な責任と政治的な責任とを一体化させなければならないなどということを既に提言をさせていただいています。
考えてみれば、政府の幹部ではなくて、政権党の幹部が非常に強い政治的影響力を持つ国というと、少なくとも私の知る限りでは、かつてのソビエトの共産党であるとか、中国の共産党であるとか、北朝鮮の労働党であるとかという国のようなところしか頭にはなかなか浮かんできません。日本もそういうことだとすると、ちょっとやはりおかしい。そこを整理しようという小泉総理の意図は、報道から見る限り歓迎すべきものだというふうに思いますが、総理からどういった指示が出ているのか、官房長官からお答えをいただきたいと思います。
○福田国務大臣
正直申しまして報道によって私も知ったんでありまして、その程度のことでもって大変申しわけないんでありますが、報道に出ておりましたのは、総理が、そういうような総理のリーダーシップを発揮するということのためによい方法はないか、こういうことを党の幹部の一人に尋ねられた、こういうことで、それを受けて、それでは少し勉強してみましょう、こういうような程度の話だったというふうに私は理解いたしております。
議院内閣制でございますので、内閣と与党が一体化して連携を密にして、そして政策決定をし、その実現を図っていく、これはもう当然のことでございます。ですから、国会でもって御審議をいただくときに、与党が反対をするとかいうようなことがあってはいけませんから、やはり事前に十分な意思疎通を図るということは当然のことだというふうに思っております。
このあり方について、国民会議でもそういう提言があったというように聞いておりますし、また御党もいろいろお考えになっているということも承知をいたしておりますけれども、いずれにしても、総理のリーダーシップということももう大変大事なことでございますので、議院内閣制の中で総理のリーダーシップをいかに発揮し得るかという方策をいろいろ考えるということは、これは悪いことではないというように私は思っております。
しかし、議院内閣制という制度の中で行うことでありますから、そういうことを前提にして今後ともそういう検討を続けていくということは、私は大変よろしいことだというふうに考えております。
○枝野委員
大変お上手な御答弁というか、前向きなのかそれとも慎重なのかちょっとよくわからなかったんですけれども、もう一点だけお尋ねさせていただきます。
例えば、民主党も、与党の皆さんにしてみれば何がネクストだと言われるかもしれませんが、ネクストキャビネットをつくっております。そこでは、幹事長が副総理、そして政調会長が官房長官、私が政調会長代理で官房副長官的な仕事と内閣府という政府全体に横断的な部分とを見させていただいているという形で、党の従来の意思政策決定システムの責任のあるポジションの者が、我々が政権をとらせていただいた暁にはきちんと政権のど真ん中に座ろうということで、政府と与党との一体性というものがずれないようにというようなことを考えております。
私が知る限りは、例えば、議院内閣制で非常に伝統のある、我が国も参考にすべきであると思われるイギリスなどでも、やはり与党の幹部というものは閣内にきちんとキャビネットのいすを持って、日本で言えば国対委員長のようなポジションに当たるんでしょうか、そういった人たちも閣議などに加わったりするというふうに聞いております。
少なくともそういったプロセスといいますか手続というものを早急に整備するということは、だれが法的な責任を持って物を決めているのかということをはっきりさせる上で必要なことではないかというふうに思うんですが、これは官房長官の御意見としていかがでしょうか。
○福田国務大臣
私も特別深くこのことを研究したわけではありません。しかし、いろいろな形というのはあってもいいんだろうと思います。そして、そのことについて法的な措置が必要なのかどうかということ、これもケース・バイ・ケースというように考えております。ですから、その時々の総理の判断によって例えば党の政策責任者が閣内に入るとかいうようなことがあっても、これはおかしくないんじゃないかなと思っております。
○枝野委員
他党の内側のことにどこまで口を差していいのかわかりませんが、報道等を通じて知る限りでは、総理の御意向、総理の考え方というものは、なかなか与党の中で手続を踏むのに御苦労されているケースが少なからず見受けられるというふうに思っています。
それは、今高い支持率を国民は小泉総理に与えている。したがって、小泉総理の考え方でかなり強くリーダーシップを発揮してほしいということの期待のあらわれであるというふうに思っておりますので、その限りでは私は、党は違いますが、小泉総理のリーダーシップで物事が国会に出てきて、国会の場でいろいろな形で議論をさせていただくということが国民の期待に合致をすることだというふうに思っております。
ぜひ、官房長官、まさに総理を支える女房役でありますので、もちろん、制度改革の話は一カ月や二カ月でできる話じゃないとは思いますけれども、まず内閣は、与党に対して責任を負っているんじゃなくて、国会に対して責任を負っているのでありますし、国会を通じて国民に対して責任を負っているのでありますから、与党よりも国会の方が大事であり、国会よりも国民の方が大事である。当然のことだと思いますので、ぜひそういった方向で進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
続いて、九月十一日の米国同時多発テロを受けましての国内でのテロ対策といいますか、もうちょっと幅広に危機管理といいますか、そういった問題についてお尋ねをしていきたいというふうに思っています。
言うまでもありませんが、我が国の政府の、あるいは我々国会で働く者も含めて一番の責任は、日本の国民の、あるいは日本の領土、領海の中にある者の生命財産を守るということがまずは第一の責任であって、国際協調、国際支援ということは、それと比較をすることはなかなか難しいかもしれませんが、何よりもまず最優先は、国民の生命財産、領土、領海における国民、生命財産の保全であるということを考えますと、この九月十一日のアメリカでの同時多発テロを受けて、国際的な支援協力活動についての法的な整備というものは緊急に行われましたが、同じぐらいの、あるいはもしかするとそれ以上の重要度をもって、国内で同じようなことが起こらないということを確保するために、あるいはそう国民の皆さんが信じていただける、信頼していただけるという体制をつくることが大事なことではないかと思っています。
