[弁護士法の一部を改正する法律案(内閣提出第六二号)/ハンセン病訴訟の問題についての質疑]
○枝野委員
官房副長官にお忙しい中おいでいただいておりますので、ちょっと順番が不自然でありますが、ハンセン病訴訟の問題についてお尋ねをいたします。
確認をしておきますが、現時点では、控訴するかしないか結論は出ていないですね。
○上野内閣官房副長官
まだ出ておりません。
○枝野委員
官房副長官は、十五日ですか、原告とお会いになっておりますか。
○上野内閣官房副長官
二十一日と二十二日でございます。
○枝野委員
そのときに、弁護士の同行を拒否されて、介護者、車いすを押す人ということで同行したというふうに伝えられているのですが、事実でしょうか。
○上野内閣官房副長官
ちょっと経過を説明させていただきたいと思いますけれども、実は最初にお会いしたのは二十一日、おとといでございます。
これは、朝から参議院の予算委員会が開かれておりまして、官房副長官は、参議院の場合は私がずっと終日出席することになっております。
夕方の四時ごろだと思いますけれども、官房長官から電話がありまして、原告の方を含めて何人かの方が官邸の前に見えていて、ちょうど飯島秘書官が対応されていたのですけれども、なかなか対応がスムーズでないので、おまえ、予算委員会の最中だけれども、帰ってきて対応しろということでありました。
私が参りまして、少しもめていたのですけれども、お話を伺ってようやく話があれしまして、原告の元患者さんが、とにかく控訴をするとかしないとか決める前に、原告六人にぜひ会うように総理に言ってくれ、こういうお話がありましたので、私が、それではよくわかりましたから、そういう趣旨を、方針を決める前に原告の方六人にお会いするように総理の方にお伝えしましょうということです。
ただ、当日、その翌日は外交日程を含めてずっと一日じゅう詰まっておりましたので、二十一日と二十二日は無理ですよ、しかし、きょう総理に申し上げた結果は夜には会長さんに御報告します、こういうことでありました。
二日目に、また予算委員会の最中に電話がございまして、今度はどうなっているかということでございますので、それでは私がお会いしましょうということで、十二時半からお会いしました。
そのときに、原告の元患者さんのそういう申し出がありましたので、その方たちがお会いするということで、私は直接交渉したわけではありませんけれども、官邸の方で六人の方と、しかし、お体が不自由な方もおりますので、介護の人を何人かよろしいですかということがあったようでございまして、それは結構でございますということで、十二時半から六人の方と三人の介護の方とお会いしました。
冒頭、会長さん、曽我野さんから、我々弁護士もきょう来ているのでというお話を承りましたけれども、私が総理の代理に話を聞くということではなくて、総理にお会いするということを伝えるというお約束がありましたので、そのことでありましたから、患者さんにもそういうことでありましたけれども、きょうは発言はしてはだめだとかそういうことは言わなかったのですけれども、私がした約束ではありませんけれども、来るときの約束を守って、お三方とも発言はされませんでした。
しかし、六人ともいろいろな発言をしまして、とにかく努力をしているから、きょうじゅうに決着すればまた御連絡しますと。きのうは決着しませんでしたので、申しわけないけれどもあしたまでお待ちいただきたいというお電話を差し上げた、それが現状でございます。
○枝野委員
確認したいのですが、今総理に直接お会いいただくための努力をしている、これは間違いないでしょうか。
○上野内閣官房副長官
そういう努力を今しておりまして、実はこれからまた、これが終わりましたら行って、引き続き努力をしたいと思っております。
○枝野委員
これは原告や弁護団からも強い要望があるのですが、当然総理がお会いいただくときには弁護団が同行し、弁護団の発言もお認めいただくということでないと、原告、患者さんの気持ちとかあるいは話し合いとかについてきちんとしたことができないということを危惧する声が上がっております。
これは御理解いただいていると思いますけれども、被告は国でありまして、内閣総理大臣も官房副長官もいずれも国の代理人であります。そういう意味では、専門的知識を持った人間が代表者、代理人的にお会いになるわけでありますから、当然原告側の方も代理人がついてサポートするというのは当たり前だというふうに思いますが、そうしていただけますね。
○上野内閣官房副長官
国の代理人といいますか、国は、こういう場合、国会を含めて法務省でありますから、代理人ということが当たるかどうかわかりませんけれども、そういう弁護士の方々もというお話は総理にお伝えいたしますけれども、しかし基本は、これは本当に苦しい御経験をされた元患者さんたちの気持ちを素直に総理に聞いていただくということが基本でありますので、お伝えはしますけれども、その時間の範囲内で、その六人の方、あるいはもう少しふえられるかどうかわかりませんけれども、実現するとすれば、そのことを中心にやっていかなければいけないのではないかと思っておりますけれども、きょうこういう御質問があったことも総理にお伝えをして、これから対応していきたいと思っています。
○枝野委員
