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 議事録


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国際テロリズムの防止及び
我が国の協力支援活動等に関する特別委員会


平成13年10月12日

[自衛隊法改正案について]

○枝野委員
 民主党の枝野でございます。

 私は、主に自衛隊法の改正案を中心といたしまして、一時間のお時間をいただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。

 自衛隊法改正案の具体的な中身に入ります前に、我が党の基本的な立場をもう一度確認させていただいて、それに対して総理がどういう御認識であられるのかということを御確認させていただきたいというふうに思います。

 総理も御承知だと思いますが、私どもの党は、既に、今回のテロに対して毅然として立ち向かう、そして、憲法の範囲内という制約はありますが、国際協調、そして米軍に対して可能な限りの支援を行うというような立場で新しい法律をつくってそれを行うというようなことについて、党としても確認をいたしております。

 そうした中で、どうした形の法律が今必要であるのか、それがふさわしいのかということについて今まさにこの場で議論をしているわけでありますが、総理が北京に行かれたときの飛行機の中での新聞記者さんとの懇談の中で、これは報道でありますが、我々に対して、自分が政権を担当した場合を考えれば反対するような法律ではないと強く牽制、反対のための反対という今までのような態度でなく、超党派的な対応ができればいいと協力を求めたというような報道がなされていますが、これは報道の誤解でございますよね。

○小泉内閣総理大臣
 一言一句そうかと言われればわかりませんが、趣旨はそのとおりであります。

○枝野委員
 だとすれば、大変失礼な話で、まず謝罪をしていただきたい。民主党結党以来、反対のための反対というような今までの態度と言いますが、一度たりとも反対のための反対なんてしたことありません。謝罪してください。

○小泉内閣総理大臣
 まあそんな興奮しないでね。ごく普通のことを言ったんですよ。政治家同士で、謝罪すべきとか、議員同士の自由な討論でしょう。自由な議論でしょう。与党、野党という立場じゃなくて、政治家同士で議論するというのが大事であって、私は別に批判的なことを言っていないんですよ。

 反対のための反対はしたことないとか言っていますけれども、そう、どれが反対のための反対だといえば、それはなかなかその時々によって違いますけれども、私は、この法案というのは、できれば多くの政党から支持されてしかるべき法案だな、民主党も政権を担当するようになればそれなりの、この政府の提案も理解してくれるのじゃないかなという意味のことを言ったまでであって、何も謝罪すべき発言であるとは私は思っていませんが。

○枝野委員
 私は、ですから、丁寧には申し上げました、反対のための反対というような今までの態度ではなくと。民主党について、反対のための反対という今までの態度ではなくという部分もきちんと読み上げて総理にお尋ねをしました。それで、報道の誤解ですよねというお聞きの仕方をしました。総理、論点をすりかえておられます。私は、この反対のための反対という今までのような態度というようなことを民主党に対して総理がおっしゃったのだとしたら、それは重大な話であると。その論点をずらさないでください。

○小泉内閣総理大臣
 そう一字一句やったら、それは一々質問者が、与党に、内閣に、これはどうかと言葉じりをとらえたら切りがないでしょう。そのぐらいは政治家として許容範囲ですよ。そんなにがちがちやったってしようがないですよ。

○枝野委員
 この話でこんなに長くなると思わなかったので、もっときちんと、いや、それは誤解です、いや、そういうふうには認識しておりませんと総理はお答えになられると私は思っていましたので、この話でそんなに長くするつもりもなかったのですが、これは事実に対する評価の話であれば、政治家ごとにさまざまな評価の仕方はありますでしょう。しかしこれは、事実を総理が指摘をされているという部分について、それは事実ではない、これが事実であるという部分について、そこは違うというようなお話でなかったら、それは話にならないじゃないですか。我々は、それは到底認められない。

 実際に、我々、結党以来、反対のための反対をした法案というのは一つたりともないと自信を持っております。そこははっきりさせてください。評価の話はいろいろあるかもしれない。しかし、事実の問題として、我が党が反対のための反対を一度たりともしたことはない、それはお認めいただけますね。

○小泉内閣総理大臣
 それは、民主党議員のあなたが言うことは認めます。しかし、他の政党がそう解釈したってたまにはいいじゃないですか。そうでしょう、政党同士で。内閣が不信任だと言っても、私は怒りませんよ。小泉総理は総理大臣の資質がないと言って、一々怒っていたらどうなるの。もう結構批判も受けて……

○枝野委員
 それは、今申し上げたとおり、評価の問題です。評価の問題で民主党はけしからぬとおっしゃるのだったら、それはよくわかります。事実の問題として、民主党が反対のための反対をどこでしたことがあるんですか。具体的に摘示してください。

○加藤委員長
 発言者は、政府側も質問者も、委員長の了解をとってから発言してください。(枝野委員「私はとっていましたからね」と呼ぶ)

 総理大臣。

○小泉内閣総理大臣
 趣旨ですよ。だから、反対のための反対はしないであろうと期待して言っているんですよ。そういう、反対するような法案じゃないだろうと。その趣旨を理解してもらわなきゃ。言葉だけとらえて、全体を、やはり政治家同士の自由な討論、自由な議論をお互い理解するのが議員として普通じゃないですか。

○枝野委員
 総理が、反対のための反対を民主党はしないだろうと期待をされる、それに対して我々も、反対のための反対は、この法案に対してに限らず過去にもしてきていませんし、これからもするつもりは全くありません。そのことをおっしゃることについては結構です。あるいは、評価の問題として、民主党が反対のための反対をしそうだけれども心配だと、評価の問題でおっしゃるのだったら、それは御自由です。

 しかし、事実の問題として、過去に、今まで反対のための反対をしたことはないということはきちんと確認をさせていただきたい。もし総理がなおそういう認識をされているのであれば、それは大変重大な問題として指摘をさせておいていただきたいと思います。