そうした観点から、まず、こういったテロなどに関しましては、事前の情報収集というものが大変重要であるというふうに思います。例えばアメリカのCIAだのFBIだの、いろいろな情報機関の話がありますが、日本にも内閣情報調査室がある。
ただ、現実的には、我々の党も、九月十一日以降、さまざまな部門からいろいろとヒアリングをさせていただいて改めて勉強し直しましたけれども、国際的なテロ情報などについて、その情報を収集してくるという具体的な機能を実際に持っているのは、大使館というルートを通じての外務省であったり、あるいは警察庁の外事関係の部局であったり、あるいは、ここはなかなか我々のところに具体的な話は入ってきませんが、いわゆる、いわゆるといってもこの言葉を使っていいのかどうか、まあ、自衛隊、駐留武官的な立場のところ、お互いの軍事の専門家同士の情報収集であったりというようなところが基本的には情報収集の当事者であって、内閣といいますか内閣官房というのか、あるいは総理大臣直属という言い方がいいのか、そういう部局のところに、つまり縦割りの省庁以外のところで、特に国際的なテロ情報などについて直接情報収集をする機能というか、それだけの人員というか、そういったものがなかなか備わってはないのじゃないか、こんなふうに理解をしておりますが、この認識についてどう思うか。そして、そういったところが必要ではないだろうか。これは多分所管としては官房長官になると思うのですが、いかがでしょうか。
○福田国務大臣
テロのような事件が起こりますと、そういう情報の重要性というのは再認識されるのであります。また、その情報を瞬時に入手しなければいけない、そういう意味において大変時間というものが重要視される、そういうことなのでありますけれども、しかし、テロというのは一体どこで起こるかわからない、こういうこともございますので、一刻も気を抜くことができない、そういう分野の仕事だというように思っております。
我が国で、そしてまた政府の中枢である内閣官房でどのような体制をとっているか、こういうようなことでありますけれども、特にテロについて申し上げれば、内閣情報官、こういう職がございまして、そのもとに、治安、防衛、外交などの情報を担当する機関がございますけれども、そういう各部署の幹部、局長クラスの上級幹部が定期及び随時に参集して情報を共有し、そしてまた対応するという措置をとっておるところでございます。
また、緊急なときのことは、これは内閣に情報集約センターというものがございます。これは、内閣情報調査室、内閣調査室がございまして、その中に情報集約センターというものがあるわけでございますけれども、これはもう御案内のとおり、二十四時間の体制を組んで内外の情報をそこですべて集約し、分析し、そしてその結果を情報官に上げる、その必要性に応じて内閣官房でもって役割分担して情報に対する対応措置をとる、こういうことをしているわけでございます。
今まで、いろいろな事件、事故等がございました。そういうことを通してその都度いろいろと研究し、今かなりの体制をとっているのではないかと私は思っております。
また、情報も、国内のことはいろいろな情報がございますけれども、海外の情報につきましても、それぞれの専門分野の情報の専門家が各地区で、また国内において海外の情報源と接触をして、そして常に情報に遺漏のなきよう、こういうことで努めておるところでございます。
○枝野委員
では、まず、その情報の官邸への集約というところから逆に入っていこうと思います。
現実に各役所に情報が入ってくる、縦割りの省庁に、例えば警察庁に入ってくる、外務省に入ってくるという話が、きちんと必要な情報が過不足なく、例えば情報の種類によっては情報集約センターに、あるいはそれが機密性の高い情報であれば多分官房長官なり情報官なりのところに直接ということなのでしょうけれども、上がってこなければいけない。それぞれの役所の中でとまってしまっていて、例えば警察庁なら警察庁、外務省なら外務省の中でいろいろごちゃごちゃ相談をしている間に事態が前へ進んでしまうということがあっては困るということになると思います。
これは、私自身がいろいろヒアリングをしたところで、このこと自体について責任を追及云々することはしませんということを申し上げたので、そういうことは申し上げません。そのことはそういった意味では取り上げませんが、例えば、今回の九月十一日のテロの前に、これは警察にでしょうか、米国の方から、アメリカに対するテロのリスクが高まっている、日本にも米軍基地があるので何とかしろという言い方なんでしょうか、どういう言い方なんですか、そういう情報が入った。ところが、それが官邸の方に、情報集約センターの方に届いたのが二十四時間以上たってから。それより前に報道機関の方で、こういう情報が入ったという方が先に実は流れていたということが現実にあった。これはヒアリング等でもお認めになっておられます。
こういうことがあってはいけない。今回、たまたま事件が起こったのはニューヨークでありましたけれども、米国施設に対するテロということであれば、当然、対象の可能性としては、日本の国内にも米軍基地を初めとして米国関連施設がたくさんあるわけですから、たまたま今回はその情報が半日、一日おくれたとしても直接の実害はなかったわけでありますが、今後、こういったことを起こさないためにはどうしたらいいのかということは問われるわけであります。
私は、役所の皆さんというのは非常にまじめで優秀だというふうに基本的には思っておりまして、責任の所在というか、あるいはルールというものがしっかりとしていれば、そのルールに従って責任者は責任ある判断をする。ルールあるいは責任の所在がはっきりしませんと、何となくもやもやっとした形で物がぼけてしまう。
例えば、今、事実上、官邸に対するさまざまな情報の集約の基点というか窓口というのはそれぞれの所管する役所の局長級であるというような話を党内のヒアリングで役所の方などからも承っております。もしそうだとすれば、きちんとルールとして、法律とまでは言いませんが、例えば政令なりで、こういう情報についてはこの局長が責任者である、したがってこの局長が、これは官邸に届けるべき情報なのか、それとも省内で処理をすればいい情報なのかということの判断の責任者なんだ、万が一その判断に誤りがあったときはこの人が責任をとるんだというルールを明確にしてあげることによって、それぞれの役所の中でも仕事がしやすくなるでしょうし、万が一にも官邸に情報がおくれるというような間違いを犯さないで済むためのシステムなんじゃないか、こんなふうに思っているのです。これは全体の制度の問題ですが、官房長官、いかがでしょうか。
○福田国務大臣