もちろん、当事者の方の気持ちを聞いていただくということが一番大事なわけでありますけれども、では逆に、その気持ちの問題だけで対応していただけるんだったらそれでいいのですけれども、国の方は当然、法律論とか行政の立場とかということで、そこでお返事になるかどうかは別として、いろいろ判断の材料は言えるわけですから、場合によっては、そうしたことについて当事者にかわって説明をしたり、あるいは総理からもし何かおっしゃられたときに受けた話を御本人たちにわかるように伝えたりというような意味で、当然、これは代理人が同行をし、場合によっては発言をするということは当たり前だということでなければセレモニーに終わってしまうと思いますので、御答弁は結構ですので、ぜひそういった趣旨で総理にもお伝えをいただきたいということであります。
では、お忙しいようですから、官房副長官、ありがとうございます。
続いて、この件について法務大臣に一つ確認をさせていただきたいのですが、過日の法務委員会におきまして、十八日でしょうか、私がこの件について法務大臣にお聞きをして、国会の意思は事務総長に聞くのか、だれに聞くのかということを念を押しました。どうも、国会の方の議運で、与党の皆さんの側から、これは、控訴するかどうかということは事務総長に対して問い合わせが来ているので、我々院としては関係ないのだというような趣旨の発言が出ているということであります。ですから、私の議事録をつけて、おかしい、森山法務大臣はそう言っていないということを議運の方に伝えてもらうようにしてあるのですけれども、念を押しますが、事務総長に聞くというのは、事務総長を通じて聞くというふうに御答弁いただいておりますが、それでよろしいのですね。
○森山国務大臣
私はそのように申し上げましたし、そのように御理解いただいてよろしいのではないかと思います。
○枝野委員
であれば、ぜひ法務大臣も、議院内閣制で、参議院議員の、国会議員の一人でありますので、国会議員としての立場と国務大臣としての立場の両方を持っているわけでありますから、それは国会議員の方の立場としてちょっとおかしいぞということは、少なくとも参議院の議運関係者のところにはお伝えをいただく努力をされるのが普通ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○森山国務大臣
この件に関しては、私、発言をさせていただく立場は法務大臣としてということでございますので、もちろん、議員の一人であることは確かでございますけれども、法務大臣といたしまして、それぞれの院の事務総長を通じてお願いしたということでございますので、その後のそれぞれの院におけるお取り扱いについては両院で決めていただくということになるのではないでしょうか。
○枝野委員
先ほどは失礼しました。衆議院であります。私も、選挙区は埼玉ですが、宇都宮が実家で、森山欽司先生の代からよく存じ上げているものですから、最初に参議院に出られた印象が残っていて、失礼しました。
今の御答弁の趣旨はわかるのですけれども、これは私も含めて、被告というか、責任を問われている国会議員、森山大臣も、いわゆるらい予防法が廃止になる前の責任を問われている段階の国会議員でもいらしたわけでありますから、そういう立場としての行動というものも、ここでは国務大臣としての立場での御答弁ですので、御答弁は結構ですが、当然していただけるものというふうに期待をしたい。ちょっと理屈の通らない、事務総長が聞かれているんだから院としては反応しなくていいのだみたいな話はないというふうに思います。
それから、これも答弁は大体想像できるのですが、その後、原告の皆さんの動き、いろいろな動きが出ております。現時点で、法務大臣としてこの控訴問題についてどうお考えになっているのか。
○森山国務大臣
この件は前にも、別の機会に申し上げましたけれども、私も患者の皆さんにお会いしまして、まことに言葉もないほどショックを受けたと言ったらよろしいでしょうか、そういうことで本当に悩んでおります。実際にどのようにしてこの皆さん方の問題を解決したらいいだろうかということ、そして、それと法務省のあずかっております法律上のさまざまな問題ということを考えますと、本当に難しい問題で、みんな悩んでいるというのが本当のところではないかと思うんですが、私もその一人でございます。
関係の、特に厚生労働省の責任者である厚生労働大臣、そして最終的には総理の御判断ということで決めていくことになると思いますが、現在調整中、協議中でございますので、この時点では何とも申し上げられないということでございます。
○枝野委員
私も弁護士の出身ですので、法務省がお考えになっているであろう法律論、控訴すべきであるという法律論は法律の理屈の世界の上で理解できないわけではありません。しかしながら、議院内閣制で法律家あるいは官僚ではない大臣が行政権を担うということの意味はどういうところにあるのかと言えば、それは理屈の世界の建前よりももっと大事なことが政治判断として必要なことがある。本件の場合は明らかにそういうケースである。
例えば、過去にも、今の小泉総理の師匠である福田内閣のときでしょうか、超法規的措置というのをハイジャック事件か何かのときにやったというケースもこの国はあります。人命あるいはそれにつながるような話ということについては、法律の理屈とか行政のいろいろな建前とか以上に、実体的な当事者の権利、命、こういったものを優先していくのは当然だというふうに思います。