 もう一つの方のところが問題なんです。

 反対をするような法案ではないと総理はおっしゃいました。確かに、今総理がこの国がやらなければならないこととしてお考えになっていること、我々がそう考えていること、多くの方向性の部分としては一致をしていると思います。つまり、今国際社会に対してあるいは国民に対して、政治としてお示しをしなければならない料理であれば、料理のメニューについて一致をしています。

 しかも、我々野党の立場としては、その料理の味つけが、もっと塩が多い方がいいとかあるいは砂糖が多い方がいいとか、そういう話であるならば、そこは我々の意見と違っても、同じような料理を、例えばカレーライスならカレーライスを国際社会が求めている、日本の国益のためにも必要だという中で、その味つけに対しては異論があっても、それは政府の責任として、我々は政府がやられることについて協力します。

 ただ、問題は、ここで議論しているのは法律です。その法律の中身によっては、料理をする人が、例えばなべに穴があいてやけどをするかもしれない。あるいは、電子レンジが壊れていて、その電子レンジでつくったら冷めたカレーライスができて食中毒になるかもしれない。そういうふうな中身の法律であるのかないのかをきちんとチェックをして、料理をつくりましょう、味つけはお任せしますという中であっても、そのための道具である法律の中身に穴があいていたり、あるいは機能しないものであったらいけない。そこは我々としてきちんとチェックをして、国民の皆さんに、この料理をつくるプロセスでこの法律が間違っていたからあるいは不十分であったから、穴があいてやけどをしたり生煮えで食中毒にしたりしないようにという部分については、我々はとことん頑張らないといけないと思っている。

 それは、責任野党として、大きな方向性が一致をしている、しかも、国際社会が求めている責任としてやらなきゃならないということに賛成であったとしても、そのことと、法律に賛成であるのか反対であるのかという話は、実は別次元の議論であるのを、総理はいつも論点をすりかえられて全部ごちゃごちゃにしてしまっている。この論点が違っているということは御理解されますね。

○小泉内閣総理大臣
 どのように批判されても結構です。どのように議論しても結構です。私の反対の意見は制約しません。政府の意見に反対だったらどうぞ御自由に言ってください、それが国会ですから。私はその発言の自由を認めておりますので、自由に発言していただいて結構でございます。

○枝野委員
 総理、いつも答弁を拝見していて思うんですが、聞いていることにお答えいただいていないのです。全部論点をずらしているんです。

 我々は、責任野党としての責任としても、これについては与野党一致をして協力した方がいい。それは国際社会だって見ていますよ。日本の国内で、例えば国際協調をして国際協力をするに当たって、国民の代表である国会のどれぐらいの人たちが賛同してこの人たちはやっているのかということについて。野党の責任としても、可能な限りできるだけ幅広い賛成のもとで、自衛隊の皆さんが行くんだったら行っていただいた方がいいし、国際社会の中で仕事をしていただいた方がいい。だから、総理も野党の協力を求めたいとおっしゃっているんでしょう。そのことはずれていないんです。

 ただ、そこを議論するに当たって、そこで一致をしているからといって結論部分で反対するのはあり得ないんだとか、法律の問題点、ここだけは変えなきゃいけないということが、あたかも何か足を引っ張っているかのような印象を与える発言をされるとすれば、そこは留意をしていただかないと。方向性で一致をする話と、法律の中に穴があいていたらそこはきちんと埋めなきゃならないという話は別だという、その理屈はわかっていらっしゃいますねということをお尋ねしているんです。

○小泉内閣総理大臣
 もう十分あなたの立場は今説明しているじゃないですか。私はそれを全然とめようともしませんし、批判しようとも思いません。結構です。自由に議論していただきたい、自由に政府の案を批判していただきたい、それを私は結構ですと言っているんです。それでいいですか。

○枝野委員
 論点をずらさないで今のようにお答えいただけば、話は簡単な話なんですよ。いつも余計なことをくっつけられて論点をごちゃごちゃにして大事なことにお答えいただいていない。きのうの質疑を見ていても、私は大変そこのところは不安に思います。国民の皆さんに今説明責任を果たすのが我々の責任でもあるし、特に一番責任が重いのは総理なんですから、理屈としてしっかりと納得できるような説明責任をきちんと果たしていただきたい、そのことを申し上げた上で具体的な法案の中身に入ります。

 昨日、我が党の安住淳議員が総理にお尋ねをいたしました。自衛隊法の改正による警護出動の話です。

 警護出動という新しい概念をつくり、法律の条文の書き方はわけわからなく書いていますが、要するに、テロ行為が行われるおそれがあるときに自衛隊の施設と米軍基地については自衛隊が守る、守るに当たって武器も使用できるという規定を今回おつくりになりました。

 ところが、自衛隊の基地や米軍の基地は山の中にぽつんとあるわけではありません。すぐそばに民家もあるし、きのうの安住議員の指摘だと、安住議員の選挙区のところではすぐそばに町役場だとかもある。このときに、自衛隊の基地が何かされたときには自衛隊は武器を使用して自衛隊の基地は守る、米軍基地は守る、だけれども、その外側にある民家や町役場は守れないという規定になっています。本当にそれでいいんですか、総理。

○小泉内閣総理大臣
 これは、普通の警護活動は、警察が行えば大体おさまるものが普通だと思うんです。しかし、そうでない、治安の面に不安があるという場合は、自衛隊も治安出動を命ずればできるようになっているんです。

 今回の法案は、今まで自衛隊の駐屯地も自衛隊が守れないようになっていたんですよ。これはおかしいと思いませんか。だから今回、米軍の基地内とか自衛隊の駐屯地を自衛隊員が守れないというのはおかしいじゃないかということで、自衛隊の駐屯地ぐらいは自衛隊自身が守って当たり前じゃないかという意見も入れてこういうふうにしたんですよ。だから、ほかの場合も、もし不穏の情勢が起こった場合は治安出動できるんですから、心配は当たらないと私は理解しております。