最初に九月六日でしたかの例を挙げられました。これは、実は警察の方にある筋から連絡がございまして、この種の連絡はしょっちゅうあるわけなんですけれども、イスラム過激派のヒズボラ、これはイスラエルの方なんですね。イスラエルのPLOの関係でございますけれども、そのグループが日本及び韓国の米軍施設を襲撃するかもしれぬ、そういうような情報であったわけであります。
今申しましたとおり、時々こういうような情報があります。その情報は一回一回、その都度中身をよく吟味しないと、情報に踊らされてしまうということもあるわけでございまして、以前にもビンラディンという名前でもって情報があったことがあるんです、その数カ月前でございますけれども。しかし、このときは、ごく一般の情報である、たまたま何かの記念日とかそういったようなものに該当するということでもって、しかし情報としては来ていると。情報が来たからといって、じゃ、どういうことをするかというのは、その情報の質、内容等によって判断して決めるわけでございます。
今回、九月六日のことについては、私は正直申しまして、これが今回の九月十一日のテロと関係あるかどうかまでわかりません。恐らく、この情報をもたらした筋もわかっていなかったんだろうと思います。ですからああいう事故が起こったということになるんだろうと思いますけれども、そのときに、これは情報のソースの信憑性とかいうようなことを考えて、しかし警察としては、これは必要な措置はとらなきゃいけないということでもって各都道府県に厳重警戒という指令を出している。所要の措置はとっているわけであります。
情報は来なかったんじゃないかとおっしゃいますけれども、そのすぐか、ちょっと私よく覚えていないんですけれども、私ども、それほど時間がたっていないときにその情報は聞いております。しかし、そういうふうな措置をとったということによって、これはその情報に対しては十分な措置だろうというふうに考えたわけでございます。
質の問題なんですよ。私どもは、真夜中、例えば午前三時、四時に電話でもってたたき起こされる、そしてその内容を聞くと、ハイジャックがあった、日本に飛んでくる、こんなふうなこともございました。中には官邸にすぐ飛んでいくという人もいるのでありますけれども、しかし三十分後にはそれはにせ情報だった、このようなこともあるんです。これはもうしょっちゅうあるわけでございまして、情報の正確度そして内容、これはもう本当に雑多でございまして、私どもは、そういうことで、より正確な情報、そして的確な判断をしなければいけないというその訓練を日常していかなきゃいけないんじゃないか、こんなふうに思っているところでございます。
それからもう一つ、仕組みとして、もしくは法律でもってこの情報が上がるようにしたらどうか、こういうふうなことでございますけれども、テロ対策ということであれば、もちろんテロに関して閣議決定もしております。平成十年にしておりますけれども、そういうこともございますし、必要な道筋はつけているというように思っております。法律で決めなくても、そういう閣議決定というようなことでやっております。また、その閣議決定に基づいて、日常いろいろとどういう対応をしたらいいかということも考えながらやっておるわけでございますので、私は、そういう意味において、改めて法律でどうこうという問題ではないんじゃないかな。問題なのは、先ほど申しましたように、情報の質を高めるというか、質の高い情報を得る努力をする、こんなふうなことでないかと思います。
○枝野委員
私は、先ほど申しましたとおり、九月六日の件そのものが問題であるといってここで追及をしようとするつもりはありません。その結論自体についてはいろいろな判断があり得るんだと思います。
ただ、問題なのは、つまり、この九月六日の件についてさまざまヒアリングをさせていただいたりもしましたけれども、だれの責任でどう、つまり官邸に上げるのが緊急ではなくてもいい、つまり何時間、半日とかあいても構わないという判断をしたのかということが、少なくとも我々の知る限りでははっきりしなかった。少なくとも我々に対してはっきり説明するまでに時間がかかった。少なくとも我々事前には、こういったことについてだれが責任を持って判断をしているのかということについて見えないということがあるわけです。それは仕組みとしてもっとはっきりさせた方がいいんじゃないですか。
役所の中の情報については、局長なら局長が今官房長官もおっしゃったようなさまざまな判断をして、これは警察内部でやればいいんだと、責任を持って判断していただく方がはっきりわかっていればいいんです、その方の判断で決めたと。あるいは、これは官邸に届けると。あるいは、官邸の中でも情報官なりが、これは官房長官をたたき起こしてでも伝えなきゃいかぬとか、これはあしたの朝になってからでも構わないとか、そういうことを判断する。こういうどの段階でだれがどういう責任者なのかということを、事前にも、そして国民にもオープンな形で明確にしておく必要があるんじゃないか、そこが今のところまだ不明確ではないかということの問題点を指摘したいんです。
○福田国務大臣
そういう情報については、内閣情報官、ここですべて集約すべきものと思っております。また、テロとかそういうことであれば、危機管理監という者がおります。ですから、そこと連携をする、直ちに連携するという必要もあるかもしれません。いずれにしましても、内閣としては、内閣官房に置かれております情報官、この者が対応するということになっております。
しかし、事と次第では、例えば各省の局長が一次情報をつかんでそれを直ちに情報官を通さずに総理に上げる、これだってないわけじゃないんですね。その緊急度によるわけなんですよ、緊急度に。だけれども、通常の状態においては情報官であるというふうに考えてよろしいかと思います。
○枝野委員
内閣の中で情報官というのはよくわかっているんです。
問題は、各役所に一次情報が入ってくる。それは別に警察には限らない。外務省に入ってくることもあるだろうし、あるいは、五月の北朝鮮の主席の息子と思われる人物の、これはお認めにならないんでしょうけれども、話などのようなことだと、もしかすると入管かもしれない、法務省かもしれない。それは、どこからどういう情報が入ってくるかというのは、あらゆる想定があり得るわけですから、わからない。