私は、法務省のためにも、ここで法務省が頑張って、法律のいろいろな理屈を言って控訴をさせようとしたというような流れになったとしたら、これは法務省にとっても不幸なことだというふうに思いますし、森山大臣も、女性政策を初めとして、いろいろな意味で期待をされて就任をされたばかりのところで、そういったおかしな批判というか、受けなくてもいい批判を受けるようなことになるということは不幸だと思いますので、ぜひ政治家としての判断で行動していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森山国務大臣
枝野先生のおっしゃいましたことも重く心に受けとめながら、慎重に検討してまいります。
○枝野委員
本当にこれは政治判断の問題でありますので、私どもが数日中に森山大臣や総理などの責任追及をしなきゃならないというようなことになることは望むところではありませんが、しかし、もしも政治家としての判断で、これで控訴をするということであれば、当然私たちは、総理、法務大臣を初め、その責任を国会の場で鋭く追及せざるを得なくなるということを申し上げておきたいというふうに思います。
さて、財務省から中野政務官にもおいでいただいているので、これもちょっと順番を変えて先に済ませた方がほかの日程にも御迷惑をかけないかなというふうに思いますので、弁護士法に関連をして、司法制度改革のことについてお尋ねをしたいというふうに思います。
五月二十一日付の毎日新聞に「司法改革 財務省が「異議」 財政負担、理由に」ということで、財務省の方が司法制度改革審議会の進めている制度改革に対して異論をまとめて一部の国会議員に働きかけを始めたというような報道がなされていますが、まさか事実ではございませんよね。
○中野大臣政務官
枝野委員の御質問にお答えをしたいと思います。
司法制度改革に伴いまして必要となる人的資源の拡充につきましては十分配慮すべきものと私ども考えております。財務省といたしまして、さまざまな機会をとらえまして各方面から意見を拝聴する、そういうことはございますけれども、改革に対して異議を唱えるようなことは決してないということを承知しておりますので、御理解願いたいと思います。
○枝野委員
そうすると、この報道は間違いだということになると思いますが、当然、省内でこんな変な動きをしている者がいないかどうかということについての監視はしっかりしていただきたいし、万が一にもこういう動きをしている財務省の官僚がいらっしゃったら、当然責任を追及していただきたいと思いますが、よろしいですね。
○中野大臣政務官
今おっしゃるような意味で、人的資源の拡充の問題については十分理解しております。ただ、国民の税金を預かる財務省といたしまして、改革を進めていく中で見直すべき点があれば、例えば制度とか手続の合理化とか、予算とか定員の面についても、当然これはしっかりと効率的にもやってもらいたい、そういう願いがあることだけはどうか御理解願いたい。しかし、おっしゃったとおり、審議会の意見を尊重するという基本線はきちっと守らせたいと思います。
○枝野委員
これは司法制度改革審議会をつくったときからの話にもつながっていくので、私は、党内からも弁護士会などからもいろいろと批判を一部いただいたのですが最後まで反対をいたしまして、こんなものは立法府の仕事で、行政府の仕事じゃないと申し上げたのですが、それでもそれを押し切っておつくりになったということ。しかも内閣におつくりになった。法務省につくったのではなくて、内閣につくったということは、財政の問題から、経済の問題から、あらゆる問題をトータルに考える審議会として、司法制度改革審議会が内閣に置かれた。それに対して当然内閣としては全体として前向きにとらえて、答申が出てきたらそれを実行していくというのが内閣の負っている責任だというふうに思います。
そうした意味からいえば、今の政務官がおっしゃった財政当局の立場からのいろいろな視点というのはもちろん大事ではありますが、法務省に置かれた審議会から何か出てきたことに対してだったらば、それは財務省の立場からいろいろあるかもしれませんが、あくまでもこれは内閣全体の問題としてこの審議会をつくったという経緯からすれば、今のようなお話は一般論としては認めますが、この審議会の答申に対しては少なくとも、私はいろいろこれから申し上げますが、異論がたくさんあるので、立法府に置かれているんじゃないとか、私はいろいろ反対部分がありますが、内閣としては基本的には前向きに全体として受けとめてやっていくということでないと、税金を使って審議会をつくった意味がありませんので、したがって、その点は理解して財務省としても判断をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中野大臣政務官
委員の御意見については、十分これからも考えてまいりたいと思います。
特に、改革の具体的な内容についてはこれから示されて最終的に決まることを承知しておりますけれども、財務省としてこの改革の推進については十分配慮していくという立場を堅持してこれからも努力したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○枝野委員
今私が申し上げた趣旨は、法務大臣、御理解いただいていると思いますし、この件については、答申に対して、法務省の審議会とか法務省で何かでき上がった案と違って、当然財務省も言うことを聞いてくれるはずですよねという前提で閣内で行動していただけると思いますが、よろしいでしょうか。
○森山国務大臣