○枝野委員
 また論点をずらされているんです。私は、九十五条の二の話なんかしていないんです。これから申し上げようと思っているのは、九十五条の二のところは不十分だと思っています。そういう意味ではそこはしっかりやるべきだと思っています。

 それは、自衛隊の基地は、自分の基地は自分で守るという論旨の中で八十一条の二が置かれているのであるならば、それはそれでまた別の議論です。

 しかし、八十一条の二の警護出動の規定は、自分の基地は自分で守るというような話ではなくて、治安出動には至らない、治安出動が発動されるような状況ではない、だけれども大規模なテロが行われるおそれがあるという場合に限定して、特別の警護出動という出動形態をつくっている。

 そうしたら、テロが行われるおそれがある場合に、自衛隊の基地と自衛隊の基地のすぐ外側の民間の施設と、自衛隊の基地だけが著しく襲われる蓋然性が高いというようなケースだなんて、常識的には、これは意見が分かれるかもしれませんが、国民の皆さんからすれば、常識的に考えれば僕はあり得ないと。そのときに、自衛隊の基地しか守りません、警察で守れる、危機的な状況でも警察が守れるというのは、この国の法律の規定の仕方として、ほかの部分、全部なっているわけですね。

 これは国家公安委員長にお尋ねしますが、治安出動が発動されないような状況のもとでは、日本国内の治安の維持、つまりテロなどを防止することについては、全国的に警察が責任持ってやれるんですよね。

○村井国務大臣
 そのとおりでございます。

 あくまで治安出動という段階になるまでは基本的に警察の責任において治安を守る、こういう立場だと思っております。

○枝野委員
 自衛隊の基地や米軍基地や米軍基地の周辺の民間の施設についても警察は責任持って守れるんですよね。

○村井国務大臣
 そこの問題につきましていろいろ政府内で議論をいたしまして、私の理解をいたしておるところでは、治安出動に至る状態ではない、しかしながら、米軍の基地あるいは自衛隊につきまして、特に自衛隊においてこれを警護するという必要が生ずるというような事態になりましたら、いわゆる警護出動という、これは治安出動より手続が軽いわけでございますが、そういう形で警護をするという機能を自衛隊に付与しようというのが今度御提案を申し上げておる自衛隊法の改正の趣旨だ、このように理解しております。

 したがいまして、それ以外の部分につきましては、あくまで警察として責任を持って治安維持に当たる、こういうことだと思います。

○枝野委員
 守れるんですか、守れないんですか、まずそれにお答えください。自衛隊の基地や米軍の基地について、守れるんですか、守れないんですか。治安出動が発動されるような要件を満たしていない状況で、守る能力があるんですか、ないんですかとお尋ねします。

○村井国務大臣
 この法律案で考えておりますような警護出動が発せられるということは、自衛隊が出ていった方が適当であろうという判断がされるようなしかるべき環境はあるということなんだろうと私は理解しております。

○枝野委員
 それは、法律の条文でいえば、特別な必要があると認める場合という規定の仕方をしていますね。まあ、この特別な必要の意味なんでしょう。特別な必要というのはどういう場合ですか。これは防衛庁長官でしょうかね。

○中谷国務大臣
 特別の必要があると認める場合というのは、大規模なテロ攻撃が行われるおそれがあって、そのテロ攻撃の形態というか状態を考慮すれば、特に自衛隊の高い能力を用いて対処する必要があるというふうに認められる場合であります。

○枝野委員
 多分ここは意見が分かれるところなんだろうと思いますが、九月十一日の事件の前に、九月八日に、米国筋から警報というか警告が入ったときにも、米軍基地などがねらわれる可能性があるという入り方をしたそうでありますが、現実に、その情報と同一の情報の延長線上なんでしょう、九月十一日というのは。襲われたのはアメリカの施設ではなくて、米軍や米国政府の施設ではなくて、実際に襲われたのはワールド・トレード・センターという民間の施設です。

 つまり、確かにテロの対象として最も、テロをする立場から見ればそのこと自体が不条理、不合理でありますけれども、米軍や米国政府の関係施設というのがターゲットであるというような危機的な状況、蓋然性のあるケースというのはあり得るでしょう。

 では、そのときに、テロリストの側に立って物事を考えてみたときに、米軍の施設をテロしようが、米軍の施設とかかわりのある、例えば同盟国である日本の民間施設を破壊しようが、そのこと自体についてあちらの側にとって決定的な違いがあるのかということを考えたら、米軍の施設や自衛隊の施設に対して大規模なテロが行われるような蓋然性があるというようなケースの場合は、同じように、日本の国内における民間施設に対しても同じような蓋然性で何か起こるというふうな状態と認識をすべきである、そんなふうには思いませんか、防衛庁長官。

○中谷国務大臣
 実際に九月十一日に行われましたテロにつきましては、米国の安全保障の中枢機構でありますペンタゴンがねらわれております。ですから、国家にとって、最終的に国民の生命財産を守る防衛施設とか安全保障施設、これはまさしく国民を守る最後の礎でありますが、テロ攻撃等を考えますと、こういった防衛施設や、まして今回の場合は米軍基地関連施設が行われる可能性は十分ございます。

 当然民間もそのような危機に際しておりますが、どこが違うかといいますと、やはり、そういう危機の際に国民を救うために活動できる施設といたしまして、安全保障の面では自衛隊並びに米軍施設という観点がございますので、そういった国民を守るための特殊な能力を有する施設を警護するという意味合いがあるのではないかというふうに思います。