そういったときに、各役所、それぞれの役所が、例えば今回のこともありますから、例えば警察庁は情報収集、情報伝達のことについてなれてもくるだろうし、いいかもしれないけれども、なれていないところに情報は突然来るかもしれない。そういうときにだれの責任でその官邸の情報官のところに情報を伝えるのかということについて、それは内側からも外側からもはっきり見えるようにしておいた方がベターじゃないですか。その担当者、責任者の判断で、これは緊急だから直接総理をたたき起こそうということもあるかもしれないですけれども、それは応用動作の中で構いませんが、まずは役所の中から、残念ながら縦割りという原理原則がある中で、官邸という全体集約の総括責任のところに届かないと困る。届かないことが万が一にもないようにということでは、各役所のそれぞれの部局の中でこの人が責任者なんだということを明示すべきじゃないかと思うんですが、もう一回だけお願いいたします。
○福田国務大臣
やはり情報の質の問題もありますので、情報を一番最初に入手した人がその上長に上げる。一番最初に情報を入手した人もその段階で判断をすることもあるんですね。しかし、やはりそのセクションにおける上長、責任者にまず上げるということは大事だと思いますね。要するに、ダブルチェックするということだと思います。そういうことで、確度が高い、質の高い、または重大性が大きいということになれば、だんだんと上に上がってくるということもあるわけです。それはその道の専門家でありますから、そういう判断というのは私はおのずからできることだろうというように思います。
すべての情報を上げますと、それはまた犬が人にかみついたというような話まで上がってくるかもしれぬということもあろうかと思いますし、それはそのセクションの専門性ということにかんがみて判断をすべきではなかろうかと思っております。
○枝野委員
私の説明がわかりにくいのか、私は、まさにその情報の重要度というものをちゃんとどこかでスクリーニングしなきゃならない、それは各役所の中でしなきゃならないということについて、責任者を決めておいた方がいいんじゃないかということも含めて、この人が責任者だからこの人が全部官邸に上げろということじゃなくて、各役所で、この人に相談すれば、例えば現場の人たちがとにかくこの局長のところまで相談に上がるような流れに乗せれば、ここで判断してくれる、スクリーニングしてくれると。ここでの判断で、これはもう役所限りで大丈夫だ、これは官邸に上げようという、そのキーになるところを決めておいた方がいいんじゃないかという問題意識なので、今後とも御検討ください。
時間の関係もあるので警察の方にちょっと進みたいと思うんですけれども、まず一般論としてお尋ねをいたします。
自衛隊法の改正のところで、警察だけじゃなくて自衛隊にももっといろいろやらせた方がいいんじゃないかというような議論もありました。そうした議論を受けて、例えば、自衛隊法の改正はでき上がりましたけれども、今後もっと自衛隊を使うべきじゃないかという議論も残っているのは間違いないと思います。
国家公安委員長として、国内の治安維持について警察でどれぐらいできるのか、あるいはやるべきなのか、その辺のお考えをお聞かせください。
○村井国務大臣
先般の自衛隊法の改正に関連いたしましていろいろ御議論があったところでございますけれども、私は、今のお尋ねに対しましては、基本的には、この間できましたパッケージといいましょうか結論というのは一つの政策判断であって、あれでよろしかったんじゃないだろうかと思っておりまして、あくまで国内治安の維持というのは第一義的に警察力をもって行う、そして、それでどうしようもないような事態の場合には、自衛隊の治安出動というスキームが現在あってそれで対応できるということではないか、こんなふうに考えております。
○枝野委員
私も、あのテロ特での議論ではいろいろな御議論を申し上げましたが、あの仕組みのつくり方だったらおかしいんじゃないかということを申し上げただけで、結論として、原則としては国内治安というのは警察が責任を持ってやっていただくということが筋だというふうに思っておりますが、だとすれば、実際に今、警察がきちんと国民の生命財産を守り切れますということについて、まさに国民の皆さんの信頼をかち取らなければいけないというふうに思っています。
そして、とにかく治安維持のために行わなければならないこと、想定されること、無限にありますので、すべてを取り上げることはできないと思いますが、一つには、これを具体的に言ったらいいのかどうかわかりませんが、国民の皆さんの中には、例えば原子力施設に対するテロの不安とかいうことは現実に語られております。例えば何か非常に強力なテロがなされたとしても、機動隊なり、最終的には場合によってはSATを含めて警察で対応できるということだというふうに思うんですが、まずそのことについてはよろしいでしょうか。
○村井国務大臣
私どもは、警察力で、今私どもが得ている限りの情報に基づきます危険、これに対しましては十分対応できる、このように考えております。
○枝野委員
そこで、例えば機動隊がある、例えばSATがある。原発などのあるようなところというのは、基本的には余り人口の密集していないところですので、村の駐在さんとかが一番近くにいるケースとしてはあれなんでしょう。それだけでは本当に、もし万が一にもかなりの武装したテロなどが起こったときには支え切れない。つまり、時間を稼いでおいて、きちんと武装した警察の機動隊なりSATなりがその間に駆けつけるということを想定しているという中で、例えば、SATは全国に八つだったでしょうか、しかありません。例えば機動隊も、今はあの九月十一日を受けて機動隊がそれぞれ原子力施設などに常時配備をしているようでありますが、原則としては、常に原発のそばに機動隊をぐっと配備させておくわけにもいかないでしょう。機動隊の基地というのは、例えばですよ、例えば原子力施設と遠いところにあったりする。
問題は、万が一何かあったときに、こうした機動隊なりSATなりがこういうところにどれぐらいの時間でどう行けるのかということが一つ問われるんだと思います。常にどこにでも瞬間的に反応しろといったら、日本じゅうに警察官を立てておかなきゃならないわけですから、それは現実的じゃありませんから、基地から最長でも何分で例えば何かあったところに行けるのかということが問われるわけであります。
原子力施設ということは国民の皆さんの不安の一つにあるわけですから、例えばSATの基地から最も遠い原子力施設にSATはどれぐらいの時間があれば行けるのか。それが、例えば十五分とか三十分とかという単位なのか。この辺は、逆に言うと手のうちを相手にさらすことにもなりかねない話ですから、御回答は難しいとは思うんですが、逆に言えば、それぐらいのところで着けますよということであれば、かなり我々はある面では安心できる。あとはSATの皆さんのトレーニングをどうするのかという問題になるんだと思うんですが、この辺のところはどういうふうに理解をしたらいいんでしょうか。