おっしゃるとおりでございまして、先ほど御指摘の新聞記事につきましても、昨日閣僚懇談会の席で、塩川財務大臣から、司法制度改革に財務省が消極的であるとの新聞報道は根拠がないということをわざわざ大臣御自身の口から伺いまして、財務省としては司法制度改革審議会の最終報告が出れば積極的に取り組んでいきたいという積極的な御発言がございまして、大変私もありがたく思った次第でございます。
当然、これは内閣に設けられた審議会でありますから、関係各省の意見もそれぞれ尊重しなければいけないでしょうけれども、財務省のことに関するその新聞記事には根拠がないというふうに財務大臣御自身の口から伺いまして、心強く思っているところでございます。
○枝野委員
最高裁にもおいでをいただいていると思うのですが、最高裁とこの司法制度改革審議会との関係は複雑なのですね。先ほど申しましたとおり、立法府の一員としては、これは内閣が勝手に置いたものだというふうに私は受けとめていますので、出てきたものに対していろいろと注文をつけたいと思っていますが、最高裁はこれを尊重する立場なんでしょうかね、どうなんですかね。
○中山最高裁判所長官代理者
お答え申し上げます。
司法制度改革審議会は、現在、御案内のとおり最終意見の内閣への提出を目指して鋭意検討中、審議中ということで承知しておりますけれども、審議会におきましては、国民各層から選ばれた委員が、それぞれ司法制度全般にわたって、ユーザーとしての立場で、二年間調査検討を行ってまいりました。その間、最高裁判所といたしましても、資料等を提供し、あるいは求めに応じて、裁判を運営する立場でいろいろな意見を申し上げてきたところでございます。そういう意味で、その審議に全面的に協力してきたというふうに考えております。
最終意見では、我が国の司法制度全般について幅広い大きな改革の方向性が示されるものと考えておりますけれども、最高裁として、審議会の意見を十分に尊重し、二十一世紀にふさわしい司法の実現に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
○枝野委員
非常に難しいところなんですよ、これは。三権の話からすれば、内閣でやっている話を最高裁として無条件で受け入れる立場ではないとも思うのですが、今のようにいろいろと協力しているしということもあって尊重するということをもし前提にするとすれば、これは立法措置を要するものもあるでしょうが、まさに裁判官の人員とかそういったところについては予算措置の部分もたくさんあります。
今、中野政務官がかなり明確に言っていただいたので大丈夫とは思いますけれども、司法制度審議会の答申に基づいて予算請求をする話が、内閣の方で、財務省などが財政の立場からいろいろ出てきたときに、矛盾をする可能性が可能性としてはあり得るわけです。最高裁としては、当然司法制度改革審議会の答申を尊重して、場合によっては、二重予算というのですか、そういうことも含めて、この審議会の答申で裁判所に期待をされる予算確保ということに向かっていただけると期待をしたいのですが、よろしいでしょうか。
○中山最高裁判所長官代理者
今お話がありましたように、審議会で示された方向性というものを実現していくためには、もとより財政的な側面を含め、関係各方面の御理解と御協力が不可欠であります。裁判所としては、そのために最大限の努力をしている、していきたいということは申し上げたいと思いますが、ただ、その具体化について、現段階でまだ確たることを申し上げるわけにはまいりません。
○枝野委員
中野政務官に最後まで今の話をずっと聞いてきていただいたのは、小泉内閣は、小泉総理である限り内閣をかえないとおっしゃっているので、我々としてはそう言っていいのかどうかわかりませんが、もしかすると長く財務省をお預かりをいただくことになるかもしれない立場なので、ぜひ理解をしていただきたい。
今の話のとおり、裁判所はちょっと違うところにあるわけですけれども、裁判所は別に予算の請求権があります。したがって、法務省との関係では財務省がいろいろとおっしゃって、この予算を減らせとかなんとかとあるかもしれませんが、法務省と違って、裁判所は、三権が分かれていますので、独立して予算を請求する権利もありますし、司法制度改革審議会というのをわざわざ内閣につくって権威のある重たいものとした趣旨からすれば、それに基づいて裁判所が財務省の言うことを聞かないで予算請求してくるというのがむしろ自然なんだということをぜひ理解して、財務省としての判断をしていただきたいということを申し上げて、御答弁は結構でございますので、財務政務官に対する質問は以上ですので、お時間のあれがあれば退席いただいて結構でございます。ありがとうございます。
さて、弁護士法改正の具体的な中身についてお尋ねをさせていただきます。
今度の改正で、弁護士法人を設立した場合、従たる事務所を置くことができるということになっていますが、従たる事務所には社員たる弁護士を常駐させなければならない、こういうふうになっております。その趣旨はどこにあるのでしょうか。
○横内副大臣
私から御答弁を申し上げます。
委員にとりましては釈迦に説法でございますが、現行の弁護士法上は、弁護士さんは、事務所は一つだ、複数の事務所を持つことはできないということになっております。その理由というのは、弁護士が常駐しない事務所を設けますと、いわゆる非弁活動、弁護士でない者が弁護士のやるべき活動をしてしまう違法行為でありますけれども、そういう非弁活動を助長するおそれがあるというような理由から、弁護士が常駐しない事務所は認めないという前提に現行法上は立っているということでございます。