○枝野委員
 今の答弁ではちょっと問題ですよ。

 つまり、自衛隊や米軍施設は国民の生命財産を守るその機能を果たしているところだから、民間の施設にも自衛隊施設などに対するのと同じように蓋然性があったとしても、特に守らなきゃならないというのであるならば、あるならばですよ、自衛隊の施設や米軍施設以上に守らなきゃならないのは、自衛隊に対する指揮権を発動する総理大臣なり総理大臣官邸じゃないんですか。

○中谷国務大臣
 そういう重要施設でございますけれども、その場合は当然治安出動をかけまして守るわけでございます。

 特に自衛隊と米軍施設に限ったというのは、先ほどもお話ししましたけれども、防衛施設であるという性格上、やはり自衛隊が警護するというのが適切であるという点と、自衛隊や米軍施設につきましては、我が国の防衛の基盤となる施設であって、万が一テロ攻撃を受けた場合には我が国の防衛にまさしく支障を生じることになりかねない、そういう事態に至っては国民に多大な被害を拡大する可能性がございます。そういう点を考慮した点でございます。

○枝野委員
 いいですか。この八十一条の二の警護出動の要件である大規模テロが行われる蓋然性ということで、この二つの施設と他の民間施設とを決定的に区別することはできないというようなニュアンスで今二つの答弁はされていると思います。私もそう思います。

 その上で、もう一回改めて聞きます。特別な必要というのは、どういう必要が生じた場合なんですか。

 大規模テロが行われる蓋然性があるときに、特に自衛隊の基地だけ守らなければならない、米軍基地だけ守らなきゃならないというような特別な必要があるケースというのは、私は余り考えられない。そのときには国民の生命財産も同じように脅かされているだろうし、そして同時に言えば、先ほど国家公安委員長がおっしゃられたとおり、治安出動に至らないような状況であれば、自衛隊の施設や米軍施設以外は少なくとも警察が警察の力で守れると責任持って国家公安委員長はおっしゃっているわけですね。

 そうすると、警察では守れないというようなケースがあり得るというのか。何をおっしゃっているのかよくわからないんです、この規定が。

○村井国務大臣
 私の立場でもう一回ちょっとお答えをさせていただきたいと思いますのは、警察は、まず一般的な治安の維持に任じているわけでございまして、テロや不法事案の未然防止のために、情報収集活動でございますとかいろいろなことを当然やっているわけでございます。それで、重要施設の警護というのも現在やっている、これは大前提でございます。

 ただ、こういうようなテロが非常に起こる蓋然性があるというような事態になりました場合に、防衛関連施設、自衛隊の施設、それから米軍の施設等につきましては、これはやはり防衛に関連するというその特殊性に着目して、自衛隊においてその施設を防護するという特別なことをやることも、これはいいのではなかろうか。ただ、それ以外の部分につきましては、警察としてきちんと責任を持って守っていくというのが基本でございます。

 警察の能力という点についてちょっと敷衍させていただきますと、例えば機動隊に銃器対策部隊というのがございましたり、あるいは爆発物処理班ですとか等々の、そういった能力を持っていることもぜひ御理解をいただきたいと存じます。

○枝野委員
 今の前段の部分、機能を持っているという配備の問題じゃなくて、その前の部分については、防衛庁長官、同じ認識でよろしいですね。

○中谷国務大臣
 同じ認識であります。

 基本的に、民間の場合は治安出動で対処するということでありますけれども、いざ治安出動がかかって自衛隊が出動した際に、その肝心の自衛隊がテロで襲われて使い物にならなければ、治安出動の対処ができるわけございません。ですから、その治安出動がかかる前に、防衛組織であります自衛隊並びに米軍をテロ等から守る必要があります。

 それから、もう一つのお尋ねの、どのような状況があるかという点でありますけれども、このテロ攻撃が強力な破壊力を有する、例えば軍事訓練を受けた者とか爆弾を搭載した車両や航空機が突入するおそれがあって、これを阻止する、防止する際には、特に警察と自衛隊は装備も性格も違うわけであります、その際に自衛隊の能力を用いる必要があると認められる場合等でございます。

○枝野委員
 訂正をされるならされた方がいいですよ。

 治安出動が発動されたときに、そのときに守るべき自衛隊がテロで攻撃されていたらまずいからというような趣旨のことを防衛庁長官はおっしゃるけれども、その理屈だったら、総理大臣を守らないと、あるいはあなた御自身、防衛庁長官を守らないと筋が通らなくなるので、発動するのは総理大臣なり、場合によっては、治安出動は国会承認ですから、国会自体守らなければいけないという話にその理屈だとなっちゃいますから、その部分は撤回された方がいいですよ。

○中谷国務大臣
 細かい議論になりますけれども、総理を守るために出動した自衛隊が使いようにならなかったら対処できません。ですから、今回設けた警護出動というのは、やはり日本の安全保障に関連する施設をテロ攻撃から守っていくために設けられた制度でございますので、その点を御理解いただきたいというふうに思います。

○枝野委員
 水かけ論をやっていてもばかばかしいので、もう一回だけ指摘だけしておきますが、国民の生命財産を守る治安出動のときに自衛隊は動かなきゃならない。それが、治安出動が出た段階でテロで破壊されていたらどうにもならないじゃないか的な理屈でこの規定を合理化するのであるならば、それは拡大をしないと、総理大臣や国会なども含まないと。自衛隊は自衛隊だけで治安出動できるわけじゃないんですから。最低限、事後承認の場合であっても、総理大臣と閣議の決定がなければ自衛隊は何も動きようがないわけですから。どんなに装備だけきちんと無傷でいたとしたって動けないわけですから。

 その理屈をとことんおっしゃるのであるならば、この法律は到底合理性というか、矛盾を抱えてしまうということだけ指摘をしておいた上で、わかるんですよ、私、この趣旨自体を全面的にだめだと言っているつもりじゃないです。