○村井国務大臣
枝野委員、このあたりの微妙な事情というのはよく御理解いただいた上で御質問いただいておりますので、私からもできるだけお答えを申し上げたいところでございますけれども、まず第一に、各都道府県警に銃器対策部隊というのを持っております。これは当然その県の中でございますから、リーズナブルな時間内に到達ができる、このように御理解をまずいただきたい。
それで対応できない場合、SATを動かすということになるわけでございますけれども、SATがどのくらいで到達できるかということにつきましては、やはり、まさに手のうちを明かすことになりますので、これはちょっと数字は御容赦いただきたいと存じますけれども、私どもいろいろシミュレーションをやってみておりますけれども、そこそこリーズナブルな時間のうちに到達できるという確信は持っております。
これは、逆に申しますと、自衛隊が動いた場合にどうだというのに比較いたしましたら、恐らく、私どもといいましょうか、警察の方が早い、別に自衛隊が動くよりも遅いわけではない、これも言えるだろうと思います。
○枝野委員
こういった話というのは、最終的には国民も政府を信用するしかないわけでございますので、そういった視点からも二点だけ。
一つは、今の話は夜間でも大丈夫ですね。つまり、ヘリコプターというのは、昼は飛びやすいけれども、夜は飛びにくかったりするという話があります。それからもう一点は、ヘリポートのないところに対して何か起こったときも大丈夫で、つまりホバリングして下におりていくというようなことが可能なのかということにつながってくると思うのですが、この二点も含めて今の御回答でよろしいでしょうか。
○村井国務大臣
私ども警察、あるいは私、たまたま防災を担当しております関係で消防等々も若干承知しておりますけれども、一部でやっております夜間のヘリコプターから綱に伝わって下におりる、ホバリングしながらおりるという訓練でございますけれども、こういったのは、常識的に、ヘリコプターを保有しておりますような実力集団でございましたら全部やっております。
それから、夜間投光して、光を投じて適切に行動する場所をはっきりさせるというような、こういった訓練も、これは当然にやっていると御理解をいただいてよろしいかと存じます。
○枝野委員
本当に、これは手のうちを全部オープンにできない話ですから、我々も国民も今の村井大臣の御発言を信頼するしかありませんので、逆に言えば、何か起こったときに違っていたら、村井大臣どうなるんですかと。大臣でそのとき座り続けているかどうかは別問題として、それは責任があるんだという御覚悟でやっていただきたいし、ぜひ実地を、お忙しい中で努力されていると思いますが、ぜひ現場を大臣みずからできるだけ見るようにして、実際に下から上がってくる報告と現場が一体であるのかということを含めて、きちんと責任を持って対応していただきたいと思います。
ちょっと時間がなくなってきて、あとの質問もあるので幾つかの論点をまとめてお尋ねしますので、答えにくいかもしれませんが、今のSATも都道府県警の所属です。それから、機動隊もすべて基本的には都道府県警の所属です。これは、日本の警察システムが戦後、戦前の反省を踏まえて、最初は市町村警察から始まったようですが、規模の合理性として都道府県に分権をしてやっていくということの経緯の中で出てきたことだと思いますので、そのことを原則として変えるべきではないと私も思います。
ただしかし、例えばSATは、警視庁のSATだからといって東京都のことをやっているわけじゃなくて、この近県のことを含めて全部やっているというシステムですし、大きなことがあったときには、全国のSATがあるいは場合によっては連携して物事を進めていったりもするんでしょう。機動隊にもそういうところがあり得ると思います。
あるいは、非常に卑近な話ですけれども、SPの皆さんというのも、これは警視庁の職員の皆さんであるというふうに聞いておりますが、何で東京都だけ、たまたま首都だからたくさん警護の対象になる人がいるけれども、これは国としてガードしなきゃならない人をガードしているんではないのかという話があったりいたします。
そういう意味では、もちろん、分権化をしたことの趣旨を変えてはいけないと思いますので、僕は都道府県警察という原則を動かすべきではないと思いますが、例えばSATのようなある一定の特別な組織については、あるいは機動隊の一部について、特に海外のテロなどに備えた組織、あるいは、今は蛇頭とかいろいろなことを言われていますが、海外の暴力団などに対する対応組織などというのは、もう都道府県の境どころか国境を越えているわけですから、そういうところの一部は、警察庁なり、あるいは警察庁と場合によっては別組織でもいいかもしれませんが、実際に皇宮警察という、都道府県警とは別の、警視庁や都道府県警と横並びの組織が日本の警察にはあるわけですから、そういうようなことを考えてもいいんじゃないだろうかという問題提起を僕は一つ申し上げたい。
そして、それと同時に、ちょっと論点が一緒になって申しわけないんですが、今海上保安庁という、事実上、日本は島国ですから、国境警備隊があるわけですが、これが国土交通省なんですね、なぜか経緯として。これは要するに、国家警察をつくらないということの五十数年前の原則のところで警察には置かないで国土交通省にしたのかな、当時の運輸省にしたのかなというような推測をしているんですけれども、よく考えたら、やはりちょっと変じゃないか。我が国の治安を守る上で水際でいろいろなものを阻止するというのは物すごく大事なことですから、警察庁そのものと一体になるかどうかは別として、少なくとも村井国務大臣の国家公安委員会のもとに海上保安庁を含めていろいろなシステムをきちんと考えるということがあっていいんじゃないだろうか。
さらにこれは、さらに私自身も悩みがあるんですが、入国管理局というのがあって、これは水際で阻止するのに物すごく大事な機関なんですが、これは法務省にあります。私は、法務委員でもありますし、弁護士でもありますので、法務省に入管があるという意味もわかるんですけれども、ここの部分が警察というか国家公安委員会というか、治安維持の部局のところともうちょっと連携性があってもいいし、場合によっては、本当に法務省の局でいいのかどうかということを考えてもいいんじゃないか。
こういうふうに警察システム全体を、原則は、繰り返しますが、動かすべきではないと思うんですが、国が直接、全体を見てやる部分というのを幾つかつくってもいいんじゃないか。ただ、そのときには、私は実は、やはり権力集中はいけませんから、海上は海上保安庁だとか、例えばテロ対策はテロ対策チームだとかということで、一緒ではなくてできるだけ分けた方がいいと思うんですが、そういうことを含めて警察あるいは公安にかかわる全体組織を見直すというような問題意識を持っているんですが、公安委員長の御見解をお尋ねしたいと思います。