今回の法案では、弁護士法人については従たる事務所を認める、複数の事務所の設置を認めるわけでございますけれども、しかし、今申し上げた法律の趣旨に照らしまして、従たる事務所についても社員弁護士を常駐させるというふうに規定するということにしたものでございます。
○枝野委員
非弁の温床になるという話はわからないではないのでありますが、社員の弁護士であろうと社員でない弁護士であろうと、弁護士法に基づいた法的責任、あるいは弁護士会の規則に基づく弁護士としての倫理規定が全部かぶってきているわけでありまして、非弁の温床にならないようにしようということであるならば、その趣旨からは、社員たる弁護士ということの限定をつけることの理由にはならないと思いますが、いかがでしょうか。
○横内副大臣
委員がおっしゃったような御意見はあると思います。立法の過程でも、かなりその点について日弁連を含めていろいろな議論があったというふうに聞いております。
ただ、基本としては、弁護士法人の従たる事務所においても、法人内部での指揮命令を徹底して法人としてのしっかりした監督が行われる必要があるということから、法人の構成員であって法人業務の運営に責任を持っている社員たる弁護士を常駐させるということにしたものであります。
しかし、委員おっしゃるように、社員たる弁護士でなくたって、いわゆるいそ弁的な使用人弁護士でもいいじゃないかということはあろうと思います。それは、その地域の実情によるわけでございまして、委員も御存じだと思いますが、今回の法律の三十条の十六のただし書きでございますけれども、その地域の状況によって、社員弁護士を置く必要がないんじゃないか、いそ弁的な弁護士でもいいし、あるいは単なる使用人でもいいじゃないかというような場合には、地域の弁護士会の許可を得て社員弁護士の常駐義務を免除するという形にしているということでございます。
○枝野委員
例外措置にもこれから行くんですが、その前に、やはりそこの前のところがよくわからないんです。つまり、どうして社員じゃなきゃいけないのか。つまり、法人としての運営のことについては当然社員たる弁護士が責任を持つということでよくわかります。しかし、非弁の温床になるかならないかということが趣旨であるとすれば、社員たる弁護士であろうと社員でない弁護士であろうと、非弁活動を抑止する、防止するということの法的責任を負っているのは全く一緒なわけでありますから、それは社員たる弁護士に限定する理由とは結びつかないと思いますが、どうですか。
○横内副大臣
確かに、非弁活動を抑制するという観点からはそうなんでありますけれども、一方において、やはり従たる事務所においてもしっかりした弁護士としての活動を行わせる必要があるということでありまして、社員たる弁護士は法人の業務の運営に責任を持っているわけでありますから、そういう法人の業務の運営について責任を持つ立場にある人間が常駐をしているという形にして、従たる事務所での業務の運営を適正にするという観点から、社員たる弁護士を原則としては置く。
しかし、そこまで必要がないというような実情がありましたら、そのときには例外として、許可を得て社員でない弁護士を置いたり、あるいは単なる使用人でもいいという形にする、そういう立て方をしているということでございます。
○枝野委員
では、例外の方から伺いますが、例外を部分的に認めた規定がある。どういう趣旨で例外を認めることにしたんですか。
○横内副大臣
ごく一般的には、やはり全国的に見ますと、地域によっては、常時弁護士さんがいるほど事件数はないけれども、月に何回か弁護士さんが行ってそこでまとめて処理をする、そういうような地域があるだろうというふうに思います。
そういうようなところでも、やはり国民の司法へのアクセスを一層容易にするために適切な法律サービスを提供するということから、弁護士法人の従たる事務所が設置されることが望ましいわけでありますけれども、常時弁護士がいる必要はない、そういうようなところについては、いわゆる使用人でもいいではないかということで、そういう状況では社員弁護士を常駐させる必要がないということで、地域の弁護士会が周辺における弁護士の分布状況その他の事情を考慮して許可したときには常駐義務を解除することにしたということであります。
○枝野委員
よくわからないんですよ、今のお話が。
つまり、地域によっては常時いなくても、まとめて週に何日か行けばいいようなところがある。だけれども、結局非弁活動を防止したいということであるならば、いないときに弁護士事務所の看板を掲げていて、だれかある程度法的知識を持った弁護士でない人間がいたりすれば、法律相談をしたいとかいう方にとっては、我々弁護士から見ればせっぱ詰まっている話じゃなくても、突然裁判所から書類が来たら大変な話だと思って弁護士のところへ飛び込んでくるというケースがほとんどです、一般の方々は。そうすると、たまたまきょうはいませんという話で、ではその弁護士事務所は弁護士がいないから来週来てくださいとかいった話になるのかといえば、もし非弁の温床になり得るんじゃないかということであるならば、そこでいろいろ、ああそうですね、ではこうしましょう、ああしましょうということになる。だから弁護士常駐なんじゃないんですか。
○横内副大臣