 先ほど来もちらちらと出てきているのですが、自衛隊が自分の基地を自分で守るということ自体は、ある意味合理的なんです。なぜならば、例えば民間の原子力発電所はだれが守っているのか。警察が守っているんじゃないんですよね。まずは電力会社の人たちが自分で自分の敷地の中を守っているんです。当たり前ですよね。それでは足りないときに警察がお手伝いをしているんですよね。ただ、民間の電力会社の人は武器は、少なくともけん銃のようなものは持っていない。

 自衛隊の場合も、自衛隊の自分の基地を守るというのは、一種の施設管理権という言い方が厳密に正しいかどうかは別として、当たり前のこと。ただ、自衛隊は民間のガードマンと違って武器を持っている。せっかく武器を持っているのに、いざというときに使えなければおかしいですよねということだから、自衛隊法の九十五条、あるいは今度改正されて設けられる九十五条の二で、自分の基地の中は何かあったときには必要最小限の限度で武器を使っていいですよという規定を置いているんですよね。このこと自体を私は否定しません。

 だとすれば、なぜ、この八十一条の二だなんという警護出動というわけのわからない概念を持ってきて、そこと全然違うところに新しい法律規定を置いて、どうして自衛隊だけしか守らないんだ、そういう国民の素朴な感情に反するようなことをなぜされるんですか。

 九十五条の二を新たにつくる。この九十五条の二に関連して、その延長線上の中で警護出動の場合に必要とされるような権限、権能を自衛隊に与えればいいんじゃないですか。

○中谷国務大臣
 九十五条二を使えばいいのではないかということでございますが、これは基本的にその権限が限られておりまして、限定された武器使用になっております。これだけでは大規模なテロ等に対処することができません。やはり自衛隊とか米軍に対する攻撃となりますと、相当大規模かつ練度の高い攻撃、それから航空機とか艦艇とか、そういうものもございますので、そういうものに対処するには、より武器使用権限の広がった、今回設けました警護出動による対処というのが必要になってくるということで、今回切り分けをして設けたわけでございます。

○枝野委員
 だから私は、ちゃんと聞いてくださいね、九十五条の二だけでいいとは言ってないですよ。だけれども、九十五条とか九十五条の二の趣旨の延長線上の概念としてだったら、この話は理屈として整理できる。

 だから、九十五条の二をどうせ新設するんだから、九十五条の三でも四でもくっつけて、ここに書いてあるような趣旨、要するに、状況に応じて、何か起こるそのリスクの程度に応じて使える武器の範囲というのは広げなきゃならないから、それを全部何でも包括的に使えるというよりは細かく書いておいた方がいいから、九十五条がある、九十五条の二がある、そして物すごい大規模なテロ攻撃のときにはここまでできるという九十五条の三をつくるというような書き方をすれば、なぜ自衛隊だけという国民の皆さんの、非常に強いですよ、この素朴な疑問は。そこのところには明確に答えられることになるんじゃないですか。

○中谷国務大臣
 そのような延長線上でいきますと、武器使用の権限以外に、警職法の準用規定であります質問とか避難等の措置、制止、立ち入りや、施設に対する大規模な侵害を排除するための武器の使用についても相当な措置が必要でありますので、今回新たな権限を新設したわけでございます。

○枝野委員
 そういうことまで含めてやったらいいじゃないですかということを言っているんですよ。

 後で言いますが、今度の修正法の七十九条の二の規定の書き方のところでも、今の警職法の準用のところで問題、矛盾があるということを指摘しようと思っていますが、そこまで含めて可能な範囲で、必要な範囲でそういう整理の仕方をすれば、国民の皆さんも、なぜ自衛隊の基地だけなの、なぜ米軍基地だけなのという疑問を持たないで、ああ、自分のうちの庭は自分で守るということの延長線上なんだからと、ちゃんと、民間の自分たちのことは警察が守ってくれるんだなと、誤解なく理解してもらえるんじゃないかということを申し上げているんです。

 まあこれも水かけ論ですから、国民の皆さんが判断されるのでこれ以上やりませんが、そこを、まあずれはあるにしても、自分の庭は自分で守るというところで必要だとしても、だけれども、きのうの安住議員が指摘をした問題点というのはやはり解決をされないんです。

 現実に、自衛隊の基地、米軍の基地、警護出動が発令されているときに、しかも大規模テロの蓋然性がある場合、大規模テロがある蓋然性があって警護出動が発動されて、自衛隊の基地や米軍基地に対して何か破壊活動が行われることに対しては、武器を使って例えば撃ち落とせる。

 例えば、今度のアメリカの九月十一日のケースのような場合であれば、ペンタゴンが日本のこの場合の自衛隊施設に該当する、横並びでいけるかどうかわかりませんが、例えばああいうふうに、飛行機が突っ込んでくるようなケースが日本国内で想定できるかどうかは別として、何らかの大規模テロが同時多発的に、一方では自衛隊の基地に対して行われている、もう一方では自衛隊基地のすぐ隣の民間施設に対して行われている。

 それに対して、この法律では、自衛隊の基地に対してなされているアタックに対しては反撃できますが、隣の民間施設に対するアタックは、目の前で見ていても、警察官が現場にいなくても、治安出動の発動を求める時間的暇がなくても、自衛隊は動けない。そして、自衛隊の人たちだけは守られて、米軍基地だけは守られて、隣の民間の施設は守られない、こういう結論になりませんか、総理。

○小泉内閣総理大臣
 仮定ですから、どういう形でテロが起こるかというのは、ニューヨークの例を出されましたけれども、自衛隊あるいは防衛庁にテロが起こって、近くの民家に起こった、これの被害の規模にもよりますね。これが継続的に行われるのか、単発で終わるのか、状況を見ないと。そして、このテロが、民家に行われたテロがさらに拡大していくのか、状況を見れば、自衛隊も状況を見て治安出動、活動できるわけですから。