○村井国務大臣
委員も十分御認識の上での御意見でございますけれども、我が国の警察制度、基本的に都道府県警というものをベースにいたしましてやっている。警察の業務というものは、国家的な性格のものと地方的な性格のものと両方あるということで、あわせあるわけでございますが、どちらかと申しますと、現在の警察制度というものは、執行的な性格を有するものにつきましては、これはもう都道府県にゆだねるということを基本にして構成されているわけでございます。
ただ一方で、警察法自体、国家的な要請にも応じられるように、一定の範囲内で警察庁長官の指揮監督を受けることなどを規定しておりまして、国の重大な利益を著しく害するおそれのあるハイジャック事案でございますとか人質立てこもりですとかいうような重大なテロ事案につきましては、国がみずから警察運営の責めに任ずるものとして、その事案処理について都道府県警に対して国が直接指揮監督できるというような仕組みは一応あるわけでございます。
ただ、さらに警察の危機管理能力を向上させるという意味で、委員の御提案、これは私は非常に傾聴すべき点が含まれているというふうに感じる次第でございまして、なお考えてみたいと思います。
今、海上保安庁のことについてお触れになりましたが、実は、先般の中央省庁改革に際しまして、中間答申の段階までは、国家公安委員会のもとで、従来の警察業務のほかに、海上保安に関する機能もあわせゆだねたらどうだという御議論があったと承知しております。しかしながら、その後さらにいろいろ研究をされました結果、海上保安庁の業務の中に、実は、警察的な業務のほか、海上汚染防止でありますとか灯台業務でありますとか水路測量でありますとかいうような、ある種非警察的といいましょうか、法令違反取り締まり以外の業務が非常に多く含まれている。そういうことを考えますと、海上保安庁をいきなり国家公安委員会の下へ入れるのはいかがなものかということになりまして、結果的にはこういう形になったということであります。
入国管理の問題につきましてもいろいろ御議論があったところでありますが、私は、結論的に、いわゆる中央省庁の再編そのものがこの一月の六日に行われて発足したばかりでございますから、今の段階ではこの体制で運用をしていくということがやはり適切であって、要は、今委員仰せのように、相互の情報の交流をきちんとすること、あるいは、いずれにしましても連携を密にすること、そして、とりわけて国家的なレベルの問題につきまして緊密な連携を保っていく努力を重ねていく、ソフトの部分で十分な対応をし、そのような意識を関係者が持ち続けるというのが大切じゃないかと思っております。
その意味で、御参考まででございますが、現在の日本の治安を非常に悪くしています問題の一つに、国際的な組織犯罪の問題がございます。これにつきまして、官房長官を本部長といたしまして、私が副本部長になりまして、関係省庁の副大臣で構成する国際組織犯罪対策推進本部というものを先般設置いたしまして、ここでいろいろ関係の議論を重ねているところでございまして、テロとは直接関係はございませんけれども、現在の状況に対しまして、今、御趣旨のようなことでいろいろ努力をしていることも御理解いただければありがたいと存じます。
○枝野委員
私が提起した問題も、これは簡単に結論すべきでないと思いますし、党内的にも、問題提起しましたらいろいろな御議論があって、それはもうそのとおりで、実際に警察が変な意味で強くなり過ぎても問題はあるわけですから、慎重な検討は要る話ですし、その間も治安維持は大事ですから、今のような努力をしていただくということは大事だと思いますが、ぜひいろいろな機会にいろいろシミュレーション、検討してみていただいたらいいんじゃないだろうかということを申し上げておきます。
それから、時間がなくなったので一方的に申し上げますが、こうした警察の機能についての強化がこのテロ対策で求められておりますし、私も党内で警察の担当になりましたので、地元の県警などをいろいろ、現場を可能な限り見させていただこうと思ってお願いをさせていただいている中で、やはり警察官の方が、少なくとも現場の警察官の方が足りない、交番のお巡りさんが足りない、実際に刑事事件を捜査する警察官の方の数が圧倒的に足りないというのは、知れば知るほど実感をいたします。これは大変不幸なことだと思いますし、これからますますこの点が問題になっていくというふうに思います。
したがって、警察には一定の機能強化と人員増ということは私は認めるべきだと思っておるんですが、しかし、がということがつきます。というのは、御承知のとおり、警察には不祥事が大変相次いでおります。そして、昨年、不祥事を受けて、さまざまな国会での議論あるいは政府内部での議論があって対応策をしたはずなんですが、まだ時間が足りないから効果は上がっていませんよ、これからですよという御答弁、大体想像できますが、残念ながらまだ不祥事は、減るどころか、どんどん出てきているという実態があります。
時間がなくなって申しわけありません。村井大臣、この点を十分に理解されていると思いますが、ぜひきちんとさせていただかないと、こちらでふやします、強化しますという話は、間違いなく、今の不祥事の中では、そうはいったってこの不祥事が相次いでいる中ではとてもだめだよねと。私もそう思います。そこのところはぜひ二重の意味でしっかりしていただきたいと思うので、では一言だけ。
○村井国務大臣
大変御理解をいただいておりまして、感謝いたしております。
私、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、警察刷新会議などでいろいろな御意見をいただきまして、警察不祥事案に対しまして実は一つ非常にきちんとやっておりますことは、身内のことだからといってかばい立てをしないということでございまして、端的に申しまして、すべての不祥事案をすべて各県の公安委員会に上げるということをやらせております。
このことは国家公安委員会としても非常に気をつけている点でございまして、私は、不祥事案というものが減っているとかふえているとかということ以前に、このようにすべて表に出す、こういう体制をとったことで警察の今の意気込みを御理解いただければありがたいと存じます。
○枝野委員