おっしゃるとおりだと思います。そういう考え方ですね。
ただしかし、要するに、社員弁護士が原則常駐しなければならない、それから、状況に応じて、そこまでは必要ない、単なる使用人でもいい。しかし、そこの中間に、やはり使用人弁護士でもいいという状況もあると思うんですね。そういうことももちろん認めるという考え方であります。
○枝野委員
いや、ですから、弁護士常駐を原則とした趣旨からすれば、しかもそれを社員弁護士に限った趣旨からすれば、週に一回か二回来ればいいような件数しかないところであっても、そこに使用人だけでいたり、使用人たる弁護士だけでいたりということでは、そのいない日にちに非弁行為が行われる、非弁の温床になるというリスクは一緒じゃないですか。そこはどうして、要するに、事件数の少ないところでは非弁の温床にならずに事件数の多いところでは非弁の温床になるという理屈が出てくるのか。さっぱり理屈が通らないんですが。
○横内副大臣
しかし、地域の状況で、余り事件数がないというようなところに常時社員弁護士を置くというのはやはりむだもあるし、そういうふうな場合には使用人でもいいのではないか。
ただしかし、そこは弁護士会として一定の監督はするわけですから、したがって、非弁行為が行われているようなことであれば、それは弁護士会として一定の監督はするということだと思います。
○枝野委員
弁護士会が非弁行為を監督するのは、例外を認めたケースであろうと例外を認めないケースであろうと、それはどちらでもちゃんと監督するのは一緒なわけですから、理由にならないわけですよ。
それから、確かに、常駐をしていたのでは事件数が少ないから採算が合わないというケースは当然あります。ありますけれども、そういう場合は非弁の温床にならなくて、そうでない場合は非弁の温床になるという理屈にはならないんですよね。あくまでもこれは需給調整の規定じゃないですか。
○横内副大臣
弁護士会とも協議の上で議論をしているわけですから、需給調整的な要素が全くないかといえば、それはそういうこともあろうかと思います。
しかし、基本はやはり、できるだけ従たる事務所が弁護士過疎的な地域でも設置されることが望ましい。しかし、そうはいっても、そこに常時社員弁護士がいなきゃならぬというのは非常に非効率である。そういう場合には、いそ弁的な弁護士あるいは単なる従業員でもいいじゃないか。
それに対しては、今おっしゃったような非弁活動が行われるような状況があれば、それは地域の弁護士会としてしっかり監督をしてもらう、そういう体制が現実的ではないかということでございます。
○保利委員長
法務省から補足説明はありますか。いいですか。
○枝野委員
いや、こちらが指名しなかったら、私が求めない限り答えないという約束に通告のときになっているんですが。
○保利委員長
それでは、枝野君。
○枝野委員
弁護士過疎地域で常時置かなくてもいいところについて例外を出すというところについて、ちゃんと監督をすれば非弁の温床にならないということであるならば、そうでない地域だってちゃんと監督をすることについてきちんとすれば、同じように非弁の温床にはならないはずですよね。だって監督の仕方は一緒なんですから、弁護士会の監督であったり、弁護士法などに基づいて弁護士に対する責任を持たせているということであれば。
だから、その監督の部分について全く違わないのに、過疎地域だけは認める、そうでないところは認めないという話は完全な需給調整じゃないですか。そんなことが今の規制緩和の時代に許されるんですか。
○横内副大臣
やはり程度問題というのがありまして、非常に過密的な地域で、事件数も多い、相談する人間も多いというところでは、やはり非弁活動が行われる確率も非常に高いわけですから、そういうところはやはりしっかりとした社員弁護士を設置してもらわないと困る。しかし、事件数が比較的少ないところでは、もちろん非弁活動が行われる可能性もありますけれども、それはやはり弁護士会の監督によって対応していく。そういう程度に応じた対応をしたいということでございます。
○枝野委員
私も調べてきていないし、通告していないからあれですけれども、本当に弁護士が多いところの方が非弁活動が行われやすいというような立法事実はありますか。むしろ逆ではないでしょうか。弁護士が足りないところほど、弁護士さんに頼りようがない、弁護士がどこにいるかわからないというところで、これは批判ではなくて、やむなく弁護士ではない人が弁護士的な業務を事実上やらざるを得ない。だからこそ今度も、職域の話について少し広げよう、司法書士さんなどにいろいろできるようにしようという発想が出てきたんだと私は思うのですね。だから、都市部にだけやらない、過疎地域だけやるというのは、ここはおれたちの競争に関係がないから、出てこられたっておれたちの商売には影響しないからという、明らかに一種の弁護士エゴの世界だと私は思います。
もう一つ、そういう点からすると、当該地域弁護士会の許可という話は非常にナンセンスですよ。まさに需給調整の話で、つまり、自分の職域が侵されるかどうか、競争相手がふえるかどうかという需給調整の判断を当事者にさせるだなんて、こんなわけのわからない話がありますか。
○横内副大臣