 しかし、仮定ですから、どういうテロが起こるかわからない。一緒に、自衛隊施設と民家が同時に起こるかどうかも、仮定の話ですから、私は、この点については具体的な状況を見ないとわからない点があるんじゃないかと思いますが。

○枝野委員
 今の御答弁は、物すごく国民の立場から見れば問題ですよ。つまり、何が起こるかわからないじゃないか、だけれども、何が起こるかわからないのに備えて法律を整備しておくために今やっているんですから、あらゆるケース、もちろん、人間は全知全能ではありませんから、予想しなかった事態が起こって被害が出てしまうというケースはあります。しかし、ありとあらゆる可能性を想定して、それに対してできるだけの法的あるいは物理的な準備をしておくのが総理大臣の仕事なんじゃないですか。

○小泉内閣総理大臣
 そのとおりで、予想し得る事態に備えて法律をつくっているんですよ。特別な理由がある場合というのは、自衛隊の能力を活用する場合だということを考えているんですから。あるいは、治安出動、特別な配慮が出た場合には、ちゃんと自衛隊も出動できる規定があるんですから。それ以外は、警察で警護活動できる場合は警察がやればいいじゃないかと。

○枝野委員

 一般論として、今の話、私は否定しません。だけれども、今申し上げたとおり、この法律ができ上がったときに、先ほど私が申し上げたようなケースが起こったときには、国民の皆さんは守ってもらえないんですねと。敷地の線の内側の施設は守ってくれるけれども私の家は守ってくれないんですねという制度になっていますよと。

 しかも、警察だって、日本じゅう、日本全国のあらゆるところにいられるわけじゃないですから。それは、自衛隊の基地の中は自衛隊の人たちがいて……(発言する者あり)いや、常にそれを自衛隊が外でやれと言っているわけじゃないですよ。自衛隊の中を守るという法律をつくるのであるならば、その自衛隊の基地を守るのに当たって、例えば、自衛隊の権限を拡大するわけですから法律の規定の仕方は物すごく難しいと思いますが、現に認知ができて、そしていわゆる緊急事態に準ずるようなケースについては、自衛隊の基地だけではなくて自衛隊の基地の周辺も守ってあげますよという規定の仕方にしないと、法律の組み方が物すごく難しいのはわかった上で申し上げます。そうでないと、何だ、自分たちだけ守って隣のおれのうちは守ってくれないんだという国民の皆さんの疑問にこたえられないということです。

○村井国務大臣

 自衛隊の施設が警護出動が行われまして守られている場合に、自衛隊の施設をさておいて、その周辺の例えば民家がやられるというような事態というのはなかなか想定しにくい。自衛隊の施設がやられました場合、大規模テロによりましてやられる、それのあおりといいますか、それを受けまして周辺の民家にまで被害が及ぶというようなことになりましたら、これはそのときに、例えば警察がそれに対応していないというような状況でありましたら、当然自衛隊がある程度対応する。それは、この条文でもきちんと書いてあるわけですよ。

 そういう意味では、その地域の外に、地域の周辺において警護活動を行うことができるということをわざわざ書いてあるわけでありまして、ですから、その周辺まで含んでやっているわけですよ。そういうことをぜひ御理解いただきたい。

○中谷国務大臣
 その基地周辺の民家がどうかというお尋ねですけれども、この法案の条文に書いております。この法案、条文の第九十一条二の四にその区域の指定がありまして、その施設及び区域の外部においても行使することができる。これは、必要限度において、やむを得ない必要があるときという規定がありますけれども、外部においてもできるようになっております。ですから、周辺の民家に被害が及ぶというケースにおいては、自衛隊の被害の拡大防止に対処できるということになっています。

○枝野委員
 念のために言っておきますが、やっちゃだめだということを言っているんじゃないですよ。だけれども、やる以上は法律をちゃんとつくってください。

 この法律に書いてあるのは、「指定された施設又は施設及び区域の警護のため」に周辺に出ていけると書いてあるんですよ。周辺を守るためにじゃないんですよ。そこは法律はきちんとつくっていただかないと、自衛隊にしろ警察にしろ物すごい強力な有形力を持っているわけですから、そこはそんなあいまいな規定であいまいに発動してもらっちゃ困りますよ。ちゃんと書いてくださいよ。周辺の地域についても被害が及ぶのを防ぐためと書かないと。大事な問題ですよ。おかしいんじゃないですか。今の解釈は成り立ちませんよ。修正してください。

○村井国務大臣
 防護対象というのは、これはきちんと指定されるわけでございますね。それにつきまして自衛隊が責任を持つ、その周辺、それ以外のところは警察が責任を持つ、これはもう基本なんであります。

 ただ、今委員が御指摘になられましたような、緊急の事態においてたまたま自衛隊が警護に当たっている、それに関連する周辺で問題が起きますような場合にどうだということでありますから、それはやれるような体系にしてあるということを申し上げているわけで、あくまで警察は指定された以外の部分を守る、そして防衛関連の施設は、それは自衛隊が守るという形でこの警護活動という、警護出動という自衛隊の任務は規定されているという整理であります。

○枝野委員
 通告していないので法制局長官には聞かない方がいいかもしれませんが、おかしいんですよ。つまり、「区域の警護のため」と書いてあるじゃないですか。周辺のところで何か起こったときには対応できますといったって、自分の基地を守るためには周辺ではできるけれども、周辺には出て、もっとひどいじゃないですか。周辺には出ていくけれども、自分の基地を守るための武器の行使はするけれども、お隣にある村役場の警護のためには武器は使わないという法律のつくり方ですよ、自衛隊が。それは変ですよ、明らかに。