確かに、とにかく隠さないで出すということが一番大事なことで、それを徹底していただきたいし、さらに、難しいと思いますが、いろいろなことを考えて、国民の皆さんの信頼を回復するための努力を次々と打ち出していっていただきたいと申し上げます。
時間がなくなってきてあれなんですが、石原行革担当大臣に行革の件を伺います。
日曜日に総理が、道路公団について、四公団一括民営化、税金投入はやめますという、大変勇気ある、だけれどももっともな、当然の発言をされました。石原大臣としても、当然この総理のタウンミーティングでの御発言に従って行動をされるものと理解をしておりますし、いろいろなところでさまざまな抵抗があると思いますが、当然、総理がタウンミーティングという一種公的な場所で発言されたことですから、いかなる抵抗があろうとも総理を支えてこれを貫いていただけるというふうに信じたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○石原国務大臣
枝野委員御指摘の点は、道路公団への出資金を総理大臣が、日曜日のタウンミーティングで、来年度からゼロにするという発言を指されてのものと存じますが、私も内閣を構成する一員といたしまして、総理のこの発言を重く重く受けとめて、その方向で現在鋭意検討させていただいております。
○枝野委員
これは御答弁は結構ですが、内閣府をつくった意味というのは、要するに、並びの省庁の調整ではなかなか大変だ、全部総理が調整するのは大変だ、横断的な内閣府をつくって、各省庁いろいろな利害があるけれども、いろいろな立場はあるけれども、内閣府に大臣を置いて、そこがきちんと調整をして、各役所がいろいろな役所の都合のことを言ってきてもそこできちんと整理して、総理のリーダーシップで物を決めていくんだというのが少なくとも政治的な意味だ、法的にはともかくとしてと、私は行革の流れの中で理解していますので、ぜひ個別の省庁大臣が何を言おうと頑張っていただきたいということを申し上げた上で、一点。
石原大臣がこの第三者機関についていろいろとおっしゃっています。法律でつくるべきじゃないかとかいろいろなことをおっしゃっています。私は形式も大事だと思うのですけれども、一番大事なことは、だれがこの第三者機関のメンバーの人選をするのか。私は、当然総理ないしは石原大臣がこの第三者機関の人選の責任者になるべきだと思いますが、それでどうでしょうか。
○石原国務大臣
前段のお話も若干させていただきたいのです。すぐ済みますので、ちょっと聞いていただきたいんですが、私は、特命大臣としての規制改革担当大臣と無任所大臣としての行政改革担当大臣を現在任命されております。そして、規制改革大臣は内閣府設置法に基づく所掌事務と権限を与えられているんですが、実は行革大臣というのは、事務方の調整を担当するよう命じられている、いわゆる職務命令の大臣となっております。この点はひとつ御理解をいただきたいということ。
第三者機関については、一般論で申しますと、第三者機関を置く場合に、法律に基づくもの、政令に基づくもの、あるいは私的なものと考えられますけれども、仮に法律となった場合は、今委員の御指摘のとおり、そういう距離のあるところに置くというのが筋だと思っております。
○枝野委員
行革大臣にもう一点だけ。
公務員制度改革が議論をされていますが、どうも今の流れですと、天下りの承認の権限を人事院から各省大臣に移そうとしているという話があります。私は、一面ではわかるんです。各省大臣の自分の省庁内における人事権というものをもうちょっと強化しよう、裁量権を強化しようという物の考え方はわからないではありません。でも、いわゆる天下り問題というのは、まさに役所の縦割り、それが穴蔵のようになってしまって役所のつながりの中で変なところに行っているんじゃないか、実態はともかく、国民のそういう不信です。
その天下りの承認権限を各省大臣に人事院から奪って与えるという方向の今の提起でもしこのままいくんだとすれば、明らかに国民の求めている行革の方向性とは逆行だ。むしろ今は各省の垣根を取っ払って、私は、昔与党だった時代から一貫して、一括人事、一括採用と言っていますけれども、そういうものが整備された上であるならばまだあるかもしれませんが、今のように採用から何から基本的には役所縦割りでやっていて、最後のやめた後の天下りまで役所の大臣の裁量でできるという話だとすると、この縦割りをぶっ壊していこうという行革の流れとは逆行すると思うので、この点はぜひ、行革大臣、しっかりとした認識とリーダーシップを発揮していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○石原国務大臣
重複は避けたいと思うのですが、もう既に枝野委員が、今回の公務員制度改革のポイントについて、各府省に責任ある人事管理体制を設立するためのことであると御理解いただいております。
そんな中で、いわゆる天下りの承認について人事院が行うべきであるというのが委員の御指摘だと思いますが、もちろん、大臣が承認する上で、委員御指摘のように、お手盛りになっては絶対私はいけないと思います。ですから、この承認基準は法令で明確に定める、あるいは運用基準を公に明らかにする。さらには、天下った方が仮に、押しつけ型ではありませんけれども、再就職の地位、職務内容、再就職先の企業との契約関係等について公表する。あるいは、今委員御指摘のとおり、人事院、私どもは、承認基準について第三者機関の関与というものについても検討していかなければいけないと考えておりまして、今鋭意最終案に向けて調整をしているところでございます。
○枝野委員
まさに今、行政改革、例えば特殊法人改革も含めて、国民の皆さんは天下りというものに対する物すごい不信感があるわけです。ここのところについて不信感を持つような改革をもしするのだとすれば、画竜点睛を欠くだけじゃなくて、全体に対する不信感につながりかねないというふうに思います。今のおっしゃる話は、その限りでは筋が通っているのですが、果たして国民から理解されるのか、果たして実態がそれで動くのかということを含めて、ぜひ御検討いただきたいと思います。
最後、竹中大臣に、時間をできれば三十分ぐらい残してやりたかったんですが、経済の認識について、基本的なことから私はやりたいと思っていまして、竹中大臣はなぜ景気が悪いと思っているのか、端的にお答えいただきたいと思います。
○竹中国務大臣
時間のないところで非常に大きな問題の提起をいただいたと思います。
なぜ不況なのか。かいつまんで言うと、不況というのをもし需要の低迷というふうに考えるのであるならば、複合不況という言葉がありましたが、私は、不況というのは常に複合的な要因だと思います。これは、したがって短期、長期があります。