弁護士会が地域のいろいろな実情というのを一番よくわかっているわけでありますから、弁護士会がやはり判断をするというのが一番、具体的にではそれ以外の人間がだれが判断できるかといえば、適当な人間はいないわけであって、その地域の事件の状況だとか弁護士の数だとかあるいは繁忙の状況とか、そういうことはやはり弁護士会が一番わかっていると思うのですね。したがって、弁護士会がそこで適正に判断をしていただくというのが適当だと思うのです。
そこで、判断の合理性の問題があると思いますけれども、我々としては、やはり弁護士会が常識的なといいますか見識のある判断をしていただくように期待をしたいということであります。
○枝野委員
確かにその部分限りで言えばそのとおりなんですね。判断しようがないというのはそのとおりです。だけれども、結果的に、つまり、出てこられて自分の商売がライバルがふえて困るかどうかという判断、当然弁護士だって食べていかなければいけないわけで、そういう判断は入ってきますよ。そういう当事者に判断させなければならない仕組みを組んだということ自体が組み方が間違っている。司法改革の全体の理念が事前チェックから事後チェックへと変えていく発想からすれば、従たる事務所に責任者たる弁護士はきちんと確認しなければいけないと思いますよ。例えばそこが非弁の温床になったときに、もちろん弁護士法人としても責任を負うでしょうけれども、個人としての弁護士にも責任をきちんと問えるように、だれが責任者なのかということは明確にすべきだと思いますが、常駐義務だとか、それから当該弁護士会の許可だとか、こんなわけのわからない仕組みはやめて、基本的には届け出で従たる事務所を認める、これが筋だと思いますが、いかがですか。
○横内副大臣
冒頭でも申し上げましたように、確かにそういう考え方もあろうと思うのです。この立法の過程でもさまざまな議論がありました。議論があったのですけれども、そういう従たる事務所で弁護士がいない事務所も幅広く認めていったときに果たして本当に大丈夫なんだろうかということがありまして、やはりそれは非弁活動みたいなものを助長するおそれがあるという判断でこういう立て方にしているということでございます。
○枝野委員
立法の経緯の事情はもちろんわからないわけではないので、これ以上法務省を責めてもしようがないので、もしかすると日弁連の総会で文句を言った方がいいのかもしれませんが、それはそれでまた別途考えようと思います。
その経緯を考えれば、おっしゃることはわからないではないのです。だけれども、やはり理屈がおかしい。今の話は、弁護士性善説に立っているのか性悪説に立っているのか、この仕組みは全然ごちゃごちゃなわけですよ。やらせておいたらもしかすると非弁の温床になるかもしれないというのは性善説に立っていないわけですけれども、当該地域弁護士会で許可を与えるということについては、当該地域弁護士会を信用しているという話になるわけですね。
理屈が全然通らないということなので、これは今後、こういう中途半端なことはやめて、従たる事務所は責任者だけきちんと置いたら、その責任者がもしおかしなことがあったら、弁護士資格剥奪を含めて、弁護士会の懲戒手続はある程度機能していると私は思いますから、そこできちんとやってもらえばいいということでぜひ進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
さて、弁護士も含めた法曹全体で大変深刻な事件が起きました。東京高裁、正確に言うと、東京高裁判事ではなくて、東京高裁の判事の職務取り扱いなんですかね、東京高等裁判所判事職務代行というのですか、それが児童買春罪、これは森山大臣と私と一緒につくった法律にひっかかったようでありますが、この件について、こういう裁判官が出てきた背景、そういったことについて最高裁はどういうことを考えていますか。
○金築最高裁判所長官代理者
まず、現職の判事が児童買春という犯罪を犯した疑いで逮捕、勾留されたということはまことにゆゆしき事態でございまして、遺憾のきわみというほかないというふうに考えております。このことによって国民の司法に対する信頼を傷つけたということについて、深くおわびをしたいと思います。
その原因ということでございますが、実は、裁判所の方といたしましては、現在、直接確認しております事実は、児童買春の容疑で逮捕、勾留されているということだけでございまして、新聞報道でいろいろな事実が報道されたということはもちろん承知しておりますけれども、具体的詳細な事実を直接こちらで確認する資料をまだ入手できておりません。
これから捜査当局に対しまして、捜査の支障にならないような形で、本人との面接等もお許しいただいて、本人の話など聞き、その他の資料もできるだけ入手して事実関係を承知いたしまして、その上で厳正に処置をとっていきたいというふうに考えております。
原因というふうなことにつきましても、現段階でこうではないかということをちょっと申し上げるだけの材料を持っていないわけでございます。
○枝野委員
これは福岡の例の検察庁の情報漏えい事件のときにも申し上げたのですが、日本では立法も行政も残念ながら国民の信頼を大きく失う事件を繰り返してきた中で、司法だけはという信頼感があったと思うのですが、残念ながら、この福岡の事件、そして今回の児童買春の事件と、その司法に対する信頼を決定的に覆すような事件が続いております。
こうした状況を踏まえて、司法制度改革審議会でも法曹養成の議論をされていますが、この議論がスタートし煮詰まってきている状況と、この二つの事件などが起こっている今の状況とでは司法に対する信頼感が全然変わってきていると思うのですけれども、それを踏まえた上で、法曹養成のあり方についてどう考えるのか、最高裁と法務大臣にお尋ねしたいと思います。