○村井国務大臣
 村役場の警護は、これはあくまで警察の仕事なんです。もしそこが警察力を超えるという判断になりましたら、それは治安出動なりなんなりできちんと対応すればいいことなんでありまして、それに至る、そういう治安出動というような状態ではない、しかしながらテロなどの重大な事案が発生しそうで、発生するというような蓋然性があって、それで防衛関連の施設はこれを守らなければならない、それについて自衛隊をして守らしめるという仕組みを、これは、今は自衛隊は自分の施設すら厳密に言えば守ることはできないわけでありますから、そこをきちんと守ることができるということを規定する、そして、あわせて米軍の施設も守ることができることにするというのが今度の趣旨であります。

○枝野委員
 だから、自衛隊の基地を自分で守るということはわかりますと申し上げたじゃないですか。

 では、こういう聞き方をしましょう。通告していないので答えられなければ答えられないでもいいんですが、治安出動というのは、事態が発生してから何分かかったら発動できるんですか。実際に警護出動が発動されている状況というのはいろいろなことが蓋然性がある、だけれども治安出動は発動されていない。現に自衛隊の基地や自衛隊の基地のそばの民家に対して何か攻撃がなされた、さあ治安出動ですと。一分や二分でできるんですか。できませんよね。一時間、二時間は必要なんですよね。これは担当だれなんでしょう。そうですよね、常識的には。

 その間、自衛隊や警察の権限行使には、いざというときに、どんな場合のケースにも備えて、ちゃんと正当に、適法に有形力の行使ができるように備えておくというのが国会と政府の責任だから、そういうときに、最低限、治安出動が発動されるまでの間、あるいは警察がやってくるまでの間、それは自分の基地を守っているための武器があるんだから、お隣の民家も守ってあげましょうという法体系にしておくのは当たり前じゃないですか。

○村井国務大臣
 同じことの繰り返しになって恐縮でありますけれども、要するに、自衛隊をどのように使うか、それから、警察をどのように使うか、実は、警察と自衛隊のデマーケーションと申しますか、どこで境界を引くかという問題は、ある意味では非常に難しい問題の一つでございます。

 現在の日本の法体系というのは、一般の治安を守るということは、これは第一義的に警察の任務であるという割り切りをいたしまして、その上で、特定の理由があるときには治安出動という形で自衛隊の出動を認めるという体系になっているわけであります。

 しかしながら、治安出動につきましては、これは御案内のとおりのさまざまな手続があるということで、緊急の場合にどうであろうかというような議論から、そこで、できるだけ自衛隊を使う方法はないだろうか。そのときに、自衛隊がみずからの基地を守る、施設を守る、そしてあわせて、自衛隊とともに日本の防衛に当たっている米軍の基地、施設等を守るというところまでは、これはより軽易な手続によって、これが警護活動ということになるのでありましょうが、これで自衛隊の機能として警護に当たらせる、そしてそれ以外の部分は警察が全責任を持つということにするというのが今度御提案をしていることの趣旨だということは、委員十分御理解の上で御議論になっているんだと思っておりますが、私は、その原点に返っていただくならば、限定的に自衛隊の機能をここで自衛隊法を改正して付加するというのは、一つの政策判断だろうと思っております。

○枝野委員
 だから、私は、基地の管理権の延長線上で、一定範囲でこういう形のものができ上がってくるということは先ほどから否定していないです。ただし、そこで、やるときに、いざ実際に何か万が一のケースを想定したときに、非常に矛盾をすることが起こってくるんじゃないですか、もう一条か二条つけ加えた方がいいんじゃないですかという趣旨なんですよ。

 同じような意味で、ちょっと時間もなくなってきたので、これも聞いておかなきゃいけないので、七十九条の二、「治安出動下令前に行う情報収集」のところをお尋ねしたいと思うんです。

 これはわかります。治安出動は命令されていないけれども、それが予期されるところで自衛隊が出ていっていろいろ情報収集をしないといけないと。それはよくわかります。よくわかりますが、よくわからないのは、例えば、この規定では、警職法とかなんとかの準用を全然していなくて、情報収集ができますという規定と、九十二条の二で、万が一のときは武器使用をできますという規定しか置いてないんですよね。

 これ、自衛隊、自衛官の人は、情報収集をする、しかも武器使用ができないといけないような情報収集をする、どういうやり方で、どうするんですか、防衛庁長官。

○中谷国務大臣
 今回、情報収集をやる目的は、治安出動において速やかに自衛隊が行動するための情報収集でございます。あくまでも、防衛庁の行動の範囲の一環として、防衛庁の行動を速やかに、迅速に対処できるためにする情報収集でございます。

○枝野委員
 よくわからないんですが、要するに、テロリストとかそういう人たちが変なところで準備していないかどうか、そういう情報を集めるわけですよね。

○中谷国務大臣
 今回行われる情報収集の目的というのは、武装工作員等が我が国に侵入して治安出動が下令されることが予想される緊迫事態、そういう際に、内閣総理大臣が速やかに、適切に治安出動下令に係る判断をされるというのに資する情報を収集するということが目的でございます。

○枝野委員
 現実に、自衛官の人が命令されてどうやって仕事するんですか。つまり、この法律では、情報収集ができるということが書いてあるのと、武器使用ができるとしか書いていないんですよ。

 例えば、おかしな人がいる。おかしな人がいるのに対して質問をするということは、ほかの自衛隊法の規定では、警職法、警察官職務執行法の、質問ができるという規定を準用している部分がありますから、それをあえて準用していないこの出動のときには、質問することはできないんですよね。