短期的な要因としては、予想を上回るような世界的なIT不況というものが目の前にある、これが非常に大きな要因でしょう。さらには、アメリカの同時多発テロに触発されて、やはり需要そのものを抑圧するような圧力が働いている。先般、今年度の成長率見直し、マイナス〇・九という数字を出させていただきましたけれども、短期的なものに関しては、今申し上げた要因はやはり大きいのだと思います。
しかし、長期的な要因も無視できずあります。では、長期的な要因は何であるか。どうして私たちはお金を使わないのか。一番大きな理由は、まさに私がいつも申し上げているサプライサイドにあるのだと思います。自分は生涯にわたってどれだけ所得を稼げるのか。期待成長率、期待所得、これがやはり低い。したがって、これを高めるためには、規制改革等に象徴されるような構造改革が必要になるのだと思います。
それに関連しますけれども、もう一つ無視できないのは、日本の幾つかの制度が持続可能ではないのではないだろうか、サステーナブルではないのではないだろうかという不安がやはり需要を減退させていると思います。その不安の代表的なものを挙げるとすれば、それはやはり財政赤字の問題である。財政赤字を放置すれば将来の税負担がふえるのではないだろうか。もう一つは、やはり年金制度等々の自分のセーフティーネットに絡む制度のサステーナビリティーの問題がある。
そういったことの複合要因であり、これはどれも重要な要因であるというふうに考えています。
○枝野委
員 時間がないので急いでやります。
今の認識は私もほぼ一致をするのですが、だとすればということで一つ。
つまり、将来不安というのが我々の言い方ではある。一つは、年金とか医療とかあるいは増税とかという不安をいかに小さくするかが今問われているのだと思います。そうだとすると、三十兆円というこの枠は、十分ではないにしても、きちんと守らないとますます景気が悪くなるのではないか。それから、医療改革の話のところで、全体の将来ビジョンを示さずに国民の負担増という話だけが切り離して先行されるという今までのやり方をしていったら、これまた消費を冷え込ませるのではないか。年金についても、将来のビジョンを示した、安定してできますという姿を示さずに、単に例えば給付水準を下げるとか負担がふえるとかという話だけだったら、やはり消費を冷え込ませるのではないか。この三つのところについては、残念ながら具体的な大きなビジョンというのはなかなか見えてこないというのが現実なのではないか。それが今景気を冷え込ませている最大の原因ではないか。もちろん、短期の要素は別として、中長期で冷え込ませているとしたらそこにあるんじゃないか。
むしろ竹中大臣は、経済、財政全体を見ているわけですから、この社会保障改革などのところについて、国民が安心して消費ができるための社会保障改革というものについて、あるいは借金をふやさないという部分について、もっとリーダーシップを発揮していただきたいというのが一点です。
それからもう一点。この十年余りの不況の原因としては、やはり供給過剰という問題には手をつけざるを得ないのではないでしょうか。
例えば、この間マイカルが倒産をしたら、マイカル以外の流通関係の株の時価総額は上がっているのですね、マイカルの分がゼロになっても。つまり、ああこれで過当競争が少し減りますねということになったら、実際には株価が、そごうも、どうやら報道を見る限りでは、民事再生法の処理でいろいろとリストラをやったら黒字が出てくるようだというような話も出てきます。つまり、過剰な供給力を抱えているから企業に利益が上がらない、利益が上がらないから税収は上がってこないし、あるいは給料も上がらない、こういう悪循環の中に入っているんじゃないか。この供給過剰にきちっと手を入れないと、なかなか景気が回復しないじゃないか。
この二点、時間がないところで申しわけないですが、御見解を伺います。
○竹中国務大臣
二点とおっしゃいましたが、三点あったかと思います。
まず、三十兆を守るべきではないか。これはもう、将来不安との関連で、財政規律をきちっとするということは言うまでもないことだと思います。
一点留意すべき問題は、しかし、目の前の需要がスパイラル的に悪化するということに対しては、やはり政府は責任を負っているということなのだと思います。リーダーシップを発揮しろということでありまして、一生懸命頑張りたいと思います。
ただ、医療、社会保険、社会保障制度等々に関しては、骨太の方針の中で、その制度の持続性を回復するためにさまざまな措置を講ずるという重要な方向性を示させていただいて、医療制度改革にしても、その一環として、十分であるかはともかくにせよ、やはり国民に透明な議論をしていただくために、十二月ではなくて九月に厚生省から案を出していただいて、今まさにその議論をしていくということでありますので、その意味ではかなりの進歩があるというふうに認識をしております。
供給過剰の問題、これは大きな問題でありますけれども、しかし、供給が過剰かどうかを一体政府が認定できるのかという問題があろうかと思います。
例えば、いいかどうかわかりませんけれども、スーパーがたくさんあり過ぎる、スーパーが過剰だと。ではこのビルをつぶすのか。いや、スーパーじゃなくて、市場で淘汰されたものが、そのビルが別の用途に供されれば、これはこれで資源の有効な活用になって経済の付加価値を高めるわけでありますから、ここはやはり市場の力で淘汰されるべきものは淘汰される、そういった環境をつくることが私たちの政策当局の役割だというふうに思っております。
○枝野委員
時間になるようで、済みません、私、どちらかというと一点突破型の質問ばかりやっていて、幾つかの論点をやるのはなかなかなれてなくて時間の調整を間違えたんですが、最後の点についてだけ。
御指摘はそのとおりだと思うんですが、その供給過剰を、逆に過剰状況で守るための政策を政府は打っているんじゃないのかということを指摘しておきたいと思います。
つまり、本来はマーケットから淘汰されるべき企業を政府が何らかの支援をして、それは銀行を通じてであったり、公共事業のばらまきであったり、さまざまな形で淘汰されないようにしてあげているのではないか。そのことが結局、いつになっても供給過剰状況を解消させずに、結果的に回復をおくらせている。同じ金を使うんだったら、マーケットから退場した人たちのセカンドチャンスをどう与えるのかというところにむしろ集中投資をした方がいいのではないか。このことだけ申し上げて、きょうはこの辺で終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。