○金築最高裁判所長官代理者
現在、司法制度改革審議会で検討されております新たな法曹養成制度というものは、法科大学院というものを新設いたしまして、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させたプロセスとしての法曹養成制度をつくるものである、こういうふうに承知しております。
法科大学院における具体的な教育内容は今後さらに検討されていくということになると思いますが、法科大学院構想が、これからの司法を担う足腰のしっかりした法曹を養成することができる、養成するに足りる、大学法学教育と司法修習を有機的に結びつける制度として機能するということを私どもとしては期待しているわけでございます。
○森山国務大臣
司法制度改革審議会で審議されております法科大学院の構想というのは、先生も御存じだと思いますが、今までの中間報告等によりますと、法曹に必要な専門的資質、能力の習得のみならず、法曹としての責任感や倫理観の涵養、向上を図るということを教育の理念といたしまして、特に今までと違いますと思いますのは、法学部以外の学部出身者や社会人など多様なバックグラウンドを有する人材を集めて、そこで充実した教育をしようという構想でございます。
今まで、私も詳細には存じませんが、世間一般に思われております判事あるいは司法、法曹関係者の養成過程というのが、法律の専門家として、非常に難しい司法試験に合格し、その後修習生として法律の勉強をひたすらして、後は仕事も法律のことだけという感じで、割合に幅が狭いといいましょうか、限られた分野の専門家として仕事をしているというイメージでございますが、裁判その他の法律の仕事自体も今非常に多様化し、幅が広くなっておりまして、そのような養成では十分賄い切れない。むしろ、その弊害を除いて、幅の広い、人柄あるいは教養、見識というものが求められるということになった反省に基づく構想だろうと思います。
新しい構想に基づいて、こちらの立案のとおりの趣旨が実現できるとすれば、議員が御心配なさっているような問題を避けるということができるのではないかというふうに思います。
○枝野委員
間もなく時間なので御答弁はいいのですが、その趣旨、意図するところはわからないではないですけれども、裁判官だけはという信頼が失われてきている話の中で、そこに問題があるとすれば、やはり純粋培養だというところにあるんだろうというふうに思います。
今言われている法科大学院の構想で前に進んでいくとすれば、これは日本の大学、大学院教育全体が大きく時代の変化とともに変わっていけばいいんですけれども、つまり高校を出たら大学に行くとか、大学を出たら大学院に行くとかというシステムではなくて、むしろ社会人をある程度経験してから大学とかへ行くものだというのが当たり前になれば、そこで純粋培養ではない期間というか、そういうものができてきていいと思うんですが、それは目指していく方向としてあると思いますが、これから五年、十年で日本がそうなるとはとても思えない。よほど入試制度から何から抜本的に全部変えないとそうはならないでしょう。
そうすると、法科大学院構想的な話でいくと、それは高校から大学へ行き、大学の学部が別々だったとしても、ほかの学部だったとしても、それにしたって、要するに純粋培養ですね、学生というのは。それで法科大学院、そして司法の世界に入ってきてしまうという問題が出てくると思うわけです。
今の司法試験の制度が本当にすべて百点満点とは思いませんけれども、でも、いろいろな人が入ってくるわけです、少数ですけれども。そして、私は反対しましたけれども、私の時代で二年間、今短くなって一年半、いろいろな人と接する機会が少なくともあるわけです。私も、どちらかといえば、司法試験に受かるまでほかの職業についたりした経験がなかったから、よくも悪くも純粋培養的なのかもしれませんが、司法研修所に入ったときに、例えばバーテンの仕事を何年かやっていたんだとか、板前を何年かやっていたんだなんという同級生がいたり、あるいは、子育てが終わったので司法試験を受けたんだという人がいたり、そういうような人と接して、その人たちに、ある意味では時間的余裕のある司法修習の期間でかなりの経験をさせてもらって勉強させてもらったという経験があります。純粋培養のシステムだと、そういう違った血が入ってこないという仕組みになってきてしまう。最近の判事さんの不祥事を考えたときには、むしろそれを助長することになりかねない。ここを相当気をつけないと。
一つの方法は、いわゆる法曹一元で、いきなり裁判官とか検察官とかというこれまた閉ざされた世界に入るのではなくて、弁護士だって不祥事を起こす弁護士はたくさんいますが、そうはいっても、いろいろな人と接する、それは暴力団の人から会社の社長さんから、倒産して身ぐるみない人から、いろいろな人と会うというところでは社会をある程度見ることができるし、その中で信頼感の厚い人が判事になっていくというシステムを同時に入れるんだったらまだ、私は百歩譲ってあり得るかなと思いますが、これを切り離すようなことがあったりして法科大学院を入れたら逆行だというふうに思いますし、もし法曹一元がすぐにいかないということであるならば法科大学院構想は見直すべきだということを申し上げて、私の質問は終わります。
ありがとうございます。
<他の議員の発言部分省略>