 あるいは、テロリスト、武装集団なんかがどこかに隠れている、これはもうちょっと包囲網を狭めてきちっとチェックしなきゃならないというときに、御近所の民間の人たちに、ちょっと危ないのでどいてくださいと言うことは、警職法の四条ですから、これは準用していないからできないんですよね。あるいは、警察官職務執行法の六条にある立ち入り権限なんかもないんですよね。

 こういう規定を全く準用していないで、ただ、要するに何の権限もなしに情報収集しなさい、ただ、最後の最後、危ないときだけ武器を使えますということで本当に機能するんですか。

○中谷国務大臣
 今回は、そういった警察及び司法権に係る項目は盛り込みませんでした。そういう事態に際しましては、警察当局と緊密に連携をしながら情報収集をすることになろうかと思います。

○枝野委員
 警察ではできないから自衛隊が出ていくんじゃないですか。どういうことなんですか。つまり、警察と協力をして、警察がやるケースであるならば、その警察のお手伝いをするという規定を書きゃいいので、これは、警察じゃなくて自衛隊として、治安出動の前提として、治安出動を想定されるようなケースについて、まさに自衛隊だからやらなきゃならないことだからこういう法律を置いたんでしょう。矛盾しますよ。

○中谷国務大臣
 自衛隊が行うのは、捜査とか逮捕とかそういうことではなくて、あくまでも治安出動に係ることを速やかに判断するために行う情報収集でございまして、そういう点におきましては、警察がやっている活動内容と違う目的がございます。そういう点におきまして、この目的は、情報収集を適切に行うという範囲内でございます。

○枝野委員
 その目的の違い、よくわかっています。そして、私も、自衛隊が何でもかんでも出ていきゃいいとも思わないし、逆に言えば、警察がどんどん大きくなってもいいとも思わない。そこのけじめの境目をしっかりさせないといけないと思っていますが、現実に、この七十九条の二の治安出動は、事態が切迫して治安出動の命令が発せられるぎりぎりの状況での情報収集のところですよね。

 例えば、ここは怪しいと。情報収集していたら、この人たちが例えば銃刀法違反で逮捕できると。押さえなきゃいけないと。押さえるのが一番いいわけですからね、テロを防ぐためには、当事者たちを。と、例えば自衛隊の人たちが調査している間に気がついても、一々それを警察に連絡して警察に来てもらわないと逮捕もできないんですよ。この「治安出動下令前に行う情報収集」とは、事態が切迫をしているというようなケースのところで、そういう手続を一々とらなければならないような仕組みで本当にいいんですかと。

 ぎりぎりのところで、大変だという緊迫しているところで、こういう権限を与えているんだから、そこのところでは、例えば身柄を押さえたいと思ったら押さえられるような権限を持たないと、実際には、見つけたけれども事を起こすまで見ていますとか、警察まで連絡して警察に来てもらうまでに、こういうときは何分とか、恐らく何時間とかという単位じゃないでしょう、何分という単位で物事が動くようなケースを想定してつくっているんじゃないんですか。

○中谷国務大臣
 そもそもこの法律の改正は、自衛隊が治安出動をした場合に速やかに行動できるための情報収集を行うためのものであります。

 現状はどうかというと、武器携行規定がないものですから、自分の身すら守られない危険な状態で情報収集活動を行っているものであって、それは余りにも危険だということで、この武器使用を可能にしたということを付加して情報収集を行うということにしたものでございます。

○枝野委員
 時間ですのでかわりますが、私は、何でもかんでも自衛隊にそういう権限を単純に持たせていいとは思っていません。それは、警察の機能と自衛隊の機能ということはあります。

 だけれども、まさに危機管理の話ですから、ぎりぎりのところで、こういう枠組みはつくったけれども、実際に本当に危機的なごちゃごちゃになったところでは超法規的行為をしなきゃならないとか、あるいは身動きがとれないとかということでは困るわけです。きちんと細かく詰めて、なおかつ、例えば自衛隊が警察機能の一部を緊急なときにはやらなきゃならないともしするんだったらば、もうちょっといろいろな枠組み、縛りをかけていかなきゃならない。

 今回の法改正は、いずれにしても中間品である。これからもう一年か二年ぐらいかけてしっかりと完成品にしなきゃならない。そのための努力を、我々もしますけれども、政府としてもきちんとして、この穴があいている中間品、それでもないよりはましだという議論がありますし、それは傾聴に値しますから、そこの部分は我々も判断しますが、しかし、穴があいているということをよく考えて、きちんと穴を埋めるような努力をしていただきたい。そのことを申し上げて、終わらせていただきます。ありがとうございます。

○村井国務大臣
 大変重要な問題を枝野委員ただいま御指摘になられたわけでありますけれども、私、ぜひちょっと、これは議員としての私見をあえて申し上げさせていただきたいと思いますのは、自衛隊がなぜ出てくるのかということなんでありますが、自衛隊というのは警察に比べて火力のレベルが非常に高いというところに大きな特徴があるんだろうと私は思っております。ただ、問題は、その火力のレベルが高いとしても、これを本当に使えるような仕組みがそれに伴ってきちんとできるか。

 例えば、この間のアメリカで起きましたテロの事案を考えてみましても、ペンタゴンに突っ込もうとした飛行機に対しまして、これを撃墜しようという決断をアメリカの場合はしたというような報道もございます。そのような決心をする仕組みというものが、日本の今の法律の体系の中でどんなふうに組めるだろうかというようなこともあわせて検討するのでなければ、私は、自衛隊による警備というような問題はなかなか簡単にはけりがつかない問題ではなかろうかというように感じておるわけでございまして、さような意味で、このたび、防衛関連の施設に限定して自衛隊がこれの警備にかかわることができるという形で自衛隊の機能を強めて、強めたといいますか追加するというのは、私は一つの立法判断だ、そのように考えている次第であります。

 そのことを一言だけ、今の御見解に関連して申し上げさせていただきました。